ドアのDIYは早めに行わないと劣化などでできなくなってしまう場合が多い。
痛みが少ないうちなら作業は簡単なので、イメージチェンジや不具合解消をしたいなら、積極的に挑戦すべきだ。
そこで自分でできるリメイクや部品交換などあらゆるドアのDIYテクニックを、建築のプロである一級建築士がご紹介する。
手軽に色を塗ったり鍵を交換したりなどを、DIYに不慣れな方でも行えるよう詳しく解説しているので、ぜひ最後まで目を通して頂きたい。
この記事読むことで理解できること
ドアのDIYはすぐに行おう
ドアは古くなったり痛みが進んでしまったりすると、DIYでのリメイクや部品交換ができなくなる可能性がある。
表面の素材が浮いてくれば塗装したりリメイクシートを貼ったりといった模様替えが難しくなるし、ドアノブや鍵が完全に壊れて他の部分も痛めてしまえば、DIYではなく専門業者へ頼んでの修理になってしまう。
そしてドア全体が痛みきってしまえばDIYでは手に負えない緊急事態となり、ドア自体を交換する羽目になりかねない。
ドアをDIYすることはリフレッシュさせるだけでなく長持ちさせることにも繋がる。
ぜひ早めに取り掛かってドアをDIYできれいにしてあげて欲しい。
ドアをおしゃれにリメイクするテクニック
まずは手軽にドアをおしゃれにリメイクできるDIYテクニックをご紹介しよう。
どれも近くのお店やネットショップで手に入るものを使ってできるようになっている。
ドアを交換するよりはるかにお得な価格でリメイクできるのでぜひトライをしてみよう。
簡単なセリアなどのリメイクシート
室内ドアや玄関ドアの表面に簡単に貼れるリメイクシートはDIY初心者に大変お勧めで、カッターと定規だけで気軽にドアをイメージチェンジできる。
セリアなどの100均でも様々な柄が用意されており、木目はもちろんスタイリッシュなデザインまで好みに合わせてリーズナブルに選ぶことができるだろう。
貼り方は簡単で、ドアサイズに合わせてカットし、ドアノブの根元の形にくり抜いて貼るだけだ。
貼る前に中性洗剤を溶かした水で絞った布で表面をしかり拭いておくと、剥がれにくくなるのでぜひ一手間かけておこう。
長持ちするダイノックシート
長持ちするシートを考えているなら少し高価にはなるがダイノックシートがお勧めだ。
リメイクシートより厚みがあり感触もしっかりしていて、プロがリメイクで使うこともある信頼のおける製品だ。
プロ用と言っても貼るのは非常に簡単で、縦横とドアノブ部分をカットした上で表面をしっかり拭いてから貼るだけだ。
せっかくだからきれいに貼りたいという方は、スキージーというヘラで表面を押しながら貼ると気泡やシワを防ぐことができる。
ワンランク上の質感を求めるならぜひ試してみて欲しい。
ドアノブをおしゃれに塗装
ここからは少し使う道具や手間が増えるが、他にはない個性的なリメイクが楽しめるものをご紹介しよう。
まず傷や剥げが出てきたドアノブを塗装するテクニックで、痛み解消だけでなく雰囲気のリフレッシュにもなる。
手順
①ドアノブはネジを外して作業を行うのがお勧めだが、ネジが見えないタイプや自信のない方はマスキングテープとマスカーという養生シートを念入りに周囲に貼って行う。
②ドアノブには手脂や汚れがたくさん付いていて、そのままだとせっかく塗った塗料が剥がれてしまうため脱脂クリーナーできれいにする。
③金属への塗装は剥がれやすいため、塗料を塗る前にプライマーという付きを良くする下処理剤を吹き付ける。
この②と③をしっかり行わないと塗装してもすぐに剥がれてしまうので注意して欲しい。
④最後に好みの色を塗る。
必ず金属対応の塗料を選ぼう。
流木でドアノブを作る
凝った内装のお店で見かける、流木を使ったドアノブに自宅の室内ドアを替えることもできる。
手順
①まず今付いているドアノブと側面のラッチ(ロックをするための突起)をドライバーで外し、ドアノブの穴をリメイクシートなどで塞ぐ。
②流木は予め固定金具が付けられたものが売っているのでそれを取り付けよう。
ドアにネジ穴を開けるので、後ほど補修で埋められるが賃貸では避けておこう。
③そのままでは扉が動いてしまうので、上にクローザーという自動で閉めてくれる部品を取り付けて完了。
ドアに窓をつける
室内ドアに窓を付ける明るくなり、雰囲気も味気ない板一面からがおしゃれに変わってくれる。
難しそうに見えるが額縁を使うことで簡単にリメイクできる。
手順
①好みの大きさの額縁を2セット用意する。
枠が軽量の木製で、ガラス板ではなくアクリル板がはまっている物を選ぶ。
固定に簡単な接着剤を使うので重いガラスだと落下の恐れがあるためだ。
②額縁の内側を測りそのサイズでドア面をくり抜く。
中が空洞のドアなら表の板は数ミリなのでカッターで十分に切ることが出来る。
中に支えの薄い板が菓子箱の仕切りのように入っていることもあるが、そちらも丁寧にカットする。
③額縁が無塗装の白木なら好みの色を塗る。
木工用塗料を使っても良いが、あまり触る部分ではないのでアクリル絵の具でも十分だ。
③アクリル板を挟みながら接着剤で額縁をドア両面に付けて完了。
アクリル板に接着剤が少しでも付いてしまうと跡になって取れないので注意しよう。
アクリル板をかすみに替えて丸見えを防いだり、シールを貼ってデコレートしたりとひと工夫するのも楽しい。
ドアをDIYで塗装する
ドアのリメイクにもなり表面の劣化も抑えてくれるのが塗装だ。
シートのように剥がれる恐れもなく、しっかり塗れば当面の間は手を加える必要がない。
ただしドアの素材によって塗装方法が変わるので、まずはそこから確認をしよう。
室内ドアの場合
室内ドアは大きく2つの素材に分かれる。
①1枚の厚い木の板を使った無垢や、薄い木の板を表面に貼った突板の「木製」
②木目などの色柄を印刷した樹脂や、樹脂加工した紙を表面に貼った「化粧シート」
この素材を確認した上で以下の記事を参考に塗装を行おう。
こちらで解説しているのは靴箱リフォームだが、素材は室内ドアと同じなので参照してみて欲しい。
・自分でできる玄関まわりリフォーム!優良業者の見分け方や費用も公開
「2-2:靴箱のリフレッシュ」
https://shufukulabo.com/reform-around-the-entrance#i-4
玄関ドアの場合
玄関ドアは大きく分けると以下の材質がある。
①木製
②アルミやスチール製
③アルミ本体を木目などの樹脂シートで覆ったラミネートドア
木製ドアに関しては表面の塗装をサンドペーパーでしっかり削り、前項でご紹介した記事の「2-4:玄関ドアの塗装は材質次第(https://shufukulabo.com/reform-around-the-entrance#i-6)」で解説している方法で塗装できる。
ただし古い塗装が厚かったり硬かったりすると削るのに非常に時間と労力がかかるので、専門業者に一度見積もってもらってから検討しても良いだろう。
一方でアルミやスチール製、ラミネートドアに関しては残念ながらDIYで塗装をするのは難しい。
塗装がすぐに剥がれる恐れがあり、しかも木調などの色柄を塗りで再現するのはプロでも難しい。
リメイクシートで飾ってあげるか、痛みが激しいなら交換も視野に専門業者へ相談した方が現実的だろう。
マンション玄関ドアの注意点
マンションの玄関ドアは規約で外側は共用と定められている物件がほとんどで、部屋の所有者であっても許可なく塗装などをすることは禁じられている。
もし行うなら内側のみにし、さらに塗装のなど簡単に元に戻せないDIYを行う場合は、念のため管理組合に確かめてから行うようにしよう。
2×4材を使ったドアの作り方
DIYでドアを作ることも可能で、レベルは高くなるが出来た時の達成感や愛着は代えがたいものがある。
日曜大工の経験があるなら極端に難しくはないので挑戦してみる価値はあるだろう。
用意するもの
・ツーバイフォー材
ドアの骨組みとなる。
・ツーバイシックス材
ドアノブを付ける下地になる。
・合板
ドアの面材になる。
・ドアノブ・ラッチセット
・蝶番
今のものと交換したい場合は用意。
蝶番1枚の幅がツーバイフォー材の厚み38mm以内であることと、ドアの開き方向を確かめて購入すること。
・コーススレッド
ツーバイフォー材を組む時に使う木工用釘で普通の釘に比べ留める力が強い。
・隠し釘
・インパクトドライバー
金槌でも代用できるが失敗が少なく労力も少ないので、今後もDIYをするなら購入をお勧めする。
・ドリルビット
ドアノブやラッチを入れる穴を空けるため、インパクトドライバーに付けて使う。
ラッチのボディ経以上のサイズを選ぶ。
・ノミ
・クランプ
・曲尺(かねじゃく)
・金槌
・メジャー
・木工用ボンド
・サンドペーパー
・鉛筆
・塗料
・刷毛
材料の手配
まずは現在のドアの寸法を細かく測る。
ドア本体はもちろん、蝶番の位置やサイズ、ドアラッチの穴や受けの位置、サイズも忘れずに。
そのメモを持ってホームセンターへ行くが、出来る限りカットまでやってもらおう。
簡単に出来ると思うかもしれないが木材を直角に切るのは一般の方にはかなり難しく、組んだ時にドアの歪みが出てしまうためだ。
近くにカットしてくれるホームセンターが無ければ、ネットでもカットまで行ってくれるショップがあるので、測った寸法を伝えた上で相談に乗ってもらおう。
木が反ってしまうのを防ぐ
木は乾燥で反ることがあるため、購入時にはしっかり確認し反りが少ない材料を選ぶことが大切だ。
また購入してから反ってしまう材料もあるが、これは平らな机の上などに前述のクランプでしばらく固定して直すことができる。
反って凹んでいる面に刷毛や霧吹きで濡らしてから行うとより効果があり、またなるべく長期間固定してあげるのもポイントになる。
作業手順
①ドア本体組立
まず以下の図を参考に骨組みを組み立てる。
適時クランプを使い、コーススレッドは割れ防止のため細いドリルで下穴を空けてから打ち込んでいく。
骨組みにボンドを塗り面材の合板を乗せ、ツーバイフォー材を狙い10センチ間隔で隠し釘を、プラスチック部分が少し潰れるくらいまで打つ。
隠し釘は後で横から叩いてプラスチックの下辺りで折るので、完全には打ち込む必要はない。
できれば半日以上ボンドを乾燥させ隠し釘の頭を横から叩いて飛ばす。
②塗装
面材がしっかり固定されたら室内用の水性塗料で塗装する。
ローラーは慣れないと気泡ができやすいので、刷毛の方が時間は多少かかるがきれいに仕上がるためお勧めだ。
③ドアノブ取り付け
ドアノブの高さを決めバックセット(ドア側面からドアノブの中心までの寸法)位置に印をつけ、ドリルピットで穴を開ける。
同じ高さでドア側面の厚み中心にラッチ用の穴を開け、ラッチ穴のプレートをはめる部分をノミで削る。
商品の説明書に従ってノブとラッチ、プレートを取り付け、ドア枠のストライクと呼ばれるラッチ受け金具も交換する。
ストライクのはまりがきつい場合はノミで削る。
④蝶番取り付け
蝶番はそのまま流用すると手間が少なく済むが、古いものはネジ数が少なく調整が効かないタイプなら、ネジ数が多く前後左右に調整できる蝶番に取り替えよう。
古い蝶番だと設置後にドアがピタッと閉まるよう調整するのが困難だからだ。
この場合は前述のラッチ穴プレートの要領で蝶番の厚み分ドア側をノミで削る。
ドアを開け閉めしながら蝶番のネジで調整し、どうしても隙間ができる場合は枠側に戸当りテープを貼って塞いでいく。
開け閉めに問題が無ければ完成。
ドアの部品をDIY交換しよう
ドアの各部品を交換することもDIYで可能だ。
しっかりとサイズや種類を慎重に確認する必要があるが、適正なものが手に入れば問題なく交換できる。
具体的な交換方法は商品ごとの説明書を参照してもらい、ここでは入手や取り付けに当たっての注意点を解説したい。
ドアノブの交換
ドアノブは室内、玄関共にシンプルな握り玉や、レバー形状のものであれば交換が可能だ。
詳しくは以下の記事を参考にして頂きたいが、各場所の寸法を正確に測ることが大切になるので丁寧に行うようにして欲しい。
「ドアが閉まらない時の直し方!すぐにできる簡単修理法を徹底解説」
・ドアノブ交換は可能?
https://shufukulabo.com/the-door-does-not-close#i-6
ただし最近の玄関に多い、プッシュプル型は構造が複雑で専門的な知識や工具が必要なためDIY交換は難しく、不慣れな取り付けで壊してしまえば数万円もの部品代が無駄になってしまう。
この型のドアノブ交換は専門業者へ任せることをお勧めする。
玄関ドアの鍵交換
玄関ドアの鍵の交換は形状によって対応が異なる。
まず取手に内蔵された鍵ならドアノブごとの交換になり、握り玉やレバーハンドルならDIYで可能だ。
作業は特に難しくないのでサイズをしっかりと測り交換可能なドアノブを購入しよう。
また鍵が独立して付いているタイプも交換可能で、1ロックはもちろん2ロックも鍵だけで販売されている。
まずドア側面のロック穴の金属プレート=フロントプレートに刻印されているメーカー名と品番を確かめ、ショップに伝えて交換可能な鍵(シリンダー)があるかを問い合わせる。
ただ同じ品番の鍵でもドアによって若干の違いがあるので、ドアの室内面か側面の上の方にシールで貼られているドア品番も一緒に伝えよう。
ただこちらもプッシュプル型ドアノブに内蔵された鍵は、ドアノブごとの交換が必要なためDIYでは難しく、専門業者への依頼となる。
ドアに後付鍵を付ける
後付の鍵は防犯意識の高まりから多くの商品が販売されている。
室内ドア用の内締め錠ならドアを傷つけないタイプもあり賃貸でも取り付け可能だ。
玄関ドア用も補助的ではあるがドアに傷を付けないものが人気で、賃貸はもちろん持ち家でも鍵数に不安がある方にはお勧めだ。
また現在人気があるのはスマホが鍵の代わりになるスマートロックだ。
メリットは便利さだけでなく一定時間が経つと自動でロックがかかる点で、空き巣侵入の主な原因の一つである締め忘れを防いでくれる。
こちらもドアに穴を開けたりする必要がないため賃貸でも非常に有効策だろう。
ドアクローザーの交換
ドア上に付いている棒の付いた箱がクローザーで、ドアがゆっくり閉まる役割を持つ。
急に閉まったり開けたところで止まらなくなったりして、調整しても直らないなら交換の時期だ。
使う人の安全のためにも以下の記事を参考に早めに交換をしよう。
「ドアクローザーが止まらない!調整と取り付け方法を全て教えます」
https://shufukulabo.com/door-closer-does-not-stop
蝶番の交換
ドア本体と枠を繋いでいるプレート金具が蝶番であり、長年使ってくるとドアの重みや開け締めの力で変形しドアがきちんと締まらなくなる。
そのまま使い続けているとドア枠や床を傷付ける恐れがあるため、こちらも調整して直らないようなら、以下の記事を御覧頂いて交換して欲しい。
【ドア蝶番の修理は早めに!】DIYで出来る交換・調整方法を解説
https://shufukulabo.com/exchange-possible-with-diy
ドアガラスの交換
ドアの破損で最も危険なのがガラスであり大至急交換が必要だ。
アルミやスチール製玄関ドアのDIY交換は難しいが、木製玄関ドアや室内ドアならガラスが入手できれば交換可能だ。
詳細は以下の記事を参考にして頂き大至急交換をしよう。
「ドアのガラス交換方法を教えます!修理の値段やDIY法も徹底解説」
https://shufukulabo.com/door-glass-replacement
ドア本体を自分で交換する
ドアの交換に関しては室内か玄関かで対処が変わってくるため、それぞれについて解説をする。
室内ドアは現行品なら可能
室内ドアで枠は活かし扉だけの交換なら、同じものが販売されていれば難しくない。
メーカーと品番を確認して探すことになるが、同じようなドアでも製造時期やサイズで微妙な違いがあるので、建具専門ショップに相談しながら購入した方が、間違いがない。
取り付けは蝶番の軸を差し込むだけなので一般の方でも簡単に行うことができる。
一方枠も交換するのは中の柱の反りに合わせ調整して取り付けるため、経験と技術が必要となり専門業者でないと難しい。
現在の扉と同じものが手に入らない場合も枠ごと交換になるため、これらのケースはプロに相談するようにしよう。
玄関ドアのDIY交換は困難
玄関ドアはネットで扉だけが売られており同じ大きさであれば交換できるように思える。
しかし商品が変わると蝶番の位置やサイズ、枠とのかみ合わせが違ってしまい、現実には扉だけの交換は不可能だ。
また同じものが手に入っても扉は相当な重量があり、大人2人以上でないと作業はできない。
しかも経験がないと取り付けで蝶番やビスを痛める可能性も高く、さらに設置後の調整も知識がないと隙間のある玄関ドアになってしまう。
しっかりと失敗なく交換するためには専門業者へ任せた方が良いだろう。
専門業者へ任せるべきドア工事
これまでの解説で触れてきた専門業者へ任せるべきケース以外にも、一般の方には難しいドア工事がある。
費用を抑えることは確かに大切だが、それを優先するあまり失敗をすれば余計な出費を招く恐れもある。
以下のようなケースは冷静に判断し、極力専門業者へ任せるようにして欲しい。
きれいに仕上げたい
玄関やリビングドアなど人目に付くためなるべくきれいに仕上げたい、という方は専門業者へ任せるべきだろう。
経験のある工事なら良いが不慣れな場合は失敗する確率は高く、万一の場合は人に見せられない状態になってしまう。
特に塗装などは経験が大きく物を言うため、勉強の意味でも専門業者に頼んでも良いだろう。
また失敗してから専門業者に頼むと、その部分を取り除く費用がかかることも考えるべきだ。
DIYに手を付ける前には必ず仕上がりが悪くなっても我慢できる場所か考え、きれいに仕上げたいなら初めから専門業者へ任せた方が安く済むことも知っておいて欲しい。
賃貸の玄関やトイレドアの場合
賃貸のアパートやマンションは原状回復の責任があるためドアの工事は行えないが、使用頻度の高い玄関やトイレドアなどは破損することが多く、DIYで何とかできないか考える方も多いだろう。
しかし貸主側は完全にきれに直したいと考えており、目立たないように直せればいいというDIYレベルの修理では全く意味がない。
そこでもし高額な貸主側での補修や交換を避けたいなら、専門業者へ自分で依頼するという方法もある。
借りる側で修理手配することを禁じている物件もあるので自己責任にはなるが、この後ご紹介する補修屋のように傷や汚れをきれいに消してしまうプロへ任せる方が確実だろう。
傷直しや塗装なら補修屋へ
もしドアの傷を完全に消したりきれいな塗装をしたりするのであれば、補修屋という専門業者がお勧めだ。
補修屋とは住まいの様々な場所にできた傷や汚れを、跡形もなく消してしまうリペアのプロである。
ドアに限らず床や壁など様々な場所の傷やシミ消し、塗装が可能で、しかもピンポイントで作業を行うため非常に手頃な価格で依頼できるメリットも持つ。
以下に補修屋の高い技術がわかる動画とその費用相場をご紹介するので、ぜひご覧頂き依頼を検討してみて欲しい。
・補修屋の技術費用相場
補修内容 | 技術費用相場 |
浅い傷補修 | 15,000円〜 |
深い傷や凹み | 30,000円〜 |
鍵の交換(シリンダー部のみ) | 30,000円〜 |
部分塗装 | 20,000円〜 |
全塗装 | 50,000円〜 |
※材料の新規取り寄せ費や出張費が必要な場合は別途となる。
玄関ドアの工事は専門業者へ
玄関ドアや枠も含めた室内ドアの交換をするならリフォームの専門業者へ依頼をしよう。
特に玄関ドア工事は専門業者でないと技術的に難しく、現在の枠に被せて新たなドアを設置するカバー工法であれば、価格を抑えながら一日で交換できる。
詳しくは以下の記事を参照しながら費用相場を参考にして、ぜひプロへ任せるようにして欲しい。
「玄関ドア交換の価格を全て公開!費用を抑える取り替え方法を徹底解説」
https://shufukulabo.com/entrance-door-replacement-price
専門業者の技術費用相場
補修内容 | 技術費用相場 |
ガラス交換 | 20,000円〜 |
室内ドア交換(ドアのみ) | 70,000円〜 |
室内ドア交換(ドア枠含む) | 120,000円〜 |
玄関ドア交換(カバー工法) | 200,000円〜 |
※廃材処分費を含む。下地の補修費や出張費が必要な場合は別途となる。
信頼できる業者の見分け方
補修屋やリフォーム業者は調べると数多く見つかるため依頼先を選ぶのが難しい。
しかも粗悪な業者に捕まりいい加減な工事をされたり、代金を支払ったら音信不通になったりとトラブルが後を絶たない。
そこで信頼できる専門業者を見つけるためのチェックポイントご紹介しよう。
工程をしっかり説明するか
工程とはどういった作業をどの順番で行うことかのことであり、これを事前に説明を受けることは業者の手抜き防止に役立つ。
逆に工程を説明しない業者は、隙があればやるべき作業を省いて儲けを増やそうとしている可能性があると言える。
特に「様子を見ながら進める」や「臨機応変に対応する」と工程をあやふやにするのは手抜き業者のサインだ。
見積もりを受け取る時は金額だけでなく、工程をしっかり説明するかを確かめるようにして欲しい。
アフターサービスがしっかりしている
工事が終わった後に乾燥などで材料が動いたり色が変わったりすることがあるが、そういった気になることが起きたらしっかり対応してくれることはとても重要だ。
しかし「工事後のことは儲けにならない」と、いい加減な対応をする業者もいるため注意が必要になる。
そのため飛び込みやチラシが入っていただけのような素性のわからない業者は避け、名の知れた会社や信頼出来るところからの紹介など、工事後も連絡が確実に取れる相手を選ぶと安心だ。
今回のドア工事だけでなく末永く付き合えるような業者に任せるようにして欲しい。
実績や利用者の声が確認できる
どの業者のサイトや広告を見ても「豊富な実績」「高い技術」と宣伝しているが、実際は腕に大きな差があるのが現実だ。
そこで確実に腕が立つ業者を選ぶには、その仕事ぶりを目で見て確かめたり、実際に依頼した人の感想を聞いたりできると非常に参考になる。
例えば自社サイトを持ちそこで過去の工事の事例や、頼んだ人の声が姿が見える形で聞くことができれば、安心して任せられるかの一つの判断基準になる。
くれぐれも文字だけの情報に惑わされないよう気を付けて欲しい。
火災保険で格安にドアを直す
ドアの修理や交換を格安で行うなら加入している火災保険を確かめてみよう。
火事でもないのに火災保険が使えるのか?と思うかも知れないが、現代の保険は台風など自然災害や盗難など、様々な住宅被害を補償する総合保険になっている。
もしドアにある傷や汚れが、うっかり物をぶつけたり子供がおもちゃを投げつけたりして出来たものなら「不測かつ突発的な事故による汚損・破損」で、台風で起きた雨漏りで出来たシミなら「天災」で、その被害が補償される可能性がある。
ただし発生した日時や原因がはっきりしており、その場所の機能に支障が出ていると補償されやすいなど、適用にはいくつか条件がある。
まずは保険に加入した時の書類を確認し、不明な場合は保険での工事実績の豊富な専門業者に相談をしてみるようにして欲しい。
まとめ
ドアはリメイクや部品交換などDIYでできる工事は非常に多い。
費用も抑えられるし、何より自分の好みにできるので成功した時の嬉しさは格別だ。
しかし中には難しかったり賃貸のようにリスクがあったりするケースもあるので、特に不慣れな方は初めから専門業者へ任せた方が安心だ。
しっかりした業者ならきれいな仕上がりで金額以上の満足感もあり、しかも火災保険が利用できるなら費用も抑えられるので、プロに任せない理由はない。
ぜひ腕の立つ業者に工事をしてもらい、素敵なドアにリフレッシュさせてあげよう。
株式会社アーキバンク代表取締役/一級建築士
一級建築士としての経験を活かした収益物件開発、不動産投資家向けのコンサルティング事業、及びWEBサイトを複数運営。建築・不動産業界に新たな価値を提供する活動を行う。