マンションの壁紙に穴・剥がれが!修理法と費用を徹底解説

マンションの壁紙に穴・剥がれが!修理法と費用を徹底解説

RC(鉄筋コンクリート)造りのマンションの壁というと壁紙の向こうはコンクリートというイメージがある。この様な壁であれば、壁紙の剥がれは生じても穴が開くのにはよっぽどのことか、故意に穴を開けたに違いない。

実は、マンションの壁は外壁・専有部分の境界壁・間仕切り壁の3通りに分類することができる。

壁紙の剥がれは、どのタイプでも可能性があるが、壁に穴が開くトラブルが生じるのは主に間仕切り壁だ。本稿では壁の穴と壁紙剥がれの修理法や修理費用を徹底解説する。

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前提として壁の構造と壁紙の特徴を知ろう

前提として壁の構造と壁紙の特徴を知ろう

相手を知らなければ適切な対処法を選択することができない。

そこで、壁の穴や壁紙の剥がれ等のダメージを回復させる方法を習得するのは壁の代表的な造りに関する知識が前提となる。ここでは壁の構造の概要を解説する。

壁の構造の模式図を以下に示す。ただ、この模式図において鉄筋等の部材の省略や構造の簡略化があることをご容赦頂きたい。

図1.マンションの外壁の模式図

図1.マンションの外壁の模式図

タイル張りのマンションの外壁の事例を図1.に示す。上部が断面で下部が3D的な構図を示す。室内から外壁へ視点を移動すると壁紙→石膏ボード→吹付断熱材→コンクリート壁→タイルの順に構成されている。また、石膏ボードと吹付断熱材はGLボンドで固定される。

また、これから、外壁に接している室内の壁は、壁紙が石膏ボードに貼られた状態であり、石膏ボードとコンクリート壁(吹付断熱材を含む)は、点で支えられた中空構造となっていることが解る。

石膏ボードとは、断熱性・耐熱性・遮音性に優れ、安価な建築材料で壁や天井の構成材料として広く利用されている。石膏には、結晶水が多く含まれており、火災の際に、吸熱反応が生じ耐火性を向上させている。

図2.マンションの専有部分を隔てる戸境壁の模式図

図2.マンションの専有部分を隔てる戸境壁の模式図

マンションの各専有部分を区分する戸境壁の模式図を図2.に示す。この模式図に示す様に壁紙は戸境壁に直に接している。これは、コンクリート壁と壁紙の間に空間があると、太鼓の様な構造となり音が響くので、この弊害を防止するために直接貼り付けている。

この様な構造だと壁紙は直接コンクリート壁に貼られているので、壁紙の剥がれは生じても通常の生活をしている中では穴が開くことは考えられない。

図3.間仕切り壁の模式図

図3.間仕切り壁の模式図

マンションの専有部分の各部屋を区切る間仕切り壁は、図3.の模式図に示す様に石膏ボードに貼られている。その裏は、外壁に接している壁紙と同様にほぼ中空状態である。中空であることから衝撃力が壁紙に加わると、石膏ボードまで破壊されることがある。

繰り返しになるが、マンションの壁は三種類に分けられ、外壁側の壁と間仕切り壁は、衝撃の程度により穴が開くことがある。また、壁紙の剥がれは、どの壁であろうと発生する可能がある。

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代表的な壁のダメージの事例

代表的な壁のダメージの事例

壁へのダメージとしては、汚れや傷といった表面上のダメージで日常的に発生しやすいものから穴や壁紙の剥がれといった発見したら憂鬱になるものまである。これらの代表的なダメージを以下の図4.に示す。

図4.壁のダメージと補修の補修後の実例

図4.壁のダメージと補修の補修後の実例

壁紙の剥がれから大きな壁の穴というダメージを、専門家が補修するとあたかも損傷を受けたことが無い様に修復できている事が解る。壁紙を全面的に張替えれば、ダメージが無い様にすることが可能だが、補修と言う低コストの技法でも同様の効果が得られる。

マンションの各部屋の壁には壁紙が張られている。この壁紙はクロスとも呼ばれているが、使用される材料により、“紙系壁紙”、“繊維系壁紙”、“塩化ビニル樹脂系壁紙”、“プラスチック系壁紙”、“無機質系壁紙”、“その他”に分類される。

ただ、塩化ビニル樹脂はプラスチックだが、プラスチック壁紙は塩化ビニル樹脂を除くプラスチックを主素材とする壁紙として区分さていることに注意して欲しい。

壁紙は大量生産に適した印刷方式で製造されているので、安価で表面に種々のデザインや意匠を施しやすく、また凹凸等のテクスチャーも表現可能だ。また、耐摩耗性や消臭性等の様々な機能を付与でき室内の仕上げ材として使用されている。

また、インテリアとしてアクセントクロスという室内の一部の壁に色彩やテクスチャーの異なる壁紙を用いてインパクトのある室内を安価に実現とすることも可能である。壁の一部を張替える場合には、アクセントクロス的に特質の異なる壁紙を使用することも一案だ。

 

穴の補修プロセス

穴と壁紙剥がれの補修プロセスの概要

専門家と一般人の仕事の出来栄えの差は歴然としている。この様に大きな違いが生じることからプロセスに相違があると思われがちだ。

だが、実態はプロセスに差は無く同じ手順を踏んでいる。ただ、違いがあるとすると段取り、道具、手間のかけ方に違いがある。

以下に穴の補修の概略プロセスを示す。専門家や一般の方を問わず誰が補修するにしろ、このプロセスを経由する。大きな差異が生じるのは、①養生、④乾燥、⑤研磨の工程を丁寧に行うかに掛かっており、以下に示す補修キット(注1)があれば実行できる。

①床や補修対象外の壁の養生

②補修対象の壁紙を剥がす

③補修プレートを貼る

④パテを補修部に塗り、乾燥させる

⑤パテの凹凸をサンドペーパーで研磨する

⑥壁紙を貼る

一般の方が犯しがちな点は、接着剤やパテが充分に乾燥・固化しないうちに研磨等の手を入れてしまうことや動かすことだ。また、研磨するにしろ、丁寧な作業を心掛けることでレベルアップした仕上がりになる。

また、DIYで部分的に壁紙を張替えて、穴の補修を行う際の課題は、従来の壁紙と同等のものを準備できないと補修部が目立つことになる。剥がして見本となる壁紙を持参してホームセンターやクロス店で相談することをお勧めする。

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図5.壁の穴の補修キットの例

ただ、従前の壁紙が入手できない場合には、部屋の一つの面の壁紙の張替えも検討する必要がある。その際には、前述の様にアクセントクロスとして考えることも役に立つ。

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DIYそれとも専門家へ依頼する?

DIYそれとも専門家へ依頼する?

汚れや軽微な傷であればDIYで対応可能だろうし、多くの方はDIYで整備したいと考えるだろう。ただ、穴や割れ、壁紙の剥がれに関しては、DIYでも可能だが出来栄えに不満が残り、改めて専門家へ依頼するという余分なコストが発生することにもなる。

壁の穴補修に関しては、原則専門家に依頼することをお勧めする。これは、前述の様に壁の穴の補修は、基本だれでも可能だが、出来栄えの点で専門家と一般の方では大きく異なるからだ。

ただ、以下に示すクロスの補修キットで修理できるレベルであればDIYでも見分けがつかないレベルに仕上げることも可能だ。例えば、画鋲やネジ穴、クロスの僅かな剥がれであれば上々の仕上りが得られる。

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図6. 穴埋め補修キットと補修の例

これらの補修キットの価格帯は800円―1500円前後で、一般の方にとって軽微な損傷には便利に使用できる。ただ、この上図の例ではクロス自体の交換はなく、接着剤やパテ状の充填物を利用しているので、違和感が無い仕上がりとなる。

専門家に依頼する場合に依頼者としての関心は、第一にコストであることは間違いない。DIYでやれば、1000円前後で可能という印象もある補修だ。専門家に依頼する場合には、ダメージの状態やサイズ等で価格が変動するが、凡そ、以下の価格帯と考えていい。

壁穴修理 15,000-35,000万円

また、距離により出張費が別途加算されることもある。

 

優良な施工会社の選び方

優良な施工会社の選び方

街中に多数の施工会社があるが、全てが依頼者本位で対応してくれる訳ではない。

また、全てが壁へのダメージの補修を得意としている訳ではない。そこで、満足できる結果を得るには、この分野で優良な施工会社を積極的に探す必要がある。

安価で技量が高ければ、“よし”とするかというと違う。結果良ければ全て“よし”という考え方もあるが、専門家選定のプロセスでの納得感も重要な要因で、この部分が欠けると達成感や肯定感が得られないことがある。

ここでいう優良とは、技量・価格・透明性という要素が高得点であることを意味する。ただ、これらは、仕事が終了した時点で判明する事項であるので、専門家を選定する際には、評価に一工夫が必要だ。

選定プロセスで、専門家と対峙したときに依頼者が感じ取れる特質は、依頼者に対する姿勢、ビジネスに対する姿勢、仕事に対する姿勢である。ビジネスに対する姿勢とは、ビジネスルールの遵守であり、仕事とは本人が行った作業の結果やプロセス等を意味する。

これらは、以下に示す言葉で表すことができる。

①顧客志向

②明朗会計

③実績主義

顧客志向とは、施主様の要求の本質を汲み取り、それを実現することで、明朗会計とは、見積書の作成・契約の締結・追加工事の峻別等のビジネスの基本を外さない姿勢で、実績主義とは、自己の技能・知識の研鑽を欠かさず、自己の実績に誇りを持つことだ。

これらのことを別の言葉でいうと、工事関係者は専門用語を多用する傾向があり依頼者である素人には理解が困難なことがある。また、過去の事例に拘るあまり自分の考えを前面に出すことがある。依頼者の要求をよく聞き、真に依頼者が望んでいる内容を実現することだ。

また、見積書や契約書の作成・締結は手間の掛かる事務作業なので、ついつい省きたがる。だが、依頼者としては、工事内容の明細が記載されていないと、仕事内容が適切・適正であるかの判断ができないので、見積には依頼者の要求に応じた項目で明細の記載が必要だ。

具体的には、以下の示す①②③に示す姿勢を有する施工会社が優良会社ということができる。また、壁の穴等の修復は部屋全体のリフォーム等と比較すると少額なので出張費等を考慮すると近隣の施工会社が好ましい。

①見積に細目を記載してくれる

⇒依頼者の指定する細目で記載してくれる

②よりクオリティの高い提案・コストダウン提案がある

⇒依頼者の本質を見てくれる(話をよく聞くことができる)

③口約束で仕事をしない

⇒見積作成・契約書作成などのビジネスの基本を外さない

尚、施工会社の選定に際して、相見積は適正価格を知る為にも必要だ。相見積のために複数の施工会社とミーティングを重ねると先方のいうことが適正な内容か例外的な内容かの判断ができるようになるので、ぜひ施工会社との面談は行って欲しい。

ただし、あまりにも価格が安い業者は技術力が劣るため止めたほうが良い。

 

保険で補填可能?

保険で補填可能?

壁の補修を依頼するからには、それ相当の費用を要することを前述した。

そこで、この費用の補填が可能になる手段があれば、是非とも検討したくなる。実は、火災保険には壁の補修にも対応できる機能がある。

火災保険は、個人向けの損害保険で、台風や雷等の自然災害、飛来物(石・ボール)や自動車事故等での被害を補償する仕組みだ。基本的な事項だが、火災保険を利用するには火災保険に加入していることが絶対条件であることを理解して欲しい

例えば、火災保険の基本的なプランでも、原因が外来要因で保険加入者の故意や過失がない場合である自動車が跳ね上げた石礫が窓ガラスを破壊して室内に飛来し、壁に穴や傷を発生させたときに補修費用や後片付け費用を補償してもらえる。

では、原因と結果(壁に穴が開いた)が室内で帰結している場合には、火災保険で対応可能だろうか?この様な場合を考察すると火災保険の見直しのポイントが分かる。考える点は、基本となる火災保険に付加する特約と言うオプションだ。

火災保険には、個々の契約者向けにカスタマイズできるように様々な特約というオプションが用意されている。火災保険のオプションの一つに不測かつ突発的な事故(破損・汚損など)を補償の対象とするものがある。

例えば、鉄パイプの様な固く長い棒を持っていたときに階段で躓いて、この棒で壁に穴を開けてしまった場合は、不測かつ突発的な事故に相当し、上記のオプションで補償されるので、本特約を採用する価値がある。

 

まとめ

壁に穴が開くのは、レアなケースかもしれないが、壁紙の傷、汚れ、剥がれは日常生活のチョットしたハプニングで生じてしてしまう。軽微なものはDIYで対応可能な場合があるので、本稿を参考にトライしてみるのも一考だ。

ただ、これらのダメージを無かったものにできるのは専門家のスキルだけだ。そこで、本稿に述べた優良な専門家の探し方を参考にして探し出し、その実力の程を見てほしい。また、費用に関しても本稿を役立てて欲しい。

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【記事監修】 山田博保

株式会社アーキバンク代表取締役/一級建築士

一級建築士としての経験を活かした収益物件開発、不動産投資家向けのコンサルティング事業、及びWEBサイトを複数運営。建築・不動産業界に新たな価値を提供する活動を行う。

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