雨漏りの放置は危険!住まいや建康をダメにする被害を与える5つの恐怖とは?

雨漏り

雨漏りをそのまま放置しておくと、後々、住宅だけでなくそこに住まう人間にも重大な被害を与えてしまう可能性がある。

このような問題を解決するために今回は、その被害の状況と原因と対策について詳しく解説する。

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なぜ雨漏りの放置が危険なのか

雨漏り放置の危険性は大まかに一次被害と二次被害に分類される。一次被害は直接建物に与える影響で、建物の寿命を大幅に短くすることがある。

そして最も恐ろしいのは二次被害だ。これは間接的に人体に与える影響のことで、特に体の弱い、子供や高齢者への健康被害が多い。下記にそれぞれ詳しく説明をする。

 

建物の急速な劣化(一次被害)

冬場なら、窓から結露などで水滴が垂れることもある。しかし、もしそれが雨漏りだった場合、放置するのは非常に危険だ。

特に木造住宅の場合は深刻で、そのまま雨漏りを放置すれば、屋根と野地板の間や外壁と室内壁の間に溜まった水分が乾かず、建物をあっという間に劣化させる。

木材は、含水率が30%を超えると腐朽すると言われる。水に濡れなければ30年以上もつ住まいも、雨漏りの放置によって1年でボロボロになることもある。雨漏りで侵入した水が土台まで到達することもある。

 

鉄骨など

鉄筋コンクリートや鉄骨造などの場合、雨漏りにより染み込んだ水分で鉄を腐食させ建物の強度を低下させる。コンクリート内の鉄筋が錆びると、鉄が膨張し周りのコンクリートを押し出す「爆裂」という現象が起こりる。これによりひどい場合には、外壁が欠落することもある。

 

鉄筋

 

内装や家具への被害(一次被害)

室内に侵入した水分は、天井や壁などの内装仕上げにもダメージを与える。雨染みやカビによるの黒ズミの発生などにより壁紙が汚れた状態になる。押し入れやタンス内で雨漏りしていた場合、洋服や布団などがダメになる被害を受ける。また、水滴などが落ち家具やピアノなどまでが傷んでしまうこともある。

 

電気設備や家電機器への被害(一次被害)

 

電気設備や家電機器への被害(一次被害)

雨漏りにより天井裏や壁などに水がまわり、その水が電気配線の接触部分などを濡らし漏電につながる場合がある。その場合ブレーカーが落ちたり、停電が発生したりするだけでなく、最悪の場合、漏電による火災につながる恐れもある。また、湿気により洗濯機や冷蔵庫などの家電機器が不調になったり故障したする場合も起こる。

 

シロアリやその他害虫による被害(二次被害)

シロアリやその他害虫による被害(二次被害)

シロアリは湿気を好むため、雨漏りがシロアリを引き寄せてしまい蟻害に合う可能性も高まる。地中から侵入したシロアリが、雨漏りで濡れた壁の中を木材を食い荒らし、2階まで達することもある。土台や壁がシロアリの被害に遭えば、建物自体の強度が著しく低下し危険なうえ、修復に多大なコストが発生する。

 

また、湿度の高い状態が放置されることで、ダニやネズミなどが生息しやす環境となり、壁の中で活動するようになる場合も。それらの動物などが出入りすることで、糞などが放置され、壁の中が不衛生な状態となり健康被害のリスクが高まる原因となる。

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カビなどの発生よる被害(二次被害)

カビなどの発生よる被害(二次被害)

また、壁内に溜まった湿気によりカビが発生し、異臭を発生させることもある。カビ菌が浮遊する室内で暮らし続けることは、健康への影響も心配だ。カビは、温度が20度以上、湿度が60%以上の状態で繁殖しやすくなる。雨漏りで濡らされた密閉状態の壁の中は、格好のカビの繁殖場所となる。雨漏り箇所の壁をめくると壁の中がカビで真っ黒なこともある。このような状態が健康に良いはずがない。放置すれば体調不良や喘息などを引き起こす可能性もあるので危険だ

健康への影響

 

なぜ、雨漏りは放置されることが多いのか

では、なぜこれだけ危険な雨漏りが放置されることが多いのだろうか。それは、気づかないうちに少しずつ雨水が侵入し、見えない部分の被害が既に侵攻してしまい、結果的に放置となってしまうことにある

大雨や台風などで雨が吹き込み雨漏りにつながった場合などでは、発見された後も一時的な問題として、原因らしき箇所にコーキングを打つなどの対処のみを行うことも少なくない。その結果、建物に別の雨漏りの原因があるにもかかわらず放置となってしまうことになる。

また、雨漏り修繕工事を行うには、原因の調査が必要だが、それには雨漏りの原因箇所を推定し、漏水試験などを実施する必要がある。雨漏りには想定される要因が多数あるため、調査を行っても明確な原因がわからないこともあり、費用のかかる本格的な調査を先延ばしにすることも少なくない。

さらに、雨漏りが建物の経年劣化によるものか、不適切な施工によるものかによって責任の所在が変わるため、費用負担についての話し合いが長引くことで、対応が後手になる場合もある。

 

住まいの雨漏りの兆候・症状とは

雨漏りを放置しないためには、早期発見が大切だが、雨漏りの兆候や症状にはどのようなものがあるか5つの事例を列挙する。

 

壁や床、サッシ周りなどで水滴が見つかる。

不自然な部分の床が濡れていたり、窓サッシ際の壁を水滴が伝っていたりするのは、雨漏りが原因の可能性がある。雨のたびに発生すれば屋根や外壁や窓周りから雨水が侵入している可能性が高い。すでに壁の中に水が溜まっている場合もあり、放置すれば合板下地が腐朽する恐れがある。

 

室内が湿気っぽく、カビ臭がする

 

室内が湿気っぽく、カビ臭がする。

雨漏りにより侵入した水が原因で室内が常に湿った状態に。壁や天井などの中の湿気が原因でカビが発生し嫌なに匂いがしている。カビが空気中に飛散した室内で暮らすことは健常に害を及ぼす恐れがある。壁の中で発生している場合、除去することもできないので非常に厄介。

電気設備や家電機器への被害(一次被害)

 

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天井や壁にシミができる

雨漏りにより侵入した水が原因で、天井や壁が濡れ、乾いた時にシミ跡が残った状態。水がすでに仕上げ材まで到達している。見た目が悪いだけでなく、著し劣化やめくれなどが発生する恐れがある。雨漏りが原因の場合は、その部分だけをリフォームしても同じことになる。

天井

 

床や壁にふわふわした部分があり押すと凹む

雨漏りした水分が逃げることなくとどまることで、下地材の内部が弱り柔らかくなってしまった状態。壁紙が浮きいてきたり、床がぶよぶよになったりする。玄関周りや土台近くの場合、すでにシロアリの被害を受けている可能性も。

漏電や停電が起こる

 

漏電や停電が起こる

雨が降った時に、漏電が発生する非常に危険な状態。ブレーカが落ちるだけでなく、最悪の場合、パソコンなどの機器が故障する場合も。早急な対策が必要。

雨漏りが発生する理由

 

雨漏りが発生する理由

これらのような恐ろしい兆候・症状を引き起こす雨漏りにはさまざまな理由があるが、これらの原因がいくつか重なることで雨漏りにつながることが多い。

 

外部のシーリングの劣化や外壁のクラックなどの建物の経年劣化

雨漏りの主な理由に建物の防水性能の劣化がある。建物は、外壁部材やサイディングなどの一時防水とその内側の透湿防水シートやアスファルトシートなどの二次防水で構成されている。

外壁塗装は、塗料の進化で20年以上の耐久性を持つものもあるにもかかわらず、シーリング部分は5年から7年程度で劣化する場合が多いため、シーリング部分が先に劣化し、そこから雨漏りにつながる場合がある。

 

雨漏り箇所としては窓サッシ周りが特に多い。外壁のクラック場合はそこから雨水が侵入する。ただ、そこから水が侵入したとしても、透湿防水シートがきちんと機能していれば、シートの外側を水が流れ落ち雨漏りにはならないが、一次防水が機能していないため、雨漏りの原因の一つであることは間違いない。

建築時の不適切な施工

 

建築時の不適切な施工

壁の透湿防水シートや屋根のアスファルトシートなどの二次防水部分の不適切な施工によって雨漏りが発生する場合も多い。通常、屋根を工事する職人と壁を施工する職人が異なるため、屋根と外壁の取り合い部分が不適切な施工になる場合も。

これらの見えない部分の不適切な施工は、雨漏り部分を解体してはじめてわかることが多い。残念ながら、コスト削減のための手抜き工事により経年劣化が早まり雨漏りが発生するケースも少なくない。

 

また、通気工法に関しては、技術的な新しく、施工方法をきちんと理解してない職人による施工が雨漏りにつながっているという指摘もある。

例えば、水を抜くための開口から水が入ることを恐れてシーリングで埋めてしまうなどである。二次防水の問題と外壁やシーリングの経年劣化とが重なった時に雨漏り危険が一気に高まる。原因次第ではトラブルに発展する場合もある

 

 

設計上の問題

暴風雨時に、ベランダや軒の通気口から外壁の通気層に雨水が入り込み、雨漏りにつながる場合がある。

敷地の制約やデザイン重視によって軒ゼロの住宅が増えているが、軒ゼロの住宅は、通常の軒のある住宅よりも雨漏りのリスクが5倍とのデータもある。雨水が吹き込みやすい構造になっている場合は、雨漏りに弱い設計と言わざるえない。

また、デザイン性を重視した出窓やシャッターなども危険な要素だ。壁の中に隠蔽した樋にゴミが溜まりオーバーフローしたことが原因で雨漏りとなった事例も。

もちろんデザイン重視の住まいの全てそうではないが、防水施工の品質に依存した建物形状は、マニュアル通りの適切な施工が行われないと雨漏りが発生する原因となる。

 

出典:https://allabout.co.jp/gm/gc/432601/

 

不適切なリフォーム

建物構造の理解不足かつ雨漏りの原因が特定できない状態で、安易な雨漏り改修工事を行うことにより、雨漏り被害が悪化する場合がある。雨水の浸入を防ぐ目的で不要な箇所にシーリングを行った結果、壁の中の湿気が逃げず溜まってしまうこともある。

根本原因が特定されていないため、雨漏りを放置しているのと同じことに。また、手抜きの外壁塗装や屋根の葺き替え、板金工事などが将来的な雨漏りの原因になることもある。

しく窓を設置したり既存の建物に増築を行なう場合、防水対策が適切になされなければ、サッシ周りや取り合いから雨漏りが発生することもある。エアコンを設置するために開けた外壁の開口部なども注意が必要だ。

 

雨漏りの可能性を感じたらどうすれば良いか?

前述したような雨漏りの兆候・症状を発見したら、まずは写真を撮り状況を記録をしよう。いつ、どんなタイミングで、どの程度の量の水滴が見つかったのかや、その頻度やその時の天候などを出来る限り詳細に記録しておこう。それらは、専門家に依頼して、雨漏りの原因を特定場合に大切な情報となる。

 

雨漏りの連絡は、新築住宅を購入した場合は、建築会社に連絡することができる。中古物件の場合、購入してすぐの場合や瑕疵担保保険に加入している場合は購入した不動産会社に連絡することになる。

それ以外は、そのような連絡先がないため、雨漏り工事を得意としているリフォーム会社や建築設計事務所や工務店に相談するのがベストだろう。雨漏りの原因を調査するなら、建物調査を専門に行なう会社に相談するのも一つの方法だ。

 

原因が明確になれば、施工を依頼しすくなるだけでなく、相見積もりを取る場合に、それぞれの業者に調査を依頼する必要がなくなることで見積もりが比較しやすくなるだけでなくコスト削減にもなる。

建築会社の施工不良の可能性がある場合で、相手が非を認めない場合は、ストレスを感じることになることも多い。

雨漏りが解決しない場合や費用面で納得いかない場合には、セカンドオピニオンとして、先に調査を行うこともある。調査費用を先方に請求する前提であれば、事前に建物を建てた建築会社に連絡を入れておく方が交渉がスムーズにいくことは多い。

 

雨漏りの改修工事はどのようなことを行うのか

では次は、雨漏りの工事はどのようなこと行うかだ。前述のような雨漏りの兆候・症状が出ている時点で、見えない部分の劣化が進んでいる可能性が高い。

経年劣化や施工不良が原因の場合は、問題箇所を特定し、外壁部分を解体し状況を確認しながらどの程度まで修繕を行うかを判断していく。原因を特定できたとしても、どこまで被害が進んでいるのかは、解体してみないとわからないため、見積もり段階では概算になることも多い。

カビ臭がしてクロスが浮いてきている場合でも、屋根と外壁の取り合いから侵入した雨水が壁の中を伝って、1階床から漏れ出してくることもあるので、水が流れた可能性がある経路を順番に確認する必要がある。

その場合は、室内の壁をめくり部分補修をするだけでは終わらない。特にシロアリの被害を受けている場合は想定以上のコストが発生することもある。

設計上の問題により雨漏りが発生していると分かった場合には、その部分の形状を変更したり、上から別の部材を被せるなどの対策も合わせて行うことにもなる。

雨漏りを放置していた期間が長ければ長いほど、木材の腐朽が進むため、改修費用を考えれば、雨漏りを発見したら一刻も早く対応することが大切だ。

雨漏り調査を行った結果、雨漏りではなく、通気不足による結露だと判明する場合もある。雨漏りでも結露でも、木部が濡れてしまえば腐朽につながるので、その場合にも対策を行うことで家を長持ちさせることができる。

 

雨漏りの改修工事費用を実質ゼロ円にする方法とは?

雨漏りによる出費は予期せぬことが多いため、住む人にとっては非常に大きな負担となる。その費用が捻出できないことが、雨漏りを放置する原因となっている部分も少なからずあるのではないだろうか。そこで、雨漏りの改修工事費用を実質ゼロ円にする方法をご紹介したい。

台風で屋根の瓦が損傷したことによる雨漏に対して保険が適用された事例

台風がもたらす大雨による洪水や浸水等、自然災害による被害は、問題なく火災保険が適用されるため、被害のほとんどが補償される。こちらの事例では台風による風災により屋根、雨樋、カーポートに損傷が発生。その結果室内の雨漏りも発生した。結果的に75.8万円もの工事費用を保険金でカバーすることができた。

 

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雨漏りの被害があった場合、火災保険が適用できるかについては必ず確認するようにしたい。

 

まとめ

雨漏りの原因はさまざまだが、雨漏りが予防できるには越したことがない。そのためには、雨漏りについての知識を習得し、外壁やシーリングの状態を日頃から目視でチェックしておくことが大切だ。

建築会社の定期点検の活用はその代りにもなる。それでも残念ながら雨漏りの兆候・症状を発見した場合は、すぐに動きだすことが大切だ。

かなりの費用が発生する場合もあるが放置は建物の寿命を縮める。雨漏りの状態を専門家に相談しながら、放置せず一歩ずつ解決していくことが大切だ。

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【記事監修】 山田博保

株式会社アーキバンク代表取締役/一級建築士

一級建築士としての経験を活かした収益物件開発、不動産投資家向けのコンサルティング事業、及びWEBサイトを複数運営。建築・不動産業界に新たな価値を提供する活動を行う。

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