タイルの傷を自分で補修する!その方法とリスクを完全攻略

タイルの傷を自分で補修する!その方法とリスクを完全攻略

タイルの損傷は見た目を我慢すれば良いと考えがちだが、放置すれば建物の寿命を奪い、また人に危害を加えかねない深刻な事態である。

今回その危険を防ぐために、建築のプロである一級建築士が自分で修理費を抑えるために自分で補修する方法と、DIYにおけるリスクとプロに頼むべきガイドラインをお伝えする。

併せて火災保険を利用して補修費用の自己負担を減らす方法もご紹介しているので、ぜひ最後まで目を通して頂きたい。

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放置すると危険なタイルの損傷

タイルの損傷は表面しか見えないため、見た目だけの問題であると捉えてしまっていないだろうか。

実はタイルの損傷は、そこから水分が中に入り込むことで、建物の寿命や耐震性と言った大切な機能を奪ってしまいかねない。

さらには住む人や近隣の人にまで怪我などの被害を及ぼす可能性もあり、対処を後回しにすれば修理費用が嵩むだけでなく、責任問題にまで発展する深刻な状態なのである。

ここで改めてその損傷の持つリスクをご理解いただき、早急に対処すべきものであることと捉えて頂きたい。

腐れやカビ、シロアリ

腐れやカビ、シロアリ

タイルの場所が外部や水回りであればヒビ割れから水が浸入し、内部の建物構造を痛める可能性が出てくる。

鉄骨であればサビ、木造であれば腐れを発生させ、その強度を大きく低下させることになり、地震の際に住む人の命を守り末永く住むための耐久性が失われていく。

さらには内部に湿気が溜まることでカビが発生する恐れもあり、住む方によってはアレルギーの原因となるだろう。

見えない部分のカビをアレルギーの原因として発見することは難しく、原因不明の症状として精神的にも悩まされることになる。

そして湿気で最も厄介と言えるのがシロアリだ。

一度発生すると驚くべき速さで構造体など木部を蝕み、発見されたころには食い荒らされた状態で、タイルの補修とは比べものにならない費用がかかるばかりか、シロアリが発生した建物として大きく資産の価値を下げることになる。

たかがタイルの傷と侮っていると取り返しのつかない被害を受ける可能性は十分にあるため、くれぐれも発見した際は早急な対応を取るようにして頂きたい。

タイルの脱落

タイルの傷から内部に水分が入り込むと、接着しているボンドやモルタルなどを剥離させてしまい、タイルの剥がれに繋がる。

これが床部分のタイルであれば躓いたりして転倒の危険があり、年配の方であれば大怪我になることも考えられる。

さらに恐ろしいのは外壁のタイルで、剥がれ落ちて下に人がいればこれも怪我をさせてしまう可能性がある。

住む人はもちろん近隣の方や道路際であれば通行人など、人に当たることなどそう無いと考えるのは甘いと言わざるを得ない。

建物被害と比べ、こちらの方が発生した場合の責任は大変大きく、金銭以上の代償を払うことになりかねないだろう。

タイルが使われている場所をチェック

タイルの損傷による被害を防ぐために、改めてご自宅のタイルが使われている箇所を確認して欲しい。

1箇所発見した場合は経年劣化で他の場所も傷んでいる可能性があり、どうせならまとめて補修を行った方が効率が良いだろう。

タイルの小さいヒビはかなり目を近づけないとわからない場合も多いため、損傷の点検はじっくり行って頂きたい。

また照明が薄暗い場所などは懐中電灯を当て角度を変えながら点検すると良いだろう。

床タイル

床タイル

まず目につくのは玄関前の階段やアプローチ、また玄関内の床にあるタイルだ。

ここに損傷があれば滑ったり躓いたりすることで転倒の危険があり、大怪我に繋がることも有り得る。

また玄関床の下はそのまま土間になっていることも多く、そこへ掃除などの水が染み込んでいけばシロアリを引き寄せることになってしまう。

実はシロアリは羽を生やして飛来する以上に地中にトンネルを掘って侵入してくる虫であり、湿気がタイル下にあれば絶好の環境を作ることになるのだ。

水回りタイル

水回りタイル

また浴室の壁や床にタイルが使われているケースもあるだろう。

ここにヒビ割れがあれば、当然内部に水が浸入していくことになり、骨組みのサビや腐れ、カビやシロアリと数多くの被害の温床となりうる。

特に浴室は毎日大量の水を使う場所であるため、入り込む水分量は他の場所と比較にならない。

さらにキッチンのコンロやシンク、洗面台の周りなどにもタイルが使われているケースもあり、やはり水回りである場合はダイレクトに水の浸入の恐れがある。

日頃から水を使う場所のタイル損傷は緊急事態であり、しっかり点検を行って小さなものでも見逃さず損傷を発見して欲しい。

外壁タイル

外壁タイル

建物の外壁にタイルが使われている場合、1階部分の点検は目視で可能だ。

なるべく天候の良い日を選んで間近で見ていくことで損傷を発見できるが、2階以上になるとかなりの重労働となる。

目線以上の高さをじっくり見るのは首にかなりの負担がかかる上に、脚立などを利用すれば危険も伴う。

前述のように損傷から落下したタイルが最も人に危害を加えかねないのが外壁であるため、しっかり点検を行うためには専門業者へ依頼をすべきだろう。

被害が発生してから後悔しないためにも、億劫がらずにプロの手を借りておくことをお勧めする。

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DIYによるタイルの補修方法

DIYによるタイル補修はネットで多くの道具が入手可能で、費用が安く抑えるために気軽にトライすることができる。

しかし手順をしっかりと守らなかったり雑に仕上げてしまったりすれば、あっという間に剥がれてしまう危険も持つ。

DIYの失敗の多くは途中で面倒になり工程を省いてしまったり、いい加減に作業をしてしまったりすることに原因がある。

DIYに失敗して結局専門業者に依頼することになれば、失敗したコーキングの撤去などの余計な費用がかかることもあり、何のためにDIYを行ったのかわからなくなる。

タイル補修に限らずDIYの最大の注意点は時間をしっかり確保し、じっくり取り組むことだ。

ここでは代表的なタイルの損傷のDIY補修方法をご紹介するので、腰を据えて丁寧に作業に当たって欲しい。

目地のヒビ割れ

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タイル目地のヒビ割れは比較的簡単に取り組めるDIY補修である。

注意点としてはコーキング材が耐水性を持っているか、外壁に使えるかを確認し、使う場所に適したものを選択することだ。

手順

①雑巾などで割れやその周りのホコリを取り除く

②目地の周りにマスキングテープを貼る

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③コーキング材を割れの奥まで入るようにゆっくり打つ

④ヘラで全体を均等にならす

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⑤マスキングテープはコーキングが固まってしまうと、剥がす時に一緒に取れてしまうので手早く取っていく。

⑥乾燥時間を説明書で確認し、しっかり乾かす。

水回りの場合は乾くまで水がかからないよう注意する。

既存の目地を撤去しない増し打ちの場合は、あまり長期間は補修部分が持たない。

あくまで一時的な補修であることを認識し、近い内に専門業者へ相談をしよう。

タイルの剥がれ

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タイルが剥がれてしまっても、取れたタイルが手元にあるなら貼り直しが可能だ。

新しいタイルを入手しても目地にピッタリはめることは難しいので、DIYでは再利用が妥当だろう。

手順

①剥がれて露出している部分や剥がれたタイルの裏側を雑巾などで軽く拭き、ホコリを取り除く。

②剥がれたタイルの裏側にたっぷりめにタイル用接着剤を盛る。

③マスキングテープなどで上から抑え貼りをする。

浴室内の場合はしっかりと換気をし、なるべく乾燥させた状態で行おう。

また冬場などは接着剤の固まりが遅いので、乾燥時間を長めに確保するようにしたい。

タイル自体のヒビ割れ

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タイル自体のヒビ割れはそこから内部へ水が入ると、2次損傷を起こす恐れがあるので早急に対処したい。

もともとタイル表面の見た目までDIYで修復するのは難しいため、水が内部に入らないようにするための補修であることを理解して頂きたい。

手順

①割れ部分のホコリを雑巾などで取り除く

②念の為割れにライトを当て内部の様子を確認

③割れのまわりにマスキングテープを貼る

④割れにシリコン系のコーキングをなるべく奥まで入れ込む

水回りなら防カビ剤入りのものがお勧めだ。

②の段階で下地より奥に割れが達しており、しかも発生から時間が経っているなら、内部の腐れなどの心配があるため専門業者へ至急連絡し、本格的な補修を依頼しよう。

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専門業者に依頼した方が良いケース

(リペアの専門業者による補修/ビフォー)

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(リペアの専門業者による補修/アフター)

(リペアの専門業者による補修/アフター)

DIYの補修は残念ながらプロの補修に比べ、完成度や持続性の面で劣っている。

そのため表面上は補修ができたように見えても、不完全で見えない場所で損傷が進行してしまう恐れがある。

しかもDIYによる補修を行ったことで安心してしまい、その後の状態確認を怠り、発見が遅れてしまうことも多い。

そこでDIYでは十分な補修の完成度が見込めず、プロに任せたほうがリスクを避けられる、損傷の基準を解説したい。

しっかり目を通してもらい、金額ではなく長期的に安心で被害を防げる選択を行って頂きたい。

傷ついてから時間が経っている

傷ついてから時間が経っている

タイルの割れなどが発生してから時間が経過している水回りの損傷は、その部分から内部に水が入り込み、腐れや錆、シロアリの被害を発生させている可能性がある。

そのため表面的な補修だけでなく内部の点検を必要とするため、専門業者に依頼をするべきケースと言える。

内部まで損傷が届いている

内部まで損傷が届いている

タイルの下地部分も割れていたり剥離を起こしていたりしているようなら、やはり専門業者へ補修を依頼して欲しい。

タイルが浮きかろうじて張り付いているだけなら、表面的な割れを塞いでも程なく剥がれ落ちてしまう。

DIY作業の時間が無駄になるだけでなく、剥がれ落ちることでタイル割れや最悪人に被害を与えることになりかねない。

割れから内部をライトで照らしてみたり、ドライバーの先で叩いてみて音の違いを確かめたりすると発見できる。

複数割れていたり欠損している

複数割れていたり欠損している

複数のタイル割れの場合は、外から力が加わって割れただけでなく、内部の経年劣化や何らかの損傷があることも理由として考えられる。

そのため表面だけでなく内部の状態確認の必要があり、DIYでは困難なため専門業者に依頼すべき損傷と言える。

また補修自体も複数のタイルを剥がすことになり、DIYで行うとタイルや下地を痛めてしまう可能性がある。

工事としても高度な技術を必要とするため専門業者に任せた方が安全だろう。

補修屋とはどんな業者なのか

タイルではないが似た材質として人造大理石の洗面台のプロの補修屋の補修を見てもらおう。

補修屋とは部分的な割れや傷、凹みやシミなどあらゆる損傷をきれいに補修して元の姿に戻してしまう、リペアのプロフェッショナルのことである。

良く耳にするリフォームはタイル補修なら広い面積で張り替えてしまうため、見映えは全面的に回復するがその分高額になってしまい、さらに浴室などであれば数日間使えなくなる不便もある。

一方補修であれば傷部分の作業になるため大幅にコストは抑えられ、しかも工事はほとんどが1日以内で終わり非常に手軽に利用することができる。

ここでは気になる技術費用の相場と、あまり馴染みの無い方にしっかりした補修屋を選んでもらうためのチェックポイントをご紹介したい。

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タイル補修の技術費用相場

タイル補修の技術費用相場
項目技術費用相場
ヒビ割れや剥がれ回復など部分補修15,000円~
タイル交換と下地補修30,000円〜
浴室タイル全面交換リフォーム(参考)100,000円〜150,000円

※補修の範囲により増額あり。材料の新規取り寄せ費や出張費は別途。

信頼できる業者選び3つのポイント

信頼できる業者選び3つのポイント

補修屋の技術が優れているのは理解できても、金額以上に依頼のハードルとなるのが、どのように業者を選んで良いかわからない点だろう。

ネットでは騙された体験などを見ることがあり、失敗したくないと思うのは当然だ。

そこでここでは信頼できる補修屋を見分けるポイントを3つご紹介したい。

仕上がりに満足し長い付き合いの出来る補修屋と出会うためにぜひ活用して欲しい。

アフターケアがしっかりしている

タイルに限らないが補修は時間が経ってから乾燥で凹んでしまったり、夜間の照明の具合でムラが見えたりと、仕上がりが変化することもある。

そのため工事後もしっかりと対応してくれる補修屋かどうかは非常に大切だ。

補修は箇所が少なければ1日で作業が終わり代金まで回収できるため、残念ながら適当な仕事をして後は放りっぱなし、という業者も存在する。

そのためにもチラシがポストに入っていたり、激安を売りにしていたりするような業者は避け、名の知れた会社や信頼できるところからの紹介などと言った、工事後も連絡がしっかり取れる補修屋を選ぶようにしよう。

見積りや工事内容を説明

意外に思われるかもしれないが、見積りの内容やどのような補修作業を行うのかをしっかり説明しない業者も存在する。

これではどんな工事が行われ仕上がりはどうなるか解らないし、見積り通りに工事が行われ、見積りの金額は妥当なのかも不透明だと言えるだろう。

補修が終わって仕上がりに不満でも「これで精一杯だ」と言われてしまえば代金を支払うしか無く、納得いかない状態で住んでいかなくてはならない。

こういったトラブルを避けるためにも、見積りや行う工事をしっかり説明する業者を選ぶようにし、説明が無かったり仕上がりに不安が感じられたりするような業者は避けた方が賢明だ。

実績が豊富で明確

補修屋の仕事で最も仕上がりに反映されるのが豊富な経験と知識だ。

あらゆる損傷は、その材質や原因、元々の劣化状態が絡み合い、2つとして同じものは存在しない。

それに対して補修材や道具、方法など多くの引き出しを持ち、しかも実際の経験が多い方がレベルの高い仕上がりを実現できるのだ。

その点を確認するには業者の言葉だけでなく自社のサイトを持っており、そこに実際の施工例や実績が数多く紹介されていると、安心できる材料となるだろう。

出来る限りご自身の目でその手腕を確認し実績重視で依頼先を選ぶようにしたい。

火災保険で費用を抑える方法がある!

火災保険で費用を抑える方法がある!

プロの補修は確実でDIYとレベルが違うのは理解できるが、やはり金額で二の足を踏んでしまうという方は、ぜひ火災保険の利用を検討して欲しい。

タイルの補修で火災保険と聞くと不思議に思われるかもしれないが、火災保険の中には不測かつ突発的な事故による建物の汚損・破損を補償するものがある。

 多くの方は火災保険を火事の時だけでなく、その他の台風や大雪などの自然災害による建物の破損や、落雷に寄る被害、あるいは盗難など様々な特約でも利用している。

その対象の中にこの汚損・破損があり、普段保険料を支払っているご自身の火災保険にも付加されているなら使わない手は無いだろう。

ここではどういったケースでその補償が利用できるのか、また保険を利用して補修を行う際の業者選びに注意点について解説する。

どのような場合に使えるのか

まず不測かつ突発的な事故による汚損・破損とは、運んでいた荷物を落としてしまい床のタイルを割ってしまったり、子供がオモチャをぶつけて壁タイルにヒビが入ったりした場合などを指す。

特にこの保険の場合はその機能に支障をきたす損傷があった場合に適用されやすく、また発生した原因や日時が明確な必要がある。

一方で経年劣化や知らぬ間に壊れていたという場合は補償外となり、また修理費の一部自己負担があったり免責金額が決まっていたりと、保険商品によって様々な条件が設定されている。利用をする際はまず保険証書を確認してほしい。もしも保険証を見ても内容がわからない場合には、保険会社に条件などを確認してみると良いだろう。

保険利用はより一層業者選びが肝心

この保険を利用する際は、損傷の原因や発生状況などを保険会社に正確に伝えなければならないが、これは一般の方はもちろん例え補修の技術に長けた補修屋でも、そういった経験が浅ければ難しいものになる。

 いくら補修の腕が確かでも申請が不十分であれば保険会社の審査に通らず、せっかく保険料を払っているのに利用できないことになってしまう。

そのため保険でタイルの補修費を補償してもらう場合は、保険申請の実績が豊富な補修屋を選ぶようにし、より一層慎重に業者を選ぶようにして頂きたい。

まとめ

まとめ

タイルの傷は表面的な問題のように思えるが、その影響で建物や人に危害を及ぼす危険性を考えると、早急に対処すべきものである。

DIYによる補修は安価で素早く行えるため非常に有効な手段だが、反面でプロの技術には及ばないことを承知しておかなければならない。

 後々のリスクや仕上がりのレベルを考えれば、プロの補修屋の仕事には大きな価値があることを認識しておこう。

火災保険を活用し手元からの出費を抑えつつ、大切な住まいの損傷をしっかり修復して欲しい。

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【記事監修】 山田博保

株式会社アーキバンク代表取締役/一級建築士

一級建築士としての経験を活かした収益物件開発、不動産投資家向けのコンサルティング事業、及びWEBサイトを複数運営。建築・不動産業界に新たな価値を提供する活動を行う。

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