その瓦の塗装は適正価格?高過ぎる見積りを見破る7つのポイント

屋根塗装の見積りを見てその金額が果たして相場通りの金額か、不当に利益を上乗せされた高すぎる金額なのか、あなたはわかるだろうか。

残念ながら的確に判断が出来る方はそういないはずだ。また同じ塗料でも自宅の瓦に適したものを選ばないと、かけた費用の効果を十分に発揮できないことになる。

そして業者が勧めてきたとしても果たして本当に塗装をすべき時期なのか、疑問に感じる方も多いのではないだろうか。今回は瓦に適した塗料を適正な金額で正しい時期に塗装を行うための、簡単にわかるチェックポイントを7つお伝えしたい。

建築のプロである一級建築士が解説するこれらのポイントを知ることで、余計な出費を抑え大切な家に今後も安心して住むことができる。ぜひ目を通して頂きたい。

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この記事読むことで理解できること

3つだけで大丈夫!自己防衛のため瓦で使用される塗料を知っておこう

塗装の適正な金額かどうか知るためには、まずは塗料の種類を理解しなければならない。

提示されている塗料が、どの程度グレードのものかわからなければ、相場価格を知っても判断できないからである。

それほど難しくはなく、代表的なものを3つ、絶対やってはいけないものを1つだけを知っておけば良いのでそれをご紹介する。

ウレタン塗料 耐用年数 7〜8年

手頃な値段で塗装ができるのが特徴で数年前までは主流の塗料だった。

ただ上位のシリコン系も価格がこなれてきて、それほど大きな差にはならなくなったため、現在では選ばれることが少なくなってきている。

何より多くの依頼主が最低限維持してもらいたいと考える10年に満たない耐用年数のため、その点でも敬遠される傾向だ。

シリコン塗料 耐用年数10〜13年

以前は高価だったが近年金額が下がり現在は屋根塗装の主流となっている。

価格も手頃となり効果も適度でバランスが取れている塗料と言えるだろう。

また商品自体も各社から多数発売されており、色数や質感などの選択肢も多い。

フッ素塗料 耐用年数15〜18年

フッ素加工をされたフライパンなどでご存知の方も多いと思うが、汚れを付きにくくする防汚性に優れ、さらに防カビ、防藻性も兼ね備えている。

しかも一般的に流通する塗料のなかでは耐久性も高い塗料なので、費用は前出の塗料よりかかるが有効期間で考えるとコストパフォーマンスに大変優れている。

使ってはいけないアクリル塗料 耐用年数5年未満

こちらは耐用年数が短く割れも出やすいので、物置など一時的、簡易的に行われる塗装向けの塗料である。風雨にさらされ一番厳しい環境に置かれる屋根の塗装には全く適さない。

正常な業者であれば屋根には絶対に施工しないのだが、訪問販売の業者などで提案されるケースも存在するので気を付けなければならない。

塗料の価格が非常に安いので見積り金額を大幅に下げて依頼主の気を引くのだが、この塗料で施工してしまうと後々高く付いてしまうのは明らである。逆に言えばこれで見積り提示してくる業者は、頼んではいけない業者として判断する材料になる。

耐用年数を比較する際の注意点

今回示してある耐用年数は屋根塗装の場合である。

屋根は直接雨や日光を受けるため、外壁に塗装する場合に比べ耐用年数が短くなるので注意して頂きたい。

各塗料の詳細一覧

塗料平米単価特徴耐用年数
ウレタン塗料1,700円〜2,000円・価格が手頃である

・耐用年数が10年に満たない

7〜8年
シリコン塗料2,200円〜3,200円・低価格化が進みシェアが最も高い

・商品や色数が豊富

10〜13年
フッ素塗料3,700円〜5,200円・耐久性が非常に高い

・防汚性、防カビ防藻性に優れる

・長期的なコストパフォーマンスが良い

15〜18年

 

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適材適所で正しい塗装を!瓦の材料と適した塗料を解説

瓦の塗装を考える上でどうしても避けられないのが瓦の材質である。どうせ費用をかけるなら、その塗装が十二分に効果を発揮してもらいたいのだが、瓦の材質に適する塗料を施工しないと、本来より速く劣化してしまったり最悪塗装が剥離してしまうこともある。

十分に効果を発揮させるには塗装を行う瓦の材質を把握した上で、塗料を検討して頂きたい。またその材質によって当然劣化するスピードも違うので、メンテナンスを行うべき時期も変わってくる。後述する瓦の材質ごとの推奨塗装年数と合わせて見て頂きたい。

スレート瓦

セメントを主原料とし、繊維を補強材とした平板状の瓦のことである。陶器瓦のおよそ半分の重量と軽量であり、地震時の揺れを軽減できるメリットがある。

一方塗装の耐用年数は陶器瓦に比べ短く、またその薄さから天候や飛来物による割れやすさがあり、保護的な意味からもこまめなメンテナンスが必要になる。


メンテナンス推奨期間:7〜10年

推奨塗料:シリコン、フッ素

金属製瓦(トタン系)

非常に軽量で地震時の揺れも少なく施工も楽で安価な為、過去に非常に普及した瓦である。しかし塗膜の耐用年数が短く錆びやすい特性を持ち、耐久性は他の瓦に比べ劣っているので現在ではほとんど用いられない。

また落下物で傷が付くとそこから一気に錆が広がる可能性があり、定期的に点検は行った方が良い。特に海に近い沿岸部は塩害の影響で劣化スピードが非常に速いため、より早期の点検が必要になる。

メンテナンス推奨時期:5〜7年

推奨塗料:シリコン、フッ素(注:いずれも溶剤系のもの)

セメント瓦

セメントを瓦の形に成形したもので塗装で補強されているものを指す。

軽量で地震時の揺れが小さい上に、形や色のバリエーションが豊富で、しかも手頃な価格になっている。

しかし塗膜が雨や紫外線で劣化しやすい弱点を持ち、特にモニエル瓦は色付けされたセメントのスラリー層が非常に劣化しやすく、表面の塗装が剥がれやすいという問題を抱えている。

出典:http://www.painterpainter.net/

塗装を避けたがる業者も多いが、既存塗装をしっかり取り除き、スラリー層を固着させる下地塗料を塗布することで塗装が可能になっている。

また塗料も溶剤系を使うとスラリー層を劣化させて、新しい塗装を剥がれやすくしてしまうので、水性を使うなど配慮が必要である。いずれにせよ最もシビアに点検とメンテナンスを行うべき瓦となっている。


推奨メンテナンス時期:7〜10年

推奨塗料:水性フッ素塗料

陶器(粘土)瓦


日本の伝統的な瓦で粘土に釉薬を塗り、高温で焼いて硬化させ発色させる。非常に耐久性が高く、色の変色や褪せも少ない非常に優れた瓦である。

基本的に塗装は不要な瓦で耐用年数経過後に痛みがあれば葺き替えがオススメである。ただ素材自体の耐用年数は長いが、割れや止め釘の浮き、漆喰の割れなど付随する部材の劣化は発生するため、定期的に点検をオススメする。


推奨メンテナンス時期:10年(止め釘や漆喰、割れなどの点検)

推奨塗料:基本的に塗装の必要なし

<各瓦材質の詳細一覧>

瓦材質平米単価(材工共)特徴推奨メンテナンス時期推奨塗料
レート瓦4,500円〜7,500円・軽量で安価

・割れやすく耐久性に劣る

7〜10年シリコン、フッ素
金属系瓦(トタン系)4,500円〜6,000円・軽量で安価、施工が楽

・錆に弱く定期的な点検が必要

5〜7年溶剤系シリコン、フッ素
セメント瓦6,000円〜8,000円・軽量で色や形状が豊富

・塗膜が劣化しやすく剥離の恐れもある

・下地塗料に専用のものを要する

7〜10年水性フッ素
陶器(粘土)瓦8,000円〜12,000円・耐久性が非常に高い

・変色や色あせも少ない

・漆喰や止め釘などの定期メンテナンスは必要

10年(周辺部材の点検)基本的に塗装の必要なし

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瓦塗装の相場価格と見積りチェックポイントを完全公開!

  • 塗料を確認し平米単価で比べる

ではお手元の見積りと相場の比較に移りたいが、一般の方はつい総額に目が行きがちだが、前述のように何の塗料を使っているかをまずは確認し、その上で平米辺りの単価を確認して頂きたい。

料の種類を確かめずに比べることは、レギュラーガソリンとハイオクガソリンをその性能を語らずに高い安いと騒ぐくらい無意味である。また総額で比較しても建物の大きさが違えば総額が違うのは当然なので、初歩的なことだがあくまで平米単価を比べるようにして欲しい。

<塗料と平米単価の相場>

塗料平米単価(材工共)
ウレタン1,700円〜2,000円
シリコン2,200円〜3,200円
フッ素3,700円〜5,200円

 

※この単価はこの後解説する3回塗り合計の単価になっている。

  • 3回塗りかを必ずチェック

一般的な屋根塗装は下塗り+中塗り+上塗りと3回塗るのが塗料メーカーの推奨になっていることがほとんどであり、しっかりと3回塗りが明示されているか確かめることが重要である。

中には3回分まとめている見積りもあるが、これではどんな塗料を使われるかわからないので、その場合は分けて出してもらうようにしよう。ただ比較の際はその合計で比べる事が重要になる。混乱しそうだが3回合計の単価で考える、と意識すると良いだろう。

▼3回塗りの見積書内訳事例

品名数量単位単価(円)金額(円)
屋根塗装(フィーラー)下塗り10070070,000円
屋根塗装(シリコン塗装)中・上塗り1002,300230,000円

 

 

  • 諸費用、付帯工事のチェックポイント

続いて代表的な諸費用、付帯工事とその相場をチェックして頂きたい。特に今回挙げている費用は必須項目であるので、入れていない業者は注意する必要があるだろう。

足場 600円〜900円/m2

作業の安全と丁寧な作業のために建物を鉄製のパイプで囲うものである。コストダウンの為に省くことを提案する業者もいるが、大変危険な上に塗装のクオリティも下がってしまう。また次に挙げる飛散防止ネットを取り付けるためにも必要になる。

飛散防止ネット 100円〜200円/m2

建物以外の車や近所へ塗料が飛んで、付着してしまうことを防ぐために必須である。よく平屋では取り付けない業者もいるが、風に乗れば塗料は遠くまで飛ぶので必ず設置するようにしたい。

養生 一式20,000円〜50,000円

 

塗料が汚さないように、建物の窓や樋、近い場所にある車などにビニールの覆いをする。どこまで養生するかは業者によって違いがあり真面目さの判断にもなるので、金額の高低だけでなく内容を確認したい。塗装代などに含まれている事もあるが、見積りに無い場合は必ず確認しよう。

洗浄 200円〜300円/m2

瓦に付いた既存の汚れなどを洗い落とす。塗料をしっかり付着させる為に非常に重要で、これを丁寧に行わないと塗装の耐用年数にも大きく関わる。

また工程でしっかり乾燥させる時間を取ってあるかもチェックポイントだ。汚れがひどい場合は2回洗浄を提案される場合もあるが、親切な業者と思い受け入れた方が良いだろう。

下地処理 20,000円〜30,000円/一式

出典:http://itou-souken.com/

ケレン(既存塗料や錆の剥がし)、浮いている釘の打ち込み、防水補修などの処理。実際に作業を始めると予想以上に劣化があり、金額が上乗せになる可能性がある部分だ。

かし屋根上工事は頻繁には出来ないので、可能な限り一度にやってもらうことをお勧めする。また安心の為にも施工前後の写真を撮ってもらうよう依頼しよう。

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縁切り(タスペーサー使用)200円〜300円/m2あるいは30,000円〜50,000円/一式

出典:http://www.paint-saika.co.jp/master-blog/6621.php

スレート瓦に塗装する際、瓦同士の隙間が塗料によって塞がってしまう事を防ぐ作業で、主に専用のタスペーサーという部材を瓦の合わせ目に差し込む。隙間が塞がってしうと雨水の逃げどころが無くなり瓦の下にたまってしまう。

この雨水が下地を腐食させ雨漏りなどの危険に繋がるため、スレート瓦の工事には必須の工程である。

それって必要?発生しやすい追加工事を徹底検証

いざ工事が始まると、より間近で屋根を業者が見ることになり、下見では気づかなかった不具合が見つかることがある。

ここではいざ工事が始まってからの追加で予算オーバーにならないために、代表的な追加工事とその相場金額を挙げておきたい。

雨樋補修 10,000円〜30,000円(材料新規取り寄せの場合)

雨樋の勾配が流れるべき方向へ傾いていなかったり、下から見えなかった穴や割れが見つかることがある。

また近隣に畑や林があると、樋が土や枯葉で詰まっていることも多い。

多くは簡単な調整や補修で済み、費用も数千円やサービスで終わることもあるが、新規に材料を取り寄せるとなると数万円かかることもある。

瓦割れや周辺部材の補修 20,000円〜30,000円

見積りのところでも触れたが、瓦の割れやズレ、止め釘の浮きなどの補修が必要になる場合があり、最初の見積りに盛り込んである業者が多い。

しかし東日本大震災があって以降、補修箇所が広範囲になる現場も見受けられ、手間や材料が結構かかるようだと、追加費用が発生することもある。

金額にもよるが屋根の耐久性に関わる部分も多いので追加分も施工したほうが賢明だろう。ただし後発覚の場合は写真などをしっかり撮ってもらい後日確認することが大切である。

アンテナの交換 30,000円〜50,000円

下から見ていると気付かないが、築10年を越えているとアンテナが錆びていることがある。

テレビが見れていれば早急に変えることは無いが、地域によってはアナログ放送時代の高さのあるアンテナのままのケースもある。

現在の地デジのアンテナは低いものが多いので、これを機に交換する方も多い。高さのあるアンテナは強風で倒れることがあり、瓦を割る被害に繋がるので屋根塗装の際に検討してみると良いだろう。

太陽光パネル下の瓦補修

一時期の太陽光ブームで乗せた方も多いと思うが、その施工によって瓦を痛めているのが発見されるケースがしばしばある。

当然保証内であれば施工会社に依頼すれば無償で対応してくれるだろうが、厄介なのが保証が切れていたり、会社自体がなくなっていて有償になる場合だ。

屋根塗装工事が始まる前に、太陽光パネルの施工会社に連絡を入れ、保証内容などを確認しておくことをお勧めする。

まとめ

以上代表的な追加になりやすい補修工事を挙げてみた。足場があることで後で工事をするよりも安価に済むので、予算に余裕があればお勧めしたい工事である。

ただ難しいのは工事中に発覚することがほとんどなので、工期の都合上すぐに補修するかしないかを判断しなければならない点だ。上記のような事例をあらかじめ予想しておくことで、その判断をスムーズにできることになるので、ぜひ活用して頂きたい。

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本当に塗装をすべき時期か見分けるポイントを公開!

例えば訪問してきた業者に塗装をする時期だと勧められても、本当にそうなのか疑問ではないだろうか?信頼できる業者ならまだしも、見ず知らずの業者だと儲けたいが為に言っているのではないか?と思うのも当然だろう。

しかし本当に塗装すべきタイミングなら、家の耐久性のためにも工事はしたいところだ。そこでここでは本当に屋根を塗装すべき時期なのか、自分で判断する為のポイントをご紹介しよう。

  • 材料の耐用年数から判断する

ここで前述した瓦の材料ごとの推奨される塗装年数をまとめてみよう。

瓦材質推奨塗装年数
スレート瓦7〜10年
セメント瓦7〜10年
金属製瓦

(トタン系)

5〜7年

ここで挙げている年数は一般的とされる年数であるが、周りの環境によってそのスピードが大きく変わる。

また屋根の場合は直接日光や風雨に当たるため、外壁に比べ劣化が非常に早いことも注意点だ。そこで数字だけでなく次の実物を目視で判断することも合わせて行って頂きたい。

 

  • 外観上で判断するポイント

依頼主自身で外観上からある程度痛みの具合を判断する事はできる。簡易的な望遠鏡で離れたところから見ても良いし、1階の屋根がある家なら2階の窓から見下ろすこともできる。

ポイントは天気のよい日中に見る事と、出来る限り東西南北の4面を確認する事である。くれぐれも安全に注意しながらチェックして欲しい。

艶が落ちていないか

艶は見た目だけでなく、瓦の保護膜の役割も持っている。それが落ちてきているなら塗装をすべきタイミングと言える。

色が薄くなっていないか

艶と同様に色が薄くなっていることも、塗装の劣化の現れと言え、塗装を検討すべき時期である。

コケやカビが無いか

コケやカビが生えている場合は、瓦が水分を含み痛みが急速に進行する為、至急塗装などのメンテナンスを行うべきである。

塗装が剥がれていないか

塗装が剥がれている場合は素地がむき出しの状態なので、瓦本体を劣化させてしまう。

放置しておくと瓦本体の交換になってしまうので、早急な対策が必要だ。

ひび割れがないか

ひび割れは一見すると緊急性は無いように思うが、その断面から水分などが瓦本体に浸透していくため、塗装や補修などで防いであげなくてはならない。

触った時に手に塗料が付かないか

これはチョーキングと言われる現象で塗装が剥離している状態である。これも瓦本体へ水分や紫外線が到達し痛めるので、早めの塗装をお勧めする。

画像元:http://www.m-kensou.com/

どうせ屋根を見るなら合わせて雨樋を、チェックすることもお勧めしたい。穴や割れはもちろん、詰まりは樋の上面から草が伸びていることでもわかる。塗装する際の追加で樋の補修や清掃も検討してみよう。

  • 最後は必ず専門家と一緒に判断する

塗装時期かどうかはこれらのポイントが一つの目安にはなる。

しかし残念ながら依頼主の判断には限界がるので、必ず専門家の判断も仰ぐことが最も重要だ。やはりプロなりの視点もあり、他の多くの付随する材料から時期を判断するからだ。

あまり疑心暗鬼になって適切なタイミングを逃してしまっては元も子もない。屋根の調査自体はほとんどの業者で無料であるし、不安があれば徹底的に疑問を投げかけてみよう。しっかり応えてくれるかで良い業者の判断にもなるはずだ。

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火災保険を活用して瓦の塗装工事の自己負担を減らす方法とは?

劣化の程度に納得がいき、時期的にも瓦を塗装すべきと解ったとしてもなかなか踏み切れないのは、やはり金額ではないだろうか?

数十万から規模によっては百万を越えるケースもあるからなおさらである。しかしそれ、が火災保険でまかなえるとしたらどうであろうか?

ご存知ない方も多いのだが火災保険には、火事以外に自然災害で建物に被害が発生した場合にも補償されるものもある。では具体的にはどのようなものか見てみよう。

  • まずは保険内容の確認を!

まず前提として現在加入している火災保険が火災だけでなく、風災、雹災、雪災など自然災害も補償する内容になっていることが必要である。

保険内容

これは手元にある保険の証書を見ると解るのですぐに確認してもらいたい。また補償になるとしても修理費が一定額以上かからないと対象にならないケースもあるので、対象となる条件にも注意して頂きたい。

  • どのような被害が補償されるのか?

ではどのような被害が補償されるのか、代表的な台風、竜巻、大雪での場合をご紹介しよう。

風害

風害

代表的なのが台風や竜巻による被害だ。風自体で破損した場合や、風により飛来してきたものが建物の屋根や雨樋、窓ガラスや外壁を壊した場合などにも補償される。

また敷地内のカーポートや門扉も対象になるので、広範囲に渡って活用することも可能だ。さらに台風によって屋根が損壊し雨漏りを起こした時の被害も補償されることもある。

大雪

雪害

大雪による被害も雪災として認められる。具体的には屋根瓦や雨樋の破損、カーポートの倒壊などだ。その他にもアンテナや屋外照明、テラス屋根建物などの付属設備や、敷地内の物置なども補償対象となる保険もある。

大雪などによる雪害についての被害については下記記事にて詳細を確認頂きたい。

「雪害の火災保険活用方法!6つの事例と申請方法を徹底解説」

  • 瓦の塗装工事で自然災害による損傷を修理する

ここで本題に戻るが、もし瓦の塗装工事を行う際に自然災害で痛んだ瓦の修理もするつもりなら、それが火災保険の対象になるかぜひ確認して頂きたい。修理範囲が広ければ費用が数十万円になることもあるが、それが火災保険でまかなえるなら自己負担を抑えることができる。

また工事規模が大きく足場を設置する必要があり保険会社で認められれば、その費用を保険金で充てる事も可能で、塗装工事の自己負担分を減らせることになる。せっかく保険料を支払っているのだから、ぜひ上手に活用して頂きたい。

  • 保険の申請方法

①まず保険会社に連絡を取り申請することを伝える

②保険会社から必要な書類を送ってもらう

③申請書類を作成、送付し申請を行う

④保険会社から派遣される損害鑑定人に損害状況を調査してもらう

⑤損害鑑定人の報告に基づいて保険会社が審査

⑥申請内容が承認されると保険金が支払われる

  • まずは専門知識を持った業者に相談

ただその補修が保険の対象になるかの判断は素人では難しいのが実際のところだ。しかも申請の書類には、被害の発生原因や現状写真を添付した状況報告書と、修理すべき箇所の修理見積書が必要になり、なおさら自分で準備するのは困難だろう。

ここは火災保険の申請について専門的な知識を持った業者に相談をするべきだろう。どうすれば申請が通りやすいかなどノウハウを持った専門業者の方が、安心して任せることができる。

信頼できる業者こそ適正価格の大前提!見分ける4つのポイントを徹底解説

残念ながら信頼できる塗装業者を見分けるのはそう簡単ではない。特に塗装は初めてという方は、金額が適正かわからない上に騙されていないか不安が大きいのではないだろうか?

塗装は高額なのでそう何度もできないのに、失敗してもそれが解るのは数年後と厄介な買い物である。もうこれは目の前にいる業者が真面目な業者かどうかにかかっている。

そこで最後に、現在検討している業者が信頼できるか、判断できるチェックポイントをお伝えしたいと思う。

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  • 契約を急がせる業者は要注意

どの買い物でもそうだが、決断を急がせるのは冷静に考えられては困るからである。キャンペーンやモニターなどで締切を決めて決断を急がせれば、勢いのまま契約させることができると考えているのである。

しかし適正な値段でしっかりした仕事をしている業者なら、余裕を持って依頼主の判断を待てるはずである。

よく近くで塗装が終わるので足場をそのまま使えば持って帰る手間代分安くできる、と声をかけてくる業者もいるが、まともな仕事をしていれば数ヶ月先まで仕事が埋まっているので、寄り道仕事などやっている暇はないはずである。

いずれにせよ、これらのセールストークを出してくる業者には注意が必要だ。

  • 契約前に工程の説明をしてもらう

優良な業者は近隣挨拶から足場掛け、養生、点検、洗浄、1次補修、下塗り、中塗り、上塗り、2次補修、立ち会い確認、清掃など、工事の各ステップの内容と期間をきちんと説明できるはずである。

しかし、いい加減な業者は時間のかかる洗浄や塗装後の乾燥の時間を省きたいので、工程を説明したがらない傾向がある。同じ金額なら早く仕事をおしまいにした方が人件費が浮くからだ。

ひどいところになると、縁切りや補修をやらなかったりなど、依頼主が気付きにくい部分で手抜きをして費用を浮かせようとする。契約前に工程の説明を求めてみると、その対応は業者選定の大きな判断材料になる。

  • 工事の報告はどのように行うか聞いてみる

屋根の塗装は外壁と違って様子を依頼主が見ることができない。そこで丁寧な業者は、依頼主に安心してもらう為、ステップごとに状況写真を撮っていることが多い。

また、依頼主が依頼すれば快く対応してくれるはずである。しかし事あるごとに作業を抜きたい業者にとってそれは面倒以外の何者でもない。

試しに写真での途中経過報告を頼んでその反応を見てみよう。補修などの確認しにくい仕事をやった事にされてしまうのを防ぐ事もできる。

  • あまりに遠方の業者は避ける

現場では思わぬ破損が見つかったりなど、至急対応しなければならない事がおこる。また、依頼主が疑問に思い現場で説明をしてもらいたい事も出てくる。

しかし業者の事務所があまりに遠いと担当者の対応が遅れたり、随時現場で説明を受けることもしにくくなる。よほどその業者が気に入ったなら仕方が無いが、あまりに遠い業者は避けた方が無難である。

また飛び込みの業者は遠方から来ることも多いのだが、これは何かトラブルがあった時に知らん顔をしやすいからと考えている業者も、残念ながら存在する。もちろん起きて欲しくないが、万一のことを考えるとやはり近場の業者の方が安心できるだろう。

最後にまとめ

塗装について正しい知識を持つと適正な金額を知ることができる上に、的確なタイミングでしっかりした工事を行ってくれる業者を選ぶことが可能になる。そして、これらが積み上げられて初めて、大切な資金を出費するに値する工事を手に入れる事ができるのだ。

また、火災保険に加入している場合は積極的に活用して工事費用の負担額を減らす努力をしてみよう。調査は無料で保険料が上がることも無いのでリスクは無い。

但し、依頼をする場合は、火災保険の申請に精通した工事会社に依頼をするべきである。塗装を含めたメンテナンスは将来に渡って家の劣化を心配せず、安心して住めることをもたらしてくれる。ぜひ上手に家に手を加え、末永く大切にしてあげて頂きたい。

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【記事監修】 山田博保

株式会社アーキバンク代表取締役/一級建築士

一級建築士としての経験を活かした収益物件開発、不動産投資家向けのコンサルティング事業、及びWEBサイトを複数運営。建築・不動産業界に新たな価値を提供する活動を行う。

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