壁の石膏ボードの穴をDIYで補修!業者との費用の違いなど徹底調査

壁の石膏ボードの穴をDIYで補修!業者との費用の違いなど徹底調査

壁の下地である石膏ボードに穴が空いたら早急に補修をすべきだ。

時間と共に状態が悪化して補修費用が高騰するだけでなく、賃貸の退出期限が迫れば否応なしに補修をすることになり、割高な原状回復補修で膨大な請求を覚悟しなければならない。

そこで今回は建築のプロである一級建築士が、素早く安価に修復できるDIY方法と、専門業者の費用相場や依頼すべき状況などを、わかりやすく解説する。

記事の最後に紹介している火災保険で補修費を補償してもらうテクニックも活用し、できるだけ自己負担を減らしながら素早く修復をして欲しい。

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早急に壁ボードの穴は補修!

早急に壁ボードの穴は補修!

壁の下地である石膏ボードに空いた穴を放置することは非常に危険だ。

ドアの開け閉めや付近を通る車の小さな振動、そして地震などで広がったり、さらには小さい子やペットが好奇心から広げてくれたりと、すぐに直した場合に比べ補修費用が上がる事態になりやすい

特にアパートやマンションの賃貸では退出時には故意や過失による損傷を修復する責任があり、ただでさえ割高な原状回復費が放置による状態の悪化でさらに増えることになる。

壁のボードの穴は対処を後回しにしても何一つメリットが無いということを、十分に理解して欲しい。

壁の石膏ボードの補修費用相場

壁の石膏ボードの補修費用相場

早めに対処をした方が良いのは理解できても、やはり気になるのは費用だろう。

そこで以下に専門業者に補修を依頼した際の費用相場をご紹介する。

補修内容技術費用相場
ネジや釘の穴15,000円〜20,000円
ひび割れ15,000円〜20,000円
へこみや小さな穴30,000円〜
大きめな穴(ボード張替含む)40,000円〜
壁紙の張替え1,000円〜/㎡

※損傷の程度や範囲によって価格は変動。また材料の新規取り寄せや出張料などは別途。

参考に付け加えると、DIYの費用は道具や材料代だけで済むので非常に安価だ。

簡単なネジ穴の補修なら1,000円前後、揃えるものが多い大きめの穴でも1万円以内で済むため、なるべく出費を抑えたい方にとってDIYは有効な手段である。

手軽に直せるDIY方法と補修材

手軽に直せるDIY方法と補修材

DIYの道具の多くはホームセンターやネットで手に入るため、気軽にしかも素早く取り掛かることができる。

ここではそのDIY補修法で用意すべき物と作業手順を、穴の状態別に詳しくに解説する。

今回ご紹介しているほとんどの補修は、ゆっくり行えば多少不慣れな方でも問題なく行えるものだ。

しっかり時間を確保し丁寧に行うようにしよう。

ネジ穴は補修キットで埋める

ネジ穴は補修キットで埋める

ネジ穴は専用の補修キットで簡単に直すことができる。

壁紙は一見真っ白に見えてもクリームやベージュが入っていることが多く、真っ白な補修材だと目立ってしまう危険性があるので、色は慎重に選ぼう。

また最後にドライヤーを当てるのも補修跡がわからないようにするためのひと手間だ。

全体の手間は少ないが手を抜かずしっかり行うようにして欲しい。

用意するもの

・補修キット

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・カッター

・ドライヤー

手順

①穴の周りにささくれやクロス破れがあれば切り取る。

また縁が盛り上がっているようなら硬いもので押して平坦にする。

②補修材を詰める。

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③付属のヘラではみ出た補修材をそぎ取る

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④熱で膨張するタイプなら10分ほど乾かした後ドライヤーを当てる。

ふくらむことで自然な凹凸になり、補修跡が目立たくなる。

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ひび割れはコーキングで補修

ひび割れはコーキングで補修

穴ではないがひび割れも壁のボードによく発生する損傷だ。

コーキングを注入することで非常に簡単に修復できるため紹介しておく。

こちらも壁紙の色をしっかりと確認し近い物選ぶようにする。

用意するもの

・コーキング

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・カッター

・ヘラ

・スポンジ

手順

①割れの周りにささくれや壁紙のやめくれがあれば、カッターで切り取る。

②ひび割れにしっかり当て奥までコーキングが入るように注入していく。

多少はみ出ても気にせずたっぷり目に打とう。

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③打ち終わったらはみ出たパテをヘラで丁寧にそぎ取り、濡らして軽く絞ったスポンジで拭き取る。

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へこみや小さな穴はメッシュシートで直す

へこみや小さな穴はメッシュシートで直す

およそ5センチ未満の小さめの穴やへこみには、メッシュシートと呼ばれる網目の補修シートが最適だ。

用意するもの

・メッシュシート

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・カッター

・壁紙用ローラー

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・壁紙ボンド

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・マスキングテープ

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手順

①穴の周りの壁紙を大きめにコの字型でカットし、剥がしたらマスキングテープで仮止めする。

①穴の周りの壁紙を大きめにコの字型でカット

②穴の周りのボードをカッターで切り取る。

ボードの裏側がより広く割れている場合もあるので、大きめに切り取るようにする。

②穴の周りのボードをカッターで切り取る。

③メッシュシートを貼る。

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④壁紙をボンドで貼り戻しローラーで押さえて完了。

④壁紙をボンドで貼り戻しローラーで押さえて完了。

※穴部分の壁紙が無い場合や破れがひどい場合は「3-5:壁紙の部分張替え」を参照しながら新たな壁紙を貼る。

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大きな穴はボードを張替えパテで埋める

大きな穴はボードを張替えパテで埋める

こぶし大以上の大きめな穴はメッシュシートでは凹んでしまうため、ボードを部分的に張替える。

この補修の裏側から下地を当てて固定する工程は、DIYに不慣れな方にはハードルが高い。

もし自信がないようなら専門業者へ依頼しても良いだろう。

用意するもの

・張り替え用の新しい石膏ボード

壁用の厚みは12.5mmになる。

大型ホームセンターであれば希望の大きさにカットしてくれる。

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・カッター

・下地用の木材

・木材用ビス

・壁補修用パテ

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・パテ用ヘラ

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・サンドペーパー

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手順

①穴の周りの壁紙を大きめにコの字型にカットして剥がし、仮止めをする。

②穴の周りのボードをカッターで大きめに四角く切り取る。

②穴の周りのボードをカッターで大きめに四角く切り取る。

③穴の裏側から下地用木片を両側に当ててビス留めし、その上から新たな石膏ボードを貼る。

③穴の裏側から下地用木片を両側に当ててビス留めし、その上から新たな石膏ボードを貼る。 ④石膏ボード同士の継ぎ目をパテで埋め、乾燥したらサンドペーパーで削って平坦にする。

⑤剥がした壁紙にボンドを塗って貼り戻し、ローラーで押さえて乾いたら完了。

⑥壁紙の継ぎ目が気になるようなら、3-2で紹介した壁紙用コーキングで埋める。

※こちらも穴部分の壁紙の痛みが激しかったり紛失していたりするなら、次にご紹介する壁紙の部分張替えも行う。

壁紙の部分張替え

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穴の損傷具合によっては壁紙がひどく破れたり、切れてなくなっていたりすることもある。

この場合は壁紙の部分的な張替えが必要になるのでご紹介しよう。

ただし同じ壁紙が入手できないとツギハギのようになってしまうので、仕上がりを重視するなら壁一面の張替えることになる。

DIYも可能だが難易度は大きくアップするため、自信のない方やきれいに仕上げたい方は専門業者へ相談した方が安全だ。

用意するもの

・新しい壁紙

https://amzn.to/2NFhbaD

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・カッター

・壁紙用ボンド

・壁紙用ローラー

手順

①穴の周りをカッターで四角く切り既存の壁紙を剥がす。

①穴の周りをカッターで四角く切り既存の壁紙を剥がす。

②穴を補修し終わったら、最初に切り取った四角よりもさらに大きく切った新しい壁紙を補修部分に当てる(この段階ではまだ接着しない)。

③既存の壁紙と新たに貼った壁紙の重なったライン(赤い線)でカットする。

③既存の壁紙と新たに貼った壁紙の重なったライン(赤い線)でカットする。

④新しい壁紙を一旦外して赤線より外側の余分を取り、既存も重ねて切ったラインから内側を取り除く。

④新しい壁紙を一旦外して赤線より外側の余分を取り、既存も重ねて切ったラインから内側を取り除く。

⑤改めて新しい壁紙をボンドで貼りつけ、ローラーで押さえれば完成。

賃貸の原状回復費を抑えるなら専門業者に依頼

賃貸の原状回復費を抑えるなら専門業者に依頼

賃貸の退出時の原状回復費を抑えるために、DIYによる補修をしようと考える方は多いが、それは逆効果である。

DIYの補修は残念ながら「目立たない程度」に直すのが精一杯で、第三者が見れば明らかに補修したことはわかる仕上がりだ。

しかし賃貸の貸主側は次に入ろうとする人から敬遠されないように、損傷が全くわからないように直したいと考えている。

そのためDIYレベルの仕上がりでは原状回復したとは言えず、貸主側で改めて補修を行い費用を請求される可能性が高い。

もし借り主側で補修を行うなら、傷を全くわからないように消し去る技術を持った補修屋のようなプロに依頼する方が間違いはないだろう。

※賃貸物件によっては借り主による補修手配を禁止している場合もあるので、依頼の前に契約時の書類を確認し、リスクを理解した上で判断するようにしたい。

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損傷を消し去ってしまう補修屋とは

Before

Before

After

After

補修屋とは住まいのあらゆる場所にできた損傷を、ピンポイントで修復するプロフェッショナルだ。

様々な素材や傷の種類を熟知し多くの補修方法の知識と経験を備えており、腕の立つ者なら補修した跡が全くわからないように傷を消し去ることができる。

よく聞くリフォーム会社の場合は比較的大きな工事を得意としており、小さな穴のでも壁1面を張替えるような高額補修に発展しがちである。

また賃貸の管理会社が手配する原状回復の補修工事は、貸主や補修業者自身に「どうせ借りた人間が払う」という意識があるため、相場より非常に割高な金額設定になっている。

しかも管理会社の中間マージンが乗ることもあり、法外な請求になることも珍しくない。

その点補修屋の場合は損傷部分に絞って作業をする上に、直接補修を行う職人とやり取りをするため、非常に手頃な値段で直すことができる。

その補修屋の仕事振りがわかる動画が紹介されていたので参考にご覧いただきたい。

補修屋の技術費用相場

補修屋の技術費用相場

以下に補修屋の技術費用相場をご紹介するので、検討の参考にして欲しい。

金額は損傷サイズにより増額の場合があり、また材料新規取り寄せや出張費等は別途となる。

正確な金額を知りたい方は、損傷部分の写真をメールで送ると無料で見積もりしてくれるところもあるので、一度問い合わせてみると良いだろう。

補修内容技術費用相場
ネジや釘の穴10,000円〜15,000円
ひび割れ補修10,000円〜15,000円
へこみや小さな穴25,000円〜40,000円
大きめな穴(ボード張替含む)30,000円〜
壁紙の張替え1,000円〜/㎡

腕の確かな補修屋の見分け方

腕の確かな補修屋の見分け方

補修屋に依頼する際に注意して欲しいのは、どの補修屋でも傷跡がわからないように直せる訳ではないということだ。

補修屋の中には他の建築業に関わる職人がアルバイト感覚で行っている場合もあり、せっかくDIYより多くの費用をかけても、明らかに補修跡がわかるような仕上がりもあり得る。

また激安を売りにしている業者などは、安かろう悪かろうの補修を数だけこなしている場合もあり、仕上がりは当然お粗末なものだ。

そのため依頼先を検討する際は、目で見える形でその技量を確認することが有効な防衛策となる。

例えば自社サイトを持っており、そこで過去の実績を写真付きで紹介していれば大いに参考になるだろう。

補修屋を選ぶ際は金額だけでなく、どのレベルの腕を持っているかをしっかりと確かめるようにして欲しい。

火災保険を使って自己負担額を最小限に

火災保険を使って自己負担額を最小限に

傷を消し去ってくれる補修屋に依頼はしたいがやはり金額で躊躇してしまう、という方はぜひ加入している火災保険を確認してみて欲しい。

ボードの穴を補修するのに火災保険と聞くと不思議に思うかもしれないが、現代の保険は台風などの風災や盗難による破損など、住まいの様々な損傷をカバーする総合保険になっており、穴の補修も条件が適合すれば補修費用が補償されるのだ。

どのような損傷で保険が使えるのか?

持ち家の場合には火災保険の「不測かつ突発的な事故による汚損・破損」に該当すれば補償が受けられる。

これは物を運んでいてうっかりぶつけてしまったり、子供がおもちゃを投げつけて凹んでしまったりした損傷を指す。

適用には損傷が発生した日時や原因がはっきりしている必要があり、その部分の機能に支障が出ていると補償されやすい。

逆にいつの間にか凹んでいたという場合や、経年劣化で傷んだ場合などは補償外となるので注意をして欲しい。

一方で賃貸の場合は「借家人賠償責任担保特約」が、入居時に加入した家財の火災保険に付加されていれば、補修責任を問われた場合に補償してもらえる可能性がある。

適用条件については保険によって異なるため契約時の書類や保険の証券で確認し、どうしてもわからない場合は保険会社に直接問い合わせてみると良いだろう。

保険修理を頼む業者の注意点

保険を使って補修する場合、その原因がきちんと適用条件にあてはまるかを書類で保険会社に伝えなければならないが、これは例え腕の良い補修屋でも保険利用に不慣れなら非常に難しい作業になる。

当たり前だが傷を直す知識と保険の知識は別であり、せっかく保険適用の損傷であるのに申請が不十分なため補償を拒否されるケースがあるので注意が必要だ。

保険を利用して補修を行う際は保険申請の実績の豊富な補修屋を選ぶようにしたい。

まとめ

壁の下地である石膏ボードに空いた穴は、状態が悪化するのを食い止めるためにも、出来る限り早急に補修を行うべきだ。

それぞれの損傷状態別の補修方法をお読み頂き、積極的にDIYへ挑戦して欲しい。

しかし賃貸退出時の補修費用を抑えるためには、初めから専門業者へ依頼した方が余計な出費を防ぐことができる。

腕の確かな補修屋を検討するなど、最終的な仕上がりを重視した方法を選択して頂きたい。

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【記事監修】 山田博保

株式会社アーキバンク代表取締役/一級建築士

一級建築士としての経験を活かした収益物件開発、不動産投資家向けのコンサルティング事業、及びWEBサイトを複数運営。建築・不動産業界に新たな価値を提供する活動を行う。

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