ブロック塀の解体・修理方法や費用は?ひび割れなど劣化状況別に解説

ブロック塀の修理方法や費用は?劣化の状況別に徹底解説!

最近台風や地震が頻繁に発生し様々な被害が発生している。

その中でも塀の被害は単なる損傷だけではなく、人の命をも奪ってしまう危険性が非常に高い。

倒壊した塀が人を直撃した場合、あなたは被害者どころか加害者になる可能性も否定できない。

そういう状況になる前に、1度塀の修理を検討してはいかがだろうか。

そこで今回は塀の修理方法だけでなく、価格も交えた様々な情報を解説する。

最後には塀の修理費用負担を軽減する方法もお伝えしている為、最後まで読んでいただきたい。

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この記事読むことで理解できること

劣化した家の塀を放置する危険性

劣化した塀を放置する危険性

あなたは劣化した塀を放置していないだろうか。

例えばブロックが積み上がった塀である。一般的にブロック自体には耐久性があり素晴らしい工業製品である。

ただ、そのブロックが放置されていたまま、しかも積み上がった状態で放置されているのなら話は変わってくる。

2018年6月に起こった北大阪を震源とする地震では、地震の影響で倒れてきたブロック塀の下敷きになり小学生の女児が死亡するという事故が起こった。

一部からは「運が悪かった」という声が上がっているが、本当にそれだけだろうか。

実は、そのブロック塀は建築基準法に違反したものだったのである。 歴史に「もし」や「たら」という言葉はないが、もし現在の建築基準法に適合したブロック塀であったら被害が防げたのではないだろうか。

もし、定期的に点検・メンテナンスをしていれば40mに渡って塀が倒れることはなかったのではないだろうか。

当然ながら、この塀を造った業者も加害者になりたくて造ったのではない。

だが、建築基準法に違反した塀や、亀裂が入ったままの塀を放置すれば、何かの影響で倒壊する可能性が高いということである。

つまり、誰でも加害者になる可能性があるということだ。

そうならないためにも、どのような塀であれば建築基準法違反とならないのか。

そこでまずは、現在の法律についてまとめてみたのでご覧いただきたい。

現状の建築基準法

現状の建築基準法

現在の建築基準法へと法律が改正されたのは1981年(昭和56年)である。

その時ブロック塀の高さは3m⇒2.2mへと引き下げられた。つまり、1981年以降に建築される塀は新しい建築基準法に則って建築されなければならない。実は、その引き金となった出来事がある。

それは、1978年(昭和53年)に起こった宮城沖地震で28名の方が亡くなったが、そのうち18名がなんと塀の倒壊が原因でその下敷きになり亡くなったというのである。地震の損害があまりにも大きかったために、その3年後に建築基準法が改正されたのである。

では、どのような法律なのか具体的に解説していく。

建築基準法上の塀の規定

建築基準法上の塀の規定

まずは、塀の規定を書きたい。この規定があいまいなままであれば、いくら解説したとしても理解しにくいからだ。

建築基準法第62条に塀の規定が解説してある。補強コンクリートブロック造の塀の規定がこちらである。

第四節の二 補強コンクリートブロック造

(塀)

施行令 第六二条の八

補強コンクリートブロック造のへいは、次の各号(高さ1.2メートル以下のへいにあつては、第五号及び第七号を除く。)に定めるところによらなければならない。ただし、国土交通大臣が定める基準に従つた構造計算によつて構造耐力上安全であることが確かめられた場合においては、この限りでない。

一 高さは、2.2メートル以下とすること。

二 壁の厚さは、15cm(高さ二メートル以下のへいにあつては、10cm)以上とすること。

三 壁頂及び基礎には横に、壁の端部及び隅角部には縦に、それぞれ径9mm以上の鉄筋を配置すること。

四 壁内には、径9mm以上の鉄筋を縦横に80cm以下の間隔で配置すること。

五 長さ3.4m以下ごとに、径9mm以上の鉄筋を配置した控壁で基礎の部分において壁面から高さの5分の1以上突出したものを設けること。

六 第三号及び第四号の規定により配置する鉄筋の末端は、かぎ状に折り曲げて、縦筋にあつては壁頂及び基礎の横筋に、横筋にあつてはこれらの縦筋に、それぞれかぎ掛けして定着すること。ただし、縦筋をその径の40倍以上基礎に定着させる場合にあつては、縦筋の末端は、基礎の横筋にかぎ掛けしないことができる。

七 基礎の丈は、35cm以上とし、根入れの深さは30cm以上とすること。

組積造の塀の規定がこちらである。

ちなみに、組積造とは石積みやレンガ積みと思っていただくとイメージがつきやすいだろう。

第四節 組積造

(組構造のへい)

施行令 第六一条

組積造のへいは、次の各号に定めるところによらなければならない。

一 高さは、1.2m以下とすること。

二 各部分の壁の厚さは、その部分から壁頂までの垂直距離の10分の1以上とすること。

三 長さ4m以下ごとに、壁面からその部分における壁の厚さの1.5倍以上突出した控壁(木造のものを除く。)を設けること。ただし、その部分における壁の厚さが前号の規定による壁の厚さの1.5倍以上ある場合においては、この限りでない。

四 基礎の根入れの深さは、20cm以上とすること。

鉄筋コンクリート造の塀についての規定がこちらである。

第六節 鉄筋コンクリート造

(適用の範囲)

第七一条

この節の規定は、鉄筋コンクリート造の建築物又は鉄筋コンクリート造と鉄骨造その他の構造とを併用する建築物の鉄筋コンクリート造の構造部分に適用する。

2 高さが4m以下で、かつ、延べ面積が30m2以内の建築物又は高さが3m以下のへいについては、この節の規定中第七十二条、第七十五条及び第七十九条の規定に限り適用する。

(コンクリートの材料)

第七二条 鉄筋コンクリート造に使用するコンクリートの材料は、次の各号に定めるところによらなければならない。

一 骨材、水及び混和材料は、鉄筋をさびさせ、又はコンクリートの凝結及び硬化を妨げるような酸、塩、有機物又は泥土を含まないこと。

二 骨材は、鉄筋相互間及び鉄筋とせき板との間を容易に通る大きさであること。

三 骨材は、適切な粒度及び粒形のもので、かつ、当該コンクリートに必要な強度、耐久性及び耐火性が得られるものであること。

(コンクリートの養生)

第七五条 コンクリート打込み中及び打込み後五日間は、コンクリートの温度が二度を下らないようにし、かつ、乾燥、震動等によつてコンクリートの凝結及び硬化が妨げられないように養生しなければならない。ただし、コンクリートの凝結及び硬化を促進するための特別の措置を講ずる場合においては、この限りでない。

(鉄筋のかぶり厚さ)

第七九条 鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚さは、耐力壁以外の壁又は床にあつては2cm以上、耐力壁、柱又ははりにあつては3cm以上、直接土に接する壁、柱、床若しくははり又は布基礎の立上り部分にあつては4cm以上、基礎(布基礎の立上り部分を除く。)にあつては捨コンクリートの部分を除いて6cm以上としなければならない。

2 前項の規定は、水、空気、酸又は塩による鉄筋の腐食を防止し、かつ、鉄筋とコンクリートとを有効に付着させることにより、同項に規定するかぶり厚さとした場合と同等以上の耐久性及び強度を有するものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いる部材及び国土交通大臣の認定を受けた部材については、適用しない。

つまり、この建築基準法の中で構造が規定されているのは以下の3つの塀である。

それは、

・補強コンクリートブロック造

・組積造

・鉄筋コンクリート造

の塀である。

そして、それぞれの規定を抜粋してまとめると以下のようになる。

【塀の高さの上限】

・補強コンクリートブロック造:2.2m

・組積造:1.2m

・コンクリート造:3m以下

【塀の厚さ】

・補強コンクリートブロック造:15センチメートル(高さ2メートル以下のへいにあつては、10cm)以上とすること。

・組積造:各部分の壁の厚さは、その部分から壁頂までの垂直距離の10分の1以上とすること。

・コンクリート造:かぶり厚さの規定は2cm〜4cmであるが、特に壁の厚さに着いては規定がない

では、塀が倒壊によって被害を与えてしまった場合に誰が責任をとらなければいけないのか。これは大家か所有者のどちらに責任があるか民法で明記がされている。

倒壊した時の責任は民法では所有者・大家のどっち?

倒壊した時の責任は民法では所有者・大家のどっち?

上記で建築基準法による塀の規定についてお伝えしたが、いくら規定通りの塀だったとしても劣化の度合いによっては倒壊する可能性が高い。では、もし塀が倒壊し被害を起こしてしまったら責任はどうなるのか、この疑問について法律では下記のように記されている。

民法 第717条【土地の工作物等の占有者及び所有者の責任】
土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。

上記の条文により、基本的に塀の倒壊により損害が発生した時は占有者および所有者の責任となる可能性が高い。特に保存に瑕疵がある場合など、倒壊の恐れが見られるのなら塀が倒壊しない対策を行う必要があるだろう。

2016年の熊本地震では、塀の倒壊により下敷きとなって死亡した被害を受け刑事告訴まで進展した例もある。

土圧による傾きや事故

土圧による傾きや事故

塀が倒壊する原因は施工や劣化だけではない。土留めとして役割がある塀の場合は土圧によって倒壊してしまう可能性がある。土圧によって塀が倒壊してしまう状況とは、隣り合う土地に高低差がある場合だ。

土は低い土地の方へと流れていくため、塀に土の荷重がかかり、その荷重に耐えられないと塀は倒壊してしまう。土留めも担っている塀は土圧に耐えられる強度と倒壊しない施工を行う事が大切だ。また、既存の塀が土圧によって傾いている場合は、新しい基礎を作り補強する必要がある。

塀の種類は大きく分けて4つ

塀の種類は大きく分けて4つ

先程も書いたが塀と言っても数種類ある。

その中で代表的な塀とは以下の4種類である。

ブロック塀

コンクリート塀

吹付け仕上げ塀

レンガ塀

ただ、吹付け仕上げ塀と言ってもブロック塀もしくはコンクリート塀の表面にモルタルを施工しその上に吹付けているだけである。したがって、内容はブロック塀またはコンクリート塀である為、

・ブロック塀

・コンクリート塀

・レンガ塀

についてのそれぞれの特徴やメリット・デメリットを解説したい。

ブロック塀とコンクリート塀のメリット・デメリット

ブロック塀のメリット・デメリット

ブロックが積まれた塀である。塀と言えばこのグレーのブロック塀をイメージする人も多いだろう。

ブロック塀のメリットは以下の通りである。

・視界を遮りプライバシーを守る

・侵入を防ぐ(高さにもよるが)

という点である。

そして、何より他の塀と比較しても

・安い

・施工しやすい

・メンテナンスの頻度が少ない

・工期が短い

というメリットもあるだろう。

逆にブロック塀のデメリットは以下の通りである。

・地震の規模次第で倒壊する可能性がある

・風通しが悪くなる

・高さが増すと圧迫感が出てくる

というのがデメリットである。

コンクリート塀のメリット・デメリット

コンクリート塀とはその名前の通りコンクリートを型枠に流し込んでできた塀である。

ちなみに、コンクリートの製造方法は

・セメント

・砂利

・砂

を混ぜ合わせ水を入れて製造する。

では、そのコンクリート塀のメリットは以下の通りである。

・シンプルな見た目から様々な外観の家と合わせやすい

・耐久性が非常に優れている

・メンテナンスがほとんど必要としない

・高級感を感じやすい

というのがある。

では、コンクリート塀のデメリットは以下の通りである。

・コストが他の塀と比較して高い

・施工期間が長い

・水の配分を間違えると仕上がりが美しくなくなってしまう

などがあると言えるだろう。

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レンガ塀のメリット・デメリット

レンガ塀のメリット・デメリット

レンガ塀とはその名前の通りレンガを積んで施工した塀である。

では、そのメリットは以下の通りである。

・デザインが豊富である

・他の素材と比較して曲線を作りやすい

・吸湿性があり周囲の温度を低下させる(夏季)

・経年変化を楽しめる

などである。

では、レンガ塀のデメリットは以下の通りである。

・施工後変更しにくい

・水分が多いままにしていると割れることがある(寒冷地)

などがある。

コンクリートブロックの種類と耐用年数

ブロック塀に使用されるブロックは複数の種類がある。大きく分けると【化粧なし】と【化粧あり】の2種類だ。そこからさらに分類すると下記の種類に分けられる。

【化粧なし】

・基本

・よこ筋用

・隅用

・透かし

【化粧あり】

・基本

・よこ筋用

・隅用

・天端用

【化粧なし】と【化粧あり】の違いは、ブロック表面に模様が施してあるかの違いだ。【化粧なし】と【化粧あり】の2つのブロックには基本、よこ筋用、隅用、透かし(化粧なし)、天端隅用(化粧あり)があり、これらはブロック形状の種類だ。

用途に合わせて適した形状のブロックを選び施工がされる。コンクリートブロックには圧縮強さに応じて日本工業規格(JIS)によりA〜C種の区分分けがされている。圧縮強さはA種→B種→C種の順に強くなり、C種が強さや耐久性に最も優れている。

状況別に修理方法を解説

塀の状況によって修理方法は異なる。

では、どのような状況によって修理方法が異なるかというと以下の通りである。

・塀が欠けている場合

・塀にひび割れが入っている場合

・塀の鉄筋が見えている場合

によってである。では具体的な修理方法を解説していく。

塀に欠けやひび割れが入っている場合の原因と補修方法

塀が欠けたり、ひび割れが入ったりすることもよくあるだろう。

修理方法を知るためにも、まずはその原因について知っていただきたい。

■欠けたり亀裂が入ったりする原因

欠けたり亀裂が入ったりする原因

・ブロック塀

・レンガ塀

経年変化による劣化もあるが、車の接触や地盤沈下など外的圧力が原因で欠けたり亀裂が入ったりすることが多い。

・コンクリート塀

こちらも同じく経年変化での劣化もあるが、現場で施工するコンクリート塀は、コンクリートの配合や施工計画の甘さが直接原因につながることが多い。

その結果、「乾燥収縮」・「沈下によるひび割れ」・「コールドジョイント」などを起こす。

それぞれの主な原因は下記である。

「乾燥収縮」

・単位水量•温度•湿度•部材の厚さ•鉄筋比

「沈下によるひび割れ」

・単位水量が多い•材料の粒度の問題•施工技術

「コールドジョイント」

・コンクリートの打継ぎ時間を過ぎて打設した場合

■塀の欠けや亀裂を直す具体的な方法

塀の欠けや亀裂を直す具体的な方法

・ブロック塀

欠けている程度であれば、モルタルでの修理をおすすめする。

そこで大切なことは、モルタルを施工する前に水で洗ったりブラシで掃除をしたりして汚れを落とすことが大切である。

これをせずモルタルで修理をしようとしても、モルタルが上手くブロック塀にくっつかず剥がれ落ちてしまうのを防ぐためである。

少し大きめの欠けの場合はモルタルで修理する前に1つすることを追加する。

それは、欠けている部分に新聞紙等を埋め込むことである。すると、材料費を抑えることができるのと素人のあなたでも施工しやすい。

また、欠けが大きい場合や明らかな亀裂が入っている場合はブロックの交換をおすすめする。

ただ、ブロック塀自体がどういう状況なのか素人のあなたでは判断に困ることもあるだろう。

そして、どの修理が適しているかもわからないはずである。

その場合は、自分で判断せず専門家に相談することをおすすめする。

レンガ

・レンガ塀

レンガ塀の亀裂が小さい場合はモルタルを埋め込んで修理をする。

ただし、亀裂が大きい場合やぐらつく場合は別である。

その場合は、タガネを使ってレンガを取り外し新しいレンガをモルタルで施工しヘラで整える。

だが、レンガの数が多い時や土台部分などの修理をするときは専門家に相談したほうが良いだろう。

コンクリート塀

・コンクリート塀

基本的にどのようなことが原因で欠けたり亀裂が入ったりしたのかによる。

そして、その補修方法はその部分の欠けや亀裂の大きさによって補修する方法は変わってくる。

欠けや亀裂が0.2mm程度以下の場合は、「被覆工法」を用いる。

具体的には、

・表面被覆材

・防水材

・目地材

などを塗布し修復する方法をとる。

0.2~1.0mm程度であれば「注入工法」を用いる。

この場合使う素材としては、

・エポキシ樹脂

・アクリル樹脂

・セメント系

・ポリマーセメント系

などを注射器のような器具を使い亀裂部分に注入し補修する。

亀裂が1.0mm程度以上となると再び工法が変わる。

その工法は「充填工法」となる。

その方法は、

・コンクリートをカットし補修材を充填する

という工法を用いる。

塀の鉄筋が見えている場合での修理方法

塀の鉄筋が見える原因

■塀の鉄筋が見える原因

・ブロック塀

亀裂を放置するとその部分から雨水が内部へ侵入する。その雨水によってブロック自体が浸蝕され亀裂が大きくなる。

その結果、内部の鉄筋が見える状態になってしまうというわけである。

・レンガ塀

レンガ塀はモルタルで積み上げていく施工方法の場合は、鉄筋は入っていない。

ただし、近年は安全性の面から鉄筋入りのレンガ塀が増えている。内部の鉄筋が見える原因はブロック塀と同じである。

・コンクリート塀

こちらも基本的にブロック塀と同じ理由である。

つまり、亀裂を放置することはその後塀にとっては最も大切である鉄筋の劣化を起こすのである。

是非注意していただきたい。

■鉄筋が見えている場合での修理方法

・ブロック塀

・レンガ塀

・コンクリート塀

鉄筋が見えていればどちらの塀でも専門業者へ依頼をするのが一般的である。

自分でDIYをしようと思わないことだ。なぜなら、倒壊の可能性が十分にあるからである。

少し法律の話も加えておこう。

建築基準法上では、塀を建てた当時の法律を守っていれば問題ない。現状の法律の基準を満たさなくてもだ。

家の増改築や建て替えの時に、現状の建築基準法に則って施工するように求められるがすぐに違反となることはない。

ただ、倒壊の危険性があると認識していた場合は過失となる可能性がある。

具体的に言うと、地震の影響塀が倒壊し歩行者や近所の方に怪我を負わせてしまった時は、その塀の所有者が損害賠償責任を負う可能性があるので注意が必要である。

だからこそ一刻も早く修理をすることをおすすめする。

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ブロック塀のカット(切断)

ブロック塀のカット(切断)

既存のブロック塀に高さがあり、ひび割れなどの劣化も起きている場合は地震などが原因で倒壊してしまう可能性がある。このような場合はブロック塀を一部カットして高さを低くする事ができる。また、低くしたブロック塀の上にアルミ製のフェンスを設置する事も可能だ。

施工方法は工事場所の状況や業者によって異なるが、気をつけなければいけないのが近隣への配慮だ。一部とはいえブロックをグライダーなどで切断したり、ハンマーなどで解体したりするため、粉塵の飛散や騒音が起きる。

近隣の方に何も告知せず行うとトラブルの原因となるので、必ず事前に工事する旨を伝える方がいいだろう。業者によっては担当者が近隣あいさつを行うケースもあるので、近隣あいさつをしてくれるか確認をしておこう。

ブロック塀の塗装や付着したカビ・苔を洗浄するメンテナンス方法

ブロック塀の塗装や付着したカビ・苔を洗浄するメンテナンス方法

ブロック塀は日当たりが悪く湿気が溜まりやすい場所だと苔やカビが繁殖する。苔やカビが付着するくらいであれば、コンクリートの劣化度はそこまで深刻ではないが、表面に苔やカビが付着しているため家の美観は損なってしまう。

ブロック塀に苔やカビが付着した場合は高圧洗浄機を使って洗い落とす事が可能だ。最近では家庭用の高圧洗浄機も販売されており、十分効果を発揮させる事ができる。

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また、ブロック塀を外装する方法もある。外装の方法は塗装と塗り壁の種類に分けられる。

ブロック塀の塗装の流れ

1:既存ブロック塀を高圧洗浄機で洗う+乾燥

2:養生

3:ケレン(ペーパーがけ)やフィラー、シーラーなどの下地処理・下塗り

※既存ブロック塀の状態により調整

4:中塗り・上塗り

となる。

塗装の仕上げ方はローラーで仕上げる場合と吹き付けて模様をつける方法がある。また、使用する塗料はアクリルやウレタン、シリコン、フッ素などがありそれぞれ耐久年数が異なる。

・アクリル:耐久年数が約4〜7年

・ウレタン:耐久年数が約6〜10年

・シリコン:耐久年数が約8〜15年

・フッ素:耐久年数が約15〜20年

塀を塗装する時の塗料は透湿性がある水性塗料を選ぶといいだろう。現在設置されている塀が地面などの土に触れている場合は、そこから水が浸み込み塗膜が膨れてしまう恐れがある。

また、元々コンクリートは水を浸み込む習性があるため、たとえ土に触れていなくても雨などで水が浸み込んでいき同じように塗膜が膨れてしまう可能性がある。膜を作る弾性塗料に比べて透湿性がある水性塗料は塗膜の膨れが起きる可能性が低いので塀の塗装にお勧めだ。

ブロック塀の外装は塗装以外に左官の職人が行う塗り壁で仕上げる事もできる。

塗り壁の種類もいくつかあり

・珪藻土

・漆喰

・ジョリパッド

などがある。

珪藻土と漆喰は内外装によく使われる素材、樹脂を混ぜたものや混入物が少なく純度が高い素材のものもある。自然材料のため価格は比較的高く設定がされている。

ジョリパッドはアイカ工業が販売する外装材でアクリル塗料と砂を混ぜた素材だ。珪藻土や漆喰のように左官の職人の手によって模様をつけたコテ仕上げの塀にする事ができる。また、珪藻土や漆喰のような自然材料に比べて価格も安く設定がされている。

塗り壁施工の流れ

1:既存ブロック塀を高圧洗浄機で洗う+乾燥

2:カチオンフィラーやシーラー、専用の下塗り材などで下地処理・下塗り

※既存ブロック塀の状態により調整

3:乾燥

4:塗り壁施工

※塗る回数は現場調整

塗り壁は使用する材料によって施工手順や乾燥時間、下塗り材が変わってくるため、材料の施工マニュアルに沿って行う事が大切だ。

外構・エクステリアのフェンスを設置する

外構・エクステリアのフェンスを設置する

住宅の塀は何もブロック塀やレンガ塀などにこだわる必要はない。メーカーで販売されているアルミ製のフェンスやパネルは工場生産のため価格も安価なものから揃えられている。

また、アルミ素材でできている製品ならコンクリートブロックのようなひび割れが起きることがなくメンテナンス性や耐久性が高い。

メーカーもLIXILや三協アルミ、YKKなどがありデザインも豊富だ。もし、既存のブロックを解体しなければいけない場合などはメンテナンス性が良い既製品のフェンスを設置する事を検討してみるのもいいだろう。

フェンスを設置するのに適しているのは下記のような状況だ。

・既存ブロック塀にひび割れや破損が生じていて劣化が激しい

・既存ブロック塀が高く倒壊の恐れがある

・既存ブロック塀の補修を行うのに部分的な解体が必要になる

・既存ブロック塀を解体する必要がある

上記の例は一部のため実際は専門業者に相談する事をお勧めする。また、塀が高い場合、上段だけカットして塀を低くし、その上からフェンスを設置する事も可能だ。

塀の修理の費用相場

では、修理にかかる費用の相場をお伝えしたい。今から伝える内容は大きくわけて以下の2点である。

・業者に修理を依頼した場合の価格

・DIYで、あなた自身で修理をした場合の価格

である。是非参考にしていただきたい。

業者の選び方と修理価格の相場

業者による修理価格の相場

一般的なブロック塀の相場について解説している。是非参考にしていただきたい。

また、レンガ塀とコンクリート塀に関しては規模によって大きく違ってくる。

この場合は専門業者に相談し見積もりを取ることをおすすめする。

■ブロック塀の欠けによる修理の価格相場

欠けている部分の大きさによって変化するが、1ヶ所あたり

5000程度が相場である。

■ブロック塀の亀裂による修理の価格相場

亀裂の大きさによって変化するが、

13000円〜20000円/m2程度が相場である。

ただ、どうしても亀裂の大きさによっては交換したほうが安全性の面や外観上いい場合もあるだろう。

そこで、修復が不可能な場合の交換の相場もお伝えしたい。

■修復が不可能な場合の交換価格相場

まず前提となるのが、ブロック塀を交換するときは既存の塀は解体し撤去しなければいけない。

その解体・撤去費用の相場は、

5000円〜10000円/m2程度である。

これは以下の条件によって価格が変わる。

・設置場所(道路側なの建物側なのか)

・作業のしやすさ(作業スペースは十分確保できるか)

・規模がどれくらいか(人力なのか機械での作業なのか)

そして、新しく施行するブロック塀の工事が、

10000円/m2程度である。

ただし、この相場は基礎が使えた場合である。多くの人がブロックを積み上げると完成と思っているがそうではない。

ブロックを乗せるための基礎が必要になる。

もし基礎が使えなかった場合は、基礎工事からやり直してブロックを施工する必要がある。

その基礎工事の費用の相場が

13000円〜20000円/m2程度である。

したがって、既存ブロック塀の撤去費用、基礎施工費用及びブロック塀の施工費用の相場は、

30000円〜35000円/m2である。

DIYでの修理価格の相場

DIYでの修理価格の相場

基本的に亀裂が大きい場合や鉄筋が見えている状態でのDIYはおすすめしない。

なぜなら、先程も書いたが倒壊の可能性が高いからである。

私がおすすめするDIYは欠けや亀裂が小さい状態のブロック塀を修理するDIYである。

では、どこで修理する道具を購入できるかと言えばホームセンターなどである。

欠けや亀裂の程度によって商品はことなるが、

・スプレータイプ

・パテタイプ

・チューブタイプ

の3種類がある。

これらの商品の価格は1000円程度である。

大きな亀裂などでない場合は是非DIYを試してみるのもいいだろう。

ブロック・コンクリート打ちっぱなし・レンガ 各塀の費用相場

上記でもお伝えしたが、コンクリート打ちっぱなしの塀とレンガ塀の修理費用は規模によって異なってくる。ここではあくまでも目安として既存の塀を交換した場合の費用相場についてお伝えする。

【コンクリート打ちっぱなしの塀】

コンクリート打ちっぱなしの塀の単価は約40,000〜50,000円/㎡が相場だ。また、塀の交換の場合は解体が必要なため、この費用も考えておかなければいけない。コンクリート打ちっぱなしの塀の解体は、塀の年数や状態によって解体費用が加減されるので注意して頂きたい。

もちろん年数がまだ新しく状態も強度が保たれている場合は、解体に時間がかかるため通常よりも費用がかかる可能性がある事を予測しておこう。

解体費用の相場は約15,000〜20,000円/㎡解体処分費が約20,000〜30,000円/㎡が相場となっている。

【レンガ塀】

レンガ塀の場合は、使うレンガの種類によって異なるが約8,000〜15,000円/㎡が相場となっている。他の塀と同様に既存の塀を解体する必要があるため解体費用の発生があり、約15,000〜20,000円/㎡が解体費用の相場解体処分費の相場が約20,000〜30,000円となっている。

ブロック塀 工事手順

ブロック塀 工事手順

ブロック塀を施工する時に重要なのが基礎だ。この基礎がしっかり施工されていないと塀が倒壊したりひび割れを起こしたりする原因となる。ここではブロック塀の施工手順についてお伝えしたい。

ブロック塀の施工手順は下記となる。

1:掘削工事

2:砕石を敷き転圧する

3:配筋+基礎工事

4:配筋+ブロック積み

上記が大まかな施工の流れとなる。

【1:掘削工事】

ブロック塀の設置は、まず地面を掘削する事から始まる。ブロック塀の下には基礎があり、ブロック一個分ほどは地中の中に埋まっている。地中の基礎やブロック一個分が根入れされている事で塀の傾きを防ぐ事ができるのだ。

【2:砕石を敷き転圧する】

ブロック塀を設置する地面のほとんどは土壌となっているため、地面が柔らかくなっている。地面が柔らかいままだと塀が倒れてしまうため砕石を敷いて転圧をし、地面を強固にする事が大切だ。この施工工程は塀が仕上がると地面の中に埋まって見えなくなってしまう。

そのため、この工程を省いて手抜き工事をする業者もいるから注意が必要だ。業者に手抜き工事されないように、施工の時は立ち会うか、施工写真を撮ってもらいしっかりと工事がされているか証明してもらう事をお勧めする。

【3:配筋+基礎工事】

塀が傾かず真っ直ぐに立っていられるのは基礎がしっかりと施工されているからだ。間違った施工で基礎が作られていると塀が傾いたり倒壊してしまったりする可能性がある。大切なのは正しい施工で基礎が作られている事なので、どのように工事をすればいいか把握しておこう。

まず、正しくない基礎の施工は、鉄筋と基礎が一体化していない施工だ。ただ鉄筋が刺さっているだけの基礎では塀が傾き倒れてしまう恐れがある。正しい基礎の場合は、鉄筋を折り曲げたり、連結したりして基礎の強度を上げている。また、上記でお伝えしたように基礎の下にある地盤面は砕石を敷き詰め転圧し強固になっている事、塀のブロック一個分は地面の中に埋まっている事、などしっかりと施工がされている必要がある。

【4:配筋+ブロック積み】

ブロックを積む作業は仕上げ工事となるため見た目が重視されがちだ。しかし、ブロック積みの工程で大切なのは、ブロックの中にモルタルが充填されている事だ。モルタルが充填されている事で接着剤がわりとなりブロック同士が強固につながる。モルタルの充填が不十分だと、塀が倒壊する原因となるので注意していただきたい。

DIY可能かどうかの判断基準とは?

DIY可能かどうかの判断基準とは?

どのような塀であれば危険なのか。以下に該当する場合は迷わず専門業者に相談することをおすすめする。

塀を建設して30年以上経過している

塀に大きな亀裂が入っている

塀が傾いている

塀を押すとグラつきを感じることができる

塀の高さが1.2mを超えているが擁壁がない。また擁壁があったとしてもその間隔が3.4mという基準を超えている

などである。

つまり、塀の小さな欠けや亀裂以外は専門業者に依頼をするほうがいいだろう。

万が一倒壊すれば人間の命にかかわる部分である。しっかりとした業者に依頼することをおすすめする。

塀の事故が起きる原因3つ

では、どうして塀に関する事故が起こるのであろうか。それは大きくわけて3つの原因がある。

その3つの原因とは、

・違法建築

・鉄筋の長さ不足

・塀の経年劣化

である。では1つ1つ解説してみよう。

違法建築

違法建築

ブロック塀の場合は以下の基準に則っていないと違法建築物にあたる。

こちらは記事の始めにも記載しているが、補強コンクリートブロック塀について建築基準法の第六十二条の八に書かれている法律である。

1、地面からの塀の高さは2m以下に設置する

2、壁の厚みは15cm以上(高さが2m以下の塀に関しては10cm)以上必要となる

3、壁頂と基礎には横に、壁の端と隅角部には縦に径9mm以上の鉄筋を配置する必要がある

4、壁の内部には径9m以上の鉄筋を縦横に80cm以下の間隔で設置が必要になる

5、長さ3.4m以下ごとに、径9mm以上の鉄筋を配置した控壁で基礎の部分において壁面から高さの5分の1以上突出したものを設ける

6、第3号及び第4号の規定により配置する鉄筋の末端は、かぎ状に折り曲げて、縦筋にあつては壁頂及び基礎の横筋に、横筋にあつてはこれらの縦筋に、それぞれかぎ掛けして定着すること。ただし、縦筋をその径の40倍以上基礎に定着させる場合にあつては、縦筋の末端は、基礎の横筋にかぎ掛けしないことができる。

7、基礎の丈は35cm以上とし、根入れの深さは30センチメートル以上とすること

内部の鉄筋に関しては外部からは見ることができない。つまり、私達が外部から見て判断できることは、

・地面からの高さが2.2m以下となっているか

・壁の厚みが15cm以上(高さが2m以下の塀に関しては10cm)以上となっているか

・長さ3.4m以下ごとに擁壁を設けているか

という点である。

もしこの内容に該当していなければ違法建築の可能性があり、地震や強風などのときに倒壊する恐れがある。

同じように記事の始めに記載した建築基準法を参考にレンガ塀及びコンクリート塀の法律は以下の通りである。

レンガ塀の場合は以下の通りである。

・地面からの高さが1.2m以下となっているか

・各部分の壁の厚さは、その部分から壁頂までの垂直距離の10分の1以上となっているか

・長さ4メートル以下ごとに、壁面からその部分における壁の厚さの1.5倍以上突出した控壁(木造のものを除く。)を設けているか

コンクリート塀の場合は以下の通りである。

・地面からの高さが3m以下となっているか

・かぶり厚さの規定は2cm〜4cmであるが、特に壁の厚さに着いては規定がない

鉄筋の長さ不足

鉄筋の長さ不足

この記事の始めにも書いたが、北大阪の地震で倒壊したブロック塀で小学生の女児が亡くなった。

そして、その倒壊の原因の1つに鉄筋が現在の建築基準法で定められている規定の長さよりも短かったというのがある。

具体的に言うと、

基礎部分の鉄筋は52cm必要だったが、実際は平均13.8cmで最も短いところは8cmとのこと。

さらに、その鉄筋の13ヶ所は腐食が進んで細くなっていたことも倒壊した原因だという。

上記に抜粋した建築基準法では、「壁の内部には径9m以上の鉄筋を縦横に80cm以下の間隔で設置が必要になる」とあるので、この設計基準を守る必要がる。

塀の経年劣化

塀の経年劣化

また経年劣化も塀の倒壊事故が起こる原因の1つである。

現在の建築基準法通りに施工したブロック塀の耐久年数は約30年程度と言われている。

だが、現在の設計基準通りに施工されていないブロック塀も存在しているため、30年を経過していなくても強度が弱いブロック塀も多い。また、設計基準通りに施工したとしても点検やメンテナンスを放置すると10年〜15年程度で寿命がきてしまう。

そして、塀が劣化する主な原因は以下の2点である。

・二酸化炭素による中性化

・雨水が内部に浸入することによる鉄筋の錆

これを防ぐためにも定期的な点検・メンテナンスは必須である。

ちなみに、気象庁は地震時におけるブロック塀について以下のように発表している。

・震度5強・・・補強されていないブロック塀が崩れることがある

・震度6強・・・補強されていないブロック塀のほとんどが崩れる

・震度7・・・補強されているブロック塀も破損するものがある

命を守るためにもしっかりとした塀を建築することを望む。

そして、塀を施工したらそのままにせず、定期的な点検・メンテナンスを行うことをおすすめする。

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ブロック塀の解体・撤去のタイミングと診断方法

ブロック塀の解体・撤去のタイミングと診断方法

既存の塀の状態や施工精度の程度で危険な塀か安全な塀か判断する事ができる。ここでは、どのような塀が危険か、塀の事故が起きる原因は何か、危険な塀の診断方法や点検してもらう業者についてお伝えする。

自分だけで診断しないで専門業者に現地で点検してもらおう

上記でお伝えした「DIYでは修理できない場合」や「事故が起きる可能性がある」塀の状態は、解体・撤去して新たに新設した方がいいだろう。気をつけていただきたいのが決して自分の判断だけで決めずに専門業者に塀の状態を診断してもらう事だ。

・塀の築年数が30年以上経過している

・塀に大きな亀裂が入っている

・塀が傾いている

・塀がぐらつく

・控え壁の間隔が広い、若しくは控え壁がない

・塀が高い

・石垣の上にある

・違法建築

・鉄筋の長さが不足、配筋が適切ではない

などこれまでお伝えした塀の状態は倒壊の危険があるため専門業者に相談し解体が必要かチェックしてもらう事をお勧めする。また、診断してもらう時は必ず現地に来てもらう事だ。

擁壁の種類と補修費用の相場

擁壁の種類と補修費用の相場

擁壁とは?

塀と混同しやすいが擁壁とは、地面に高低差があり、斜面の土が崩壊しないように設ける壁状の構造物の事を指す。山を切り開いて建てられた住宅街などはそれぞれの住宅に高低差が出来やすいため境界に擁壁を設ける事がある。事故となりやすいのが境界で設けられた擁壁の崩壊だ。

擁壁が崩壊する原因は下記になる。

・土の荷重

・雨水などの水圧

・建物の荷重

・不適格擁壁

擁壁はブロックやコンクリートなど壁状に設けて土留めの役割を持っている。そのため押し出す土の荷重や地面に浸み込んでいく雨水の水圧に耐えられなければいけない。また、その上に建つ建物の荷重も考慮しなければいけない。

経年劣化によるひび割れや建築基準法に則していない擁壁の場合は土砂崩れなど引き起こす原因となるので補修や補強を行う必要がある。塀と擁壁の大きな違いは土砂を抑える役割があるかないかだ。

RC擁壁・間知ブロック擁壁・大谷石積み擁壁・空石積み擁壁・二段擁壁

擁壁はいくつか種類があり、現在一般的なのがRC擁壁だ。中には建築基準法に適していない擁壁もあるので、ここで擁壁の種類についてお伝えしていきたい。

【RC擁壁】

【RC擁壁】

現在RC擁壁は多く採用がされている擁壁だ。コンクリートの中に鉄筋があるので強度が高く、L型、逆L型、逆T型、重力型など様々な工法で設置がされている。RC擁壁の特徴として強度の高さから壁面を垂直にして建てる事ができる。しかし、費用面では高いデメリットがある。RC擁壁を設置する場合は水抜きを設けるのが必須だ。

【間知ブロック擁壁】

【間知ブロック擁壁】

間知ブロックとは25〜50cm角のブロックを積み上げて施工する擁壁だ。RC擁壁とは異なり壁面が斜めになるため、斜面が張り出した分土地が狭くなる。また、擁壁の高さが増すほど傾きが増えるのでさらに土地の有効活用がしにくくなるデメリットがある。しかし、費用面では掘削量が少なく施工も容易な事から安く設定がされている。

【大谷石積み擁壁】

【大谷石積み擁壁】

大谷石積み擁壁は、現在の建築基準法に適合せず不適合擁壁となっている。1950〜60年代に多く施工された擁壁で、名前の通り材料に大谷石が使われている。強度は劣るが排水に問題がなければ心配するほどでもないが、ひび割れや膨らみ、排水に問題が見られる場合は注意が必要だ。

【空石積み擁壁】

【空石積み擁壁】

空石積み擁壁はモルタルやコンクリートで固めずに、ただ石やコンクリートを積み上げただけの簡素な擁壁だ。造園用など高低差が小さい場所に設置される事が多く、現在でも住宅や土地に空石積み擁壁は残っている。しかし、この擁壁は現在の建築基準法に適合しない不適合擁壁だ。モルタルやコンクリートなどで固めずに単に石を摘んだだけの擁壁のため強度が不安定で安全面に問題がある。空石積み擁壁の高さが1.5m以上の場合は対策が必要となる。

【二段擁壁】

二段擁壁とは既存の擁壁の上に異なる素材の擁壁が施工されている2段構造の擁壁の事だ。二段擁壁は強度に問題があり不適合擁壁となっている。

危険と言われる理由は、一段目の擁壁が建てられた際に上に施工される擁壁の土圧を想定して施工がされていないからだ。また、一段目と二段目の擁壁が一体化されていないので、崩壊する危険性がある。このような擁壁は建築基準法でも認められていないため、二段擁壁がある土地は地盤の補強なしで建物を建てる事は認められていない。

診断・補修の費用

擁壁の補修や施工にかかる費用は、現状の擁壁の種類や構造、立地条件、大きさによって異なる。

経年劣化した擁壁の補修は隙間補修が行われ、地盤沈下などが起こった場合は地盤を固める薬剤注入の施工が行われる。擁壁の補修相場は約1〜2万円/㎡が相場だ。

また、既存の擁壁を解体し新設する場合は解体費用と処分費がかかるので注意すること。解体費用も補修と同じく設置されている擁壁の種類や現場状況によって異なる。また、解体によって周りに被害を及ぼす可能性があるので注意していただきたい。

既存の擁壁が安全であるか確認するためのチェックリストを国土交通省のホームページでダウンロードする事ができる。このチェックリストを参考に自分で確認をして、その後に専門業者に診断してもらう事をお勧めする。擁壁の診断は約10万円程度で行う事ができる。

一例として擁壁の解体費用はL字型擁壁の場合で足場、重機、運搬費を含めて約35万円だ。また、擁壁を新設する場合は約4〜5万円/㎡が相場となっている。

ただし、プレキャスト擁壁の場合は約11〜13万円/㎡が相場となっているため、他の擁壁よりも費用は高い。住宅で擁壁を設ける場合、大きさや種類によって違いが出るが、総額で300〜400万円が一般的な相場だ。

補強や点検・メンテナンスの重要性

では、どのように塀をメンテナンスすればいいのか。

当然ブロック塀は毎日雨風や直射日光にさらされているため、劣化を防ぐことはできない。

だが、定期的な点検・メンテナンスを行うことによってその劣化を遅らせることは可能である。

まずは、そのメンテナンスを知るためにも塀が劣化するサイクルについてまとめている。

そして、雨水は鉄筋に悪影響を与えることから水の浸入を防ぐ方法についても解説したので読み進めていただきたい。

劣化するサイクル

劣化するサイクル

劣化のサイクルは全部で4工程ある。

1.ブロックの劣化

2.鉄筋に錆が発生

3.錆の進行とひび割れ発生

4.ブロック表面の剥がれ及び錆汁による表面の汚れ

ブロックの劣化とは、ブロックが中性化したり、目地にひび割れが発生したりすることを言う。

ちなみに、中性化とはアルカリ性であるブロックやモルタルに、二酸化炭素や雨水が浸入することによって鉄筋の保護機能が失われることを指す。

そして、中性化することによって鉄筋に錆が発生する。錆が発生し続けると体積膨張が起こりブロックにひび割れがより多く発生する。最後に、その膨張した体積によってブロックの表面が剥がれだすというわけだ。

さらに、中性化以外にこの劣化を早める現象がある。

それは、以下の3点である。

・白華現象

・コケなどによる汚れや腐食

・凍結

コケ

白化現象とは、雨の影響を受けモルタル内の水酸化カルシウムが流されて塀の表面に付くことによって白くなる現象である。

コケ2

コケが発生するとそれ自体が水分を保ちやすくなるため、これも劣化の進行を進めるようになる。

割れ目

水がそのままの状態になっていると、水が凍結・膨張し塀に亀裂が発生する。

すなわち、すべての悪循環は水が原因で起こるというわけである。では、どのようにすれば雨水の浸入を防ぐことができるのか次の記事を参考にしてもらいたい。

水の浸入を防ぐ方法

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市販の防水塗料がホームセンターなどで販売されている。

それを塗布すれば雨水の浸入を防ぐことができるので、是非試してもらいたい。

ただし注意点がある。それは、定期的に防水塗料を塗布しなければならないという点である。

だから、定期的に決められた量を塗布することをおすすめする。

塀の修理・解体に適用できる火災保険や自治体による補助金制度とは

塀の修理でも火災保険が適用になりケースもある。最後にその火災保険が、適用されるケース適用されないケース

について解説したい。

自然災害の被害なら補償される

自然災害の被害なら補償される

多くの人は忘れているかもしれないが、火災保険の契約で「塀・車庫・物置」なども補償するというプランに加入している人は多い。あなたが「必要ない」と言わない限り、通常その他には「基礎部分・畳・建具・内部造作」なども一緒に補償するプランに入っているはずである。

そして、自然災害とは以下のことを指す。

  • 火災
  • 落雷
  • 爆発
  • 風災
  • 水災
  • 雹災
  • 水害
  • 外部からの落下等

などである。

つまり、これらが原因で塀が損害を受けた場合は補償されるのである。

ただし、注意していただきたいことがある。それは、地震の場合である。

地震保険はあくまでも建物の主要構造物(柱・屋根・外壁等)の損害を補償するため「塀・車庫・物置」は対象外である。だから、火災保険と地震保険は別物と区別して覚えておいてもらいたい。

火災保険が適用されない場合とは

火災保険が適用されない場合とは

火災保険でも「塀・車庫・物置」に対して火災保険が適用されないこともある。

それは以下の場合である。

・火災保険の適用範囲が家財のみになっている場合

・火災保険契約後に建てた塀の場合

先程も伝えた通り通常火災保険に加入するときは「塀・車庫・物置」は補償対象となっているプランに加入することが多い。だが、あなたがもし「塀・車庫・物置は必要ない」と答えた場合は別である。

また、火災保険契約後に建てた塀も対象外である。

当然ながら、その火災保険の保険料には契約後に建てた「塀・車庫・物置」は含まれていないからだ。

つまり、契約後に建てた「塀・車庫・物置」等を火災保険の補償対象としたいのであれば、火災保険の見直しが必要である。だからこそ実績豊富な専門家に相談することをおすすめする。

まずは実績豊富な専門業者へ相談

火災保険は長期でかける保険である。

契約当初はその補償内容を覚えているが、時間が経つにつれて忘れていく人が多いのも事実である。

つまり、あなたが覚えている契約内容と実際に補償される内容の乖離が生まれる可能性がある。その結果、災害が起こったときに「支払われない」ということになりかねない。

火災保険を適用して補償を受けるのはあなたの権利である。

だからこそ、「こんなはずではなかった」と後悔する前に、一度専門家に相談することを強くおすすめする。

自治体が実施する補助金制度

自治体が実施する補助金制度

自治体によってはブロック塀の解体や補修、新設の工事にかかる費用を補助してくれる制度がある。地域によって補助金交付の条件は異なるのでお住まいの地域の市役所やホームページをチェックしてほしい。また、補助金を利用する場合は、工事を行う前に申請する必要がある。

ここで先に工事を行ってしまうと補助金を利用する事ができなくなってしまうので注意する事。また工事後には審査や完成報告が必要なので、工事前に申請をしたから補助金が交付されると安心してはいけない。工事を終えたらちゃんと完了報告の申請を行う事が大切だ。

補助金交付の細かい流れは、お住まいの地域の案内で確認していただきたいが、基本的には下記のような流れで補助金が交付される。

【補助金交付までの流れ】

1:補助金交付の対象物件 及び 対象工事か確認する

2:申請書の提出

3:申請審査

4:審査認定後、補助金交付通知書の送付

5:工事着工

6:工事完了届の提出

7:審査

8:審査認定後、補助金の振り込み

上記のような流れで補助金が交付される。申請書類には自治体が指定する書類と見積書、契約書、工事前後の現場写真などの提出があるので、書類の漏れには気を付ける必要がある。

補助金の交付条件や補助金額は年度毎に変更される事があるので、補助金を利用する場合は必ず年度毎に補助金対象条件と交付期間を確認する事が大切だ。

補助金の申請は一般の方には複雑で分かりづらいところがある。業者によっては工事と補助金申請を一緒に行ってくれるので、依頼する時は補助金申請を一緒に行ってくれるか相談する事をお勧めする。

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【記事監修】 山田博保

株式会社アーキバンク代表取締役/一級建築士

一級建築士としての経験を活かした収益物件開発、不動産投資家向けのコンサルティング事業、及びWEBサイトを複数運営。建築・不動産業界に新たな価値を提供する活動を行う。

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