気になるフローリングの隙間を補修!DIYのノウハウを大公開

気になるフローリングの隙間を補修!DIYのノウハウを大公開

フローリングの傷や凹みは、その機能に影響を与えないのであれば、時として独特の存在感を醸し出す。無垢材であれば貫禄ある表情として魅力となっている事もあるだろう。

しかし、フローリングに隙間が出来ると、施工や設計と言う人為的なミスを思い起こさせ、不安に感じるのではないだろうか。ただし無垢材であれば隙間は木が呼吸している証拠でもあるのだ。

今回はフローリングに隙間が起きる原因や、自分で補修する際の知識をお伝えしたい。最後にはプロに依頼する際に知っておくべき事や、補修に関する保険活用についても解説している。

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気になるフローリングの隙間の事例

隙間が生じていると、いの一番に頭に浮かぶのは寸法違いという施工不良だ。内装は天然材料である木材を利用することが多く、一概に施工サイドのミスと断定できないが、施工会社の営業担当者の顔を思い浮かべてしまうのは人情だ。

注1.フローリングの隙間の例

注1.フローリングの隙間の例

フローリングの隙間と言うと、フローリングの長手方向に平行に組合せた際にできる隙間(図1)と壁との接線で生じる隙間がある。原因は後述するが長手方向平行にできる隙間の多くは無垢材が呼吸していることに起因する。

壁とフローリングの接線で生じる隙間は、多くは施工に問題がある。壁には巾木が設けられているので多少の床材の寸法違いで発生する隙間は巾木で隠すことができるので、巾木の幅以上の隙間は寸法の間違いに起因することが多い。

フローリングの隙間は、施工不良だけが原因ではない!

フローリングの隙間は、施工不良だけが原因ではない!

フローリングは、木材と言う素材を用いている。製材業界で“木が暴れる”と言う言葉があるが、乾燥過程で木材に割れや反りが生じる現象を表している。この原因は木材に水分が多量に含まれて、乾燥で水分が抜けていくことで発生する不均一な収縮にある。

木材の湿度と膨張・収縮の関係

切り株の切断面を見たことがあるだろか?木の成長方向から直角に切断した面では年輪が形成されている。材木は、木の成長方向(根元から先端へ)を長手に製材され、材木の面には、年輪が作る文様が形成されている。

図2.に年輪と木材の模式図を示す。木の成長方向に対して垂直に切断した面の写真と製材した場合の年輪の作る文様の様子を示したものだ。木材は成長方向に水分の通り道である導水管が並び、この構造が寸法変化に大きな影響を与える。

注2.年輪と木材の模式図

注2.年輪と木材の模式図

木材は水分を取り込むことで膨張し、水分を放出することで収縮する。ただし、この膨張・収縮は木材の成長方向では僅少で、成長方向の直角方向で大きく働く。即ち、湿度で木材の幅方向に伸び・縮みすることになる。尚、熱による膨張・収縮は僅かだ。

無垢材と複合材の特徴と湿度の関係

木質系のフリーリング材として、丸太材を切出した無垢材の床材と合板を基材とし丸太材から採取した突板を表面に張合わせた複合材がある。複合材は、無垢材の寸法変化が大きく高コストという欠点を補う床材だ。

図3に無垢材と合板の断面の様子が見て取れる写真を示す。無垢材の断面を見ると、正に図1の年輪が示す様な文様が現れている。無垢材は、一本の材木を切出した板材から作られているので前述した木材の特性をそのまま有している。

木材の湿度特性は、前述の様に木材の成長(繊維)方向は湿度による寸法変化が小さく、板の幅(繊維に垂直)方向の寸法変化が大きい床材となる。それ故、幅方向に組合せた場合に板同士の収縮で隙間が発生することがある。

これに対して、複合材は芯材に合板を用いているために、湿度による寸法変化が小さい床材だ。写真に示す様に合板は、多層構造で繊維方向が垂直に張合わされているので、合板の平面方向の寸法変化が小さくなる。

図3.無垢材と合板の比較

図3.無垢材と合板の比較

注3)無垢材https://amzn.to/2l969Ow

注4)合板https://amzn.to/2jGUrKH

無垢材と複合材の木目の文様や床に敷き詰められた板材の並びは、複合材の方が優れている。だが、室内に設置されたフローリングとして比較すると無垢材の方が、リラックスできると感じる。無垢材の方が安らぎや安心感といった特長が際立つ。

これは、無垢材の素材としての自然の力もあるが、幅や間隔が複合材ほど均一でなくある程度のバラツキをもって並べられているからだ。“1/fの揺らぎ”ということを聞いたことがあるだろう。幅や間隔(隙間)の不規則性が醸し出すリラックス感だ。

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フローリングの隙間を自分で補修する方法

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フローリングの隙間は、変色や剥がれと異なり、大きな欠陥として目立つものではない。逆に下手に手を入れると、全体の調和が崩れ補修した部分が目立つこともあるので慎重に判断ことをお勧めする。

弘法は筆を選ばず、でDIYは可能?

技能を要る作業を行う場合に、“弘法は筆を選ばず”という姿勢で満足のいく仕上りが得られるだろうか?作業に適した道具を選び、最適な材料を事前に準備することがDIYを成功へ導くことを覚えておいて欲しい。

フローリングの傷・穴・隙間等の補修に必要な道具類や材料を図4に示すが、これらは基本的な備品類と位置付けられる。そこで、DIYで補修作業を行うごとに必要と思われるこれ以外の用品を追加していくことをお勧めする。

図4.代表的な材料と道具

図4.代表的な材料と道具

注5)穴埋め材料 https://amzn.to/2laEYCV

注6)穴埋め材料 https://amzn.to/2k9GXrc

注7)養生テープ https://amzn.to/2lbsueq

注8)キズ補修ペンhttps://amzn.to/2jDlUgi

注9)ヘラ https://amzn.to/2jDmCtY

注10)スクレーパー https://amzn.to/2jFfi0Y

注11)コーキングガン https://amzn.to/2jHROZ7

注12)補修キット https://amzn.to/2lcpgaz

因みに、補修キット(注12)は、最低限これだけは必要と思われる道具類と材料をパッケージにしたもので初めて補修を手掛ける場合には重宝する。また、経験を経るにつれてカッター、接着剤、ノミ、鋸、カンナ等の必要性を感じるようになる。

パテやコーキングで補修する方法

恒久的な補修法ではないが、比較的簡便に補修できる方法として、パテやコーキング材を用いて隙間を埋める方法がある。これは、長手方向の隙間の補修より、壁と床の際の隙間の補修に適している。

無垢材のフローリングの持ち味は、板材が整然と組立てられている様であり、板と板の微妙な不均一な間隔の存在にある。パテやコーキング材を用いた補修では、この間隔を埋めてしまうので避けた方が無難だが、簡便に修復可能なので以下にその手順を示す。

①補修範囲の特定

②養生テープによる補修部周辺の養生

⇒できるだけ補修される部分に限定されるように養生テープを貼る

③パテやコーキング材による隙間の充填

⇒少量ずつ、丁寧に隙間部に充填

④ヘラによる充填部の整形

⇒ヘラにて隙間部全体が充填される様に整形

⑤充填材の硬化

⇒使用した充填材の使用方法の硬化時間を参照

⑥養生テープを剥がす

⑦スクレーパーを用いて充填部を修整

⇒丁寧にフローリング面から盛り上がった部分を削除

⑧着色ペンで周辺部のフローリングの木目に合わせて着色

⑨ワックス等でツヤを調整

埋木で補修する方法

耐久性と外観からもフローリングの隙間を埋める適切なフローリング材料と同等の木材を用いる埋木で補修する方法がある。フローリング材と同じ木材を用いるのでパテ等で補修する方法より手間がかかるし難度が高いことは覚悟して欲しい。

①材料の準備

⇒フローリング材と同じ木材で木目が似ているものが好ましい

②隙間の幅に合わせて材料を割く

⇒木目がフローリング面になる方向に割く

⇒割く幅や長さを考慮して、カッター・ノミで割く

⇒鋸は切断面が荒れているので避けた方が無難

③フローリングの穴部周辺を養生テープで養生

④割いた木材を穴部に埋め込む

⇒押し込むか木槌や当て板をして叩く

⑤養生テープを剥がす

⑥ワックス等でツヤを調整

部分張り直し

新築や床のリフォームを行った直後のフローリングの隙間に納得がいかない場合に取る手段だ。新設直後であれば、床の色調も揃えることができ違和感がなく隙間の問題も解決するが費用は補修に比較して大きくなる。

ただ、経年変化した状態で部分張替えを行うと材質感や色調を合わせることが非常に難しい。ただし、プロのリペア(補修)業者であれば、単純に補修や部分張替えだけではなく、既存箇所とのギャップ埋めを行ってくれ、元から損傷が無かったような状態にしてくれる。

下記が部分的な張替えの事例である。

下記が部分的な張替えの事例である。 もっとも新築直後(リフォームを含む)での場合は施工ミスの可能性が高く、施工委会社との交渉が必要だ。

もっとも新築直後(リフォームを含む)での場合は施工ミスの可能性が高く、施工委会社との交渉が必要だ。

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プロに補修依頼する際に知っておくべきこと

プロに補修依頼する際に知っておくべきこと

前述の様に木材が湿度の影響で伸び縮みすることや時間の経過と共に痩せていくことをご存じであろうか?多くの方は意外な事と感じているだろう。プロにフローリングの隙間補修を依頼する前に木材に関する基本は知っておこう。

隙間は発見したら即補修か?

木製製品は呼吸して伸び縮みを繰り返しており、梅雨・夏季には伸び、冬季には収縮していることは前述した。このことから、新築時に発見した隙間は、欠陥として直ちに補修に取掛るべきだろうか?

新築物件やフローリング部のリフォーム直後であれば、季節が一巡するまで観察しておくことをお勧めする。年間を通じての隙間の状態を観察し、隙間の状態が許容の範囲内にあるかを確認しよう。

無垢材のフローリングは傷や隙間も床の意匠に替えてしまう様な存在感があるので、1年間は様子を観察しよう。

また、フローリング材は、床に敷き詰めるために材料の側面に片側に凹、他方に凸を形成してあり、この凹凸を嵌め合わせて組み立てる。

凹凸を嵌め込む構造であるゆえに隙間といえども床下が透けて見えることが無い様になっている。立った状態の目線から隙間から光が漏れてこないのであれば、多くの場合は、この隙間が気にならなくなる。

フローリングに関してアバウトに言う夏場の施工ではきつめに組立て、冬場の施工では緩めに組み立てる。これは夏場にきつめに組み立てられたものであれば、冬の乾燥に連れて収縮して緩くなるが隙間の発生を抑え、逆に冬では夏の高湿度での膨張を考慮している。

ただ、隙間の発見時点には施工会社の見解を得ていくことも必要だ。何らかの欠陥が潜在しているときの言質が取れることになる。ただ、下地が透けて見えず、先方が説得力のある説明をしてくれれば問題ない。

専門家に隙間の補修依頼した場合の費用

前節でDIYでの補修法と道具を説明したので、本節では専門家に依頼した場合の概算の補修費用を説明しよう。ただ、補修はオーダーメイドの一品料理なので当てはならない場合も多いがご容赦願いたい。

専門家に依頼した場合のフローリングの隙間補修費用は、概ね2万円-6万円程度だが、補修する面積や箇所で異なる。また、フローリングの種類や状態でも補修費用は異なる。

適正価格を知る為に相見積という方法は有効だが、気をつけていただきたいのは、安さを売りにしている業者である。安さを売りにしている場合は技術が劣る事が多い為、適正価格であり、技術を売りにしている業者を見つけてほしい。

最適な専門家と出会うには?

隙間の補修は、高度な職人技だ。これは、近所の工務店に依頼すれば満足のいく仕事をしてくれる可能性が低いことを意味している。この様な状況の下で、最適な専門家と出会うには探し方の秘訣がある。

技量の高い専門家を探すには、実績のチェックは欠かせない。特に現物を見ることが可能であれば隅々まで見極められるが、これはハードルがかなり高いので、写真や動画等で技術力を判断することとなる。

現在では、技量に自信のある専門家は自分自信で情報発信を行っていることも多く、依頼元も比較的容易にチェックできるようになった。また、複数の専門家を候補とすべくピックアップし、見積を依頼して、その価格を比較検討することとなる。

見積を依頼する際の注意点は、工事一式という記載は厳禁で、工程別・材料別の単価と工数を記載するよう依頼することをお忘れなく。この要請に対して、快く応じてくれない専門家は候補外とした方が無難だ。

また、同時に補修方法の提案を複数依頼することも重要だ。状況の程度により最適な補修法は替わるからだ。有り様に応じた提案ができる専門家は、多くの引き出しを持っていることになるので想定外の事態になってもフレキシブルに対応できる。

火災保険の適用は可能か?

火災保険の適用は可能か?

フローリングの隙間が施工不良であれば、施工会社の責任で補修することになる。ただ、施工会社が施工上の責任において補修を手掛けてくれるのはある一定の期間内で、相当以上の時間が経過した場合には当然に相手にされなくなることを覚えておいて欲しい。

火災保険が適用されるケース

施工会社の責任での補修が期待出来ない時に頼りになるのが火災保険だ、と言うと不可解な顔をする方が多い。だが、火災保険は火事に特化した保険でなく個人向けの損害保険の呼称であることを知って欲しい。

火災保険は、多様なオプションが用意されており、台風等や不測かつ突発的な事故で室内や室内の備品が損傷した場合の損害を補償してくれる保険に設計することが可能だ。この火災保険に加入している場合に火災保険が適用されるケースを考えてみよう。

始めに原則を確認すると、施工ミスによる隙間の発生は施工会社に補修責任があり、乾燥や経年変化による木材の細りは火災保険の対象とはならない。火災保険でカバーできるのは、不測かつ突発的な事故や自然災害で、以下の様な例が考えられる

・自動車が建物に衝突して、その衝撃で床が変形し、フローリングに隙間が発生

・フローリングの溝部に硬い線状の木片があり、その上に重量物を落とし隙間が発生

・壁に掲げてある絵画が落下して、額縁の角部がフローリングの溝部を強打して隙間が発生

上記の事例は、故意や過失でなく不測かつ突発的な事故を起因としてフローリングに隙間が発生したものだ。これらの事例では、施工ミスでも経年変化でもないので火災保険の補償の範囲内となる。

保険活用は業者選びが肝心!

火災保険の申請に際して、申請書自体の作成のハードルは高いのもではない。難度の高い部分は申請書の内容を補完する添付書類だ。この添付書類の出来不出来で保険の適用が左右される。代表的な添付書類に記載される内容を以下に示す。

①損害額の見積又は補修費用の見積

②損傷部位と損傷の原因と発生日の特定

これらの書類の意味するところは、如何なる原因で、どの部位に損傷が発生し、原状回復に要する費用の妥当性を明らかにするものだ。よってこの書類に関しては専門家に依頼することになる。

また、火災保険が適用されるには、以下に示す条件をクリアすることが必要だ。(a)に関しては元々火災保険が適用されない災害や事故だ。また、(b)は時間の経過と共に劣化していく現象や不良工事も対象外としているし、(c)は焼け太りや詐欺の防止だ。

(a)地震・津波・火山の噴火・原子力事故でない

(b)自然劣化・経年劣化・施工不良でない

(c)故意・過失でない

保険活用には、上記にある2段階のハードルを越える必要があるので、添付書類の作成者である専門家の施工会社の選択がポイントとなることがご理解頂けよう。端的に言えば、多数の申請事例を成功に導いた経験のある専門家を選択が成功へのカギと言うことができる。

まとめ

安らぎのある空間を作るのにフローリングは最適な床材で、特に無垢材のフローリングには、床の傷をも風格に替えてしまう魅力がある。だが、無垢材の欠点として湿度に関連した収縮・膨張・反りと言う寸法変化や変形という現象がある。

ある程度の隙間の発生は致し方ないものと納得した上で無垢材を用いた方が賢明だ。また、施工会社も季節に合わせて“伸びしろ”・“縮みしろ”を考慮しているが、時間の経過と共に隙間は拡大していく。隙間が目立つ場合には、本稿を参考に補修にチャレンジして欲しい。

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【記事監修】 山田博保

株式会社アーキバンク代表取締役/一級建築士

一級建築士としての経験を活かした収益物件開発、不動産投資家向けのコンサルティング事業、及びWEBサイトを複数運営。建築・不動産業界に新たな価値を提供する活動を行う。

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