ガレージ修理やリフォームを検討している方は、ある部分に注意をしておかないと、数十万円単位のお金を無駄にしてしまう可能性がある。
ガレージはご存知の通り、雨や風から家族の大切な車両やその他の物を守る上で有効なものだが、一定以上の築年数が経過したり、何らかの損傷が発生したりしてしまえば、当然修理やリフォームを検討する段取りになると思われる。その際必ず「火災保険が使用できるかどうか」という視点を持つことが大切である。
この視点が欠落していると、後々損をしてしまう可能性があるため、絶対に注意が必要だ。本記事では、その理由を解説するとともに、ガレージの修理やリフォームに際して知っておけば必ず得する豆知識を紹介したいと思う。
この記事読むことで理解できること
ガレージの有効性を考える
ガレージとは、雨や風から車両を守るという面で非常に有効なものである。もちろんそれだけではなく、住宅にガレージがあるだけで非常に多くのメリットがある。その一部を紹介したいと思う。
車両を外的影響から守る
ガレージの究極の目的は、「車両を外的な影響から守る」ということに尽きると言える。ここでいう「外的な影響」として、まずは雨や風などの自然現象が挙げられる。
雨や風などの外的要因は、時に大切な車両に悪影響を及ぼすことがある。雨や直射日光の影響により塗装の劣化を早めたり、飛んできた物により損傷したりがその一例である。
また、「盗難」なども外的要因に含まれる。鍵付き、セキュリティ付きのガレージを設置することによって、盗難から車両を守ることができる。「野ざらし雨ざらし」の状態で車両を保管していると、車上荒らしの標的とされやすい面があるのだ。周りを壁に囲まれているガレージは、こうした車上荒らしの被害から大切な車両を守ってくれる大切なものである。
「もう一つの部屋」としての存在価値
周囲を壁に囲まれたガレージは、「自分だけのスペース」を楽しむことができる。特に車好きの方やバイク好きの方は、誰にも邪魔されずに車やバイクの手入れをしたいと考えているものだが、このように「自分だけの時間」に没頭させてくれるのも、ガレージの良さだったりする。
この他にも、外的な影響をほとんど受けないガレージは子供の遊び場としても活用できるだろうし、スペースに余裕があれば、ゴルフバッグや釣り具、アウトドア用品など、趣味に使うような用具の置き場所として大活躍してくれることだろう。
車まで容易にアクセス可能
特に後述する「ビルトインガレージ」の場合は独立型のものとは異なり、屋内にガレージを設ける構造となるために、「家の中にガレージがある」イメージになるのが特長である。したがって、雨や風などの影響を受けずに気軽に車への乗り降りが可能になる。
重い荷物を抱えている時や、小さな子供と一緒に車を乗り降りする場合などは、「屋内にガレージがある」という事実は、非常に有益なものと言える。独立型ガレージの場合や、そもそも敷地内に駐車場がないという場合では、車までアクセスするだけで大変な手間を必要とするだろう。
ガレージにはどんな種類があるの?
一口に「ガレージ」といっても、複数の種類がある。それぞれの特長や、メリット・デメリットも踏まえて、自分にとって最も適したガレージを選択することが必要である。ガレージは多くのスペースと施工の手間を必要とするため、新居を購入、あるいは新築後に別の種類のガレージに作り変えたり、ガレージを増設したりすることは非常に困難であることを認識しておく必要がある。
ガレージを考える上では、「どのような車を駐車する見込みがあるのか」「ガレージを将来的にどのように活用していきたいと考えているのか」「車を使う頻度はどのくらいか」などの条件を勘案すると良いだろう。
ビルトインガレージ
「ビルトインガレージ」とは書いて字の通り、家の構造物の中にガレージが組み込まれている形態のことを指す。家と駐車場が一体になっているのが最大の特長で、都市部の「狭小住宅」と呼ばれるような、比較的敷地面積の狭い土地に建てられている住宅に採用されることの多いガレージである。
建物と駐車場が一体になっているために、駐車スペースと居住空間が極めて近いのが特徴である。ビルトインガレージを採用している住宅では、「雨に濡れずに」駐車スペースと居住空間を行き来することができるようになっているケースが多い。
メリット1:セキュリティ性を確保できる
ビルトインガレージの場合、ガレージ自体が壁に囲まれており、シャッター等の設備を導入することが比較的容易なため、セキュリティ性を確保しやすいというメリットがある。
ガレージは基本的には家族の大切な車両を保管するためのものであるため、極力不審者の侵入は防ぎたいところである。近年はETCの普及により、駐車中でもETCカードを車内に残しておく人が多い。こうしたETCカードやクレジットカード類を専門に狙う車上荒らしもいるほどで、駐車車両を保管する環境を整備するという意味では、ビルトインガレージは最適であると言える。
メリット2:居住スペースと駐車スペースが近い
ビルトインガレージは建物自体に駐車スペースが組み込まれている構造のため、居住スペースと駐車スペースが近いというメリットがある。このメリットにより、家から駐車車両までストレスなく移動することができる。
この特長は、特に小さな子供のいる家庭や、大きな荷物を車両に積み下ろしする機会が多い方にとっては、大きなメリットになり得る。
例えば、家の敷地内に駐車場がないケースなどでは、小さな子供を抱えて駐車場まで移動するのは大きな手間になり得るだろうし、大きな荷物を車両に積み下ろしする際に、家と駐車場の移動に時間がかかってしまうと、大変な手間になってしまう。
こうした条件に該当する方はもちろん、極力家と駐車場の移動時間を少なくしたいという方は、積極的にビルトインガレージを導入していきたいところである。
メリット3:駐車場以外の用途でも使える
ビルトインガレージは、本来であれば車両を置く用途で考案されたものだが、駐車場以外の用途でも使用できるのが大きなポイントである。
車好きの方にとっては、誰にも邪魔されずに一日中車をいじることができる工場として大いに活用することができるだろうし、そうでない方にとっても、家の中に「自分だけのスペースを持つことができる」のだ。
デメリット1:施工費用が高い
ビルトインガレージの導入を検討する時期としては基本的に新築時がメインになると思われる。その際、施工費用が多少割高になることをしておく必要がある。
一戸建てのビルトインガレージの場合は1階部分を駐車スペースにするが、その分だけ居住スペースを減らしたり、間取りを工夫したりしなければならず、建築コストが高くなる可能性がある。
また、ビルトインガレージを導入する場合、広い開口部を伴うことによって綿密な構造計算を行う必要があるため、こちらも建築コストが高くなる要因になる。
デメリット2:リフォーム費用が高くなる
新築時には家族のライフスタイルにぴったりだった家や間取りでも、年月の経過とともに家族構成や家族のライフスタイルは変容し、不便に感じたり、間取り変更の必要に迫られたりすることがある。
このような場合にはリフォームを検討することとなるが、一度ビルトインガレージを採用すると、間取り変更やリフォームの費用が大幅に高くなる可能性がある。
ビルトインガレージにしていた箇所を居室にしたり、ビルトインガレージの場所を移動させたりすることは、大幅な構造の変更を伴うために、あまり推奨はできない。
一度ビルトインガレージを導入してしまうと、間取り変更やリフォームなどの際に柔軟に対応することが難しくなることを認識しておく必要があると言える。
独立型ガレージ
「独立型ガレージ」は、建物の中に駐車場が組み込まれている「ビルトインガレージ」とは異なり、建物とは駐車場設備が「独立」している形態の事を指す。
かけられる予算や土地の形質・広さなどにより、バラエティーに富んだラインナップから選ぶことができるのが特長で、エクステリアメーカー各社から多くの商品がリリースされている。
メリット1:導入費用が安い
基本的にはエクステリアメーカー各社から発売されている既製品から、自らの土地の形質や広さ、予算などの条件を勘案して最適なものを選ぶのが一般的だが、選ぶガレージの種類によっては、導入費用を抑えられることがメリットの一つである。
メリット2:建築後でも導入可能
敷地面積やそのエリアの用途地域・建築制限などの諸条件にもよるが、建物を建築した後で、敷地内に余裕がある場合には、追加でガレージを導入することができるのもメリットの一つである。
新築時にはガレージの必要がなかった場合や、既にビルトインガレージを導入している場合などでも、年月の経過とともにもう一台分の駐車スペースが必要となることも十二分に考えられる。
こうしたニーズに応えることができる存在として、独立型ガレージが挙げられるというわけだ。
メリット3:導入する設備によってはセキュリティ性が確保されているものも
予算的に余裕がある場合などでは、セキュリティ性に秀でている製品も多数存在している。具体的には、施錠が可能になっているものや、シャッターが備わっており、外部から侵入できないような機構になっているものもある。
少々高額にはなるが、独立型ガレージを選ばざるを得ないという方で、車両のセキュリティ性は厳重に確保しておきたいという場合にはおすすめできる。
デメリット1:安価なものだと、車両が確実に保護されない
安価な独立型ガレージを選択した場合は、雨や風などを始めとして、第三者の不正侵入などの外的要因を完全に防ぐことはできない点に注意が必要である。
外的な要因から確実に車両を保護したいと考えている方は、四方が壁で囲まれ、施錠等もしっかりとできるガレージを選択すると良いだろう。
ガレージが壊れたら修理はDIYで可能?
ガレージは日々車両が出入りするもののため、車両の衝突などを原因として破損のリスクが高い箇所と言える。ちょっとした損傷程度であれば、DIY修理で対応することが可能なため、工具等を持っており、時間に余裕のある方は挑戦してみても良いだろう。
ただし、独立型ガレージの屋根が破損した場合などは、修理作業に高所での作業を伴うため、初心者の方やDIYの経験に乏しい方は安易に自分で対応しようとせず、専門業者に任せてしまうのも賢明な判断かもしれない。
ここでは、ガレージ修理をDIYで対応が可能なケースについてその一部を紹介する。
ガレージの屋根が台風で飛ばされた場合
ビルトインガレージを導入している場合では、ガレージの屋根が台風などで飛ばされるリスクは非常に低いが、独立型ガレージを導入している場合、強風の影響で屋根板が飛ばされる可能性は大いにある。
意外と知られていないが、独立型ガレージの屋根は強風などの影響を受けると、あえて外れやすくできている。台風にあおられてガレージ自体が倒壊してしまうのを防ぐためである。
強風の影響を受けてガレージの屋根板が飛ばされてしまった場合には、DIYで修理することができる可能性もある。ガレージの屋根板には「ポリカーボネート」と呼ばれる軽い素材の他、「セッパン」と呼ばれる、重く頑丈な素材が使われていることが多い。
いずれの素材についても最寄りのホームセンターなどで入手することが可能なため、自分で購入して加工し、取り付け作業を行うことはそこまで困難な作業ではないと思われる。
ただし、屋根板の取り付け作業に関して基本的には脚立などを用いることが多い他、場合にとってはガレージ自体に昇って作業をしなければならないこともあるため、落下防止のために必要な対策をしっかりと講じるとともに、作業は2人以上で行うべきである。
ガレージ天井から雨漏りが発生している
ガレージとは、大切な車両を雨や風から守るために設置するものである。ガレージから雨漏りが発生してしまうと、大切な車両に雨水がかかってしまうリスクが高まる。しかも、ガレージの屋根には鉄粉やほこりなどが長年にわたりの堆積している可能性が高いため、こうした汚いものを含んだ雨水が車両に降り注ぐことを考えると、いち早く修理対応した方が良いと思われる。
雨漏りに関しては屋根板の設置不良やひび割れなどの他、ドレン周辺の詰まりなどが原因として考えられる。いずれにしてもまずはどこが原因箇所になっているのかを突き止める必要があるが、ドレン周辺に詰まりなどが所見される場合は、ドレン周辺にたまった落ち葉や堆積物を除去するだけで問題が解決することもあるため、まずは自分の目で見てみることをおすすめする。
また、「ガレージの屋根が台風で飛ばされた場合」と同様に、屋根板の交換・修理やドレン周辺の異物の除去作業に関しては高所作業を伴うため、確実に落下防止のための対策を講じておく必要があることは肝に銘じておくべきである。
ビルトインガレージの天井などから漏水している場合は、その原因が雨水によるものなのか、各種配管の不具合によるものなのか、個別に判断することになる。ビルトインガレージの場合には生活スペースと駐車スペースが非常に近いためである。この場合には、軒天ボードの取り外しや各種配管の漏水テストなどを行う必要があるため、DIYで対応することは困難と言わざるを得ない。
支柱などに錆が見られる
長期間にわたって風雨にさらされてきた独立型ガレージの金属製の支柱は、各部材に錆が所見されることがある。錆が所見され始めると、ガレージ自体の強度を著しく低下させてしまう可能性がある。
錆びの程度が軽度であれば、ヤスリなどで錆を除去し、塗装することで、ガレージの劣化を遅らせることが可能である。
必要な部材や塗料などに関しては、最寄りのホームセンターなどで簡単に調達できるため、積極的に挑戦してみよう。
ガレージ修理の費用相場とは?これだけは見ておきたいポイント
ガレージ修理をしようとした場合、専門業者に依頼する場合はもちろん、DIYで対応する場合でも、何かしらの費用は発生する。
ここでは、ガレージ修理やリフォームをしようとして場合に想定される費用相場についてケース毎に見ていく。
屋根板が外れた場合
台風や強風の影響などによって屋根板が飛んでしまったり、外れてしまったりした場合には、代わりの屋根板をはめ込む作業が必要となる。
屋根板交換の費用相場
費用 | |
業者に依頼する場合 | 15,000~25,000円/枚 |
DIYで対応する場合 | 数千円/枚 |
※いずれもポリカーボネートの場合 ※別途、屋根板加工や取り付けのための工具が必要
支柱・枠の軽微な損傷
ガレージの支柱・枠が、車両の衝突や経年による劣化等により補修が必要になった場合の費用相場については以下の通りである。
いずれの原因においても、早急に修理対応をしなければ、最悪の場合はガレージ自体が倒壊してしまうリスクもあるため、注意が必要である。
費用 | |
支柱・枠部材(アルミ製)の交換 | 20,000円/m~ |
支柱・枠の著しい損傷
ガレージの支柱・枠部分が著しく損傷している場合や、錆の程度が広範囲にわたる場合などでは、上記のような部分補修での対応ではなく、ガレージ自体を交換する必要が生じる。
ここで注意すべきなのは、ガレージの交換については新設の場合よりも費用がかさむという点である。既存のガレージの解体費用や処分費用も別途必要となるために、家計にとっては想定外の出費になることは覚悟しておかなければならない。
費用 | |
カーポート交換費用 | 150,000円~ |
※大きさ・種類による
ガレージ修理は火災保険を使えば自己負担額はゼロに
ガレージ修理に際しては、作業内容等によってはDIYでの対応が難しく、費用も高額になる可能性があることはご理解頂けたものと思う。
ガレージは、大切な車両を雨や風、不審者の侵入などから守るために必須のものであるだけに、問題が発生しても「修理せずに放置する」ということにもなり難いのが実情である。したがって、ガレージ修理費用は家計にとって「大きな痛手」になり得るのだ。
このように家の一部分が何らかの損傷を受けた場合には、火災保険が大いに活用できる。本項ではその理由について詳細に紹介していきたい。
火災保険の補償範囲を知る
火災保険金が支払われる場合とは、どのようなケースが考えられるのだろうか。「火災」保険という名称から考えれば、「火災により家が損傷を受けた場合」に補償されるのは言うまでもなく、おそらく世間の大部分の方にとっても、「火災が起こった時のための保険」という認識があるのではないだろうか。
しかしながら、保険会社や選択するプランにもよるが、実は保険約款上、火災以外にも火災保険金の支払い対象となっている事故は複数存在する。それを知っているのと知らないのとでは、万が一の場合の自己負担額に大きな開きがあるのだ。
風災補償に注目する
内の保険会社が発売している大部分の火災保険商品においては、「風災」が火災保険金の支払い対象となる旨が規定されている。つまり、台風や強風などによって建物や設備等が損傷した場合には、火災保険金が支払われるのである。この事実を知らない方が多いのが実情なのである。
しかもこの「風災補償」に関しては、オプションで特約を付ける必要はなく、ほとんど全ての保険会社が提供する火災保険商品において標準の補償となっている。これを使わない手はない。
風災によるガレージの損傷は、火災保険の支払い対象内になる
ここで、一つの疑問が生じる。確かに建物自体の損傷には火災保険が使用できるのは納得感があるが、敷地内のガレージについては火災保険金の支払い対象になるのかどうか、という点である。
結論から言うと、ビルトインガレージの場合はもちろん、例え建物自体から分離している独立型ガレージの場合でも、火災保険金の支払い対象に含まれるのである。
建物を対象とした火災保険に加入している場合は、建物の付属物も補償対象となる。この「付属物」とは「基礎」、「門・塀・垣」、「建具・造作」、「ガレージ・車庫等」を意味する。火災保険を契約した場合に保険会社から交付される証券にも、はっきりとこの旨の表記がある。この機会に是非確認してみよう。
ガレージ修理の際の火災保険金の申請方法
実際にガレージに何かしらの損傷が発生した場合、具体的にどのように行動すれば良いのか、迷う方も多いかと思う。保険会社に連絡することなど、人生においてはそこまで頻繁にあることではないし、何をどうすれば良いのかわからないのが当然である。本項では、具体的にどのようにガレージの補修費用を火災保険金によって賄うのか、その方法を紹介する。
最初の相談先は保険会社ではない
何も知らなければ、最初に保険会社に電話をかけて色々と聞いてみたくなるものだが、少し待っていただきたい。
保険会社に最初に連絡をしてしまうと、本当に伝えるべき情報が伝わらず、それどころか、スムーズな保険金支払いを阻害するような情報を保険会社に与えてしまうリスクもある。保険会社にとっては、自社の利益を担保するために保険金支払いを極力抑えたいと考えるのが一般的である。
したがって、まずは「火災保険金を活用した住宅修理の経験が豊富な専門業者」に相談してみることを強く推奨する。こうした業者は、保険会社への説明時に「気を付けるべきこと」「言及を避けるべきこと」を熟知しており、保険会社とのスムーズなやり取りをサポートしてくれることが多いのだ。
資料作成は専門業者に依頼
保険会社への事故報告が円滑に終わると、各保険会社所定の書類や写真、保険金請求書等を提出する必要がある。
この書類の中で「現地調査報告書」と「工事見積書」は、先述した「火災保険金を活用した住宅修理の経験が豊富な専門業者」が作成する事が重要となる。
保険金を活用した住宅修理の経験に乏しい業者の場合は、保険会社向けの資料作成を苦手としているケースが多い。というのも、保険会社向けの資料作成において重視されるのは、「事故の状況を正しく伝える」という点はもちろん、「保険会社や保険鑑定人が見て、保険金を支払う妥当性があるかどうか」という点だからである。
一定以上の金額の保険事故申請の場合には、保険会社は外部の保険鑑定人に詳細な調査を依頼する。現場の事故状況や提出された書類等を見て、保険金を支払うのに妥当性があるのかどうかを厳しくチェックするのである。
一般的な業者の場合は、「保険金支払いを視野に入れた書類作成のノウハウ」を保有していない可能性が高いため、保険金額が通常よりも減額されたり、そもそも保険事故そのものが否認されたりする場合も考えられる。「火災保険金を活用した住宅修理の経験が豊富な専門業者に相談すべき」なのはそのためだ。
保険事故が承認された後に実際の工事に着手
実際にガレージの損傷個所の修理工事に着手するのは、保険金支払いが保険会社によって承認された後でも可能である。保険事故が万が一否認された場合は、修理工事を発注しなければいいだけの話だし、仮に保険金額が業者の修理見積金額よりも減額された場合には、承認された保険金額の範囲内で工事を発注すれば良いだけである。この間、依頼者にとっては負担するべき修理費用やその他の費用はゼロ円である。
保険金を活用した住宅修理の特長としては、依頼者にとって何らかの費用を負担するリスクなしで、しかも保険金支払いが承認されれば、ゼロ円で住宅の修理を行うことができる点にある。
こうしたノウハウを知らなければ、ガレージに何らかの損傷が発生した場合でも保険金請求をすることなく、業者の言い値で、かつ自己負担で修理工事を依頼してしまうことになる。一方で、ただ「住宅の損傷修理には火災保険を使用できる可能性がある」ということを知っているだけで、何倍もの経済的利益を生むことになるのだ。
ガレージはもちろん、住宅に何らかの損傷が発生しているという方は、是非本項で紹介した手法を試して頂きたい。繰り返しになるが、火災保険金を利用すれば、自己負担額ゼロ円にて住宅の修理ができる可能性があるのだ。
最後に
ビルトインガレージを採用している場合でも、独立型ガレージを採用している場合でも、ある程度の損傷や不具合に対してはDIYで対応することができるものの、一定以上の程度の損傷が発生している場合には専門業者を頼った方が賢明な判断と言える。
そして、その原因が台風や強風などによる場合はもちろん、そうでない場合でも、まずは「火災保険が使えるかどうか」という観点から検討してみて頂きたい。
「風災補償」の他にも、火災保険金の支払い対象となるには様々なケースがあり、選択するプランによるのはもちろん、保険会社によっても微妙に異なっている。
本記事で紹介したような具体的な手法やノウハウを活かして、火災保険金を活用して是非お得に住宅の修理を行っていただきたい。
株式会社アーキバンク代表取締役/一級建築士
一級建築士としての経験を活かした収益物件開発、不動産投資家向けのコンサルティング事業、及びWEBサイトを複数運営。建築・不動産業界に新たな価値を提供する活動を行う。