補修屋とは壁や床、建具などの傷や凹みといった損傷を補修し元通りにしてしまう専門業者で、住まいの美観を手頃な値段で回復してくれる優れた技を持つ職人でもある。
熟練者になるとその仕上がりは余程の目利きでない限り元の傷が分からないほどだが、一方でその腕前には業者によって大きな差があり、安くても仕上がりが値段以下という補修屋も存在する。
今回建築のプロである一級建築士がご紹介する真のプロフェッショナルである補修屋の選び方をご覧頂ければ、きっと素晴らしい補修のテクニックを持った補修屋を選択することが可能となり、値段以上の満足が得られるだろう。
記事の最後には火災保険を利用して補修費用の自己負担額を抑えるテクニックもご紹介しているので、ぜひ最後まで目を通して欲しい。
この記事読むことで理解できること
補修屋とはどんな業者なのか
補修屋は建物の床、壁、ドア、キッチン、洗面台といったあらゆる箇所の、表層の傷や凹み、穴などと言った損傷をピンポイントで補修を行い、さらには付着してしまった汚れシミなども様々な方法で消してしまう。
さらには補修が困難に思われる金属のサッシ枠やキッチンシンクなどの人造大理石、あるいは玄関床の天然石まで、その施工範囲は驚くほど広いものになっている。
当然それらの素材の特性を熟知し、様々な塗料やパテ、コーク剤などの補修材を損傷に応じて使い分ける豊富な知識と技を持ったリペアのプロフェッショナルなのだ。
よく聞くリフォームは、広い面積に損傷や汚れが及んでいた場合に、材料ごと交換したり全面的に塗装をしたりと、比較的大きな工事になってくる。
また損傷の修復だけでなく模様替えや、機能を高めるために造り変えるなど、建物に大きく手を加える工事の総称がリフォームであり、相対的に工事費は高額なものとなる。
一方補修屋の仕事は傷んだ部分とその周辺のみに手を加え元の状態に戻す工事であり、圧倒的に安価でしかも短時間で終わることが特徴になっている。
建築のプロと補修のプロの違い
まずは補修屋のプロの仕事をご覧頂きたい。
このように手早く適切な材料と手段を使って損傷を修復していくのが補修屋だ。
ただこれなら家を建ててもらった建築業者に直してもらうのと変わらないのでは?と一般の方は考えるかもしれない。
ところが建築業者が補修を行う場合は基本的にその部分を施工した業者、例えば壁紙ならクロス業者、フローリングなら大工を呼ぶことが多い。
その部分を熟知しており補修の技術も多少はあるからだが、残念ながら彼らは作るプロであって直すプロではない。
特に仕上がりの綺麗さは残念ながらプロの補修屋と比べ大きな差があると言えるだろう。
もちろんリフォームのように大きく作り変えるような工事の場合は、建築のプロの出番であるが、こと補修に限っては仕事内容とコストにおいて補修屋が勝っていると言って良いだろう。
注意したい補修屋とは
補修を検討してみようかと情報を検索すると、非常に多くの補修屋が見つかり驚かれることだろう。
それだけ数があるということは当然その中に粗悪な業者も潜んでおり注意が必要になる。
そこでまず注意して頂きたいのが激安を売りにしている業者だ。
一件当たりの金額が安いということは、利益を上げるためには数をこなさなければならず、丁寧に仕事をしていては儲けにならないのが激安業者の実情だ。
補修は簡単にやろうと思えばいくらでも短時間で終わらせることができるため、激安業者は雑に仕事を行いがちで、とてもプロフェッショナルな仕事を期待できるものではない。
そしてもう一つが追加費用の発生だ。
見積もりはおおまかなもので作っておき、工事が始まってから予想外のことがあったと追加費用を求めてくる業者がいる。
ところが実際はよほど珍しい素材だったり複雑な損傷だったりしない限り、補修で予想外ということはあまり無い。
つまり工事を始めてしまえば断れないことに付け込んで、意図的に追加工事を請求する業者もいるのだ。
ある程度の経験がある補修業者なら、見積もりの段階で追加の可能性を説明できるはずなので、依頼前に追加工事がありそうか質問し、返答が怪しいようなら注意した方が良いだろう。
補修の金額相場
ここでは実際の補修の事例と、気になるその費用をご紹介するので参考にして頂き、相場以上の割高な工事になってしまわないよう気をつけて欲しい。
補修相場一覧
補修内容 | 技術相場金額 |
壁の穴(こぶし大) | 25,000円〜 |
フローリングの傷、凹み | 25,000円〜 |
フローリング剥がれ | 40,000円~ |
フローリングのシミ | 30,000円~ |
ペットによる傷 | 45,000円〜 |
建具補修 | 35,000円〜 |
玄関ドアの凹み | 30,000円〜 |
洗面台の人工大理石の傷 | 45,000円〜 |
キッチンの人工大理石の焦げ痕 | 70,000円〜 |
サッシ枠の傷 | 30,000円〜 |
※損傷サイズにより増額の可能性あり。材料新規取り寄せ・出張費等は別途費用。
こんな場合は補修屋に依頼しよう
補習屋というプロの仕事に価値があるのはわかるが、安価にできるDIYを検討する方もいるだろう。
ただし素人の方が補修するということは失敗の恐れがあり、傷口を広げてしまって余計に高い補修費がかかることもあり得る。
そこでここではDIYで補修するには技術レベルが高く、プロの補習屋に依頼した方が良いケースをご紹介したい。
フローリングの表層剥がれや割れ
フローリングの表面が剥がれてしまった場合はDIYで補修するのは非常に難しい。
表層が深く削れたり剥がれたりしている場合はパテなどで補修することになるが、それらをきれいな平らにするには、非常に高い技量が求められる。
そして何より表面の仕上がりが補修したことをわからないよう色柄を書き込む「化粧」は、完全に職人技の領域になってくる。
細いすり傷程度なら単色ペイントでも何とかなるが、表面が広いとせっかく時間を取ってDIYを行っても残念な仕上がりになってしまうだろう。
目安としては傷の長さが15cm以上ある場合や、傷の幅が2mm以上ある場合は、プロに修復を依頼することをおすすめする。
壁の下地に達する凹み
壁に凹みや穴ができ、しかも下地の石膏ボードにまで損傷が達していた場合は、DIYではなくプロに補修を依頼すべきだろう。
表面の壁紙の損傷だけならコーク剤などを使用して自分で補修することは可能だが、その下の石膏ボードを補修するのは高度な技術を必要とする。
石膏ボードの凹みはパテで埋めた上からヤスリでならすのだが、壁紙を貼り戻してもわからないよう、きれいな平らにするのは想像上に難しい。
まして穴が深かったり傷が広範囲に及んでいたりする場合は石膏ボードの貼り替えとなり、こちらも高い経験値が求められる。
しかも石膏ボードの奥にある断熱材や電気配線に気をつけながら交換するには、非常に丁寧な作業を行わなければならない。
判断基準としては壁紙奥の石膏ボードに空いた穴や凹みが直径5mm以上だったり、損傷が深く触った時に石膏の白い粉が手に付いたりする場合は、石膏ボードの交換の可能性が高いためプロに相談することをお勧めする。
ドアの穴
まず室内のドアの表面に5mm以上の穴が空いている場合はプロに依頼した方が良いだろう。
表面的なすり傷や小さな当たり傷ならペイントによるDIYで補修は可能だが、貫通している穴を色柄が同じになるように補修するのは大変難しい。
しかも内部が空洞になっているタイプのドアは、パテやテープで補修しても乾燥後に凹んでしまい非常に見映えが悪くなる。
また外部に面する玄関ドアは、表面が樹脂シートやアルミなど塗料やパテが乗りにくい素材で、DIYで行う補修では非常に剥がれやすい。
さらに外気に触れているため補修部分の変色や劣化が早く、一般の方の知識によるDIYは見映えや耐久性の面からもお勧めできない。
特に玄関は来客の目に触れるため、よりきれいで補修がわからないように仕上げたい場所である。
ここは小さな傷でも初めから補修屋に依頼した方が、間違いが無いだろう。
ペットのオシッコ
ペットの爪や噛み傷も深い場合は補修屋に依頼して欲しいが、それ以上にDIYでは難しいのがオシッコのシミだ。
下地の石膏ボードに達していれば当然貼り替えの必要があるし、床のシミはDIYで消すことは困難なため、基本的にプロに依頼をして欲しい。
また損傷以上に難しいのが臭いの除去で、材料の奥までオシッコが染み込んでいれば取り除くことは容易ではない。
プロ用を謳ったペットのオシッコ用消臭スプレーがネットで販売をされているが、あくまで表面にしか効果及ばず根本の解消にはならない。
一方プロの補修屋ならどこに臭いの元があるのかを判断しながら補修を行うので、臭いを解消できる可能性ははるかに高い。
市販の消臭スプレーを一度試し効果が無いようなら早急にプロに依頼しよう。
自分でできる補修もある
主に内装の補修は程度が浅ければ自分でできることもあるため、前項のプロへ依頼する判断基準をしっかりとご理解頂いた上でトライしてみても良いだろう。
ここでは代表的な損傷のDIY方法をご紹介するが、何よりも仕上がりを最優先する心構えで、時間をたっぷり取って取り組んで欲しい。
フローリングの傷
フローリングの傷は専用の補修キットが多数販売されているので、それらを使うのが確実だ。
中でもクレヨンタイプは初心者の方でも施工がしやすく、失敗も少ないためお勧めである。
作業手順
①付属のヘラで周辺のバリを削り取り、カスをボロ布で取り除く。
②ドライヤーでクレヨンの先端を暖め、傷に対して平行にすり込む。
③付属のヘラではみ出たクレヨンをすき取る。
④傷が大きい場合は筆ペンタイプの補修キットで色柄を付けると見映えが良くなる。
⑤最後にフローリング用ワックスを上から軽く叩くように少しずつ塗って乾かす。
お伝えした補修方法の動画が下記である。こちらを見ていただければ初めての方でも流れを掴んでいただけるだろう。
壁紙の傷
壁紙の傷も表面的な浅いキズなら市販の補修キットで挑戦できる。
壁紙は白に見えても若干ベージュやアイボリーが入っているものが多いため、何色かがセットになった商品がお勧めだ。
①傷とその周辺を乾いた布で拭いて汚れやカスを取り除く。
②汚れがひどい場合は濡らして固く絞った布で拭き、しっかり乾かしてから取り掛かる。
③付属のコーク剤を傷の上から塗ってヘラで軽くならし、はみ出た部分を布で拭き取る。
下記動画は同じキットを使用し、壁紙の剥がれを補修した様子である。参考にご覧いただきたい。
さらに簡単に補修を行うならテープタイプの傷補修グッズもある。
テープ幅があるためよく見るとわかってしまう欠点はあるが、非常に手軽な方法なので一度試してみても良いだろう。
ドアの傷
室内ドアの表面はすり傷や釘先程度の小さな当たり傷であればDIYで補修できる。
この場合はフローリングの項でご紹介した補修ペンを使うと手軽に補修が行えるだろう。
なるべく傷からはみ出ないように着色するのがポイントで、点を打つように少しずつ作業を行おう。
少し塗ってはボロ布で拭くのを繰り返し、焦らずじっくり取り組みたい。
ただしドアは視線が向きやすいため、僅かな色違いでも目立ってしまう危険性がある。
場所が人目に付くところなら無理せずプロに依頼しても良いだろう。
プロフェッショナルな補修屋を見抜く3つのポイント
補修はプロに頼んだ方が良いのはわかるが、見知らぬ業者に依頼するのは不安があるという方も多いだろう。
ネットではトラブルに発展した話しがいくつも見られる上に、不慣れなためどのような業者を選んで良いかわからないからだ。
そこでここでは本当のプロの補修屋を見抜くポイントをご紹介する。
ぜひ今回の補修以降も末永く付き合える業者と出会えるよう活用して欲しい。
作業内容をしっかり説明する
当たり前のことのようだが、補修に当たってどのような作業を行うかをしっかり説明する業者は意外に少ない。
しかし作業をしっかり説明するということは補修に自信があるからできることで、技術や知識、経験が不足していると作業しながら考えるということになる。
つまりそのような補修はどう仕上がるか不明であり、さらに言えば見積りの根拠も怪しいと言える。
プロに高いお金を払うのだから、損傷がしっかり直ることを示してもらわなければ安心して依頼することは出来ないのではないだろうか。
見積りを提示された段階で作業内容を質問し、行う作業がしっかりとわかるような業者を選ぶようにしよう。
アフターケアがしっかりしている
補修は短時間で終わることも多く、その日の内に支払いまで済むことも少なくない。
しかし補修というものは、夜になり照明に当たると日中は気付かなかった色の違いが見えたり、時間の経過と共にパテや塗料が乾燥し凹んだりと、後日対応して貰いたいケースも出てくるのだ。
こういった場合のアフターケアもしっかり行ってもらえる事が補修にとっては非常に重要で、飛び込みやポストにチラシが入っていたような業者は工事後に音信不通になる危険性が高く、くれぐれも避けて欲しい。
アフターケアを考慮すると、やはり名の知れた会社や信頼できるところからの紹介など、工事後もコンタクトが取りやすい補修屋がお勧めだ。
金額だけでなくしっかりフォローをしてくれて長い付き合いのできる相手に依頼するようにしたい。
実績ある職人が作業を行う
補修を確実に仕上げるには豊富な知識と実際にこなしてきた経験が物を言う。
損傷は同じように見えても程度や材料、原因などで毎回違っており、これらを最適な方法で補修するには多くの引き出しを持っている必要がある。
低料金や素早く駆けつけることを売りにしている業者もいるが、中にはアルバイトや経験の浅い人間に任せてしまっている会社もある。
もし経験不足で仕上がりが今ひとつだった場合、業者にとっては何件かの内の一つ失敗で済むが、依頼側にとっては変えようのない大切な我が家の大きな失敗になってしまう。
そういった後悔を避けるためにも金額ではなく、サイトに実績が詳細に複数掲載されているか、経験が豊富な職人が補修を行うのか、などをしっかり確認して依頼先を選ぶようにしよう。
賃貸の退去前に補修屋でリペアする
賃貸の部屋は退去時に原状回復をする必要があり、入居時に預けてある敷金からクリーニング費用などが差し引かれるが、通常使用以上の損傷があればさらに有償で補修が行われる。
そしてもし敷金以上の補修費用がかかれば追加費用の請求をされることとなり、非常に痛い出費となってしまうだろう。
そこで対策としてまずどのような損傷が自己負担になるのか、さらに追加の補修が発生しないようにするための注意点を解説したい。
修復費用を自己負担する分かれ目
賃貸の損傷で借りる側が費用負担すべき修復とは故意、過失、不注意、通常以外の使い方をした、などで発生した損傷に対するものである。
具体的には家具を移動しようとしてぶつけた傷や、タバコの火の焦げ跡、窓の結露によってできたカビ(拭き取りなどの手入れを怠っていた場合)などが補修対象となる。
逆にタンスを置いてあった床に自然に付いた跡や、家電の後ろの壁にできた日焼け跡など、通常の使い方をしていても避けられないものは回復義務が無いとされる。
少し難しいのが壁の傷で、釘やネジなどの穴は責任を負うことになるが画鋲の跡など浅いものは対象外となる。
基準としては下地の石膏ボードにも損傷が達しているかが分かれ目になる。
家主や管理会社は次に貸すことを考え軽微なものも直そうとするところが多いが、費用負担は明確に分けたいところだ。
無用な費用負担を負わないためにも、判断の基準となっている国土交通省が作成した「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」に一度目を通しておくと良いだろう。
【原状回復をめぐるトラブルとガイドライン:国土交通省住宅局】
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/torikumi/honbun2.pdf
プロに依頼することが出費を抑える
既に述べたようにDIYでも補修が可能の損傷はいくつかある。
多くの補修キットが販売され、その方法もネットで検索すれば数多くみつかるはずだ。
しかしDIYに失敗すると単に有償の原状回復の補修が必要になるだけでなく、DIYで行った補修材を剥がしたりするための割増料金がかかる危険性がある。
費用を抑えるために行ったDIYで逆に余計高額になってしまっては全く意味が無い。
持家でのDIYによる補修の失敗なら我慢をすれば済むが、賃貸はあくまで借りているものであり、原状を回復する義務があることを忘れてはならない。
前述の「2:こんな場合は補修屋に依頼しよう」に今一度目を通して頂いた上で、確実に修復できることのみDIYをするようにし、多少でも難しいと感じた場合はプロの補修屋に依頼するようにしよう。
特に注意したいペットのオシッコ
賃貸の損傷のうち特に注意したいのがペットのオシッコの跡だ。
かかってから時間が経過して汚れが落ちにくくなっていると、壁紙の貼り替えが必要になり、さらに下地の石膏ボードにもシミが及んでいればその部分も貼り替えとなる。
またオシッコの臭いも染み込んでしまっていれば除臭作業が必要になるなど、ペットを飼っていた賃貸では補修の範囲が広い。
しかしいずれもDIYで行うことが難しく、これらを退去時の管理会社手配で補修を行うとなれば、当然管理手数料が上乗せされ非常に高額な請求額となってしまう。
そのためご自身で補修屋を手配し修復してもらうことが費用負担を減らすことに繋がるが、ポイントは退出時ではなく早めに依頼することだ。
オシッコに限らないが汚れの類は時間が経つほどに除去が困難になり、例え補修屋に依頼したとしても高めの金額になる可能性もある。
発生したら時間を空けずプロの補修を依頼し、可能なら保護シートなどの対策を施すこともお勧めしたい。
火災保険を利用して補修費を抑える
プロの補修を依頼した方が確実ではあるが、やはりDIYより費用が高めなので二の足を踏んでしまう方もいるだろう。
そこで検討して頂きたいのが火災保険の利用だ。
火災保険というと火事の時にだけ使うものだと思いがちだが、実は「不測かつ突発的事故による汚損破損」の補修費も補償してくれる保険も多く、今回のような壁や床、あるいはドアの傷も対象となる可能性がある。
せっかく保険料を支払っているのだから、補償してもらえるケースなら積極的に利用すべきだろう。
そこでここではどのようなケースが補償の対象となるのか、そして利用に当たっての注意点を解説しておきたい。
不測かつ突発的な事故とは
不測かつ突発的な事故による汚損破損とはあまり聞き慣れない言葉だが、日常生活の中で起きがちな物を運んでいてうっかり壁にぶつけてしまったり、子供が遊んでいてドアを壊してしまったりした場合などを指す。
そしてこれらが対象となる保険では、その損傷によって機能に支障が出た場合に補償対象となる傾向がある。
逆に故意に付けてしまった傷や、経年劣化などいつの間にか壊れていたという場合は対象外だ。
この保険を利用する上では原因と発生日がはっきりしている必要があり、さらには免責金額や一部自己負担額があるなど、様々な条件が保険によっては加わってくる。
利用を検討される場合は、一度保険会社に適用の範囲や条件を確認してみると良いだろう。
保険利用での業者選びのポイント
この保険を利用する場合、その損傷原因が保険利用の条件に合致していることを保険会社に正確に伝えなければならない。
しかしそれは一般の方には非常に難しいばかりか、例え補修屋であっても保険の利用実績が少なければ、保険会社への申請が通らない場合もある。
そこで火災保険を利用する際は申請実績が豊富な補修屋を選ぶようにしたい。
せっかく保険を利用して補修費を安くできるのに、申請の仕方で使えなくなっては非常に勿体無い。
まずは見積もり依頼する段階から保険の申請実績の多い補修屋に相談し、損傷が保険対象になるかも併せて確認してもらうと良いだろう。
代金の支払いタイミングに注意
補修屋の中には火災保険を利用して修復をする場合「保険の申請は必ず通るから」と、保険会社からの返答が来る前に、手付金や着工を急かしてくる者もいる。
もし先に支払や着工をしてしまえば材料や職人の手配をされてしまい、万一申請が通らなければ全額自己負担になってしまう。
そのように先に入金や着工を求めてくるのは、自分たちの儲けのことを優先しているからであり、そのような補修屋ではとてもお客のことを考えて工事を行ってくれるとは思えない。
依頼先を決める際は必ず入金や着工のタイミングを確認し、審査が通ってからで良いと言ってくれる業者を選ぶようにしよう。
まとめ
プロフェッショナルな補修屋とは傷や凹み、汚れなどをピンポイントで修復する専門業者である。
その仕事は高度な職人技であり、しかも費用は広範囲の改修を行うリフォームに比べて非常に安価になっている。
確かにさらに安く済むDIYで補修可能な損傷もあるが、プロとの仕上がりとは残念ながら大きな差があると言って良い。
特に大切な住まいで人目に付く場所の補修、あるいは賃貸の退去時のように高額になってしまいそうな補修などは、プロフェッショナルな補修屋に依頼することをお勧めする。
今回ご紹介したしっかりした業者の見分け方と可能であれば火災保険を活用し、プロの補修で大切な住まいの損傷を元の姿に戻してあげて欲しい。
株式会社アーキバンク代表取締役/一級建築士
一級建築士としての経験を活かした収益物件開発、不動産投資家向けのコンサルティング事業、及びWEBサイトを複数運営。建築・不動産業界に新たな価値を提供する活動を行う。