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傷補修から張替えまで全て解説!フローリングDIY完全マニュアル

フローリングの損傷は日々確実に悪化するため、緊急に補修を行わなければならない。

しかしどんな補修方法があるかと迷っていると、ますます時間と共に被害は進行し、より高額な補修が必要となってしまうだろう。

そこで今回は、フローリングに関するあらゆるDIY補修方法を、建築のプロである一級建築士が、簡単でしかも安価に済むことをポイントに解説する。

この記事一つでほとんどの補修を網羅しており、必ずご自身に最適な補修方法が見つかるはずだ。

最後にご紹介している火災保険で補修費用を補償してもらうテクニックと併せ、最小限の出費で住まいの傷を直すために活用して欲しい。

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フローリングの損傷は早急に直すべき

フローリングの損傷は、見た目を我慢すれば対処は後回しで良い、と考えていないだろうか。

ところがフローリングは毎日人が歩いて荷重がかかったり摩擦が起きたりと、損傷を悪化させる原因が常に発生する。

ドアの開け閉めや近隣の車通り、あるいは小さな地震による振動など、住む人以外からも多くの負荷を受け続けているのがフローリングだ。

また温度や湿度の変化によって木は動く性質を持つため、これら自然の力によっても劣化は進行する。

症状が進行すれば補修費用が増えるだけでなく、この後ご紹介するDIYでは手遅れになり、安価に修理することが不可能になっていくのだ。

フローリングの損傷を早めに対処することは、出費を抑えることにも繋がるということを、決して忘れないようにして欲しい。

傷の簡単なDIY補修法

まずここからは、主にフローリングの表面にできた損傷のDIY補修法をご紹介する。

これらの多くは市販の補修グッズによって補修でき、しかもDIY経験が浅くても行える作業のため気軽に挑戦してみよう。

ただし簡単なDIYとは言え急いで行えば満足できる仕上がりにはならない。

十分に時間を確保し、できるだけ丁寧に作業することを心がけて欲しい。

 

薄い擦り傷はクレヨンで簡単補修

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フローリングの表面にできた薄い擦り傷は補修用のクレヨンで直せる。

手順はクレヨンの先をドライヤーで温め柔らかくし、傷に塗り込んだらヘラで余分を削り取るだけだ。

薄い傷とは言え放置していれば傷が広がるだけでなく、ささくれが出来て足の裏に怪我をする危険がある。

具体的な作業は以下の記事で解説しているので、ぜひ目を通して頂き早急に対処するようにしよう。

「フローリング傷の直し方!DIY法から業者費用相場まで全て公開!」

・浅い擦り傷は補修クレヨンで消す

https://shufukulabo.com/repair-scratches-on-flooring#i-3

凹みや削れ

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前項の擦り傷よりも深い凹みや削れは、さらに緊急性が高まる。

ささくれはより発生しやすくなるし、状態が悪化すればひび割れなどにも繋がっていくからだ。

こちらの場合は多めに補修材を盛る必要があるため、電熱コテで溶かしながら入れ込むタイプがお勧めだ。

これなら冷めた後に簡単に取れてしまうのを防ぐこともできる。

以下の記事で詳しく商品や作業手順をご紹介しているので、ぜひご参照頂きたい。

「フローリング傷の直し方!DIY法から業者費用相場まで全て公開!」

・凹み削れは加熱タイプ補修材で直す

https://shufukulabo.com/repair-scratches-on-flooring#i-4

無垢フローリングの凹み

補修の難しいイメージのある無垢フローリングだが、意外にも家庭にあるアイロンで直すことができる。

凹みにスポイトなどで水を垂らし染み込ませ、薄い布を被せてアイロンをかけると復元する。

材質や乾燥具合によって必要な温度や所要時間が変わるため、最初は低温から始めて様子を伺いながら行うのがコツだ。

ただし表面にコーティングが施してあったり、薄い木の板を重ねた複合フローリングであったりの場合は、熱で表面が変色する恐れがあるので、まずは材質や仕上げを確認してから行うようにしよう。

以下の記事にて具体的な作業手順を解説しているので、目を通してから行って欲しい。

「フローリング傷の直し方!DIY法から業者費用相場まで全て公開!」

・無垢フローリングはアイロンで補修

https://shufukulabo.com/repair-scratches-on-flooring#i-5

ひび割れ

ひび割れは目に見えない奥の部分や下地にも損傷が及んでいる恐れがあり、特に緊急性の高いフローリング損傷の一つだ。

補修方法は複合フローリングならウッドパテで埋めた後、補修ペンで着色をして目立たないように仕上げる。

また無垢フローリングの場合は割れに木工用ボンドを入れ、その上に周りからサンドペーパーで削り取った木の粉を被せることで、色を同化させ仕上げることができる。

いずれも下記の記事で詳細に作業手順を紹介しているので、早急に補修を行って頂きたい。

「フローリングのひび割れを自分で補修する!簡単DIY法と発生原因を全て見せます」

https://shufukulabo.com/flooring-hihbiware-repair

ただし割れが深く下まで貫通していると、フローリングの深い部分やその下のパネル等にも損傷が及んでいる恐れがある。

この場合はDIYで塞いでしまわず、専門業者に内部を点検してもらった方が安心だろう。

その他のフローリング補修

ここからは表面以外の損傷の補修方法をご紹介したい。

既に述べた表面の補修より若干難しくなるが、じっくり取り組めば決して無理な作業ではない。

一度覚えれば今後も出番の多い補修のため、ぜひトライして頂きたい。

 

表面の剥がれ

フローリングの剥がれは損傷としては今までのものより重症と言えるため、早急な対処が必要だ。

ささくれが既に発生していることが考えられ通る人に怪我をさせる危険性が高く、また歩いたり触れたりすることで損傷範囲が広がるスピードも非常に速い。

また保護層である表面が無くなることで内部もどんどん傷んでいき、最悪張り替えにまで発展する恐れがある。

補修の手順はまずささくれやバリをカッターで切り取り、周囲をマスキングした後でパテ埋めを行う。

乾燥したらサンドペーパーで表面を均し、補修ペンで着色をすれば完成だ。

以下の記事で紹介しているように、道具も簡単に手に入るし作業も特別難しくはない。

剥がれの範囲が広がる前に、大至急補修を行うことをお勧めする。

「フローリング浮きは修理できる?その費用相場と予防法を徹底解説!」

・表層の剥がれはパテで直す

https://shufukulabo.com/flooring-floating#i-3

隙間の解消

フローリングの隙間は必ずしも損傷とは言い切れないが、見た目として何とかしたいと感じる方も多いだろう。

特に無垢材の場合は木の呼吸で発生するため目にすることが多いが、隙間にゴミなどが入っていると衛生上良くはないだろう。

簡単に解消するには、まずマスキングテープを隙間の周りに貼り、パテで隙間を埋めてからヘラで形を整える。

その後乾燥したら再度ヘラなどで余分を削り、補修ペンで着色する。

ただしこの方法は隙間を含めた無垢材らしさを消してしまう恐れもあるため、目立たないところで試しに行い、仕上がりを目で確かめてから行うのがお勧めだ。

詳しい道具や詳細な手順、注意点を以下の記事で解説しているので、一度目を通してからご検討頂きたい。

「気になるフローリングの隙間を補修!DIYのノウハウを大公開」

https://shufukulabo.com/flooring-gap

床鳴りを抑える

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床鳴りはフローリングの乾燥などによる変形や、その下の根太や下地の経年による変形などで、材料同士が擦れることによって起きる。

直す手順は大きく2通りで、フローリングの継ぎ目か穴を開けるかしてボンドを注入するか、隙間に隠し釘を打つ方法がある。

いずれもフローリングと下地を固定する方法だが、DIY初心者の方は下の記事でご紹介している、ボンド注入の方法が簡単でお勧めだ。

「フローリング浮きは修理できる?その費用相場と予防法を徹底解説!」

・床鳴りはボンド注入で直す

https://shufukulabo.com/flooring-floating#i-2

「気になるフローリングのきしみを解決する最適な方法を徹底解説!」

・フローリングのきしみを自分で直す方法

https://shufukulabo.com/flooring-kishimi#i-18

床鳴りだけが起きているようなら自然発生の範囲だが、築年数が20年以上経過していたり、床の沈み込みや大きな割れなども出ていたりするようなら、フローリング下の損傷も考えられる。

この場合は床鳴り解消だけではなく、内部も含めた専門業者による本格的な点検を行った方が良いだろう。

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実は簡単な塗装補修

フローリング表面にできた変色や色あせは、小さければDIYによる塗装で十分に補修が可能だ。

ただし補修材の選択や方法を間違えるとさらなる変色や損傷を招くため、DIYで行うのは今回ご紹介している方法に限り、まずは目立たない場所で試してみてから行うことが望ましい。

特に賃貸の場合は退出時に原状回復の責任があり、失敗をして範囲が広がってしまうと余計に高額出費を招いてしまう。

自宅のように失敗しても我慢すれば良いとはならないため、賃貸では安易にDIYを行わず専門業者に助けを求めた方が、最終的には出費を抑えられるだろう。

小さな変色は補修ペンで直す

結露や洗剤の跳びはねなどの小さな変色なら、DIY用の補修ペンで簡単に直すことができる。

手順は変色部分をしっかりと拭いた上で周りにマスキングテープを貼り、ペンで何度か重ね塗った上で、仕上げに広範囲でワックスをかける。

ポイントは事前の拭き掃除をしっかり行い十分に乾燥させてから行うことと、ペンの色は薄いので何度か重ね塗って周りに色を合わせていく点だ。

詳しい手順は以下でご紹介しているので、ぜひご覧頂いた上で取り掛かって欲しい。

「窓際の結露でフローリングが変色!簡単DIY補修完全マニュアル」

・フローリングが変色していたら補修ペンで直す

https://shufukulabo.com/condensation-at-the-window#i-4

日焼けや色あせは復元コーティング

ある程度広い面積で日焼けや色あせが発生しているなら、こちらも市販の道具で復元コーティングを行える。

ただしフローリングが、塗装済みのフローリングと無塗装のフローリングとで使う塗料が変わるので、ご自宅がどちらかを確認の上で行って頂きたい。

特に塗装やコーティングがされている無垢フローリングは、専用の塗料やコーティングの手順が必要な場合もあるので、心配な方は専門業者へ任せるのも良いだろう。

詳しい手順や用意するものについては以下の記事で詳しくご紹介している。

「フローリングの色あせをDIYで直そう!失敗しない補修方法を完全解説」

・復元コーティング作業

https://shufukulabo.com/flooring-iro-ase-repair#i-5

シミやカビは簡単に直せる

フローリングにシミやカビによる黒ずみが発生しても、最小限の道具で取り除ける場合がある。

シミの場合はどのご家庭にもある台所用洗剤、カビなら除菌用アルコールスプレーでまずはトライしてみよう。

「窓際の結露でフローリングが変色!簡単DIY補修完全マニュアル」

・表面のシミは中性洗剤で消す

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・カビはアルコールで消す

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注意点はいずれも塗ったまま放置してしまうとフローリングがさらに変色してしまう点だ。

特にアルコールは既存のワックスやコーティングなどに影響しやすいため、作業は出来る限り手早く行うようにして欲しい。

またご紹介している方法でも取れない場合は、シミやカビが深い部分まで達している可能性が高いため、その場合は何度も拭いたりせず早急に専門業者に相談をしよう。

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無垢フローリングにはサンディングと塗装

広範囲に色あせなどの変色があり、しかも表面の擦り傷なども併発しているようなら、思い切ってサンディング(研磨)と再塗装を行うのも一つの方法だ。

部分的に補修を行っても範囲が広いと材料費はかかるし、均等な仕上がりにするにはDIYでは難しくまだらなようになってしまう。

研磨を行ってから広い面積で塗装をした方がトータルの手間は少ない上に、仕上がりのツギハギ感もなくなる。

ポイントは研磨をいかに丁寧に行うかで、時間をかけるほど仕上がりがきれいになる。

以下の記事にて詳細に手順をご紹介しているので、ぜひ目を通して頂きたい。

「フローリングの劣化を自分で直す!研磨と塗装のDIY完全マニュアル」

https://shufukulabo.com/flooring-deterioration

 

保護の基本ワックスがけをマスターする

当然だが傷などが出来ないようにすることが出費を抑える基本であり、その点でワックスを定期的にかけることはフローリング保護に非常に有効だ。

そこでここでは、普段何となく行っているワックス掛けを、より効果を高めるための方法をお伝えしたい。

①天候の良い日を選ぶ

ワックスをかける際はまず天候の良い日を選ぼう。

湿気が多いと乾燥に時間がかかり、風の強い日であれば万一室内に吹き込ん土埃などが、ワックスに付いてしまいかねない。

②事前の掃除

ワックスをかける前にはフローリングに掃除機をしっかりかけ、濡れた雑巾で綺麗に汚れを取り除こう。

汚れの上にワックスをかけてしまえば埋まり込んでしまい、仕上がってから気づいても取れないからだ。

全体が綺麗になるとわずかなホコリなどでも目立ってしまうため丁寧に行おう。

③古いワックスを剥がす

面倒ではあるが古いワックスを取り除いてから、新たにワックスをかけた方が断然にきれいに仕上がる。

既存のワックスに傷や凹凸があるまま新たなワックスをかけると、さらに目立つようになってしまうからだ。

ワックスはがしは決して難しい作業はなく、しかも既存のワックスがいかに汚れているかわかるので、ぜひ行って頂きたい。

④ワックスを塗る

ワックスは水性のものが塗りやすく匂いが少ないのでお勧めである。

塗り始めだけは少し多めにワックスを出し、それ以降は少なめに垂らしながら板目に沿って素早く一気にかけるのがコツだ。

同じところをこするように往復させるとムラになるので注意し、入口から遠いところから出口に向かってバックしながらかけていく。

薄く2度塗りするのが基本で、1回目の乾燥時間は水性ワックスで天気が良ければ30分から1時間程度だ。

ワックスの耐用年数は半年か1年のサイクルの商品が多いが、ツヤ自体はあまり変わらないので、ご自身が家具移動も含めて定期的に行えるスパンのものを選ぶと良いだろう。

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新しいフローリングに張替える

損傷を解消するには思い切って新しいフローリングにする方法もあり、難易度はアップするが時間を十分にかければ作業は可能だ。

部分補修とは比較にならないほど綺麗な仕上がりになる上に、当面は経年劣化を心配しなくても良いため費用対効果は非常に大きい。

以下に各種の方法をご紹介するのでぜひ挑戦してみて欲しい。

置くだけで簡単にできる重ね張り

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傷んだフローリングを簡単に、しかも広範囲に改修するなら重ね張りがお勧めだ。

非常に商品の種類が多く、ネットやホームセンターで入手が可能だ。

作業手順は既存のフローリングにしっかり掃除機をかけ、雑巾で水拭きをして乾燥したら敷いていき、場合によっては両面テープなどで固定する。

大きく分けると薄いシートタイプと硬さのあるパネルタイプがあるので、それぞれの特徴や選ぶ際のポイントをご紹介する。

①薄いシート状のもの

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厚みが1.5mm程度の薄いシート状のものなら女性でも手軽に施工でき、値段も手頃なものが多い。

ただし薄い商品は時間が経つと反ってしまう心配があるため、専用の両面テープが用意されているものを選ぼう。

市販の両面テープでは将来剥がす時に跡が残ってしまう恐れがあるので、必ず専用の両面テープを使うようにする。

②厚みのあるパネルタイプ

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一方厚みが4mm〜5mm程度あるパネル状のものは、耐久性が高く見た目も本来のフローリングと変わらないというメリットがある。

しかし厚みの分だけ段差ができる問題があり、特にドアやクローゼットの扉に当たって開かなくなる恐れがあるため、開放時の下の隙間を確かめてから敷くようにする。

和室の畳をフローリングへ張り替え

和室の畳をフローリングにする場合も前述の重ね張りは可能だが、畳の柔らかさから敷いた上に家具などを置くとぐらつく可能性がある。

こうした心配がないのが畳を撤去しフローリングに張り替える方法だ。

畳は撤去が楽であるため、既存フローリングを剥がしての入れ替えるより、手間や技術をそれほど必要としない。

ある程度日曜大工を行った事がある方ならそれほど難しくはないので、ぜひチャレンジしてみよう。

準備するもの

・のこぎり

・金槌

・鉛筆

・金尺

・根太(30mm×30mm)

・構造用合板

・スクリュー釘(根太や合板用)

・フロア釘

・フロア釘用ポンチ

・フローリング材

※フローリング材は新築用の本来のものでも良いが、かなりの数の釘打ちをすることになり、手打ちでは相当な労力と時間を要する。

また腕の疲れからフローリングを傷つける可能性も高い。

合板の上に貼るのであれば、厚みのある重ね張り用のフローリング材でも十分であり、手軽に済ませるならそちらも検討してみよう。

施工の概要

まず既存の畳の厚さを確認する。

大別すると55mm程度ある通常の畳と、20〜30mm前後の薄畳がある。

①55mm前後の畳厚の場合

畳を取り除いた後に高さ30mmの根太を並べ、その上に構造用合板、さらにフローリングと敷き重ねていく。

フローリングの厚みや合板の厚みを変えても良いので、根太を含めた高さの合計が畳厚以下になるように用意する。

根太と根太の間は空洞のままでも良いが、発泡系の断熱材を入れると底冷えの改善に繋がる。

②薄畳の場合

マンションなどに多い薄畳では、フローリング+合板で既存の畳厚になるようにする。

フローリング+合板では厚すぎる場合は、フローリングを重ね張り用の薄いものにしても良い。

下地がコンクリートの場合にそのままフローリングを貼ってしまうと硬すぎてしまい、疲れやすくなったり膝を痛めたりする可能性もあるため、必ず合板は挟むようにしよう。

張り替えの手順

①古い畳を撤去

②根太を303mm間隔で配置しスクリュー釘で下の荒床に固定

(フローリング+合板のみ場合は不要)

③その上に構造用合板を被せスクリュー釘で固定する。

④さらに部屋のサイズにカットしたフローリングを根太の方向と交差する向きに敷く。

⑤フローリングの断面に斜めからフロア釘を打ち、最後にポンチで打ち沈める。

壁際の納め

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冬場に作業するなら梅雨〜夏場にかけてフローリングが吸湿して膨張することを見越し、3〜5mm程度隙間を開けて逃げを取る。

逆に梅雨〜夏場に作業するなら畳寄せピッタリに合わせた方が、冬場に隙間が開くのを最小限にできる。

畳寄せの面まで上の壁がきているようなら、巾木を取り付け際の隙間を隠すこともできる。

カーペットや絨毯からフローリングへ

カーペットや絨毯をフローリングに張替えるのは他の場合に比べ容易だ。

手順は既存のカーペットを剥がし、その下にフェルト状のクッション材が現れるのでそれも剥がす。

さらにその下に合板の下地が現れるので、その上に新たなクッション材と重ね張り用のフローリングを貼れば工事は完了だ。

ポイントは古いフェルト材を面倒がらずに剥がすことで、残してしまうとダニやカビの温床になり床下を非常に不衛生な状態にしてしまう。

また新たなクッション材も必ず入れるようにし、抜いてしまうと歩く時の足への反動が大きくなり疲れやすくなってしまう。

さらにマンションは後述するように遮音の基準があるため、しっかりと同程度を確保するように材料を選ぶよう注意しよう。

マンションの張替えは防音がポイント

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マンションで古いフローリングや畳を撤去して新しいフローリングに張り替える場合、下の階の住人の住環境を守るため確保すべき遮音等級を決めている場合があり注意が必要だ。

具体的な数字が「遮音等級LL45」などと管理規約に記されており、それを満たす材料を使うのはもちろん、中には張替えの計画を事前に管理組合に提出しなければならない物件もあるため、しっかりと条件を確認しよう。

条件を満たすフローリング材はネットであれば簡単に見つかり入手は難しくはない。

まずは条件を確認し、条件や手続きを確かめた上で計画を立てるようにしたい。

賃貸ならシートタイプがお勧め

原則、賃貸のアパートやマンションは既存の床や畳に手を加えることはできない。

そこで既存のフローリングや畳の上に重ねるフローリングシートで改修をするのがお勧めだ。

ただし既にご紹介したように薄いシートは反りやズレを防ぐ両面テープが必要だが、既存のフローリングやカーペットに剥がした跡が付く可能性がある。

せっかく賃貸のフローリングを保護しようとシートを敷いたのに、この跡のおかげで原状回復費が余計にかかっては元も子もない。

商品を選ぶ際は剥がした跡が残らない対策が明記されているテープを選ぶか、不安定にはなるがテープを使わないで敷いておくだけでも良いだろう。

 

フローリング張り替えをプロに頼むべきケース

フローリングの張り替えにはDIYで行える簡単なものがある反面、技術的に困難で失敗のリスクが高く、専門業者へ依頼すべきケースもある。

DIYの目的の一つに費用を抑えることがあると思うが、以下の場合では失敗すれば膨大な追加費用がかかりかねない。

ぜひとも初期段階から専門業者にアドバイスを求めることをお勧めしたい。

 

フローリングを撤去しての張り替え

既存のフローリングを剥がして新たなフローリングに入れ替える工事は、残念ながらDIYでは非常に難しい。

フローリングは際の部分で巾木や壁が被っている場合があり、単にフローリングを剥がすだけでは済まず、周りの壁などを壊すケースも出てくる。

また床の構造を熟知していないと下地を痛めてしまう可能性があるなど、多くの方にとって作業レベルは高く失敗の確率が非常に高い。

もし失敗してから専門業者へ頼むことになれば、それまでに使った材料は無駄になるばかりか、DIY部分の撤去費用が上乗せになってしまうだろう。

リスクを考えると決して安価に済むとはいい難いため、フローリングを撤去する場合は専門業者へ相談することをお勧めする。

 

床暖房はプロでないと危険

床暖房が施工されているフローリングの改修も、専門業者へ依頼するようにしよう。

新たに使うフローリング材の中には床暖房に非対応のものもあり、特に重ね張りやシートタイプは熱によって剥がれたり反ったりする危険性がある。

さらには床の温度を検知するセンサーが既存フローリング部分に設置されているものもあり、その上に重ねてしまうと温度調整に支障を来す恐れもある。

ましてフローリングの張り替えなどを行えば、その下にある熱源パネルの配線や配管を痛めかねない。

いずれも大きなトラブルに発展する可能性があるため、床暖房のあるフローリングは手を出さず専門業者へ任せるようにして欲しい。

専門業者費用一覧

自分で補修する自信のない方や、見た目も耐久性もしっかりした仕上がりを求めるなら、専門業者に依頼するのも良いだろう。

失敗のリスクもなく仕上がりにおいてDIYとは雲泥の差があり、人を通すような場所は特にお勧めしたい。

以下の専門業者の費用相場を参考にし、一度正確な見積もりを依頼してみたらいかがだろうか。

表面補修

修復内容 費用相場 備考
薄い擦り傷 15,000円〜 着色処理のみ
凹みや削れ 25,000円〜
ひび割れ 25,000円〜
表面の剥がれ 40,000円〜
隙間 20,000円〜
床鳴り 20,000円〜
小さな変色や日焼け 20,000円〜 表層処理のみ
シミやカビ 30,000円〜 表層処理のみ
サンディングと塗装 2,500円〜/㎡ 小面積の場合単価アップ
ワックスかけ 1,000円〜/㎡ 小面積の場合単価アップ

※損傷サイズや深さにより増額の場合あり

材料新規取り寄せ・出張費等は別途費用

張り替え(6帖目安)

工事内容 費用相場 備考
重ね張り 50,000円〜150,000円
フローリングの張り替え 100,000円〜200,000円 表層フローリング替えのみ
畳をフローリングへ 150,000円〜250,000円 根太+断熱材入れありの場合
カーペットや絨毯からフローリングへ 80,000円〜200,000円
防音床への張り替え 150,000円〜250,000円 表層フローリング替えのみ
シート張り 30,000円〜50,000円

下地処理発生の場合、出張費、廃材処分費は別途費用

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火災保険で出費を抑えよう

フローリングの補修費用を抑えるなら、ぜひ加入されている火災保険の確認をお勧めする。

補修費用で火災保険と聞くと不思議に思うかもしれないが、実は現代のものは火事だけでなく、自然災害や盗難など様々な住まいの損傷を補償する総合保険になっている。

今回のフローリングの損傷も条件によっては保険で補償される可能性があり、保険料を払っているなら一度利用できるか検討するべきだろう。

以下では保険を使える具体的な例と、保険を使って補修を頼む場合の業者選びの注意点について解説する。

 

どんな損傷が補償されるのか

まずフローリングの損傷が「不測かつ突発的な事故による汚損・破損」に該当するなら、保険利用が可能だ。

これはうっかり重いものを落としてしまったり、子供がおもちゃをぶつけたりして痛めた損傷に利用できる。

さらには損傷が発生した日時や原因がはっきりしている必要があり、損傷した部分の機能に支障が出ていると適用されやすい。

あるいは「風災」という台風や竜巻によって屋根が損傷して発生した雨漏りで、フローリングが傷んだ場合も補償される可能性がある。

いずれも保険や保険会社によって細かな条件があるため、加入時の書類などで確かめてみると良いだろう。

 

保険利用では業者の経験値が重要

保険で補修費用を補償してもらうには、その損傷の原因を書類や写真を使って保険会社に正確に報告しなければならない。

しかしこれは、例え補修の腕が良い専門業者であっても慣れていないと非常に難しい作業となり、最悪書類が不十分なため補償が却下される可能性がある。

当たり前だが補修の腕と申請の確実性は別の話しであり、せっかく保険適用の損傷でも使えないとなれば、今まで支払った保険料が無駄になってしまう。

保険を確実に利用できるようにするためにも、依頼する専門業者は保険申請の実績が豊富な相手を選ぶようにしたい。

 

まとめ

フローリングの損傷は日々確実に悪化するため、決して放置せず早急に直すべきだ。

特にDIYなら素早くしかも安価に直すことができるため、今回の記事を参考に積極的に挑戦をして欲しい。

ただし見た目をきれいに直したり、フローリングを新たに張り替えたりするなど、場合によっては専門業者へ依頼した方がベターなケースもあり、選択を間違うと初めからプロへ依頼するよりも高額な出費になる恐れもある。

くれぐれも目先の費用だけでなくリスクも考慮し、安全で確実な補修を選択するようにして頂きたい。

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株式会社アーキバンク代表取締役/一級建築士

一級建築士としての経験を活かした収益物件開発、不動産投資家向けのコンサルティング事業、及びWEBサイトを複数運営。建築・不動産業界に新たな価値を提供する活動を行う。