【ゼロ円】雨樋修理、屋根リフォーム、雨漏り対策の「修復ラボ」

トイレの扉を交換して気分一新 注意点と費用を徹底解説

トイレのことを“憚り”ということがあるが、人目を憚る場所といった意味合いだ。日本家屋では、北側の薄暗い場所にひっそりと憚る場所にトイレがあり、その場所に相応しい様に地味に佇んでいることが多い。

この様に憚る場所の修理が必要になったら、思い切って憚らないイメージのデザインを採用してみては如何かな。従来とは真逆の意匠で設計するとトイレ周辺の印象が大きく変わるので本格リフォームをした気分になれる。

そこで、本稿ではトイレの扉交換について徹底解説する。

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扉やドアの色々を知ろう

一口に扉やドアといっても、開き方・形状・デザイン等で様々に分類できる。ただ、トイレの扉やドアといった用途であれば、天井までの開口部を有する扉や美しいレリーフが施されたドアを用いることは希少な事例だろう。トイレ用扉の形態や設置等を説明する。

トイレの扉に要求される特性とは?

トイレの扉には、建屋内の個室の出入り口にある扉に要求される特性とは一味異なる特性が要求される。この点を理解しないとトイレの扉を交換した後で、後悔することがあるのでトイレ独特の属性を理解して欲しい。

これはトイレを個室として捉えるには、狭小であり、異臭や異音の発生があり、ヒートショックを受けやすい場所(倒れやすい)であることによる。これらを踏まえると、トイレの扉には、以下の示す属性を考慮する必要がある。

①気密性(音・臭い)
②開きやすさ(緊急時の開閉)
③トイレ内の有効利用
④廊下の有効利用
⑤コスト
設置性(交換の容易性)

扉の開き方からみた分類と特徴

扉を特徴付けるのは、その開閉方法にある。扉の開閉は、扉に対して平行に引く動作で開閉する引き戸、扉に対して垂直方向に押す・引くという動作で開閉する開き戸、扉に対して垂直方向に押す・引くという動作で扉が中折れして開閉する折れ戸、という形態に分類できる。

下図(図1.)に上記の例を図示したので、参考にして欲しい。これらの扉の開き方により、単なるデザイン的なイメージだけでなくトイレの扉として要求される特性に差異が生じることになる。

図1.扉の代表的な扉の例

また、これらの扉に対する前述した特性の相対的な優劣を、〇・△・×で評価する。

表1. 扉の形態による特性評価

評価項目 引き戸 開き戸 折れ戸
気密性   音 ×
気密性   臭い ×
開きやすさ(緊急時の開閉) 〇or× 〇or×
トイレ内の有効利用 〇or× 〇or×
廊下の有効利用 〇or× 〇or×
設置性(交換の容易性) 〇or×

上記の表中の引き戸で“〇or×”という評価結果があるが、これは引き戸を引き戸に交換することは容易だが、開き戸や折れ戸を引き戸に交換するには扉の収納部を作る関係上手間を要する。また、位置によっては、収納部を作れないこともある。

扉の開く方向にも注意が必要

引き戸は、扉が左右に移動するので、開く方向を特に考慮する必要は無いが、開き戸や折れ戸は扉が開くときに、トイレ側・廊下側のどちらかに開くかによって使い勝手が大きく異なる。下図(図2.)にその組合せを示す。

図2.扉の開く方向の組合せ

廊下側にドアが開くタイプは個室内を有効に利用でき、内部で人が倒れた場合でも扉を開くこと容易だ。だが、このタイプではドアを開けたときに廊下で待機している人と衝突する可能性がある。

ドアノブも重要なアイテムだ

リビングで使用される扉であれば、本体部分に様々な意匠を施して、デザイン性を高めることができる。だが、一般的にいって、トイレの扉というと地味であるが清潔感のあるものが多く、デザイン性を考慮できる部分はドアノブのみといってもいい。

それ故、トイレ周辺が地味と感じたならば、ドアノブのデザインに注目してみるのもいい。ただ、トイレと言う場所柄、ユニバーサルデザインと言うポイントも考慮して選定する必要があることを留意して欲しい。以下にドアノブの事例を示す。

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リメイクシートを知っている?

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トイレの扉が壊れた、開閉に支障を来した、ならば交換することになるが、単に気分を変えよう、イメージを一新しよう、というのならば手軽に低コストで目的を達成できる手法がある。頭に浮かんだイメージを現実のものとして実験としても使える便利なアイテムだ。

 

リメイクシートとは?

壁紙の類似品と考えていい。一般的に壁紙を貼るには、施工現場で接着剤を介して壁に壁紙を貼っていくが、リメイクシートは大理石柄や木目柄等の文様が形成されたシートの裏側に粘着剤が塗布されており、簡単に壁に貼り付けることができる。

図3.リメイクシートの構造例

図3.にリメイクシートの構造例を示す。壁や扉に貼り合わせた状態では、上図中の文様部と粘着部で構成される。購入した状態では、粘着部と文様部を保護する保護シートが張られており、貼り合わせる直前に粘着部側の保護シートを剥がしながら貼り合わせる。

貼り合わせ工程での難関は、壁や扉と粘着層の間にエアーを巻き込まない様に貼り合わせることだ。その為に、エアーが抜けやすい様に溝が形成されている粘着層やドット柄に形成されている粘着層が採用されている製品もある。

リメイクシートを貼り合わせた後に、文様部の保護シートを剥がす。文様部は耐久性を考慮して塩ビ製であることが多く、本物と見間違う様な大理石や木目柄が印刷されている。また、石材を貼り合わせた様な凹凸も印刷で形成されている。

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リメイクシートの事例紹介

市販されているリメイクシートの事例を以下に示すので選定の参考にして欲しい。

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リメイクシートを用いた補修での注意点とは?

リメイクシートを扉等の平面に貼り合せた際の美観を決定する要素は様々だが、以下に述べる事項が大きく影響する。前処理として、粘着剤で貼り合わせるので、対象物の貼合わせ面をゴミや油分が無い様に拭き取ることを忘れてはならない。

①浮きや異物の巻き込み
②平面と平面の交差部(壁と床、壁と天井の様に急角度で曲がる部分)
③曲面(円筒状や球状の部分)

前処理が終了したら、貼る場所の寸法を測りリメイクシートに目印を付けるが、実寸よりも大きめ(1㎝程度)付けるポイントだ。目印を目的にカッターやハサミ等で切断していく。目印間に条規を当てて、鉛筆等でガイド線を描いても良い。

問題となる浮きや異物の巻き込みを防止するには、前述の前処理を充分に行うこと。そして、粘着層の保護シートを全部剥がしてから貼り合わせないこと。保護シートを少しずつ剥がしながら、ゆっくりと貼り、タオルやヘラを使って伸ばしながらエアーを浮いていく。

壁・床等の垂直の場所に貼る場合は、下から上の方向に貼っていき、空気を上に逃がすようにし、ヘラで角を押さえることも忘れずに。また、曲面は、リメイクシートにドライヤーで温風を当て、曲面に沿うように貼ると良い。

 

トイレドアの交換はDIYそれともプロに依頼?

ドアの交換はDIYで行うのか、それとも施工会社に依頼した方が良いのだろうか?結論的に申し上げるならば、ドアの交換はDIYでできるが安全性や出来栄えを考慮すると施工会社に依頼した方が満足できる。

DIYか依頼かを判断するために、考慮するべき事項を 〇・△・×の3段階で相対評価した結果を下表に示す。

表2. 扉の交換のDIYとプロへの依頼の相対比較

評価項目 DIY プロへの依頼
準備の手間 ×
出来栄え ×~△
期間 ×~△
コスト ×

金額的には高いものになるが、手間や出来栄えを考慮すると、プロへ依頼した方がトータルで有利となる。特に、DIYの場合は、時間の経過とともに自分の作品に見慣れてきて、粗が目立つようになり、残念な気持ちになる。

施工会社に依頼する場合には、工事の範囲、扉の種類や取替える扉のグレード等の諸要素があり一概にこの価格とは言い難いが、概略4-18万円の範囲になる。

 

傷や凹みはリペア業者に補修依頼

トイレの扉が交換する程のダメージを受けているならば、交換すれば価格的にも問題は無い。だが、それ程のダメージを受けていない場合には、交換はコストパフォーマンスが悪いことになるので、補修で対応したくなる。

補修で対応できるダメージは、所詮軽微な傷程度と考えがちだが、写真1.に示す様に傷のレベルを大きく超えるダメージにも対応できる。ただ、この様なダメージを無かったものにできるのは優秀なリペア専門家に依頼する必要がある。

 

写真1.トイレの扉の補修例

補修の費用は、ダメージのサイズ・状態によって変動するが、一箇所15,000円から対応可能だ。また、リペアのメリットは、現地調査なしで、損傷箇所の写真を送って見積りが可能だ。

 

優れた施工会社の探し方とは?

トルストイの名作アンナ・カレーニナに“幸福な家庭はどれも似たものだが、不幸な家庭はいずれもそれぞれに不幸なものである”という言葉ある。これと同様に優れた施工会社は、一定の特性を有することが多いので、優れた施工会社が有する特性を以下に示す。

①顧客志向
②明朗会計
③実績主義

顧客志向とは、施主様の要求の本質を汲み取り、それを実現することで、明朗会計とは、見積書の作成・契約の締結・追加工事の峻別等のビジネスの基本を外さない姿勢で、実績主義とは、自己の技能・知識の研鑽を欠かさず、自己の実績に誇りを持つことだ。

これらのことを別の言葉でいうと、工事関係者は専門用語を多用する傾向があり依頼者である素人には理解が困難なことがある。また、過去の事例に拘るあまり自分の考えを前面に出すことがある。依頼者の要求をよく聞き、真に依頼者が望んでいる内容を実現することだ。

また、見積書や契約書の作成・締結は手間の掛かる事務作業なので、ついつい省きたがる。だが、依頼者としては、工事内容の明細が記載されていないと、仕事内容が適切・適正であるかの判断ができないので、見積には依頼者の要求に応じた項目で明細の記載が必要だ。

具体的には、以下の示す①②③に示す姿勢を有する施工会社が優良会社ということができる。また、トイレの扉の交換は、部屋のリフォーム等と比較する金額が小さいので出張費等を考慮すると近隣の施工会社が好ましい。尚、施工会社の選定に際して、相見積は必須だ。

①見積に細目を記載してくれる
⇒依頼者の指定する細目で記載してくれる

②よりクオリティの高い提案・コストダウン提案がある
⇒依頼者の本質を見てくれる(話をよく聞くことができる)

③口約束で仕事をしない
⇒見積作成・契約書作成などのビジネスの基本を外さない

 

トイレのドアの交換費用は火災保険で補填可能か?

施工会社にトイレのドアの交換を依頼したら、それなりの費用を要することになる。何らかの方法でこの費用が補填できるならば大助かりだ。一般家庭で外部資金が利用可能となるのは火災保険だが、その利用可能性を考えよう。

個人の住居で台風や雷等の自然災害、飛来物(石・ボール)や自動車事故等のリスクに備える保険が火災保険だ。台風で窓が破壊されてトイレ全体に被害が及べば火災保険でカバー可能だ。同様に自動車が家屋に飛び込みトイレが破壊された場合も補償される。

だが、扉だけというのは自然災害や事故等では事故証明の難度が高く火災保険での補填は困難だ。ただ、火災保険の数あるオプションで不測かつ突発的な事故(破損・汚損など)を補償の対象とするものがある。

例えば、鉄パイプの様な固く長い棒を持っていたときにトイレ周辺で躓いて、この棒でトイレの扉に穴を開けてしまった場合には、上記のオプションで補償される。第一歩として現在加入している火災保険とそのカバーする範囲をチェックすることをお勧めする。

 

まとめ

華やかな存在とは言い難いトイレの扉の交換や補修をする際に留意する事項を述べた。華やかでないので実用的に考える部分と狭い個室でリラックスできる室内への改装方法を説明したので、参考にして欲しい。

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株式会社アーキバンク代表取締役/一級建築士

一級建築士としての経験を活かした収益物件開発、不動産投資家向けのコンサルティング事業、及びWEBサイトを複数運営。建築・不動産業界に新たな価値を提供する活動を行う。