【ゼロ円】雨樋修理、屋根リフォーム、雨漏り対策の「修復ラボ」

ベランダからの雨漏り対処法!損しないための修理方法とは?

ベランダからの雨漏りを経験されたことはないだろうか。

ベランダは雨や雪の影響を直接受ける箇所であるが故に、どれだけ耐久性が高く、高性能な防水仕上げを施していたとしても、年月の経過とともに徐々に劣化していき、その帰結として「部屋内への漏水」という形で問題が露呈してしまうのだ。

こうなってから処置をしたのでは、被害が広範囲になっている可能性もある。したがって、雨漏りの兆候を見逃さず、適切な時期に適切な修理・補修を施すことが重要である。

ベランダからの雨漏りに関する知って得する知識と、自己負担額を極力ゼロにしつつ修理するために必要な知識を解説していく。

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この記事読むことで理解できること

危険!ベランダの雨漏りを放置してはいけない理由

ベランダの雨漏りが今まさに起こっている方は、今すぐに対処すべきである。絶対に放置してはならない。後々取り返しのつかないことになってしまう可能性もあるため、可能な限り速やかに専門業者に相談されることを強くお勧めする。

では、ベランダの雨漏りを放置していると、どのような問題が発生するのだろうか?具体例を挙げながら見ていくことにしよう。

 

シロアリによる食害のリスクが高まる

シロアリとは、主に朽ちた木などを主食とする昆虫で、木などに含まれるセルロースを好物としている。「アリ」と名が付くことや見た目などから黒いアリの仲間かと思われがちだが、実はゴキブリの仲間である。

自然界においては朽ちた木を食べ、土に戻すことで木の分解を助ける重要な役目を果たしているが、人間が住む木造家屋などの木材も集団で好んで食べてしまうため、基礎部分の木材を徐々に食い荒らし、最悪の場合建物の倒壊や傾きを誘発してしまう。

日本においては、木造住宅を建築する時にシロアリ予防のための溶剤を塗るケースがほとんどだが、その効果は約5年で切れてしまうことが多い。

したがって、現存する住宅においてシロアリ防除のための対策が新築以後定期的になされているものはそこまで多くないのが実情なのではないだろうか。

シロアリは特に湿気を多く含んだ木材を大好物としている。したがって、雨漏りが発生して湿潤となった柱や梁などの木材は、シロアリの格好の餌食になりやすいのだ。また、例えばベランダなどで発生した雨漏りは、一度天井裏などの人の管理が行き届かないところを通り、室内に発生するケースが多い。一度雨漏りしてしまうと、目の見えない箇所で建物の構造上重要な箇所が湿気を帯びており、ここがシロアリの餌場となってしまうのだ。

これが、ベランダからの雨漏りを放置していると危険であると言われる所以である。水が漏れてきても生活上支障がなければ放置してしまうこともあるかもしれないが、見えないところでシロアリによる食害が進行し、手遅れになってしまうかもしれない。

小さな昆虫だからといって甘く見ていてはいけない。家一棟を倒壊させるのは、数千から数万匹の集団で行動する彼らにとってみればたやすいことなのだ。雨漏りを発見したら、速やかに補修を段取りするとともに、シロアリによる魔の手が忍び寄っていないか、専門業者により確認することをおすすめする。

 

柱や梁などが腐食する

雨漏りにより水分を含んでしまった柱や梁は、そのまま放置していると腐食してしまう恐れがある。シロアリの場合と同じように、雨漏りによって一度濡れてしまった柱や梁などの木材は、通常は天井裏などの人の目が届かない場所にある場合が多い。

一度木材が濡れてしまうと、乾燥させるのにも時間がかかるし、そもそも発見したときには腐食が進行してしまい、乾燥しても元の状態には戻らないリスクも考えられる。こうなると耐震性も低下するため、建物の強度にも悪影響を及ぼしかねないのである。

部屋内に雨漏りを発見したら、直ちに対応することが重要である。

 

クロス・石膏ボードへのシミ

ベランダからの雨漏りを放置すると、漏水箇所のクロスや石膏ボードなどにシミが残ってしまう。

このことは外観上の問題ももちろん深刻だが、それ以上に人体への悪影響も懸念される。つまり、クロスや石膏ボードなど、人間が生活しているスペースに直接接する箇所が水分を含んでしまうことで、カビやダニなどが発生しやすくなるのだ。また、原因箇所の特定と補修が完了し、クロスや石膏ボードを張り替える段取りになると、汚損したクロスや石膏ボードを撤去し、新たなものを施工する必要があるため、施工期間中の生活が著しく制限されてしまう懸念もある。

こうならないためにも、ベランダからの雨漏りに対しては早めの対応が不可欠である。

 

漏電のリスクもある

壁裏や天井裏には、住んでいる人が気付いていないだけで実に様々な電気配線が敷設されている。インターホンや電灯、コンセントの配線などがあるが、これらの配線類が水に濡れると、漏電を引き起こす危険性がある

漏電とは、文字通り「電気が漏れている」状態のことであり、本来は通ってはいけない箇所に電気が流れてしまうことを言う。水は電気を通しやすいため、経年劣化などの影響により絶縁が甘くなっている配線に水がかかると、漏電を引き起こしてしまうリスクが高まる。

漏電を引き起こすと、「通常は使われるはずのない電気が使われる」ため電気代が異常に高くなったり、あまり電気を一度にたくさん使っていないはずなのに漏電ブレーカーが頻繁作動してブレーカーが落ちるなどの兆候が現れる。

このまま放置しておくと、電気の影響によりクロスや壁材の過熱を引き起こし、最悪の場合火災の危険性もある。いわゆる電気火災である。また、漏電している箇所に人が触ると、感電を引き起こす可能性もあり、命を落とす危険性もあるのだ。

「たかが雨漏り」とバカにするかもしれないが、通常の住宅の火災でも漏電を原因とするケースも多い。ベランダや屋根にできたちょっとした隙間やヒビ、不具合が、住む人の命や家という大切な資産を奪ってしまう結果にもなり得るのである。

 

雨漏りによる損傷を修理する時にかかる費用

上記で挙げたように雨漏りを放置するリスクは非常に高い。当然のことだが建物に損害を与えてしまった場合、雨漏りによる損傷を修理しなければならない。

雨漏りが原因とする損傷を早期に発見し修理を行えば工事の費用や規模の負担を軽減することができるかもしれない。

しかし、雨漏りを放置し損傷をどんどんと拡大してしまえば、その分の修理費用もかかることに注意しなければならない。雨漏りによって被った損傷を修理する工事項目と費用の目安について下記の表にまとめたので参考にご覧にいただきたい。

修理内容(8畳目安) 費用目安
クロス貼替え 5〜10万円
下地交換(壁1面)+クロス貼替え 15〜20万円
和室の京壁上塗り 10〜15万円
和室の造作部材交換 20万円〜
構造部材修理・交換 30万円〜

雨漏りによる損傷を修理する場合は上記のような工事が必要になる。クロス貼替えのみ見るとそこまで修理費用はかからないと思うかもしれない。

しかし、雨漏りというのは複合的な修理が必要になるケースが多いということに注意していただきたい。例えば構造部材修理・交換を行う場合は、壁・天井の下地の交換とクロスの貼替えが必要になるため、上記の表に記載する30万円にプラスして下地交換費用とクロスの貼替え費用が発生する。

工事する状況によっては床の張替えもしなければいけない場合もある。また、雨漏りの修理は、雨の侵入口を塞がなければ直らないため、工事の規模が大きくなる可能性があり、その分費用の拡大は予想しておく必要があるだろう。

 

天井・床・屋根からの雨漏り!応急処置と対処方法

もし、雨漏りが発生した時、そのまま水が滴り落ちてくるのを放置しておくわけにはいかない。水が床に落ちればフローリングが腐食してしまうし、近くに家電があればショートする危険があるのだ。

水が滴り落ちてくるところに何か物が置いてあるのならすぐにどかす方がいいだろう。ここでは、雨漏りが発生した時の応急処置についてお伝えしていく。

まず、雨漏りによって天井から水が落ちてくる場合は、落ちてくる水を受けるためにバケツやタライを用意しよう。水しぶきで床が濡れないように床にはブルーシートやレジャーシートを敷くこと。

濡れたクロス壁や天井は、濡れた状態のままで放置してしまうとカビや剥がれの原因となるため小まめに水気を拭くことをおすすめする。

雨漏りする付近に家電が置いてある場合は、水に濡れてしまうと故障してしまうので位置を移動しよう。雨漏りが起きると壁や天井に隠蔽されている電気配線が濡れて漏電する危険がある。

漏電している電気配線に触れてしまうと感電する可能性もあるため無闇に触れないことだ。漏電が疑われる場合は、早急に電気保安協会や電気工事会社に調査を依頼して対策を取ってもらうことをおすすめする。

雨漏りが屋根やベランダから発生している場合、応急処置としてブルーシートを被せる方法がある。ただし、雨漏りが発生した直後は雨が降っていたり、屋根が濡れていたりして作業するには危険がある。完全に雨がやみ、屋根が乾いてから作業を行うことが大切だ。

また、屋根は高所作業となるため、屋根から落下する危険がある。そのため屋根の作業は専門業者に依頼することをおすすめする。

雨漏りしている箇所の上にブルーシートを被せることで水の侵入を防ぐ対策となる。この方法で室内への影響が軽減できる可能性はあるが、完全に防げるというわけではないことを承知していただきたい。

水はほんの少しの隙間からも流れるため、ブルーシートでは症状を抑えきれない可能性が高いだろう。また、薄いブルーシートだと水が浸透してくるので、被せるブルーシートはなるべく厚いものを使用すること。

 

ベランダのテラス屋根に積もった雪の対策

ベランダに雨を凌ぐためのテラス屋根を設けている建物も多い。テラス屋根があることで、不意に雨が降っても洗濯物を濡らさずに取り込むことができる猶予ができるのだ。

また、雨や紫外線を抑えてくれるため、ベランダの床に汚れがつきにくく防水の劣化も抑制してくれる効果が期待できる。

ただし、雪が降った時はテラス屋根に雪が積もってしまうため、積雪する量によっては雪下ろししなければいけない。メーカーが販売するテラス屋根には耐積雪強度というものがある。

LIXILのテラス屋根は、一般地域用の耐積雪強度20cm積雪地域用の耐積雪強度50cm多積雪地域用の耐積雪強度100cmと分類がされている。

積雪量の目安は新雪締雪(シマリユキ)粗目雪(ザラメユキ)の3つに分けられそれぞれ耐積雪量が異なる。

締雪(シマリユキ)とは降り積もる雪の重みにより絞め固められた状態の雪のことをいう。粗目雪(ザラメユキ)とは日によって溶けた雪が再び凍り、ザラメ状になった雪のことだ。下記の表は雪の質と耐積雪量を記したものだ。

雪の質 新雪 締雪 粗目雪
耐積雪強度20cm 20cmまで 12cmまで 8cmまで
耐積雪強度50cm 50cmまで 30cmまで 21cmまで
耐積雪強度100cm 100cmまで 60cmまで 42cmまで

このようにテラス屋根は雪の重みに耐える積雪量が決まっているため、雪が降り積もったら雪下ろしすることが大切だ。

雪が積もりすぎてしまうと屋根が撓んだり、抜けたりする恐れがあるので注意する必要がある。雪下ろしをする時はデッキブラシやほうきを使用して行うことができる。ただし、二階ベランダのテラス屋根は高所作業となるため脚立を立てたりせずにできる範囲で抑えておくことが大切だ。

 

ベランダの雨漏りで考えられる原因とは?

ベランダの雨漏りは前述したように、放置しておくと部屋内への漏水や建物躯体への悪影響など、様々な問題が拡大してしまう要素をはらんでいる。当然、ベランダからの雨漏りを未然に防ぎ、「一度も雨漏りが発生しない」という状況が最も望ましいのは言うまでもない。

ベランダからの雨漏りを未然に防ぐためには、まずはどのようなメカニズムで、何を原因として雨漏りが発生するのかを把握しておく必要がある。このことなしには、ベランダからの雨漏りを未然に防ぐことなどできるはずがない。原因を知ってこそ初めて何らかの対策を講じることができるのだ。

 

原因1:防水シートの劣化

一つ目の原因として考えられるのが、ベランダの防水シートの劣化である。

防水シートに限らず、家は建築された瞬間から経年劣化が始まるものである。例え日々のメンテナンスを丁寧に実施し、定期的な補修を行っていても、経年劣化はその進行を遅らせることはできても、完全に抑えることはできない。これは仕方のないことである。

防水シートに関して言えば、経年劣化の進行によりシート自体にピンホールが発生したり、ひび割れが発生したりする。

特にベランダに施工されている防水シートは、太陽の光を直接浴び続けたり、雨や雪の影響を受けたりする箇所にあるため、どうしても経年劣化が所見されやすいのだ。発生した穴やヒビから雨水が侵入し、最終的には部屋内への漏水という形で現出する。

 

原因2:床のヒビ割れ

二つ目の原因としては、ベランダ床のコンクリート部分のひび割れが考えられる。

 

ベランダの床に施工されているコンクリートの多くはシンダーコンクリートと呼ばれ、防水層を保護する役目を果たすものが使用されていることが一般的だが、このコンクリート床にヒビ割れが発生すると、階下の居住スペースに漏水することも考えられる。

コンクリートがひび割れする大きな原因の一つには、コンクリートの乾燥収縮という現象が少なからず関係している。乾燥収縮とは、施工時に流し込まれたコンクリートの中に含まれる水分量がやや多いことから起こるコンクリートのひび割れの主な原因の一つである。

コンクリートは水やセメントなどの原料を用いて、化学反応により必要な強度を獲得するものであるが、施工後にコンクリートが十分な強度を得た後でも、蒸発可能な水がコンクリート中に含まれていることがある。

これは、コンクリート施工時の現場のニーズにより、型枠にコンクリートを流し込みやすくするためである。コンクリート中に残された水分が乾燥することにより、周囲のコンクリートや部材に引っ張り力が働き、ひび割れが発生するのだ。

 

原因3:排水口の詰まり

ベランダに設けてある排水口はゴミが溜まると水が流れにくくなり逆流や溜まりを引き起こし雨漏りに繋がる可能性がある。ベランダの排水口はドレンとも呼ばれ、一見するとベランダの床と一体成形されているように見える。

ベランダ排水口は、床下地に排水口用の穴を開け、その穴に排水口を被せて、仕上げに防水塗料(またはシート防水など仕上げによって異なる)が施され一体化されている。

排水口に詰まりがあれば水が逆流し水が溜まってしまう。このような現象が起きて長い期間放置してしまうと、排水口周りの防水が劣化し、排水口と床の間に隙間ができてそこから水が漏れてしまうのだ。

排水口の詰まりが起こらないようにするには定期的な掃除が必要だ。たとえ築年数が浅くても排水口の掃除を怠り詰まりが起こっていれば、排水口周りの防水の劣化は十分に発生する可能性があるため注意すること。

 

原因4:ベランダ手すり・笠木からの雨漏り

ベランダの壁面の上部にはスチール製またはアルミ製の笠木という部材が被せてある。これは壁上部から雨が侵入しないように設けられている部材だ。

ベランダに設けられている笠木は長さが決められており、一本一本継いで設置がされていて、笠木を継ぐ箇所はジョイント材を被せて隙間を埋めるようになっている。

手すりが設けられている笠木は、手すりの立ち上がり部に隙間があるため、防水処理や排水できる構造となっている。

現在では笠木と手すりが一体成形となっている製品も販売がされており、水の侵入を抑えたものもある。

出典:https://webcatalog.lixil.co.jp/iportal/CatalogDetail.do?method=initial_screen&catalogID=12270690000&volumeID=LXL13001&designID=newinter

上記はリクシルのハンドラインⅢの画像だが、ベランダ壁上部は防水シートが被せてあり、笠木から水が侵入しても壁内に水が入り込むことはない。

しかし、笠木の劣化が激しいと水の侵入量も多くなり、防水シートの劣化も早まってしまう恐れがあるのだ。ルーフバルコニーのようにベランダ下に部屋があると、水が下の部屋にまで流れて被害を与えてしまう可能性がある。

このようにベランダの笠木から雨漏りが発生する可能性もあることに注意しておこう。

 

原因5:ベランダの水溜り

ベランダの床は、本来水が排水口に流れていくように勾配(床の傾斜)が設けられている。床に勾配があるため水が溜まらない構造となっているが、防水層の劣化やシート防水のヨレ、浮きなどが発生していると傾斜が悪くなり水が溜まってしまうのだ。

このような症状は雨漏りを引き起こす原因となる。また、防水層の下地の浮きや変形などが生じている場合、構造体にまで損傷している可能性があるため、確認次第専門業者に連絡して何かしら対策を立てることが大事だ。

 

原因6:サッシからの雨漏り

ベランダとサッシの取り合い部から雨漏りが発生する可能性もある。取り合い部とは、ベランダとサッシのつなぎ目のことを指す。開口部下端(サッシが設置される床)は瑕疵担保責任保険の設計基準の規定で立ち上がりを120mm以上とされている。

これは床に流れる水が、ベランダ床とサッシの取り合い部から侵入しないようにするためだ。

参考図8-1 バルコニーの納まり例

住宅保証機構 まもりすまい保険 設計施工基準・同解説

https://filebox.mamoris.jp/新築_設計施工基準・同解説_2019年版.pdf

住宅保証機構 まもりすまい保険(新築)設計施工基準

https://www.mamoris.jp/kasitanpo/standard/

設置されるサッシの下にも防水処理はされているが、施工不良または劣化が起こっていると、その取り合い部から水が侵入し雨漏りを引き起こすことになってしまう。

特に昔の住宅で見られるベランダ床の立ち上がりがない場合は、取り合い部から雨漏りを引き起こす可能性が高いため要注意だ。

修理する際は、シーリングを充填することで直る場合もあるが、それでも改善しない時はサッシの交換とベランダ防水のやり直しが必要となる。

 

原因7:屋根材の劣化

ベランダからの雨漏りの原因箇所がベランダからだけとは限らない。特に防水関係の専門家の中では「水は非常に正直なもの」であると言われることがある。

これは、防水仕上げ材や雨漏り防止のための機構に何らかの不具合が発生すると、遅かれ早かれ必ず部屋内などに漏水してくるという意味である。

例えば、屋根材の劣化により、ベランダに水が漏れてくる可能性も考えられる。ベランダではドレン周辺のゴミを定期的に除去していないために、ベランダが屋根から漏れてきた雨水でベランダがプールになることも考えられる。

ベランダがプールになると、防水仕上げが施されていない箇所にも水が回ることとなるため、結果的に部屋内の漏水へと繋がっていく。もちろんケースバイケースではあるが、これが屋根材の劣化によりベランダ経由で部屋内に漏水してしまうメカニズムである。

このように、一見するとベランダから漏水しているように見えて、実は原因箇所はベランダではなく、屋根材の劣化にあったという事例は数多く存在するのである。

では、素材ごとにどのような形で漏水が発生していくのか、詳しく見ていこう。

【スレートの場合】

スレートは、現在の日本において主流であると言っても過言ではないほど普及している屋根材である。「化粧スレート」とも呼ばれ、約5mm前後の薄い強固な板を張り合わせているだけであり、施工が容易な屋根材として知られている。

カラーバリュエーションも豊富なため、洋風と和風どちらの家の雰囲気にも合わせやすいことも特徴と言える。スレート屋根における漏水原因をまとめた。

1.浮き

スレートの寿命は環境や施工状況により多少の増減はあるものの、おおむね10~15年程度と言われている。屋根材は特に紫外線や雨・雪などの影響を直接受けやすい上に、人がこまめにメンテナンスをし難い位置にあるため劣化が進行しやすく、劣化状況の把握も困難である。

経年劣化により、組み合わされたスレートは強風や雨などの影響で少しずつズレたり浮いたりしてしまう。こうしてできた隙間から雨水が侵入し、スレートの下地材の防水層を傷めてしまうため、雨漏りという形で表面化してしまうのである。

2.ひび割れ

スレートは、施工された時は撥水性・防水性ともに優れた屋根材だが、経年とともに少しずつ水分を含みやすくなってしまう。こうなると、温度変化などによりひび割れが発生しやすくなる。ひび割れた箇所から雨水が侵入することになってしまうのだ。

3.コーキングの不具合

スレート自体に損傷やひび割れがない状態でも、その周囲のコーキング材が劣化すると、その部分から雨水が侵入することがある。

4.棟板金部分の不具合

屋根材にスレートを採用している場合、屋根全体がスレートで覆われているわけではない。例えば三角屋根の頂点部分には、板金製の棟板金が施工されている。こうした棟板金は金属製のため、長期間風雨にさらされることにより錆が発生したり強風などより浮きが所見されたりする。

また台風などの強い風や豪雨の影響により、棟部分の釘が抜けてしまうことも考えられる。こうしてできた隙間に、雨水が侵入してしまうのだ。

【日本瓦の場合】

日本瓦は、昔ながらの日本家屋の雰囲気を醸し出すことができる屋根材であるが、近年ではカラフルでスタイリッシュな種類の瓦の登場により、日本家屋だけでなく洋風の家にも取り入れられることが多くなった人気の屋根材である。

粘土を高温で焼き上げる製法により、「100年以上持つ」と言われるように耐久性・強度ともに高く、表面塗装がされていないためメンテナンスが不要であると言われている。

1.瓦の浮き・ずれ

瓦自体は非常に強い屋根材であると言われているが、スレートの場合と同じように、強い風や豪雨などの影響により少しずつ瓦がずれてきたり、浮いてきたりすることがある。ずれや浮きが発生すると、その箇所から雨水が侵入してしまうということだ。

2.瓦の割れ

台風被害の特集番組などで、無残にも割れた瓦屋根を見かけたことはないだろうか。瓦は強固な屋根材として知られているが、とは言え硬い物の衝撃に100%耐えられるわけではない。ましてや台風などの猛烈な風により重く、硬いものが飛んで来たら、瓦自体が割れてしまうことも十二分に考えられる。

瓦が割れることによりその部分から水が浸入しやすくなることは当然だが、割れた箇所周辺の瓦がずれたり浮いたりして、被害が広範囲にわたってしまうことも問題である。

3.防水紙の破れ

瓦屋根の下地には防水紙が敷かれており、この防水紙が部屋内への漏水を防いでくれている。前述の瓦自体の浮き・ずれ、割れなどの影響に加え、経年劣化によっても防水紙は敗れてしまう。防水紙が破れてしまうと、もはや部屋内への漏水を防ぐものは何もない。

【ガルバリウム鋼板の場合】

 

ガルバリウム鋼板は、通称「ガルバ」とも呼ばれる金属製の屋根材で、錆びにくく、価格も安価なことから近年急速に普及が進んでいる屋根材の一つである。

1.傷による錆

ガルバリウム鋼板は一般的に「錆びにくい」と言われている屋根材の一つであるが、施工時についた傷や、強風時の飛来物などの影響によりついた傷を主原因として、錆が発生する場合がある。錆が進行してしまうと、最悪の場合ピンホール(穴)が発生してしまうため、その部位から部屋内やベランダに漏水してしまうことも考えられるのだ。

2.浮き

ガルバリウム鋼板は経年劣化により浮きが発生することがある。浮きの所見された箇所から水漏れのリスクがあるのだ。

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雨漏りが起きているサインと侵入口を発見する方法

雨漏りは早期に水が侵入しているサインを発見し、水の侵入口を速やかに確定させることが大事になる。このような初動が早ければ早いほど雨漏りによる被害を最小限に抑えることができるのだ。

侵入する水の量が少ない場合、雨漏りしているサインが表面上にでない可能性もある。そして長い期間少量とはいえ水が入り続けていると建物の木部の腐食やシロアリを寄せ付ける原因となる。

そのため、少しでも雨漏りの疑いがあるのなら早めに対処することが大切だ。ここでは、できるだけ早くに雨漏りが発見できるように、雨漏りが起きているサインと雨漏りの有無の発見方法についてお伝えしたい。

【雨漏りのサイン】

雨漏りが起きているサインは下記のケースがある。

・天井や壁に水シミがある

・天井や壁が湿っている

・天井や壁にカビが生える、部屋がカビ臭い

・サッシまわりが濡れている

・床が濡れている

・クロスにシミや剥がれがある

・軒天井が腐っている

・ベランダの外壁にヒビや腐食、カビ、苔、剥がれ、浮きなどがある

・ベランダの床の防水層に浮きがある

・サッシが濡れている

サッシについては結露の疑いもあるが、サッシから水が侵入する可能性を考慮するとまったく起こらないとは言い切れないので注意しておこう。

結露は室内温度と外気温度の差によって起こるため、内外の温度差が生じていない場合や雨の日だけサッシが濡れるという時は雨漏りが起きている可能性を疑う必要がある。

また、外壁にカビや苔、ヒビ、剥がれ、浮きなどの症状がある場合も雨漏りが発生している疑いがある。サイディング外壁のシーリング目地の劣化は外壁内に水が入りやすくなっているため外壁目地の現状を確認することが大切だ。

このように雨漏りが起きているかもしれないサインを発見した時は、専門業者に依頼して詳しく調査してもらうことをおすすめする。では、次に雨漏りの有無や侵入口を発見する方法についてお伝えしていきたい。

【雨漏りの侵入口発見方法】

当然のことであるが、雨漏りの有無を業者に確認してもらう場合は、実際に雨が降っていて現在雨漏りしている状態を業者に見てもらうことが重要だ。

なぜかというと、雨漏りが起きてから数日経った後では、侵入した水が乾いてしまうからだ。

かろうじて雨漏りの跡は残っているかもしれないが、その跡がその時に起きた雨漏りの跡なのか判断がしにくい。そのため、雨漏りの有無はあくまでも推測としてでしか判断ができない。

業者としても雨漏りの有無を特定する核心が必要であり、修理となるとその核心がなければ作業にかかることができないのだ。

雨漏りの調査は下記の方法で行われる。

・目視による確認

・解体調査

・散水調査

・赤外線サーモグラフィ調査

簡易的に調査できるのが目視による確認だ。押入れや収納は天井に点検口が設けられていて、その点検口から天井裏を覗くことができる。

また、二階の点検口なら屋根裏に侵入できるため、屋根からの雨漏りは発見しやすい。ただし、一階の場合は天井裏のスペースが狭く明かりもないため遠くまでは見渡すことができない。一階の雨漏りは点検口付近で雨漏りが発生している場合に有効だ。

もし、点検口から遠くの場所で雨漏りが発生し、目視では確認できない場合や壁伝いに雨漏りしていて天井裏では雨漏りの確認ができない時は、一部天井や壁を解体して雨漏りの有無を確認する方法がある。

しかし、解体して確認する方法は、ある程度の雨漏りが発生している箇所を特定してから解体しなければいけないため、雨漏りの知識と経験を持った者が行わなければ無闇に建物を解体するだけになってしまう。

当然のことだが、解体した箇所を修理する費用は施主が負担しなければいけないため注意する必要がある。

散水調査は、雨漏りしている箇所と水が侵入していそうな箇所を予測し、水をかけて侵入してくるか確認する方法だ。雨漏りは内部で水が溜まり時間が経ってから表面にでてくることもあるため1箇所に20〜30分程度散水し様子を見ながら調査をしていく。

赤外線サーモグラフィのような専門器具を使用して調査する方法もある。赤外線サーモグラフィは、天井や壁の温度を器具のモニター上で確認することができる。

もし、水が侵入していれば、水が流れる箇所は低い温度となって表示されるため、どこから雨が侵入しているか確認することができるのだ。

業者によって違いはあるが、雨漏り調査は、まず目視から始めるのが一般的だ。目視では確認できない場合や特定するには核心とならない場合に散水や赤外線サーモグラフィの調査を行う。

雨漏り調査は、水の流れを予測する能力と建物構造の知識が必須だ。雨漏りしている箇所の特定理由が曖昧な場合や証拠としては不安が残るような状態の場合に修理を行うと余計なところまで工事をしなければいけない可能性がでてくる。そのため、このような状態で工事をすすめてくる業者には依頼しない方がいいだろう。

 

ベランダの雨漏りはDIYで修理できるのか?

 

ベランダからの雨漏りがどのような原因で発生するのかは説明した。建築関係の仕事をしている人は別として、通常であれば部屋内への雨漏りが発生した時点で、自分で原因箇所を特定し、自分で部材を手配して補修しようとすることは稀であろう。

むやみに見当違いの箇所を触ってしまい、自分で傷口を広げてしまうよりは、経験豊富な専門の職人に任せた方が低リスクで完全に補修できる可能性が高いと判断するからだ。

しかしながら、専門業者に補修を依頼する前に、少し立ち止まって考えて頂きたい。本当に提示された見積が適正価格なのか、担当者の経験不足等により逆に事態を悪化させてしまわないかなど、実は懸念すべき材料はたくさんあるのだ。

この点で、ある程度の原因箇所の目星を自分でつけることができ、簡易な補修はDIYで対応できるようになると、悪徳業者に実態以上の作業費用を請求される可能性は低くなると言える。提示された見積のうち、何が正しくて、何が間違っているのかの判断が正常にできるためである。

ここでは専門業者に依頼せず、DIYでできる範囲で対応が可能なのかどうかを検証しよう。

 

水の中でも固まる急硬性セメントで応急処置

「急硬性セメント」と呼ばれるセメントをご存じだろうか。書いて字の通り急速に硬くなるセメントのことであり、早いもので何と1分で固まる製品も存在する。

施工も非常に簡単で、水と急硬性セメントを混ぜ合わせ、ゴム手袋などで混ぜ合わせれば自然に凝固作用が始まる。最寄りのホームセンターなどでも販売されていることから、雨漏りの原因箇所がはっきりしており、とりあえず応急処置として穴やひび割れをふさいでおきたいという場合には使用してもいいだろう。

 

床のひび割れには隙間を埋めるシーリング材で対応

 

ベランダ床がひび割れている場合の応急処置には、市販のシーリング材を使用してみるのもいいかもしれない。シリコン系のコーキング材は耐久性・耐候性も高い上に、ホームセンターなどで数百円から数千円で手に入る。

もちろんベランダ床のひび割れ補修だけではなく、外壁のひび割れや取り合い部の補修など、様々な場面で活用できるため、コーキングガンとともに家に備えておいてもいいだろう。

 

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シーリング材を使用する際に注意すべきなのは、施工すべき箇所周辺をしっかりと清掃しておくことである。

具体的には、ゴミや塵などを取り除くことはもちろん、鉄粉なども除去した上で施工しなければ、シーリング材をひび割れ箇所に擦り込んでも、微細なゴミを原因として施工箇所がすぐに劣化してしまうこともあるのだ。

以下に、コーキング材の施工のために購入すべきものをまとめた。DIYで対応したいと思っている方は参考にして頂きたい。

必要となるもの 説明 概ねの価格
コーキング材 変性シリコンまたはウレタン系を選択 500〜1000円/1本
コーキングガン DIY程度であれば安価なもので可 200〜8000円/1本
養生テープ 施工したい箇所以外にコーイング材を付着させないため 200〜600円/1巻
ヘラ コーキング材を施工した後の仕上げ 400〜600円/1個

防水塗料の施工にも挑戦しよう

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初級者には少しおすすめできないが、ある程度の建築に関する知識があり、DIYもそこそここなすことができるという人は、防水塗料の施工に挑戦してみてもいいだろう。

もちろん専用の塗料や刷毛・ローラーなどの部材はホームセンターで全て調達できるし、連続して2日間晴天で終日時間が取れる人であれば、取り組むことができる。

ベランダの床面がコンクリートであれば、水性塗料を、FRPやウレタン防水のトップコート塗装の場合には専用のトップコートを使うこととなる。いずれの場合も、施工しようとする場所の汚れを綺麗に落とし、養生を確実に行った上で作業をしよう。

以下に、防水塗料の種類と大まかな価格相場をまとめたので、参考にすると良いだろう。塗料はホームセンターでなくともインターネットショップで簡単に手に入るため、手軽に挑戦することができるはずだ。

床面の素材 使用する塗料 概ねの価格
コンクリート 水性塗料 10000〜13000円/10L
FRP、ウレタン塗膜防水 ウレタン系トップコート 11000〜14000円/10kg

 

D I Yで補修を行ってはいけないケース

雨漏り被害のリスクが極めて高いことは前述のお伝えした通りわかっていただけたのではないだろうか。雨漏りを修理する際は確実に直していくことが重要となる。

上記ではDIYで対応できる範囲をお伝えしたが、万が一のことも予測しておかなければならない。

なぜなら、水の流れというものは変わる可能性もあるため、D I Yで行った作業が改善されず、むしろ自体を悪化させてしまう危険性があるからだ。雨漏りの状態を悪化させないためにも、ここではDIYで補修を行なってはいけないケースについてお伝えしたい。

DIYで補修を行なってはいけないケースは下記のようなケースだ。

・防水層や構造体に関わる修理

・コーキングの貫通割れ

まず、防水層や構造体に関わる修理についてだ。ベランダの床の防水層は複層となっている。例えばFRP防水は下記のような層で形成されている。

【1層目】

プライマー

ポリエステル樹脂

ガラスマット

【2層目】

ポリエステル樹脂

ガラスマット

【仕上げ】

トップコート

防水の要がガラスマットの層だ。ガラスマットが劣化し防水の役目が果たされていない場合は、FRP防水のやり直しが必要となる。トップコートのみ劣化している場合なら、かろうじてDIYで行えるかもしれないが、FRP防水のやり直しとなればとても素人で行うのは難しいだろう。

また、シート防水も同様だ。ベランダ床の防水シートの接着方法は専門的な知識と施工技術が必要だ。シートの浮きや剥がれ、シートの継ぎ目の開きがあり、水の侵入が発生していたとしても、雨漏りの箇所を特定するにはシート全体を剥がさなければいけない。

つまりシート防水のやり直しが必要となるため、このケースでもDIYで補修を行うのは不可能である。

続いてコーキングの貫通割れのケースだ。コーキングであればDIYでも行えると思うかもしれないが、既存のコーキングが貫通して割れている場合はDIYで補修を行わない方がいいだろう。

DIYで行いやすいコーキングの増し打ちは、既存のコーキングも剥がれてしまう可能性があり、増し打ちしたコーキングも不具合があれば僅かな隙間から水が侵入してしまうだろう。本来は打ち直しするべきだが、それはプロでないと難しい。

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症状別に解説!雨漏り原因の修理方法

簡易な補修やDIYレベルでのメンテナンスは専門業者に依頼せずとも自分で施工することは可能だが、そうは言っても症状や原因箇所によってはDIYでは対応しきれない場合も当然あり得る。この項では、雨漏りの原因箇所の修理方法を症状別にまとめた。

 

ベランダ床のヒビ・亀裂から雨漏りしている場合

日中は太陽の光にさらされて紫外線を浴び続けたり、雨天時は風雨に長時間さらされ続けたりしているベランダは、表面の塗膜や防水シートの劣化によりヒビが入ることがある。どのような補修を行っていくかはもちろん部屋内への雨漏りの程度にもよるが、まずはベランダ床に入ったヒビ・亀裂がどの程度のレベルなのかを判断する必要がある。

ヒビ・亀裂の程度 補修方法 費用相場
トップコート(表面塗膜)のみ トップコート塗装 3万円以上
防水層にまで達している ウレタン塗膜防水塗装 7万円以上

 

コーキングの劣化部分から雨漏りしている場合

コーキングは、ベランダの各部材(サッシとFRPの間など)の隙間を埋めるために施工されるゴム状のパッキンのことである。こうした隙間をコーキング材で埋めることで、水の侵入を防いだり、各部材の隙間の緩衝材とするこことができる。

このコーキング材については、どんなに手入れを行っていても一定年数で劣化し、ひび割れや亀裂、コーキング材自体の浮きが所見されてしまう。

こうならないために、劣化の様子を見ながら建築されてからおおよそ10年程度が経過したらそろそろコーキングの増し打ちや打ち替えの検討を開始すべきである。

コーキング材の種類 特徴 費用相場(目地部の長さ)
変性シリコン 紫外線に強い。耐候性◎ 700〜900円/m
ウレタン系 弾力性◎。施工後のずれに強い 500〜600円/m

上記の価格に加え、足場の有無などによっても価格が異なるベランダは通常人が容易に出入りできる箇所ではあるが、雨漏りの不具合箇所がベランダからはアプローチできないような場所にある場合は、足場を架設したほうがより確実な作業が期待できる。

その場合、概ね15~20万円以上の追加費用が発生すると思っておいた方が良い。

また、コーキングの劣化が著しく進行しており、破断や肉やせを起こしている場合、増し打ちではなく打ち替えを検討したほうが無難と言える。その場合には、既存のコーキング材を撤去する必要があるため、別途費用が発生する。既存のコーキング材の撤去費用については600~700円/m程度必要になる。

 

笠木から雨漏りしている場合

笠木から雨漏りしている場合、笠木にある隙間をコーキングで埋めて改善されることがある。しかし、コーキングで改善されるケースは稀であることを承知しておこう。

なぜなら、笠木から雨が侵入していて雨漏りを起こしているということは、外壁の中にある防水シートも劣化し、防水の効果の期待ができないからだ。つまり笠木から雨漏りしている場合は、笠木の交換とベランダ壁の張り替えが必要になるということだ。

修理にかかる費用は、ベランダの大きさや笠木の長さによって異なるため一概にいくらとは言えない。ベランダの壁を張り替える際は部分足場を設置する可能性もあるので、工事金額は高めになる傾向だ。

また、ベランダの壁内に水が侵入していて防水シートの張り替えが必要な状態だと、さらに工事規模が大きくなるので注意する必要がある。

しかし、中途半端に修理しても今後雨漏りが起きる可能性は消えない。業者も完全に雨漏りが直る工事を行わない以外は工事補償をつけてくれない可能性があるため、ここできっちりと雨漏りを修理することをおすすめしたい。

 

排水口から雨漏りしている場合

排水口から雨漏りしている場合、まず排水口から雨漏りする原因を探らなければならない。排水口のゴミの詰まりが原因なら掃除を行ない改善されるか様子を見よう。改善しない場合は防水の劣化やドレンの破損が考えられる。

防水の劣化の場合は新たに防水塗装を行うことだ。基本的に再度防水塗装を行う時は、既存と同じ工法を用いるため、現状がFRP防水、ウレタン防水、シート防水など、どの防水工法になるか把握しておくことが大切だ。

排水口(ドレン)が破損している場合は、既存のドレンを取らなければいけないため既存の床を解体しなければならない。そのため解体工事と床下地工事、ドレンの設置工事、防水塗装工事と行う工程が多くなり工事費用の負担も大きい。

しかし、ドレンが破損していると、ただでさえ水が流れる場所であるため、たくさんの水が侵入してしまうことになる。工事の負担は大きいかもしれないが、放置した後の損害を考えるとドレンを交換してしっかりと雨漏りを直す方がいいだろう。

 

ベランダ階下の部屋のクロス等に染みや剥がれがある

 

原因箇所を補修してしまえば理論上雨漏りは止まる。しかしながら、原因箇所を補修したとしても、ベランダ階下に一定量以上の水が雨漏りしているような状況では、天井クロスに染みが発生してしまうケースもある。

また、長期間に渡って雨水が漏れ続けていたような状況だと、石膏ボード自体が湿気を帯びてぐちゃぐちゃになってしまう場合もある。こうなると、クロスの張り替えだけではなく石膏ボードの撤去・再施工も必要になってくるだろう。

染みの程度 補修方法 費用相場
クロスの汚損 汚損箇所のクロスの撤去および再施工 5〜10万円
石膏ボードも汚損 汚損箇所の石膏ボードの撤去および再施工 10〜20万円

 

柱・梁などの構造躯体が腐食している場合

木造の一軒家などの場合、長期間雨漏りが発生していると、天井裏の柱や梁などの木材に染み込んだ水が乾きにくい状況となる場合がある。水を含んだ木材が乾燥しない状況が長時間続くと、やがて腐食に向かっていく。

こうなると、最悪の場合は柱や梁などの建物の構造上重要な躯体部分を撤去し、新たな柱・梁を施工する必要が生じる場合があるのだ。

この状況を補修するための費用の相場は例示が難しい。腐食している木材がどの程度の範囲にまで及んでいるかにもよるし、腐食した木材が家の構造上どのくらいの位置づけにあるのか、という部分でも施工方法が大幅に変わってくるからだ。

場合によっては100万円以上の補修費用が必要になるかもしれない。こうした最悪の場合を防ぐために、雨漏りが発生したら放置せず、自分で対策を練れる場合は早急に行動し、自分一人での対応が困難な場合は専門業者に依頼する必要があるのだ。

 

業者に頼むメリットと選び方の注意点

雨漏り修理はとても難しく、豊富な経験と知識、実績が必要だ。

そのためDIYで行えることは限られ、たとえ雨漏りがそこで止まったとしても、それは一時的であるか、若しくは少量の水が入っていて表面にはでていないだけかもしれない。厄介なのは少量の水が入っていて症状が表にでないことだ。

これは水が入っていることは変わらないため、木部の腐食が進行したまま放置している状態になる。DIYではこのような問題があり得るため、しっかり雨漏りを直すためにも業者に依頼することをおすすめしたい。

雨漏り修理のプロは、的確に雨漏りを止め、その後も雨漏りが起きないように修理をしてくれる。業者に依頼すると工事費用の負担は大きいかもしれないが、確実に雨漏りの不安を解消してくれるメリットがあるのだ。

信頼できる業者を選ぶためには豊富な経験と知識、実績を業者が備えているのかよく見極めなければならない。

しかし、建築の専門家でない限り、業者の良し悪しを判断するのは難しいかもしれない。では、どうすれば優良な業者を選ぶことができるかというと、複数の業者に見積もりを依頼する相見積もりを行うことだ。

複数の業者に見積もりを依頼して工事の説明をもらい比較検討する。工事説明を受けている時はもらった見積もりにメモを残すことをおすすめする。

また、疑問に思うことや不明点は遠慮なく聞くことだ。ここで詳しく説明がなく曖昧な対応をする業者は、選定から外した方がいいだろう。もちろん契約を急かす業者は論外となる。

雨漏り工事は一発では直らない可能性があり、何度も対策を立ててようやく直るということもある。そのため大切なのは根気よく対応してくれる業者であることだ。簡単な調査と安易に雨漏りが特定したと言って早々工事を行おうとする業者は注意しなければならない。

雨漏りは緊急性が高い状態ではある。しかし、そこにつけ込んで不安をあおる業者もいるため冷静に対応することが大事だ。

 

ベランダの雨漏り予防法とは?

ベランダからの雨漏りは、一度発生してしまえば補修に手間も時間もかかる。

さらに、完全に原因箇所を補修したとしても、前述したように人の目の行き届かない箇所で木材の腐食が進んでいたり、場合によってはシロアリの食害も懸念される。さらに、漏電による感電のリスクもある。

雨漏りを予防して、雨漏りに繋がるような些細な兆候を見逃さず、適宜必要な対策を取れるようにしておけば、大きな被害に繋がることは考えにくい。結局は、定期的かつこまめなメンテナンスが重要になってくるのである。

 

コンクリートから水漏れ!?ベランダ防水の種類と構造

ベランダの防水構造の種類は下記のものがある。

・FRP防水

・ウレタン防水

・シート防水

住宅で多く採用されるのがFRP防水だ。FRPとは繊維強化プラスチックのことで、バスタブや船底に使われている防水工法だ。ポリエステル樹脂とガラスマット、トップコートの多層構造となっていて耐水性、強度が優れている。

耐久年数は約10年となっているが、防水層の劣化が見えない限りはトップコートのみのメンテナンスで大丈夫だ。

ウレタン防水は、ウレタン樹脂を塗布し、材料の化学反応により硬化する防水工法だ。弾力ある仕上がりが特徴的で、液体状のウレタン樹脂を塗布するため下地の形状に馴染みやすく一体性のある防水膜を形成することができる。耐久年数は約8〜10年だ。

シート防水は、塩化ビニル系やゴム製のシートを専用の接着剤や機械で貼り付ける防水工法だ。主にビルやマンションの屋上などで採用され、耐久年数は約10〜15年だ。

また、上記で挙げた防水の他に現在では少なくなった床の仕上げにコンクリートが使われている防水工法もある。この工法はコンクリートの下に防水シートが貼られているが、コンクリートが水を吸収するため防水シートの劣化が起こり防水性をなくして雨漏りを引き起こしてしまうことがある。

この工法だともう一度防水シートを貼って直すということができない。雨漏りを修理するにはベランダをつくり直すか既製品にある後付けのベランダを設置する必要がある。

 

ドレン周りの清掃を定期的に行おう

ベランダには降りこんできた雨水を外部に排水する機構が備わっている。ドレンと呼ばれる水を排水するための排水溝があるが、この部分にゴミや埃などが溜まりやすい。

ベランダは洗濯物を干したり人が過ごしたりする場所のため、どうしても微細なゴミやほこりが落ちてしまうのだ。

ベランダに落ちたゴミやほこりは降雨時などにドレンを伝って外部に排水されるが、このドレンが詰まってしまうと、ベランダ内の水が外部に排水されず、ベランダが水たまりになってしまうこともあるのだ。

ベランダがプールになると、様々な弊害を生む。人が出入りするのにも苦労するし、夏場は蚊などの害虫の発生原因ともなる。

そして何より問題なのは、ベランダが常に湿潤な環境になるため、防水層へのダメージが大きくなるということである。具体的には、カビや藻の発生により防水シートに穴が開いたり、コンクリート床がひび割れてしまったりすることが考えられる。

清掃の目安としては、雨天時にベランダの排水状況を確認し、ドレン周辺の水の流れが悪かったり、ドレン周辺に落ち葉やゴミなどが溜まってきたりしている場合は、こまめにゴミを除去しておこう。これだけでも、ベランダの劣化対策としては有効な手段である。

ドレン周りを含めたベランダ全体の清掃をこまめに行うことにより、ベランダ床面の乾燥を促し、防水層へのダメージを極力抑えることが可能になるのだ。

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上記のようなドレンカバーがあればゴミ詰まりを抑えるので便利だ。ドレンカバーを選ぶ時は既存の排水口の径を調べて適したサイズを選ぼう。

 

定期的な防水塗料の塗り替えメンテナンスを行うこと

ベランダの防水層は常に風雨にさらされており、その環境が苛烈であればあるほどその劣化スピードは速い。したがって、前述したようにドレン周辺を清掃するだけでは、防水層自体へのダメージを100%防ぐことなどできない。定期的なトップコート塗装などのメンテナンスが必要となるのだ。

こちらの目安としては、防水シートに剥がれや浮きが所見されていたり、コンクリート床に亀裂やヒビが発生していたりする場合には、塗り替えの時期に来ていると見ていいだろう。

 

知らなければ損!火災保険の活用で修理費用は安くなる

ここで、火災保険について考えてみよう。特に分譲マンションや一戸建てなど、持ち家に住んでいるという人で、火災保険に一切加入しておらず、家自体が全くの無保険であるという状況はなかなかないものと思われる。

こうした火災保険は、月払いや年払いによりかなり大きな金額を定期的に支払っているもののため、一見すると家計にとっては「無駄な出費」と思われる面もあるのかもしれない。

前述したようなベランダからの雨漏りに関して、補修費用が火災保険から賄われるとしたらどうだろう。特にベランダの補修費用については工事金額が高額になる可能性が高く、ひょっとしたら支払った保険料以上の保険金を受け取ることができるかもしれない。

「保険はお守り」という言葉があるが、せっかく限りある家計の金額の中から高額な保険料を支払っていても、「お守り」なだけで終わらせてしまうのはあまりにもったいないと言えるだろう。

ベランダからの雨漏りの補修費用は家のオーナーにとって不時の出費であり予期しない家計への痛手なのかもしれない。

こうした費用は、本来であれば毎月決まった金額を補修費用として積み立て、いざという時のための家の各種設備の補修のために貯めておいておくことが理想的ではあるが、現実にはよほど収支に余裕のある家庭でなければこのような資金計画のたて方をしている家庭は滅多にないのではないだろうか。

そこで、「火災保険の基本的な仕組み」や「実際に火災保険を活用して屋根塗装やベランダ補修にかかる自己負担額を減らすことによって突発的な支出に賢く備える方法」についてご紹介しよう。

 

火災保険とは

おそらく持ち家のほとんどの人が、家を建築するときに火災保険に加入しているものと思われる。それは、住宅ローン申請時には建物火災保険の加入が条件となっている場合がほとんどであるためである。

加入したは良いものの、内容についてあまり把握せず、結局保険満期まで一度も火災保険を使わず放置している人がいることは事実である。

もちろん、全くの無事故で、そもそも火災保険の申請の必要がないのであれば良いのだが、実は多くの場合で、「本当は火災保険を使用して保険金を申請できるのに、無知なために申請できていない」のだ。これは非常にもったいない話であり、火災保険を使用できる状況にあるならば、是非とも申請したいと思うのが普通なのではないだろうか。

火災保険はもちろんタダではない。毎月もしくは毎年、あるいは複数年分を一括払いで保険料を支払っているものである。それなのに、保険申請のチャンスをみすみす逃しているとあっては、お金をドブに捨てるようなものであると言える。

 

火災保険を利用してベランダの補修を行うには

一般的なベランダの補修工事の方法を思い浮かべてみて欲しい。

まず、雨漏りが発生して部屋内に水が侵入している場合などでは、施工前に必ず専門家による漏水調査が必須となる。この漏水調査は一言で言うと、「どこからどのように水が漏れているのかを確認すること」である。

水が部屋内に漏れているからといって、「原因はバルコニーにある」などと断定してすぐに補修作業を始めてしまうような業者がいれば、その業者は信頼に足る業者ではない可能性が高い。できることならすぐにお引き取り願おう。雨漏り修理の場合、原因箇所の特定や漏水原因の調査に時間と労力を尽くし、やっとのこと「ここが原因だろう」と思われる箇所を補修しても、数日経過すると全く別の箇所から漏水するようになった、というような事例は非常に多いのだ。

熟練した水回り専門業者でも、水漏れの原因調査に入った後に原因箇所がどこにあるのか問われても「状況から、〇〇が原因だと思う」という程度にしか返答できないケースは多い。それだけ水というものは予測困難で、原因の判断が難しいと言える。

漏水調査には慎重を期して時間を費やす必要があるのだ。でなければ、結果から見れば全く必要のない補修工事を言われるがままに進めてしまい、施工費だけがかさんでしまうこととなる。

必要ならば、足場を組んで屋根の損傷状況などを確認する必要もあるだろうし、給水設備からの漏水が疑われる場合には給水管の圧力調査を行う必要があるだろう。前者の場合では足場架設費用に加えて専門業者による調査費用がかさむし、後者の場合では特殊な調査器具を使用する必要があるためこちらも費用がかかる。

こうした漏水の原因調査費用については、マンション管理組合用の共用部火災保険などにおいて「水漏れ原因調査費用特約」で補填される可能性がある。これは、漏水が発生した場合の原因調査にかかった費用を補填してくれる特約である。

この特約のメリットは、マンションの専有部分に発生した水漏れでも、原因調査に関して支出した費用を補填してくれる点である。

この場合においては、原因が仮に専有部内にあったとしても、調査費用として保険金が支払われる。分譲マンションなどの共同住宅にお住いの方は、是非一度マンションの共用部分の火災保険にこの特約が付いているかどうか確認されることをおすすめする。

バルコニーに原因があると判明して、いざ補修工事を施工しようとする段になると、足場の架設が必要となるケースがある。当たり前のことだが、自然災害や火災保険の契約により規定されている事由により補償対象となっている不具合の補修工事に関しては、保険金が支払われる。

すなわち、火災保険の各種補償ではこの「足場架設費用」は補償対象となることを意味する。

また、家財保険に加入していれば、雨漏りにより部屋内の各種家具が水濡れにより損害を受けた場合や、テレビなどの電化設備が故障した場合などでも保険金が支払われる。家財保険に加入していても、その用途を100%理解していないために、保険料を無駄に払っているケースが非常に多い。

是非一度、火災保険の証券を確認してみて欲しい。きっと「意外とこのような事故でも補償されるのか」という気付きがあることだろう。

火災保険を活用すると、このようにベランダからの雨漏りに関する補修工事の自己負担額を抑えることができる。火災保険に加入している以上、損害が発生した場合に、予め火災保険約款に定められた保険金を請求するのは当然の権利である。

ベランダからの水漏れはもちろん、部屋内に水が漏れてきた場合などでは、火災保険が使用できるものなのかどうなのか、是非一度立ち止まって考えてみて欲しい。

そして自分ひとりで判断せず、火災保険の専門家や、火災保険を使用した各種補修工事に長けている専門業者の意見を取り入れると良いだろう。

 

手続き方法とマンションなどの賃貸での保険

火災保険に加入して直ぐに利用することは中々ないはずだ。このため不意に火災保険を利用する状況に陥った時に速やかに保険金申請の手続きが行えるように手続きの流れについて下記に記す。

1:保険会社に連絡し保険金の申請を伝える

2:保険会社から申請に必要な書類を送ってもらう

3:申請書類の記入と必要書類を集める

※主な必要書類:保険金請求書(保険会社の書式)、状況報告書または罹災証明書、写真、工事見積書

※状況に応じて必要となる書類:印鑑証明書、建物登記簿謄本など

4:保険会社から派遣された損害鑑定人による状況調査

5:保険会社の審査及び支払い金額の決定

6:保険金の受領

保険金申請は自分で行うことも可能だが、状況報告書などを作成するのは難しいためプロの手を借りることをおすすめしたい。見積もりを依頼した会社に状況報告書の作成も含めて相談するといいだろう。

マンションやアパートなどの賃貸で雨漏りが発生した場合についてだが、瑕疵による雨漏りは大家または管理会社の責任となるため損害を賠償してくれることになっている。ただし、善管注意義務違反にあたる場合は借主が責任を取らなければいけない可能性があるので注意しておく必要がある。

一般的に賃貸契約時に借家人賠償責任保険や家財保険、個人賠償責任保険の加入が求められる。賃貸契約は退去時に原状回復の義務があるため、その費用を補償するものであり、万が一借主が損害を与えてしまった場合は、この借家人賠償責任保険が補償対象となる。

また、他の住居人に損害を与えてしまった場合は個人賠償責任保険で補償がされる。

賃貸の雨漏りや水漏れについては下記の記事で詳しくお伝えしているので、良ければご参考していただきたい。

「賃貸アパート・マンションの雨漏り・水漏れ被害の責任と損害賠償の請求」

https://shufukulabo.com/apartment-leakage-2#i-25

 

最後に

ベランダからの雨漏りについて解説してきた。特に部屋内に雨漏りした場合は生活への影響が大きいため、可能な限り早急な対応をおすすめする。

また、生活に直結しない箇所に雨漏りした場合でも、「どうせ普段は使わない場所だから放置しても大丈夫」などと甘く見てはいけない。記事中でも述べたように、腐食が激しい場合は構造躯体の柱・梁などを交換することになるのだ。こうなると、非常に高額な施工費を負担しなければならない。

雨漏りの補修費用の自己負担を抑える方法としては、火災保険の活用を強くおすすめする。ベランダは雨風に常にさらされているため、何らかの外部要因により雨漏りが発生したのだと考えるならば、火災保険の支払い要件に該当する。

せっかく保険料を支払っているのだから、保険金支払事由に該当する事故が発生しても保険を利用しないのは勿体ない限りである。是非火災保険を活用して、お得に雨漏り補修を実施してほしい。

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株式会社アーキバンク代表取締役/一級建築士

一級建築士としての経験を活かした収益物件開発、不動産投資家向けのコンサルティング事業、及びWEBサイトを複数運営。建築・不動産業界に新たな価値を提供する活動を行う。