【ゼロ円】雨樋修理、屋根リフォーム、雨漏り対策の「修復ラボ」

3分でわかる!フローリングの修理・補修に関する費用を徹底解説!

統一されたフローリングで、リビングと一体化したダイニング・キッチンは、新築や改築を計画している人にとって一度は手掛けたい仕様だろう。

この様なリビングやダイニングのフローリングに傷・変色や剥がれが生じたら落ち込むことは必定だ。

だが、安心して欲しい。本稿ではフローリングの補修に関する費用をわかりやすく説明する。また、補修をDIYで実行した人にでも、自分で実施するより専門家に依頼したい方にも役立つ情報を提供する。

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フローリングの補修の種類 リペアとリフォーム

補修という言葉で連想する内容は人それぞれだろうが、フローリングに関して補修と言うとリペアとリフォームに区分できる。フローリングのダメージを無い状態に戻す作用だが、実行する内容は大きく異なる。

フローリングの主要部材である床材を既存の状態(張替えないそのまま)で手を入れる場合と新たに床材を交換・導入する場合(張替える)に分けられる。前者がリペアで後者がリフォームに相当する作業だ。

リペアとは、既存のフローリングの表面上のダメージ(傷・変色・焦げ)に対して床材とは異なる補修用材料(非木質系・樹脂系)を用いて凹を埋めたり、色調を整えたりする方法だ。また、剥がれ部に対して、木質系の表面層を張替える作業も含む。

これに対して、リフォームとは、既存の床材を新規の床材に置き換える方法で、床を支える根太・大引・床束等の床下の構造材にも手を入れる場合もある。また、既存の床材の上に新たなフローリングを敷き詰める方法もリフォームに相当する。

リペアとリフォームの選択のポイントとは?

実行する内容が大きく異なるリペアとリフォームだが、フローリングの見た目を元の美観に復帰させるという目的は共通している。目的を達成する戦略としてリペアとリフォームが存在するのだが、選択の分水嶺はどこにあるのだろうか?

前述した様にリペアはフローリング面の傷や変色等のダメージを無いことにする補修の手段だ。言うなれば、床構造の基本部分に問題は無いが、表面層にダメージがあるのでお化粧や美容整形を施して美観を回復させる行為だ。

リフォームは、フローリング自体の張替えも重要な点だが、床の下部構造の損傷に対する補修の役割もある。フローリング上を歩くたびに軋みの発生や沈み込む状態であれば下部構造に問題を抱えている可能性が高いのでリフォームで対応することになる。

結論として、リペアとリフォームの選択のポイントは、床の下部構造に問題がある場合にはリフォームの選択は必須だが、フローリングの損傷が表面に止まるのであればリペアで対応できる。もっとも、気分一新を図るのであれば、リフォームを選択だ。

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リペアの方法と費用 DIYの場合

フローリングの修復の手段であるリペアのプロセスと主要な道具類の価格について説明しよう。DIYで行う場合の費用は、道具類と材料費となる。道具類は、半永久的に使用可能で材料も複数回の修復に役立てられる。以下に代表的な道具類・材料を示す。

写真1.フリーリングの補修道具

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写真2.フリーリングの補修道具のキット

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リペアの初心者なら、写真1.に示したような道具類・材料を購入すれば軽微なダメージであれば補修は可能だ。価格的にも5千円以下で購入可能だ。また、タイプの異なるダメージを補修するのであれば、写真2.に示したキットが便利だ。価格的には2万円以下だ。

線状の傷に対するリペアの一般的な手順を以下に示すので、参考にして欲しい。

① 損傷部のバリ取り

硬い棒状の物体や刃物状の物体でフリーリング面を傷付けた場合には、傷の周辺部にバリが発生する。バリがあると足裏に傷の誘発や衣服の損傷の原因となるのでスクレッパーでバリ取りを行うが、バリの外周部に損傷を与えないようにする。

② 修復箇所をクリーニング

リペアはフローリングの傷部に樹脂を埋め込む。異物やゴミが傷内部に存在すると密着性が阻害されるので、傷の内部にある異物等を取り除く。密着性に関しては適当な凹凸が存在している方が密着性は高まる。

③ 補修材で傷を埋める

写真1.や写真2.に示した補修道具の中に半透明又は着色された棒状の補修材料がある。これらを傷に埋め込むことでリペアを行う。細い傷であれば補修材を擦り付けることで埋め込むことができる。幅広の傷であれば、ライター等で補修材料を溶解しながら埋め込む。

④ 木目の描画

樹脂自体は半透明又は着色されているが、この状態だと補修跡が目立つので、木目を補修部に描く。キットであれば専用の補修ペンも備えられている。周辺部と同様の木目を描くことで補修部が迷彩の中に埋没するので姿を消す。

⑤ ツヤの調整

補修部近傍とその周辺ではツヤが異なる。反射の仕方が異なると目立つのでワックスを塗布して周辺部と同様のツヤ感を出す。非補修部と同様の表面状態にすることで補修の有無を感じさせない仕上がりとなる。

上記の5ステップがリペアの基本的なプロセスだが、実際の作業を見た方が理解しやすいので以下(注)に参考の動画のURLを示す。

注)フローリングへこみ凹み補修/リペアスペース

フローリングの傷の様に多発するダメージとして変色がある。様々な要因で変色が生じるが日光(紫外線)による色褪せが多い。フローリング(複合材)上には樹脂がコーティングされており紫外線で樹脂が劣化して色褪せが発生する。

この色褪せをDIYで補修するには、先程の道具類・プロセスと異なる材料や工程で行うのだが、写真3.に代表的なコーティング剤をしめす。色褪せ部の表面をクリーニングして、このコーティング剤を塗布することで色褪せが解消する。

写真3.コーティング剤

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リペアの費用 専門家に依頼した場合

軽微な傷であれば、DIYでの修復でも、修復の履歴が分からないレベルに仕上げることも可能だが、フローリングのダメージの多くは、専門家でなければ対処できないレベルだ。そこで、専門家に依頼した場合に費用について説明する。

リペア費用は、補修自他に要する費用とその他の費用に大別できる。補修自体は、傷の態様(形状・深さ)や面積に依存し、その他の費用は出張費用・駐車料金・時間帯等で変化する。概ね2万円-5万円の範囲で専門家に依頼できる。

また、半日プラン(2時間―4時間)や1日プラン(6時間―7時間)という作業時間で料金が決まるコースを用意している専門家もある。半日で2万5千円―3万円、1日で5万円程度だが、補修部を実査させて見積を依頼することをお勧めする。

傷の種類、量、補修面積が全て依頼毎に異なるので、損傷状況を知らない見積では想定外の発生の確率が高くなるからだ。

リペアの場合は、損傷箇所のサイズがわかる画像を数枚撮影し、メールや問い合わせ等で送る事で見積金額を掲示してくれる。

リペア後に請求書を見て愕然とするより、適切な手順を踏んで想定外を排除した方が最終的に手間が省ける。

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フローリングのリフォーム実行の注意点

床材の張り替えであるリフォームの実行に際して注意すべき点は、材料の選択と工法だ。共に仕上がりの印象に大きく影響を及ぼすので、望む仕上がり感と費用を比較検討して欲しい。完成後、後悔しても再度の実行は困難だから。

工法は、以下に示す様に分類される。

リフォームの工法 ・・・・・ 重ね張り

・・・・ 新規張り ・・・・・ 全面張替え

・・・・ 部分張替え

重ね張りは、既存の床をそのまま利用する方法で、短期の工期と低価格でリフォーム可能だが、既存の床の上に新たな床材を敷詰めるので部屋の入口で段差が生じる。また、畳敷きや床が沈むような場合には、重ね張りしても床が沈む印象を受けることがある。

新規張りは既存の床を取除き、新たな床材を敷詰める。その際に、既存の床を取除くので根太等の床下構造を確認できるので、破損等があれば交換や補修が可能でメンテナンスも同時に行える。

また、新規張りにも全面的な張替えと、破損部に限定した部分張替えの方法があり、フローリングのダメージの状態や工期・コスト等を検討して選択することができる。ただ、部分張替えをすると交換部と非交換部の美観の差が明瞭に表れるのをお忘れなく。

リフォームは新規に床材を導入するので、出来栄えに大きく影響する材料の選択が大きな要素となる。床材の材質は、木質系、石材系、樹脂系と種々の素材が使用されているが、人気の木質系を中心に説明しよう。

木質系のフローリングは、木材を切出した無垢材のフローリング(写真4.無垢材)と合板に木目の美しい木材(突板)を張合わせた複合材(写真5.複合材)がある。断面を比較すると1枚の床材か合板を用いているかが解る。

写真4.無垢材

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写真5.複合材

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無垢材は、木材をそのまま用いているので湿度により寸法の伸び・縮みを生じるが、木質感をそのまま味わえるので時間の経過と共に存在感を増していく。一方、複合材は合板で作られているので寸法安定性に優れ、無垢材に比較して安価だ。

樹脂系の床材(写真6.シート材)も種々リリースされている。耐水・耐食性に優れ、表面に美しい木目や大理石柄が印刷されており、見た目は本物と差が無い出来栄えだ。また、無垢材や複合材に比較して安価だ。

特に、既存の床がフローリング仕様であれば、このシート材を用いて簡便・安価にリフォームが可能だ。比較的低賃料帯の賃貸物件のリフォームに適した材料だが、美しい仕上がり感が得られる。

写真6.シート材

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リフォームの費用相場

リフォームをDIYで行うことは相当難度の作業だ。リフォームに関しては専門家に依頼することをお勧めする。DIYでやればできるが、完成度の点で問題が多くDIY後に専門家に依頼すれば良かった、と後悔することになるのが関の山だ。

ただ、専門家に依頼するにしても材料と工法の選択は、前節を参考に主体的に専門家と協議して欲しい。依頼元が門外漢でなく多少は材料や工法について知識があると判ると専門家も無茶な見積はださない。

費用に影響を与える要因は、①工法(重張り・新規張り)、②材料(無垢材・複合材・シート材)、④元の床仕様(フローリング・クッションフロア・畳)、⑤面積、⑥リフォームの範囲(床のみ・床下含む)と種々あるが、ここでは6畳の広さで床のみを場合を説明する。

新規張り               無垢材又は複合材  15万円-25万円

重ね張り               無垢材又は複合材  10万円-20万円

畳 ⇒ フローリング         無垢材又は複合材  15万円―25万円

クッションフロア ⇒ フローリング  無垢材又は複合材   9万円-17万円

優れた専門家の探し方

日頃からのお付き合いの範囲にリペアやリフォームの専門家が存在するという方は少数派だろう。そこで、多くの方は専門家探しに苦戦することになる。この様な極めて専門性の高い分野の専門家の探し方にはある程度の共通した方法論がある。

優れた専門家を見出すための第一歩は複数の会社へ見積依頼を行う相見積(競争入札)だ。相見積を嫌う会社は論外と考えよう。また、見積の記載事項も工事一式でなく工程・材料別に費用を記載してもらおう。これを嫌う業者も同様に論外だ。

上記の内容を前提に以下の項目を検討しよう。相見積なので見積の内容を比較検討することで価格や工事内容の妥当性を検証できる。また、優れた専門家ならば実績の紹介があるしネット上等の評判も上々の可能性が高い。

①見積の記載

②実績のチェック(現物・写真の確認)

③評判の確認(ご近所・ネット)

④会社側からの説明・提案

①②③に加えて会社側から工事に対する提案(コストダウン・工法・デザイン)があれば選択の第一候補となる。注意点としては、極端に安価又は高価な会社は慎重に内容を確認することをお勧めする。

特に、破格の安価見積には絡繰りがある場合が多いので、適正価格を見切る必要がある。

費用を別建てで揚げる方法

フローリングの補修は多額の費用を要する。そこで、施工上のミスであれば施工会社に、自動車が家に衝突したのであれば運転手に費用を転嫁することができる。

だが、経年劣化等の自然に生じる損傷は如何ともしがたいが、損傷が故意に生じた場合以外には手段がある。

持ち家であれば建物や家財を対象とした火災保険に加入しているだろう。火災保険は火事による被災以外に種々の事故や自然災害に対応できるオプションが用意されている。そのオプションの一つに不測かつ突発的な事故による損害を補償するオプションがある。

例えば、家具の移動中に家具の上に置いてある金属製のオブジェを落として、床を損傷(穴を形成)させたと言う場合だ。この例であれば、フローリングの張替えも可能だ。この様に不注意で発生した事故に対しての損害をカバーしてくれる保険だ。

まとめ

リペアやリフォームでフローリングのダメージが無くなると気分が一新する。いつも傷のないフローリングで生活したいところだが、費用が気になり手が出そびれる。

この様な思いを抱いている方こそ熟読してフローロングの修復に努めてほしい。

確かに、フローリングの修理や補修費用は、作業がカスタム仕様なので経験の無い人には分かり難い作業だ。だが、本稿で説明した様に分かり難い事柄も細分化すれば理解も容易になるので、熟読して参考にして欲しい。

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株式会社アーキバンク代表取締役/一級建築士

一級建築士としての経験を活かした収益物件開発、不動産投資家向けのコンサルティング事業、及びWEBサイトを複数運営。建築・不動産業界に新たな価値を提供する活動を行う。