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壁紙のひび割れは危険サイン!?亀裂の見分け方と補修方法を紹介

家を建てた後、年数が経ち劣化が進むと、室内の壁紙にひび割れが出てくることがある。さまざまな原因が考えられるが、中には建物の劣化を示す重大なサインの場合もあり注意が必要だ。

今回は壁クロスに発生した亀裂の原因を見分ける方法と、軽微なひび割れに対するDIYの補修方法について解説する。

場合によっては火災保険を活用して費用0円で補修できる場合もある。記事の最後で紹介するので、参考にして欲しい。

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壁クロスのひび割れの原因と見分け方

壁クロスにひび割れが発生する原因は主に2種類ある。構造に関係があるかどうかで深刻度と対処方法が変わるので、まずは見分け方を覚えて欲しい。複数の方法を紹介するが、どの方法も特別な道具や技術は必要なく、すぐに実践できるものだ。

構造に関係のない軽微なひび割れ

壁クロスは貼った瞬間から目に見えない微妙な速度で縮み始めるため、年数が経つほどテンションが掛かった状態となる。

縮小が進むと、力に耐えられなくなった部分にひびが入ることがあるが、このケースは表面的な部分が原因なので構造には問題が無い場合が多く、慌てて対処する必要はないので安心して良い。

見分け方としては、ひびをよく観察してみて下地の石膏ボードが割れていなければ軽微なひび割れと考えていいだろう。クロスの厚みは1㎜もないため、クロスのみのひび割れなら目視すれば深くないことがわかるはずだ。

またドアやサッシなど開口部の周辺は家全体の微妙な歪が集まりやすく、ひび割れが発生しやすい。このような場所に発生したひび割れはそこまで神経質になる必要はないケースが多い。

新築した場合や貼り換えてから1~2年など早い時期に発生したひびは、下地処理の甘さなど施工不良が原因の場合もあるため、施工業者に一度相談してみることをおすすめする。

構造の歪みが原因の重大なひび割れ

建物の柱や梁といった構造体の歪が原因で、壁クロスにひびが発生することもある。構造が原因のひび割れはクロスだけでなく、下地の石膏ボードなども一緒に割れる深いひび割れとなることが多い。

地盤沈下や土台の腐れなど、さまざまな原因が考えられるが建物の寿命に関わることも多い。見つけたら迅速な対処を行うことをおすすめする。

木造住宅では柱などに使われている木材の微妙な変化が発生することも多く、それが原因でひび割れが発生するケースもある。この場合はそこまでの深刻度はないので早急な対処は必要ない。

軽微なひび割れへの対応

軽微なひび割れは建物全体への影響はないため、対応は見た目の問題だけで考えて構わない。特別な技術が必要ない簡易的な方法と、少し手間はかかるがキレイに仕上がる方法の2つを紹介する。

まずは簡易的な方法で補修してみて、見た目が気になるようならもう一つの方法を試すのがいいだろう。どちらの方法も専門的な技術は必要なく、簡単に入手可能な道具で行えるため「失敗したらプロに頼もう」くらい気軽な気持ちでチャレンジしてみてほしい。

補修材で隠す

簡単な方法としては、ヒビのすき間に補修材を詰め込んで目立ちにくくする方法だ。特殊な模様の壁クロスだと難しいが、単色に近いタイプならかなり目立たないように補修することが可能だろう。

補修材は専用の物が一般的なホームセンターでも売られている。ホワイトやアイボリーを使う場合が多いと思うが、微妙な色の違いで数種類のラインナップがあるため、できるだけ壁クロスに近い色の物を選ぶと仕上がりが良くなる。

【参考商品】

ヤヨイ化学 ジョイントコークA 500g ホワイト

https://amzn.to/2J8U6uS

【作業手順】

①ひび割れの周辺を固く絞った雑巾で拭き、ホコリや汚れを落とす。ひび割れの断面がささくれ立っていたり、盛り上がったりしている場合は、カッターなどを使ってなるべく平らにする。

②補修材の注入口をカッターやハサミでカットする。この際、できるだけひび割れの幅に合わせたサイズにカットすると詰めやすいので、少しずつ大きく調整するといいだろう。

③水拭き後の水分が良く乾いてから補修材を詰める。ひび割れに注入口をぴったりと押し当てたら、なるべく奥まで入るように圧力をかけて注入していく。ただし、強く押し当てすぎると壁クロスが傷つくので注意することこの際、ひび割れから補修材がはみ出すのは気にしなくていい。

④注入が完了したら、柔らかいスポンジなどでそっと表面を撫でて余分な注入材をふき取りなじませる。ちょうどよいスポンジがなければ指を使っても構わない。周囲にはみ出した補修材は固く絞った雑巾でよくふき取る。ふき取りが甘いと時間とともに変色して目立つため、キレイな水ですすぎながら何度もふき取ること。

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下地処理をやり直してからクロスを張り替える

上で述べた簡易的な方法で補修したがすぐにひび割れが再発する場合や、ひび割れのサイズが大きい場合は、パテで下地処理をしてから部分的にクロスを張り替える方法が有効だ。

張り替えるサイズは300mm×300mmくらいまでが気軽に挑戦できるサイズだ。これより大きい範囲を張り替える必要がある場合は、自信がなければ業者に依頼するのをおすすめする。

これ以下のサイズなら、多少の道具と技術が必要になるが道具はホームセンターで入手可能で、落ち着いて行えば難しくないのでぜひ挑戦してみて欲しい。

【必要な道具】

・定規と鉛筆

・カッター

・パテ

・パテ用ヘラ

・サンドペーパー

・押さえローラー

・スポンジ

・既存壁紙に近い補修用クロス(のり付きの物が使いやすい)

・サンドペーパーを巻き付けるための角材

【参考商品】

・のり付き補修用クロス

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・クロス押さえローラー

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・下地調整用パテ

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【作業手順】

①まずはひび割れ付近の壁クロスを四角く剥がす。定規と鉛筆で印をつけたら、定規を当ててそっとカッターで切り込みを入れる。四隅からはがし、破けないように丁寧に剥がしていく。カッターの切り込みが弱いと周囲の壁クロスを引っ張り剥がしてしまうので注意してほしい。

②クロスを剥がした後は表面が凸凹するのでパテ処理を行う。説明書に従いパテを用意したら表面に薄く塗り付け、乾いたら角材にサンドペーパーを巻き付けて平らに研磨する。縦・横・斜めと様々な方向に力を入れずに動かすと平らに仕上げやすい。粉塵が出るため床面や家具を養生してから行うこと。

③補修用クロスを張りたい場所のサイズより一回り大きいサイズにカットしてから、ローラーや刷毛を当てて下地の空気を抜いていく。のりが乾くまではクロスが動くため、手を添えながら力を抜いてローラーを当てること。

④既存の壁紙と、新たに上から大き目に張った壁紙が重なっているラインに、地ヘラを定規の様にあてて、2枚の壁紙をカッターで同時にカットする。

⑤新しく張った壁紙の切りしろ(四角の枠)を取り除き、下側の既存壁紙もカットされている為、これも取り除く。この時、新しく貼った壁紙がずれないように注意。

下側の余分な既存壁紙が取れたら、新しく張り込んだ壁紙の継ぎ目をローラーで押さえながら、しっかりと圧着する。貼り終えたら濡らしたスポンジではみ出したのりをふき取る。ふき取りが甘いと残ったのりが年数とともに変色して目立つのでしっかりとふき取ること。

上の写真は、ひび割れからクロス剥がれに進行してしまったケースをリペアのプロが直した様子だ。このように障害物がある場合や、損傷が基からなかったレベルにしたい場合は、リペア業者への依頼で解決する。

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重大なひび割れへの対応

下地の石膏ボードまで割れている深いひびの場合は、まず自分でできる範囲の点検で深刻度をチェックしてほしい。すぐにでも対処しなければいけないような重大な原因がある場合は、目で見て発見できる場合が多い。

複数の方法を紹介するが、どれか一つではなく、すべてチェックして総合的な判断をした方が原因を発見しやすい。簡単にできる事ばかりなので記事を読み終わったらすぐに実践してみて欲しい。

まずは自分で点検をしてみる

まずはひび割れが発生した箇所の周辺から点検をおこなう。最初にひび割れが出ている壁面の裏側の壁面を、外壁側や隣の部屋からチェックする。壁の表裏で同じ形のひび割れが出ている場合は、深刻度が高いひびである可能性が高い。

可能であれば、ひび割れている壁を天井裏と床下からもチェックしてみて欲しい。雨漏れなどにより柱や土台が腐り、歪が発生している場合があるからだ。ただし、奥まで潜り込むのは危険なので、懐中電灯で覗き込んで見える範囲で構わない。明らかに水濡れの後があれば危険サインだ。

地盤沈下など建物全体の歪を簡単に見る方法が3つある。

1つは家の外を一周して基礎をチェックする方法だ。基礎に大きなひびが入っている場合は地盤に変化があり歪が出ている可能性が高い。

2つ目の方法は室内でビー玉など丸いものを転がしてみる方法だ。ひびが出ている部屋だけでなく、すべての部屋を確認してみて欲しい。多少の傾きは仕方ないが、すごいスピードでビー玉が転がる場合は建物全体が傾いている可能性がある。逆に特定の部屋だけ傾いている場合も、その部屋に何らかの問題が発生してるかもしれない。

3つ目はドアやサッシの歪を見る方法だ。ドアやサッシが閉まりづらい、締めたときに隙間がまっすぐにならないなどの症状が出ている場合は建物が歪んでいる証拠だ。ただし、軽微な歪はどの家にも出るもので、目安として幅が5mm以上のひび割れが発生している場合は危険な兆候だと考えて欲しい。

判断がつかない場合はプロの調査を依頼する

上で紹介したセルフチェックで、明らかに重大な原因が見つかった場合はすぐにプロの調査を依頼してほしい。放置しても良くなることはなく、症状が進行して補修費用が高くなるうえ、倒壊など命に関わる危険性もあるからだ。

チェックした結果、判断に迷うような症状があった場合も一度プロに見てもらうことをおすすめする。セルフチェックをすると今まで気づかなかった症状が見つかることも多いが、実は離れた場所に原因が潜んでいる場合もあるからだ。

例えば、ひび割れとは離れた場所の外壁に雨染みがあったとして、建物内部で水が回って患部付近を腐らせ歪が発生していたというケースもある。気になる症状があったら、いい機会だと考えてプロに依頼して点検してほしい。

プロに調査を依頼する際のポイント

住宅の調査は誰に頼んでも良いというわけではない。特にリフォーム業界などは開業が容易なためさまざまな業種が参入し始めているため、一言でプロといってもレベルの高くない業者も混ざっているからだ。そこでどのような業者に依頼すべきか?という目安を説明するので参考にして欲しい。

費用は調査内容で変わる

住宅の種類、調査の内容など状況によって変わってくるが、構造上の問題がある場合の調査をプロに依頼した場合の費用は5~10万円が相場といったところだ。

柱や土台などの躯体に問題が無く、壁クロスや外壁サイディングなど表面的な問題の場合には無料で調査してくれる業者がほとんどだ。無料調査とはいえ、しっかりと調査を行う優良業者は材料と工賃などを細かく分けた分かりやすい見積を提出しれくれる。逆に、見積を取ってみて「〇〇工事一式」といった大雑把な見積が出てきたら気をつけて欲しい。

壁紙やフローリングなどの内装材に限定した補修の見積であれば、損傷個所の大きさが分かる画像を数枚送れば見積を出してくれる業者もある。無料で手軽に予算を知ることができるので、気軽に利用してみて欲しい。

住宅全体に詳しいプロに依頼する

補修や調査をプロに依頼する際は、住宅全般のことをよく知るその道のプロに依頼をして欲しい。ひび割れの原因は様々な可能性があり、そのすべてを熟知している者でないと正確な診断ができないためだ。

マンションにはマンションの、戸建てには戸建ての対処法があり、それぞれ得意とする業者は違うので、依頼をする前に会社のホームページなどをよくチェックすること。施工事例や営業品目をチェックすればどんな会社か見当がつくはずだ。

不具合が発生すると建物を造った業者に依頼するのが一般的だが、建てる専門の業者は補修が不得意な場合が多い。

建てた業者がリフォーム部門などを持っていない場合は、技術的にも対応スピード的にも不満が残るケースが多いので、補修対応が得意な業者への依頼をおすすめする。

構造上の検査を依頼する先として、自分で調べてみてどの業者に依頼すれば良いか分からない場合は、住まいを管轄する自治体の建築指導課などに相談して、検査を行っている業者を紹介してもらうのも一つの手だ。費用の安さはあまり期待できないが、詐欺を行うような信頼性の低い業者とは付き合っていないだろう。電話でも問い合わせ可能なので、一度相談してみるといいかもしれない。

あまり知られていないが、住宅の補修には火災保険が適用できる事がある。壁クロスのひび割れでの適用は難しいケースが多いが、「自然災害が原因」や「不測かつ突発的な事故」が原因で発生した場合は火災保険の適用で自己負担を軽減できる事がある。

例えば、家具を運んでいてバランスを崩し、壁に穴をあけてしまった等の場合には、保険適用される可能性が高い。

その場合は、火災保険適用に詳しい補修業者に一度相談してみることをおすすめする。

まとめ

壁紙のひび割れは軽微なものと重大なものに分かれ、重大なものは症状が進行する前の早めの対処が重要だ。まずは簡単に行えるセルフチェック方法で、見分けがつくかどうか試してみてほしい。軽微なひび割れに関しては、DIYで目立たなくすることが可能なので、ぜひ挑戦してもらいたい。

自分では判断がつかない場合は、まずはプロの業者に依頼して家の状況を正確に把握することが必要だ。原因が特定できていないと正しい対策を立てることができない。

当記事で紹介した業者選びのポイントを参考に、しっかりとした調査を行ってくれるプロの業者に依頼してほしい。

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株式会社アーキバンク代表取締役/一級建築士

一級建築士としての経験を活かした収益物件開発、不動産投資家向けのコンサルティング事業、及びWEBサイトを複数運営。建築・不動産業界に新たな価値を提供する活動を行う。