【ゼロ円】雨樋修理、屋根リフォーム、雨漏り対策の「修復ラボ」

雨漏り修理業者の選び方!5つのポイントを押さえておけば間違えない

雨漏りは対応が遅れると時間と共に被害が確実に拡大していく。

早急に修理を手配したいところだが、難しいのが依頼する業者選びだろう。

残念ながら親切な業者ばかりでなく、法外に金額を上乗せしたり手抜き工事で儲けを増やしたりする者が少数だが存在する。

そこで今回建築のプロである一級建築士がお伝えする、雨漏り修理を依頼する業者選びのポイントをご存知いただければ、適正な価格でしっかりした工事をしてくれる相手を探す上で、必ず役立ててもらえるだろう。

ぜひご一読のうえ建物にとって最適な雨漏り修理を行って欲しい。

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雨漏りは速やかに修理すべき理由

雨漏りは内装を汚すだけとお考えの方もいるかもしれないが、建物の寿命や住む人の健康に深刻な影響を与える住宅被害だ。

 しかも時間と共に確実にその範囲は広がるため、一刻も早い対応を取らなければならない。

ここでは雨漏りの重大さを改めて認識して頂くため、代表的な被害を挙げておきたい。

 

内装のシミ、剥がれ

最も代表的な被害は壁紙などの内装を汚してしまうことだ。

表面にはシミや剥がれ、ふやけを発生させ大変見苦しい状態にしてしまい、発生して数週間後にもこれらが現れることがあるため、片付けや修理が済んだ後では精神的に大きなダメージを受けてしまう。

また下地である石膏ボードは一度濡れると崩れてボロボロになり、見た目だけでなく本来の防火性も失うことになる。

しかも壁紙や石膏ボードなどは濡れた部分だけを新しくすることが難しく、ジョイントからジョイントの間で貼り替えるため、想像以上に修理費が高くつくことになるだろう。

 

家具家電の損傷

出典:https://casavogue.globo.com/LazerCultura/noticia/2012/09/artista-leva-chuva-para-dentro-de-casa.html

雨漏りの落ちる先に家具や家電があれば、それらも被害に遭うことになる。

家具は濡れるとシミになり、取り除くのは難しいためみすぼらしい姿のまま使い続けることになる。

また変形して扉や引き出しが開かなくなれば、最悪買い替えとなってしまうだろう。

家電は濡れてしまえば故障だけでなく使えなくなることも多く、新たに買い直すとすればこちらも手痛い出費となる。

特にテレビやパソコンとその周辺機器は高額なものもあり、家計への影響は大きいものとなるだろう。

 

腐れ錆びやシロアリの発生

雨漏りが建物に及ぼすダメージで最も深刻なのが、腐れや錆などによる構造体の腐食だ。

天井裏や壁の中に溜まった雨水の湿気により発生し、柱など建物を支える材料の強度を確実に奪っていく。

また湿気によりシロアリが発生すれば、内部のダメージはさらに加速し、住まいの寿命や耐震性が大きく損なわれてしまうだろう。

いずれの被害も目に見えない場所で進行していくため、手の施しようがない状態になってから気付く事が殆どで、修理の費用も大変高額になる非常に質の悪い住宅被害と言える。

 

カビによるアレルギーや喘息

雨漏りで壁内や天井に発生したカビがアレルギーや喘息の原因になることがある。

症状をお持ちの方には非常に苦しいものだが、さらに厄介なのが天井裏や壁の中など隠れた場所に発生するため原因がなかなか特定できない点だ。

原因がわかれば対策を講じることもできるが、この場合は原因不明の症状として大きなストレスも抱えることになる。

特に小さなお子さんが被害を受ければ周りのご家族も苦しむことになり、単なる住宅被害という範囲では収まらない事態となるだろう。

 

漏電による影響

雨漏りが電気製品や配線にかかれば漏電し漏電遮断器が作動するが、原因が特定できないと何度も電気が遮断され家電などの故障に繋がる。

特に高額な精密機器ほど突然の遮断に弱く、パソコンやテレビとその周辺機器は被害に遭いやすい。

また漏電したところへ触れれば感電の危険もあり、痺れる程度なら良いが火傷などの大怪我となる可能性もある。

特に電気製品の下に流れ出た雨水や、濡れたコンセントは子供の手に届きやすく、大人よりも感電しやすいため注意するようにしたい。

 

修理の依頼先候補は4つ

雨漏りの修理は保証が切れたり、例え保証期間内でも原因が台風など自然災害であったりすれば有償修理となってしまう。

そうなると少しでも安く修理をしたいところだが、ではどういった依頼先があるのかご存じない方も多いだろう。

しかも良く知らない業者に修理を頼んだら、割高だったり手抜きをされてしまったりという話しがネット上には溢れている。

そこで修理を依頼するとしたらどんな選択肢があり、どういった点に注意したら良いのかを解説したい。

 

建ててくれた会社

住まいを建てた会社が最初に思い浮かぶ依頼先だろう。

確かに構造を始めとして、その建物のことを良く理解しているのが建てた会社だ。

相手がハウスメーカーのように規模の大きな会社であれば、修理をした後も継続的に面倒を見て貰える安心感もある。

ただハウスメーカーでは実際の工事は下請け業者に依頼し、マージンがその下請け業者の金額に乗るため割高になってしまう。

一方建てたのが工務店や個人大工なら費用は抑えられるが、いつまでその会社が存続するか不安がついて回る。

また建ててくれた会社だからと言って100%安心できる訳ではなく、しっかりした業者を手配できるかや、担当者の管理能力など、当たりハズレも残念ながら存在する。

さらにその業者が今まで十分に信頼できる対応をしてくれたなら良いが、不満があり保証も絡まないのであれば、他の業者を検討しても良いだろう。

 

地場の工務店や建築会社

同じ市町村内や近隣にある小規模な工務店や建築会社も依頼先として候補に挙がるだろう。

メリットは金額が大手に比べ割安な点と対応が早いところだ。

ただ建築会社と言っても住宅にどの程度力を入れているかで修理の完成度が変わるので注意しよう。

土木に力を入れていたり店舗は得意だが住宅は不慣れであったりとなれば一気にメリットは薄くなる。

見分け方としては自社で大工や職人の手配ができて、管理監督をその会社で行うのかがポイントだ。

依頼しても結局他の住宅の得意な業者に回されてしまうのなら、マージンが上乗せされ大手メーカーと変わらなくなってしまうので注意しよう。

 

施工業者、職人

実際に工事をする施工業者や職人に直接修理を依頼できれば最も費用が抑えられる。

ただし腕の善し悪しがわからないため、依頼したことのある人の紹介などでない限りリスクがある。

またメーカーや工務店を介して仕事を受ける場合はそこの現場監督が管理を行うが、直接依頼するとなると誰も仕事をチェックする人間がいない為大きな不安材料となる。

また職人の中には打ち合わせなどのやり取りが不得意な方もいて、こちらの希望が上手く伝わらない危険性もあるので注意しよう。

 

修理専門会社

雨漏りを始め建物の様々な修理を専門に行っている業者もネットで検索すると多く出てくるようになった。

この場合は見ず知らずの会社になるため、信頼できるかどうかが一番のポイントになるだろう。

この信頼できるかどうかの見分け方については、記事の後半で解説しているのでぜひ目を通して頂きたい。

逆に修理専門の業者のメリットは修理に対して真面目に取り組む点だ。

本来住宅メーカーや工務店は新しく建物を造ることがメインの仕事で、修理は業務の中の小さな一部でしかない。

そういった業者側の本音は、修理は利益が少ないため余り時間を取られたくない業務であり、しかも他社で建てた建物となれば恩義も無いので出来れば避けたい仕事なのだ。

そこへいくと修理専門の会社はそれが業務の主力であるため仕事を疎かにすることは無く専門故にこなす数も当然多く経験値も高い。

一度調査を依頼し、後述する業者選びのポイントで判断してみると良いだろう。

 

信頼できる業者の見分け方

修理の依頼先が初めて頼む相手だと、必要以上に高かかったり手抜き工事をされたりしないかなど、不安は尽きない。

しかし余程多くの修理依頼の経験が無ければ、業者を選ぶには何を基準にして良いかわからないだろう。

ここではそういった不安を解消して頂くため、業者選びのチェックポイントを挙げておく。

ぜひ適正な価格でしっかりした工事を行ってもらうために活用して頂きたい。

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工程説明をしてくれる

工程とはどういった作業をどの順番で行うかの作業内容のことだ。

これを事前に知ることで、やるべき作業を省かれないか=手抜きをされないかや、見積もりと実際の作業が合っているかを確かめることが出来る。

裏を返せば手抜きをしたい業者にとって説明したくないことであり、「やってみないとわからないから」と説明を渋る業者もいる。

しかし材料の仕入れや職人の手配をする上で、仮ではあるが必ず工程は組んでいるはずだ。

仮でも良いから説明して欲しいと頼んでみよう。

真面目に仕事に取り組む業者であればきっと丁寧に説明してくれるはずだ。

 

しっかりと調査を行う

雨漏りをしっかりと直せるかどうかは、正確に原因を突き止めることにかかっている。

しかしそれは想像以上に手間のかかる作業であり、言い換えればどれだけ雨漏りを真剣に直そうとしているかの判断材料にもなる。

前章で解説した「修理は儲けにならない面倒な仕事」と考えている業者は、原因を突き止めるよりも早く仕事を終わらせることを優先しているからだ。

そこで今回ご紹介する主な雨漏り調査を事前に知っておくことで、その業者がどれくらい真剣に雨漏りを直すつもりがあるかの目安にできるだろう。

無料の簡単な調査で仮の修理を行い、結局直らず何度も修理をして出費が積み増しにならないよう、出来る限り精度の高い調査を行う業者をお勧めしたい。

 

目視調査

基本的に無料の調査で、建物を外側から見ながら原因を探っていく。

外見だけでなく天井裏を覗いたり屋根に上がったりする場合もある。

ただし表面に現れていない雨漏り原因を目視調査だけで的確に掴むことは難しく、修理の専門業者の場合は下見として行うことが多い。

この目視調査の後にこの後紹介する調査方法を提案された場合は、より丁寧に調査する姿勢だと捉え前向きに検討した方が良いだろう。

 

散水調査

雨漏りの原因箇所と思われる場所にシャワーやホースで水をかけ、雨漏り発生場所に漏れ出てくるかを確かめる方法で、原始的だが確実性は高い。

しかし複数の原因箇所が疑われる場合、1ヶ所散水したあと水が乾くのを待って次の原因箇所に散水するため、非常に時間がかかるという欠点がある。

このため至急止めたい雨漏りの場合は、初めからこの後ご紹介する発光液調査で調べるのも良いだろう。

 

発光液調査

出典:https://canadianmuseumofnature.wordpress.com/2014/05/22/glow-glow-in-the-dark-glowing-food/

紫外線を当てると発光する調査液を雨漏りの入り口と思われる場所へ流し込み、出てきた液体に紫外線を当て入り口と出口を結びつける調査方法だ。

主に複数の雨漏り原因箇所が疑われる場合に色を変えながら行われ、前の発光液が乾くのを待たずに調査ができるため時間短縮のメリットもある。

屋根やバルコニーの広い範囲で損傷があり複数の雨漏り原因が疑われる場合は、初めからこの方法で調査する方が効率的かもしれない。

 

サーモグラフィー調査

出典:https://www.energy.gov/energysaver/thermographic-inspections

雨漏りの入り口と思われる場所に水を流し入れ、温度の違いを色で映せるサーモグラフィーカメラで建物を外から撮影する。

すると水は建物の温度より低いため青く映り、雨漏りの入り口だけでなく建物の中の通り道も知ることができる。

雨漏り原因だけでなく建物内部の損傷まで調べたい方には適した調査法だ。

専用の機材を使い専門知識を持った技術者が調査を行うので費用は高めだが、内部の腐れや錆で建物が傷んでしまってからの修理費用を考えれば、決して余計な出費とは言えないだろう。

 

内訳がわかる見積書

見積もりで注意したいのが、細かな材料費や手間代など内訳の記載が無く「雨漏り工事 一式〇〇円」と書いてあるだけの一式見積もりだ。

これではどのような工事が行われるのか全くわからないし、そもそも金額が高いか安いかの判断もできない。

確かに少額工事の人件費や、会社にストックしてある材料を使う工事など、細かく金額を出しにくい場合もあるが、ある程度金額がかかる工事で一式出しは不親切と言わざるを得ない。

必ず内訳のわかる見積書を出してくれるような業者を選ぶようにしよう。

 

すぐに契約を迫らない

業者の中には見積もりを出すと数日以内や、場合によってはその場で返答を迫ってくる者もいる。

これは見積もりの金額があまりにも高いか、内容が余計なものまで盛り込んであるなど、他と比較されると困ることが理由だ。

 「今キャンペーン中なので」や「今ならすぐ取り掛かれる」などもっともらしい理由で返答を急がせる。

しかし腕の良い業者は仕事に困っていないので、お客に判断を急がせる理由が無く、しかも金額は適正なことがほとんどだ。

こちらの都合ではないところで契約を急かすような業者は、仕事もお客本位に考えているとは言い難く、無理に検討する必要は無い。

じっくりとこちらのペースで検討させてくれる業者を選ぶようにしたい。

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飛び込み業者は要注意!

突然訪問をしてきたり、ポストにチラシが入っていたりの業者はなるべく避けた方が無難だ。

名の知れた会社ならまだしも、聞いたことも無く、しかも遠方の業者では、簡単な修理で目先の代金を回収しそのまま音信不通になる危険性がある。

雨漏りの修理はどんなに丁寧に行っても再発の可能性がゼロではなく、アフターケアが非常に重要なためしっかり対応してくれる業者に依頼したい。

その点からも飛び込み業者に依頼するのは非常にリスクがあると言える。

身元が確かで緊急の場合はすぐ駆けつけてくれるような業者を選ぶようにしよう。

 

提案される修理方法と注意点

専門業者が提案してくる修理には低価格だが短期間しか持たないものと、高めにはなるが長持ちする修理がある。

注意したいのが手短に終わらせ後の面倒を見たくないような業者は、前者の短期間しか持たない修理を勧めてくることが多い点だ。

もちろん予算に応じて選択して良いのだが、長持ちする修理方法と金額を知ってから選ぶことが納得して代金を支払うことにつながり、後でこんなはずではなかったという後悔を未然に防ぐ。

また長持ちする修理法を提案しない業者は長い目で考えてくれていないのだと、業者選定の基準にもなるだろう。

ここでは代表的な雨漏り修理を長持ちするかどうかの観点で何種類か挙げてみたい。

 

屋根

屋根は普段から日光や風に晒され最も雨を受ける場所になるため、実際に雨漏りの原因となることも多い。

また様々な材料が使われ修理の種類も多く混乱しやすいが、基本は冒頭に述べた長期間持つ修理かどうかを基準に、業者の提案を聞くと良いだろう。

 

割れやズレ補修

屋根の修理で最も多いのが瓦の割れやズレだが、これは本瓦にしてもスレート瓦にしても交換をしてしまった方が安心だ。

ボンドなどで補修する方法もあり安価で済むが耐久性に難がある。

ただし最も重要なポイントは瓦の割れやズレが直接雨漏りになる訳ではなく、その下にある防水シートの損傷があって初めて雨漏りが発生する点だ。

くれぐれも瓦の交換などで雨漏り修理とされないようにし、その下の原因を探り修理してくれるのかを確認しよう。

またその際は瓦を被せてしまうと損傷や修理したかがわからないため、必ず写真を撮って報告してもらうようにすると安心だ。

 

漆喰の打ち換え

本瓦屋根の頂点にある棟瓦の下の隙間を埋め、雨水の浸入を防いでいるのが漆喰だ。

漆喰自体は耐久性が低い訳ではないが、上に乗る棟瓦は重量があるので小さな揺れでもヒビ割れしやすい。

ここから雨水が入り込み、下にある防水シートに劣化などで損傷があれば雨漏りへと繋がる。

修理方法にはヒビに補修材を詰める方法と、一度漆喰を取り除き新たな漆喰を打ち直す方があり、後者の方が費用はかかるが防水性能は長持ちする。

さらに打ち直しは棟瓦を一度外すので棟下の内部の点検も行える上に、棟瓦をずれにくい耐震施工に変えることもできるため、補修材を詰める方法より断然お勧めである。

 

谷樋板金補修

屋根の傾斜が合流する谷に受けとして施工してある板金が谷樋だ。

屋根で受けた雨水が集まるため流れる雨量は非常に多く、その影響で腐食による穴が発生しやすく雨漏りの発生率が高い。

特に耐久性が良いと一時頻繁に使われた銅の谷樋は、近年の酸性雨に弱くさらに雨漏りが多発するようになっている。

修理方法は穴の部分を防水テープやコーキングで埋める方法があるが、流れる雨量が尋常ではないため短期間で取れてしまう。

また板金の腐食は全体が同程度に進行するため、一箇所修理しても次々と穴が空いてしまいキリがない。

このため割高にはなるが板金を貼り替えてしまう方法がおすすめだ。

その際はカラーステンレスやガルバリウム鋼板など錆に一定の強さを持つものを選ぶと良いだろう。

 

葺き替えやカバー工法

屋根雨漏りの修理で最も効果が高いのが、瓦の葺き替えやカバー工法などの屋根を新しくする工事だ。

葺き替えは既存の屋根を撤去し新しく屋根を作り直す方法で、費用は高目だが屋根の表面だけでなく下地の損傷も解消できるため、屋根全体の不具合を解消し寿命を延ばすことができる。

一方カバー工法は既存の屋根の上に新たな屋根を被せる方法で、古い屋根の撤去が必要無いため葺き替えよりは安価に工事が可能だ。

ただし複雑な屋根形状などは被せきれない部分が出ることがあり、雨漏りが完全には直らない可能性がある。

また既存の屋根が本瓦の場合は施工ができないなど、工事上の制限がある点も注意したい。

とは言え葺き替えに比べコスト面や工期の面で有利なのは確かなので、専門業者と相談しながら選ぶと良いだろう。

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ベランダ

ベランダはその器のような形状から、台風や豪雨の際は雨を溜めてしまう特徴を持っており、万一雨漏りが発生すれば水量が多くなるという特徴を持っている。

簡易的な修理で一時は雨漏りを防げても、再発した時には大きな被害に繋がり兼ねないため、長期的に安心できる修理方法をお勧めしたい。

 

防水層補修

ベランダ床部分の表面にはトップコートと呼ばれる塗膜があり、さらにその下にはFRPやシートなどの防水層が施工してある。

トップコートが劣化や損傷でヒビ割れると、下の防水層も傷つき雨漏りへと繋がっていく。

セメントボンドや防水シートを損傷した部分に施工すれば安価に修理することは可能である。

しかしトップコートは全体が均等に劣化していくため、後日他の場所から雨漏りする可能性が高く、全体を新しく塗り直してしまった方が長い目で安心できる。

また塗り直しは古い防水層を全部剥がすので、下地やさらに下の建物内部に雨水による腐れなどが無いか点検できるメリットがあり、広範囲の被害の点検という意味でもお勧めしたい方法である。

 

周辺取合いのコーキング

出典:http://www2.tostem.co.jp/rp/dfw/exocc0/photods/photo/07000/A/E99_149A.JPG

ベランダには腰壁手摺のジョイントや笠木と外壁との取合いなど、床以外にも雨水の浸入原因となる部分が多い。

しかも一般の方には馴染みが無いところのため、点検やメンテンナンスが行われていることは稀で、雨漏りの原因になる可能性が十分にある。

ただ殆どが手頃な工事費のコーキング打ち直しで修理が可能なため、定期的にメンテナンスを行うことをお勧めする。

あるいはベランダ床や屋根周りなど、他の場所のメンテンナンスを行う際に一緒に手入れをしておくのも良いだろう。

 

外壁

実際に雨漏り原因となるケースは少ないが、離れた場所に漏れ出るため原因不明の犯人として曲者なのが外壁のヒビ割れだ。

しかも目の高さから上にある外壁の損傷は、なかなか普段の生活で気付かずいつの間にか大きな傷になってしまうことが多い。

このため建物の外回りの修理などで専門業者を呼ぶ場合は、高所を見てもらえる良い機会なので、全体的な外壁のチェックを行ってもらうと良いだろう。

 

ヒビ割れ補修

外壁のヒビ割れから雨水が浸入し奥にある防水シートにも損傷があると雨漏りとなる。

ヒビ割れはコーキング修理が一般的で比較的安価に行えるが、耐久性が短く修理した部分の色が変わってしまうという欠点がる。

ただその上の修理となると外壁の部分貼り替えになり、面積の割に高額な工事な上にやはり外壁の色が変わってしまう。

もし10年以上外壁のメンテナンスをしていないようであれば、ヒビ割れはコーキングで応急処置を行い、この後ご紹介する外壁の塗装を検討した方が良いだろう。

 

外壁塗装

外壁の全面塗装は雨漏りの防止にも非常に効果が高い。

足場を掛けるので全面的なひび割れを解消できるだけでなく、修理後の色違いも生まれない。

また塗装は色付けだけでなく外壁全体の防水塗膜の役割を果たしているが、10年を超えるとその効力は失われていると考えて良い。

そのため塗装を行うことで外壁表面に新たな保護膜を作り、将来的な耐久性アップにも繋がるのだ。

さらには足場があることで屋根や雨樋、各サッシや換気口の周りなど、細かな部分まで点検できるため住宅の健康診断も可能となる。

外壁塗装は見栄えを良くするだけでなく、多くのメリットがあるため前向きに検討してみてはいかがだろうか。

 

ゼロ円で修理できる業者を探す

雨漏り修理は予定外の出費として家計の痛手となってしまうが、そこで検討して頂きたいのが火災保険の利用だ。

火災保険と言うと火事の時にだけ使うものと考えてしまうが、実は雨漏り修理の費用を補償できる場合があるのだ。

現代の火災保険は火事だけでなく様々な住宅被害を補償してくれるものになっており、条件が揃えば雨漏りの修理も対象になってくる。

修理費の自己負担額を大きく減らせたり、ゼロ円で修理したりすることも可能だ。

そこでここでは、どういったケースが補償の対象になるのか、そして火災保険を利用する際の業者選びのポイントについてお伝えする。

 

火災保険の利用で自己負担を減らす

火災保険では台風や竜巻、大雨や洪水、大雪や雹などの、自然災害によって建物が損傷し雨漏りが発生した場合に修理費を補償してもらうことができる。

一方経年劣化による雨漏りや、以前に保険を利用して修理した箇所からの雨漏りなどは対象とならない。

さらに修理費用が〇〇万円以上の場合に限るなど、保険会社によって細かな条件があるので、利用を検討する際は一度保険会社に確認をしてみると良いだろう。

 

依頼は申請実績の豊富な業者へ

保険の申請で最も大切なポイントは、雨漏りの原因が自然災害であることを保険会社へ的確に伝えなければいけない点だ。

これは建築の専門的な知識や工事の経験はもちろんのこと、自然災害と雨漏りの関係について熟知した専門業者でなければ行えない。

例え工事の上手い業者だとしても、申請に不慣れであれば非承認になってしまう恐れもあるのだ。

火災保険を利用する場合はぜひ、保険の申請実績がどれくらい豊富かを基準に業者を選ぶと良いだろう。

 

着工や入金を急かす業者は要注意

もう一つ保険利用での業者選びの注意点は、保険会社の承認が下りる前に着工や入金を急かしてこないかだ。

早く売上が欲しいため「必ず審査は通るから」と早々に工事に取り掛かろうとしたり、着工金の入金を急かしてくる業者は要注意だ。

着工や手付を払って材料の仕入れや職人の手配をされてしまえば後戻りはできず、万一審査が通らなかったら修理費は全額自己負担となってしまう。

くれぐれも審査の承認前に着工や入金を求めてくる業者は避けるようにして頂きたい。

 

まとめ

業者選びは数々の選択肢から選ばなければならず、不慣れな方にとっては不安や難しさがあるだろう。

しかし今回挙げたポイントを選択の基準にして頂ければ、業者選びは明確でシンプルなものになるはずだ。

また提案される修理がその場限りか長期的な視点のものか見分けることで、その業者の仕事に対する姿勢がわかり、これも選択の一つの基準となる。

さらに火災保険の申請に長けた業者を選ぶことで、修理費を大きく抑える可能性も出てくる。

ぜひ目的に合った適正な業者を選び、大切な住まいの雨漏り修理を満足いくものにして頂きたい。

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株式会社アーキバンク代表取締役/一級建築士

一級建築士としての経験を活かした収益物件開発、不動産投資家向けのコンサルティング事業、及びWEBサイトを複数運営。建築・不動産業界に新たな価値を提供する活動を行う。