カーポートは屋根板などが地面から高い場所にあるため、DIYで直そうとしても相当の覚悟とそれなりの専用工具等が必要となるため、やはり専門業者に依頼したほうが無難である。
ただし、カーポートを修理する際には注意しておくべきことがたくさんある。
これらを意識せずにやみくもに修理をしてしまうと、修理からそんなに時間が経過していないのにまた壊れてしまったり、劣化を早めてしまったりする原因にもなる。
また、火災保険を上手に活用することで、カーポートの修理費の負担を大幅に抑える事が出来るのだ。
この記事では、カーポート修理の際に最低限注意すべき事項を詳細にまとめるとともに、知っておくと大幅に得するちょっとした工夫や知識を大公開したいと思う。
この記事読むことで理解できること
カーポートの修理が必要となる3つのケース
カーポートに修理が必要な場合とは、どのような場合だろうか。カーポートは支柱や屋根板等、様々な部材から構成されており、それら各部材の傷の付き方や劣化の具合によっては、早急な修理が必要となる。放置しておけば、最悪の場合カーポートが倒壊するなど、ただ単にカーポートの破損だけでは済ませられない事態に発展するリスクもあるのだ。
実はあまり知られていないことだが、カーポートは壊れやすく作られているということを読者の皆様はご存知だろうか。「壊れやすい」と一言で言うと大変な誤解があるかもしれないが、屋根板があえて外れやすい様にできているということは、意外と知られていない。
この理由については、台風に伴う強風にあおられた時、仮に屋根板が頑丈に固定されていたらどうなるのかを想像すると容易に説明が付く。屋根板が頑丈にカーポートの支柱に固定されていたら、強風にあおられてカーポート全体が倒壊などのリスクにさらされることとなるのだ。この場合、カーポートの下に駐車してあった車両が甚大な被害を受けることは、想像に難くない。
屋根材を外れやすい様に設計しておくことによって、カーポート自体の損壊の程度を軽減させることができるのだ。したがって、台風上陸前には屋根材が強風によって飛ばされないように対策を講じることが必須であるが、この対策方法等に関しては本記事では割愛する。
この項では、「どのようなケースでカーポートの修理が必要になるのか」という問題について考えたいと思う。カーポートは常に雨や風にさらされている構造物のため、日々劣化している。しかし、どのような症状が現れたら修理すべきなのかを熟知している人は多くないため、
「修理した方が良いのかも知らないが、踏み切るまでには至らない」
という人が多いのではないだろうか。以下の通りまとめてみたので、是非参考にしてもらいたい。
飛来物によりパネルや支柱が損傷した
台風や強風発生時には、普段生活している上では考えられないほどの重量物が飛ばされることがある。台風時期のニュース映像で、瓦や各種建築資材などがいとも簡単に飛ばされている様子を見たことのある人は多いかと思う。こうした重量物がカーポートに衝突することで、屋根材のパネルや支柱が破損するケースが考えられる。
屋根材のパネルが破損した場合、破損個所から雨水などが侵入し、下に停めてある車両に水滴が落ちることとなる。雨風を防ぐためにカーポートを設置したはずなのに、カーポートの機能を果たすことが不可能な状況となる。したがって、できるだけ速やかに修理が必要である。
支柱が飛来物の衝突によって破損した場合、早めの修理対応が求められる。支柱はカーポートを構成する部材の中で最も重要な部位の一つである。支柱がなければカーポートを安定的に設置することはできないし、仮に衝撃に弱い支柱だと、ちょっとした衝撃や強風でカーポートが倒壊してしまう危険性もある。
支柱が破損した際には、支柱が元々立てられていた角度から傾いていないかをチェックしてみよう。少しでも傾いていたら、すぐにでも修理もしくは支柱の交換が必要である。基礎部分からの傾きも懸念されるため、最悪の場合、倒壊するリスクもあるのだ。
基礎部分からの傾きが所見される場合は一度支柱を基礎部分から抜いて、コンクリートで基礎を作り直す措置が必要となる。この場合では、一時的にカーポートの使用が不可能となる点に注意が必要である。
車を誤ってぶつけてしまった
上記の例とも類似するが、車両をカーポートにぶつけてしまったら、速やかな修理が必要と考えられる。車両の衝突による衝撃は、我々が想像しているものとは比べものにならないほど強いのだ。
必ず基礎部分からの傾きがないかどうかを入念にチェックし、自分だけでは判断が難しい場合には専門業者に調査を依頼しよう。倒壊を防いで愛車や大切な家を守るためにも、これくらいの対応は絶対に必要である。傾いたまま放置しているようなカーポートがある場合は、是非早急に調査を行うことをおすすめする。
屋根から雨漏りが発生している
カーポートの屋根から雨漏りしている場合も、修理が必要と考えられる。前述したように、カーポートは本来、雨や風から大切な愛車を守るために設置されるもののため、雨漏りが発生しているカーポートは本来の役割・機能を果たしていないと言える。
また、どの部位の不具合が主原因となって雨漏りが発生しているのかはケースバイケースだが、日々カーポート上にたまった埃や鉄粉などを含んだ水が愛車に降り注ぐことを考えると、早急に対応しなければならないと気付くだろう。
風・雪・ヒョウの自然災害による損壊
カーポートの破損は自然災害によって被る事が多い。
被害にあいやすい自然災害とは下記のような事だ。
・風災
・雪害
・雹害
【風による自然災害】
上記でお伝えしたとおりカーポートの屋根は外れやすいようにできている。それは風にあおられてカーポート全体が倒壊しないためにあるが、飛ばされた屋根パネルは割れてしまい既存復旧ができないケースが多い。
強風によるカーポートの破損は風災とされ、風の強さの基準は「最大瞬間風速20m/秒以上」とされている。つまり基準未満の場合は強い風として判断されないため火災保険の対象外となる可能性がある。ただし、崖地の吹き上げてくる風など地形や周囲の状況によっては火災保険の適用が可能となる事もある。
【雪による自然災害】
積雪によるカーポートの損壊も多い。見落としがちだが、雪が屋根に積もると結構な重量となる。その重量が負担となってカーポートの屋根パネルが割れ、さらに駐車している車までも被害を出してしまう事もある。このような雪が原因した被害も火災保険の対象となる。
メーカーが販売しているカーポートは耐積雪〇〇cmと記載されている。耐積雪20cmのものから多雪地域でも安心して使える100〜150cmのものもあるので、住んでいる地域によって適切なものを選ぶ事が大切だ。
【雹による自然災害】
雹の定義は直径5mm以上の氷塊と定められている。ゴルフボール大からカボチャ大のサイズの雹が降った記録があり、屋根が破損した事例ではJR山手線駒込駅ホーム上の屋根に穴が開いたというのもあった。
このように雹が原因して屋根が破壊されるほど危険なものであり、カーポートの屋根の破損も例外ではない。火災保険では雹によるカーポートの損壊も保険の対象だ。
風・雪・雹の3つの自然災害による損壊は火災保険の対象となり修理費用が補償される。
ケース毎に徹底解説!カーポート修理費用はいくらが相場?
カーポートに前述したような不具合が所見された場合、早急に修理対応を行うべきであるが、実際にどのくらいの費用がかかるのかわからず、足踏みしている人も多いのではないだろうか。損傷具合や症状の程度にもよるが、カーポート修理の際の費用の相場は大体定まっている。ケース毎に見ていこう。
屋根パネルが飛んでなくなった
屋根材のパネルが台風に伴う強風の影響で飛ばされた場合には、飛ばされた部位に代わりのパネルをはめ込む作業が必要となる。
ポリカーボネート材などの場合ではホームセンターなどでも簡単に手に入る他、加工も容易なためにそこまで費用は高額にはならないものの、「セッパン」と呼ばれる鋼材を屋根材に使用しているカーポートの場合には多少修理費用も高額になることが予想される。もっとも、「セッパン」はある程度重量のある鋼材であるが故に、少々の強風では飛ばされる心配も少ないため、台風への備えを考える上ではカーポートの屋根材として積極的に採用したい部材である。
費 用 | |
パネル交換(業者) | 15,000~25,000円/枚 |
パネル交換(DIY) | 数千円/枚 |
※ポリカーボネート | ※別途、接着剤、脚立、電動ドリル等の工具が必要 |
アルミ枠の損壊
カーポートは基本的には軽量な素材でできている。一般的には、枠の部分にアルミ材が採用されているものが多い。アルミ枠が損壊すると、カーポート自体の強度に深刻な影響が出ることは容易に想像できるだろう。
この場合には、損傷部分のアルミ枠の交換が必要となるため、以下の表を参考にして、専門業者からの見積取得の際の比較検討資料として活用して頂きたい。
費 用 | |
アルミ材の交換 | 20,000円/m~
※ただし、メーカーで同型品がなければ不可 |
支柱やパネルがボロボロに
広く一般的には、錆びに強いとされるアルミ材を用いたカーポートが多いが、一部では錆に弱いスチール材を用いたカーポートも散見される。この場合は、支柱が経年劣化によりボロボロになるケースも考えられる。支柱がボロボロになると、当然カーポートとしての強度は低下することになるため、倒壊等の被害を防ぐ観点からも、早めの対応が必要不可欠である。
また、海沿いなどに住んでいる人も注意が必要である。海から吹く潮風によって、特にスチール製のカーポートは錆などの影響により劣化が進行しやすい他、アルミ製のカーポートの劣化も早めるリスクがある。
こうした影響を受けて、カーポートの支柱がボロボロになることがある他、パネルにも一定の影響が出た場合には、部分補修ではなく、カーポート自体の再設置をおすすめする。再設置に際しては既存のカーポートの廃棄費用も同時で発生するために、新設置の場合よりも費用がかさむことに注意が必要である。
費 用 | |
カーポート再設置 | 150,000円~
※カーポートの規模による ※既存カーポートの廃棄費用が別途必要 |
カーポート修理の工事日数
上記では様々なカーポートの修理費用の相場をお伝えした。では「修理にかかる日数はどれくらいかかるか」についてお伝えする。
【屋根パネル交換(業者・DIY)】
カーポートの屋根パネルの交換は、交換するパネル枚数によって異なる。業者に依頼する場合とDIYで行う場合の日数の差は、DIYで行う人の技術力によって異なるが、作業に慣れている人なら業者との差はあまりないかもしれない。
1〜3枚程度のパネル交換なら数時間で終わる作業だ。屋根パネルすべてを交換する場合でも1日あれば終わる。ただし、作業するスペースが狭かったり、脚立が立てられなかったりなど作業環境が悪いと時間がかかる可能性がある。パネル交換の工事日数は数時間〜1日と見ておけばおおよそ大丈夫だろう。
【アルミ材の交換】
アルミ材の交換もそこまで時間がかかる作業ではない。パネルを固定するアルミの部材もビスで固定されているだけなので、1箇所交換するぐらいなら1時間ほどで終わるだろう。
アルミ材の交換で注意しなければいけないのが、対応する部品があるかだ。年数が経ったカーポートの場合は既に廃盤となり部品が作られていないケースが多い。もし、対応する部品がない場合は代替えが効く部品を探す必要があり、部品を見つける日数がある程度かかる可能性がある。
そのため、作業時間よりも工事にかかれるまでの日数が必要になるだろう。また、部品がある場合でも取り寄せまで日数がかかる事もあるので注意していただきたい。
アルミ部材の工事日数は数時間〜1日と見ておいて大丈夫だろう。
【カーポートの再設置】
カーポートの再設置は、既存のカーポートを解体し、新規で柱を設置、カーポートの組み立てと工程が進められていく。既存カーポート解体は半日〜1日、余程の事がなければ大体は半日で終えるだろう。
その後に新規でカーポートの柱を設置する。柱を設置する時にコンクリート基礎を新規で打つため、いくら工事が順調に進んだとしてもコンクリートが固まる時間を考慮しここで1日の作業が終わる。
2日目に柱を固定する基礎のコンクリートの硬化に問題がなければ、次にカーポートの屋根などを組み立てていく。この作業は半日〜1日と見ておく方が無難だろう。もし、新規で打ったコンクリートの硬化に不安があるようであれば、もう1日養生をしておいた方がいい。
カーポート再設置の工事日数は養生期間を含めると2〜3日かかる事になる。
カーポートの修理はDIYでも可能?
専門業者にカーポートの修理を依頼した場合の簡単な費用相場を解説してきたが、やはり費用は極力抑えたいのが本音かと思われる。とは言え、やはりカーポートの修理にはある程度の専門知識やそれなりの技術、安全対策などが必須のため、専門業者に依頼したほうが無難と言えば無難である。
以下に挙げるような内容の作業程度であれば、しっかりとした備えをした上、自宅でDIYの範囲で対応できると考えられるため、紹介しておこう。
コーキングが劣化している
部材と部材の接合部にはコーキング処理がなされているのが一般的である。コーキング処理を行うことによってカーポートの防水機能を維持するとともに、天候や気温の変化による部材の伸縮にも柔軟に対応することができる。
しかしながら、このコーキング部分に関しては経年劣化によってひび割れを起こすことがある。コーキングにひび割れが発生してしまうと、その部位からの漏水が発生することが考えられる。
コーキング打ち替え作業に関しては、様子を見ながら概ね10~15年程度の周期で行うことをおすすめする。重要なのは、ひび割れが発生して漏水が起こる前に、早めの対応を心掛けることである。
足場を必要とする住宅やビルなどの大きな建物のコーキングの打ち替え作業は専門業者に依頼した方が安全管理上・コストパフォーマンス上良いと思われるが、カーポートのコーキング打ち替え作業は足場を必要とせず、脚立などで代用が可能のため、DIYの範囲で対応することが可能と言えるだろう。
ドレン詰まり
「カーポートから漏水が発生した!」と言って、すぐに専門業者を手配したことはないだろうか。漏水には様々な要因が考えられ、一概に断定はできないが、簡単なDIYであっという間に解決する場合がある。それが、ドレンの詰まりを原因とする漏水だ。
世の中に存在するカーポートの大部分は左右どちらかに傾いている。それは、降り注いだ雨を片方向に逃がし、雨を受けるための雨樋に水を通すためである。雨樋に入った水はドレンを通り、地面に排出される仕組みになっているが、このドレン部分や雨樋の中に落ち葉や枯れ葉が堆積することによって水の流れを妨げてしまい、雨水が溢れる現象が見られることがある。
この場合の修理方法は非常に簡単である。脚立に上って、ドレン周辺や雨樋に堆積した落ち葉や枯れ葉などを取り除くだけだ。これをするだけで、カーポートからの漏水がピタっと止まったという例も少なくない。
こうした対応は、決して漏水が発生した時だけに行うのではなく、必ず一年に数回のスパンで行うことを強くおすすめする。特に桜の花びらが舞う4~5月や、落ち葉が大量に発生する10~11月には、定期的にドレン周辺のゴミを除去する作業を自ら行うことで、カーポートからの漏水の大部分を防ぐことができる。
ポリカーボネート屋根のパネル交換・方法と手順
カーポートの屋根パネルの交換はDIYでもできる作業だ。ただし、脚立を使用して作業を行うため、脚立が倒れないように地面が平らであるなど安全面に気を使う事が大切だ。
現在のパネル屋根の素材はポリカーボネートが使われている。アルミ部材で押さえビス留めをしてパネルを固定しているため、大まかな交換手順は下記になる。
1:既存パネルの外し
2:既存パネルの幅、長さ、厚さの採寸
3:新規パネルの取り付け
【1:既存パネルの外し】
ほとんどのカーポートの屋根パネルはアルミ部材(屋根押さえ)で押さえられており、その上からビスで固定がされている。パネルを外す時はビスをすべて外すこと。ビスがすべて外れるとアルミ部材(屋根押さえ)が外れるが、すぐにパネルが落ちるわけではない。パネルはカーポートのアルミ枠にはまっているので、少し曲げるようにすると外すことができる。
ビス留めで固定されていないパネルの場合は、叩き込んで押さえるタイプの可能性がある。このタイプはマイナスドライバーなどでアルミ部材(屋根押さえ)に差して外すこと。壊れやすいので壊さないように慎重に行う事が大切だ。
【2:既存パネルの幅、長さ、厚さの採寸】
一番重要となってくるのが既存パネルの採寸だ。ここでパネル寸法を間違えてしまうと、交換するパネルが合わなくなってしまうので注意しよう。
既存パネルの寸法を測る場所は下記のとおりだ。
・パネルの幅
・パネルの長さ
・パネルの厚さ
・パネルの色
幅と長さはスケールで測る事ができる。パネル厚を測る時はノギスがあると測りやすい。
パネルの色は設置しているカーポートのメーカーによって種類が異なる。間違いが少ないのは既存カーポートのメーカーに合わせる事だ。別メーカーのパネルを使う場合、色が微妙に違う可能性があるので注意していただきたい。
【3:新規パネルの取り付け】
最後に新規屋根パネルの取り付けだ。単純に既存パネルを外す手順の逆を行えばいいのだが、新しいパネルのため傷がつかないように慎重に行う事が重要だ。新しいパネルの場合、養生のビニールがついているので、片側を剥がし、太陽が当たる側のビニールは端っこだけ剥がし、後は残しておくようにしよう。
パネルをカーポートのアルミ枠に少し曲げながらはめて、屋根押さえをかぶせビス留めして固定する。最後に養生のビニールを剥がして完成だ。パネル交換は1人よりも2人で作業する方が楽なので、できるのなら2人で行う事をおすすめする。
DIYでパネル交換する時の費用
DIYでパネル交換をすれば業者に依頼するよりも費用は安い。DIYなら人件費はかからず材料費と必要な工具のみですむからだ。もし、パネル交換で使う工具を所有しているのであれば、材料費のみでパネル交換ができる。
【必要な道具】
・インパクトドライバー(電動ドライバー)
・脚立
・コーキング
・雑巾
パネルはビスで固定がされているためドライバーがビット式となっているインパクトドライバーを使うと作業がしやすい。手動のドライバーでもできなくないが、締め付ける力が弱かったり、ビスの締めが硬く外せなかったりするので、電動のものを用意しておく方がいいだろう。何より手動は時間がかかるためおすすめしない。
インパクトドライバーは約1〜5万円で購入する事ができる。インパクトドライバーの選ぶポイントはトルク数だ。トルク数が強いほど締め付ける力が強いのでビスの固定などに適している。
ポリカーボネートの屋根パネルの金額は数千円〜2万円/枚ほどだ。ノーブランドのパネルなら金額を抑える事ができる。しかし、色が変わってしまったり、対応するサイズが無かったりするので、既存カーポートのメーカーに合わせるのが無難だ。
カーポート付属の雨樋の修理
カーポートには雨を集水して流す雨樋が付属して取り付けられている。この雨樋も台風などの自然災害が原因して破損してしまったり、経年劣化を起こして雨漏りしてしまったりする事がある。屋根の雨樋ほどではないが、いずれは交換する必要がでてくるだろう。
雨樋の交換方法はそこまで難しくない。カーポートの雨樋は一般的に縦樋のみで、カーポートの柱に取り付けられている樋の押さえ金具で固定しているだけだ。
そのため、既存の雨樋を取り外して、新規の雨樋を押さえ金具で固定すれば交換は完了する。また、屋根の雨樋とは違い高さもそこまでないので縦樋1本で済むだろう。ただし、カーポートの雨樋交換で厄介なのは部品の調達だ。
木材を使用して作られた造作のカーポートなら屋根に使われている軒樋や縦樋、樋金具を使う事ができるが、メーカーが販売する既製品のカーポートの場合は、樋の寸法が決められているため、適した部品を選ばなければならない。
カーポートの雨樋はネット通販やホームセンターで購入が可能だ。雨樋の径は屋根に使われる径よりも細いものが使われている事が多い。また、雨樋の形状が縦樋のタイプとジャバラのタイプがある。
カーポートの雨樋を交換する時は既存の形状と径を測って同等のものを選ぶ必要がある。間違えずに同型品を見つけるには、メーカーとカーポートの品番を合わせる事だ。ただし、年数が経っていると廃盤になっていて部品の生産が終了しているケースがある。そういう時は既存の雨樋と寸法が合うものを調達するしかない。
メーカーから同型品を調達したり、既存の寸法に適した部品を手に入れたりするのは、建築関連の職業についていない人には難しいかもしれない。部品が合うか調べる時間もかかる。そのため、あまり時間をかけたくない方や部品選定の失敗を避けたいという方は、専門業者に依頼する事をおすすめする。
修理不可?カーポートの買い替えが必要になる場合とは?
専門業者に修理を依頼する場合やDIYで対応することができる場合を紹介してきたが、ここではカーポート自体の買い替えが必要になるケースを紹介する。
アルミ材の同型品がない
カーポートの支柱や枠の交換が必要となった場合に、専門業者は自社内の在庫を確認するか、メーカーに問い合わせてアルミ材のストックを確認するのだが、同型品が既に販売中止になっていた場合には、修理対応が不可能になることがある。
このケースでは、残念ながら修理や部材の交換ではなく買い替えを余儀なくされることがある。もちろん代替品があれば施工は可能かもしれないが、施工後の安全が保証されない限りは、カーポート自体の買い替えをした方が長期間にわたる家族の安全を買うという観点からも無難であると思われる。
各部材の劣化が著しい
劣化している箇所が非常に多く、ほとんど全ての部位の部材の交換が必要となる場合などでは、残念ながら買い替えが適切と判断されることもある。このケースでは、そもそも修理するよりも既存のカーポートを撤去して新しいものを入れ替えた方が時間的にも節約でき、費用も安価で済むことが多い。
耐用年数と交換時期
既製品のカーポートの素材はアルミが使用されていて錆びにくく耐久性がある。昔はスチールが使われていたため、表面の塗装が剥がれるとすぐに錆びてしまっていたが、素材がアルミに変わった事により非常に保ちが良くなった。
しかし、アルミは柔らかい素材のため衝撃に弱く、何か硬いものがぶつかったりすると傷や柱がへこんだりしてしまう。
また、屋根パネルは太陽の紫外線を直に受けるため色あせや割れなどの劣化症状があらわれる。現在の屋根パネルはポリカーボネートが使われているため割れにくい特性がある。
しかし、アクリル製の屋根パネルの場合は割れやすく、年数が経っている場合は耐久性の低下や色あせなどの劣化症状がポリカーボネートよりも現れやすい。他に劣化症状があらわれる部材は防水となるパッキンなどの部品類だ。
カーポートは製品代や施工費がかかるため、しばらくは屋根パネルの張り替えやパッキンなど部分的な修理で問題ないだろう。カーポートの耐用年数は一般的に15年と言われている。しかし、15年以上使っているところも多く、現在のカーポートの保ちは長い。
では、交換時期はいつがベストかというと「カーポートが壊れた時」となる。前述したとおりカーポートのアルミは錆びにくく耐久性がある。損傷など起きていない限りは、長い年数が経っていたとしても、そのまま利用して問題ないだろう。
カーポートの雨漏りの原因
カーポートの雨漏りの原因は下記のようなものがある。
・雨樋の詰まり
・コーキングの劣化
・塩害
【雨樋の詰まり】
雨樋の中にゴミが詰まってしまうと雨水の流れが悪くなり、水が溢れてしまう。特にカーポートの近くに樹木があると葉っぱが雨樋の中に入って詰まりやすいのでこまめに掃除する事が雨漏り防止となる。掃除するところは雨水が流れる場所(軒部)と雨水が落ちる場所(縦樋)の2箇所だ。
【コーキングの劣化】
カーポートを組み上げる時はビスが使われ、一部のビスにはコーキングを使用する。コーキングが劣化すると、そのビスから水が流れ雨漏りが起きてしまう。もし、コーキングが劣化して雨漏りが起きている場合は、再度コーキングを打ち直す必要がある。また、コーキングをし忘れて雨漏りが起きてしまう施工不良のケースもあるので注意すること。
【パッキンの劣化】
屋根パネルを押さえる部材にはパッキンがついている。このパッキンが劣化してしまうと屋根パネルに微妙な隙間ができて、そこから雨漏りを起こしてしまう。修理方法でコーキングを使用して隙間を埋める事例があるが、この方法はおすすめしない。なぜならコーキングが屋根パネルに付着し、仕上がりが汚くなってしまうからだ。
では、どうすればいいかというと、パッキンを交換する事だ。屋根パネルを押さえる部材にパッキンが付いている場合は、屋根パネルを押さえる部材ごと交換しなければいけない。また、既存のカーポートに適合する部材にしなければいけないため、同型品をメーカーから取り寄せる必要がある。メーカーの部材を調達するには、調べる時間や同型品か見極める必要があるため、この作業に慣れていない方は専門業者に依頼する事をおすすめする。
カーポートを放置するとどうなる?
最近のカーポートの柱などの骨組みはアルミでできているため、そこまで劣化を気にする必要はないだろう。しかし、カーポートの屋根やパッキンは劣化が生じる。このような劣化を放置するとどうなるか、ここでお伝えしていく。
まず、カーポート屋根の劣化とパッキンの劣化を放置した場合だ。もし、カーポート屋根に穴が開いている場合、その穴から雨が入るため駐車している車が雨晒しの状態になってしまう。雨は埃やチリなど多くの汚れが含まれている。
そのため雨晒しとなっている車は汚れやすく水垢もつきやすい。また、屋根に穴が開いていると駐車している車に紫外線が直に当たり塗装の劣化や色あせを起こしてしまう。
このように屋根の劣化やパッキンの劣化を放置してしまうと車の清掃やメンテナンスの回数が増えてしまう不具合がでてしまう。
次に劣化したカーポート屋根が飛ばされてしまい近隣の建物に損害を与えてしまう可能性だ。上記でお伝えした通りカーポート屋根は外れやすいようにできている。屋根が飛ばされて近隣の建物に損害を与えてしまっても自然災害が原因なら損害賠償の義務は発生しない。
しかし、いくら損害賠償の義務が発生しないからといっても、それが原因して近隣の人との関係を悪くしかねない。また、劣化の放置や屋根が飛ばされる恐れが高い場合は、事前に被害を出さない対策をしないと損害賠償が発生する例外もある事に注意していただきたい。
地域の特性に合わせたカーポートを選択!
そもそもカーポートを最初に設置するときの話である。自宅のある地域はどのような気候特性なのか、周辺環境はどのようなものなのかを事前に把握しておく必要がある。地域特性にも配慮したカーポートの選択が必須条件なのである。地域毎にどのようなカーポートを選べば良いのか、以下を指針として決めてみてはどうだろうか。
台風の多い地域
台風の多い地域では、主には以下の2点の影響が考えられる。
・飛来物の衝突による影響
・強風による影響
台風の影響を受けやすい地域では、強風によって飛ばされてきた重量物がカーポートに当たり、支柱や屋根材パネルなどが破損させることがリスクとして考えられる。また、強風によって屋根材パネル自体が飛ばされる事態に見舞われることもあり得る。
したがって、台風の多い地域では、
・屋根材は「セッパン」などの重量のある素材
・両支持タイプ
を満たすカーポートを選択しておくと、台風の影響を受けづらいと言えるだろう。多少施工費用や設置のための諸費用は高額になるかもしれないが、万が一の場合を思うと、ここまでしておいた方が良いと思われる。
雪が多い地域
冬季などに雪が多く降る地域では、カーポートの屋根に雪が積もりやすくなる。雪国以外の人にはあまりなじみがないかもしれないが、屋根の上に積もった雪の重量は非常に重く、家屋などの屋根を破損させてしまうほどの破壊力を持つことも多い。
したがって、積雪によるこうした影響を受けないようにするためには
・屋根材は「セッパン」などの重量のある素材
を採用したカーポートを選ぶようにすると良いだろう。積雪があると、人が上に登って雪かきなどの作業をすることも考えらえるため、人が上に乗って作業を行っても安定するような頑丈なカーポートを選ぶことが肝要である。したがって、片支持タイプよりも両支持タイプのカーポートを選ぶことも検討した方が良いかもしれない。
沿岸地帯
海などの沿岸地域では、主に塩分を含んだ潮風の影響との戦いとなる。沿岸地域にカーポートを設ける以上は塩分を含んだ潮風自体を避けることは不可能なため、
・支柱や部材がアルミ製
のカーポートを選ぶと良いだろう。カーポートの部材には、スチール製とアルミ製を採用している製品が多い。このうち、スチール製に関しては錆に弱い特性を持っており、沿岸地域などでの使用には向かないと言える。対してアルミ製については錆に強い特性を持っているため、沿岸地域における潮風の影響にもある程度は耐性があると言える。
とは言っても、「アルミ製のカーポートを採用しているから安心」と思うことは危険である。常に屋外の空気にさらされている以上は、経年劣化しない素材は存在しないという点に注意が必要である。
特に沿岸地域にあるカーポートの場合は、定期的な水洗いによって錆や劣化等の影響をかなり低減させることが可能になるのだ。些細なことでも、定期的なメンテナンスが大幅にカーポートの寿命を延ばすことにつながる。該当する人は、是非実践して頂きたい。
カーポート工事の基礎寸法
カーポートの柱は埋め込み深さや基礎となるコンクリートを打つ大きさの規定がある。この基礎がしっかり施工がされていないと柱が傾いてしまい十分な強度を持たせる事ができない。
残念ながら業者によっては施工手間や材料費を省くためにメーカーが規定する施工がされていない事が多い。また、知識や技術が不足している事も原因している。
例としてLIXILのカーポートの基礎深さについてお伝えする。
上記のカーポートの場合
・柱の埋め込み深さ=550mm
・コンクリート打設寸法=900mm×700mm
ただし、土間コンクリート併用基礎の場合は寸法が異なる。
・柱の埋め込み深さ=550mm(土間コンクリート100mm以上含める)
・コンクリート打設寸法=400mm×350mm
(30型の場合400mm→450mm、350mm→450mmに変わる)
他にも2連棟タイプのカーポートや2台駐車できるY合掌のカーポートの場合、基礎寸法は異なるので注意していただきたい。
上記のようにカーポートの基礎寸法はメーカーできっちりと規定されている。この規定が守られていない場合、カーポートの強度が確保できないばかりか、何か不具合があった時にメーカー保証が受けられない可能性があるので注意していただきたい。
カーポートの補修に関する費用の自己負担額を抑えるには?
DIYで対応できるようなものもあるが、カーポートの修理は場合によっては多額の工事費用を必要とするケースが多い。こうした費用に関しては極力抑えたいと考えるのが普通だろう。
ここで「自己負担額ゼロでカーポートの補修ができる可能性がある」と聞いたら、どうだろうか。費用負担は抑えられるに越したことは無いし、ましてや「無料」となると、疑いを持って話を聞く人もいるかもしれないが、まぎれもない事実である。このロジックについて解説していこう。
注目すべきは火災保険の「風災補償」
現在加入している火災保険の補償内容を、保険証券を見ずに言える人はどのくらいいるだろうか。自分が加入している火災保険の契約内容を完全に把握している人は、残念ながら世の中でもあまり多くない。大部分が「万が一火災が起こった時の補償」という認識程度でしかない。この認識が、数十万円、時には数百万円得するかどうかの違いを生むのである。どういうことだろうか。
実は、火災保険の補償のうち「風災・雹災・雪災」に関しては、何らオプションを付けることなく、最初から標準で付帯されている補償内容なのだ。つまり、台風に伴う強風の影響や雹災による被害、積雪による損傷などを補修・修理するための費用を、火災保険金で補填することが可能である。
火災保険金を受け取るのは保険契約者としての当然の権利
火災保険に加入している以上、契約に定める事故により発生した損害を補填するために火災保険金を請求することは、保険契約者が保有している当然の権利である。「めんどくさそう」「うさんくさい」などという理由でこの問題から目をそらしているのならば、数十万円単位のお金をドブに捨てていることと同義である。今すぐ認識を改めて頂きたい。
最初の相談先は保険会社でなく専門業者
「カーポートに発生した損傷が、火災保険金の支払い事由になるかもしれない」と言うと、真っ先に保険会社に聞いてみたくなるのが人情だが、それは少し待った方が良い。最初に相談する先は保険会社ではなく、保険申請に強い専門業者を強くおすすめする。
保険会社側の思いとしては、支払う保険金の額は少なければ少ない程良いのだ。保険会社にとって保険金支払いとは「痛い出費」以外の何物でもない。とある保険会社では、損害センターの職員に対し、「保険金額の支払いを一定額以下に抑える」旨の目標設定がなされているという話もあるほどだ。
つまり、保険契約者がいきなり保険会社に事故の報告をしてしまうと、何気なく放った一言が、スムーズな保険金支払いを阻害する要因にもなりかねない。このことは強く認識しておく必要がある。
保険金を活用した住宅改修を専門に行う業者の場合、保険会社への事故報告の際に「何に注意すべきか」「伝えるべき情報は何か」と言った細かいノウハウを保有しているため、最初の相談先としては打ってつけなのである。
保険会社への資料作成は専門業者に任せよう
保険会社への事故報告がスムーズに終わったら、次に保険事故が確実に発生したということを証明する報告書と、その事故による損害を復旧するための見積書等の各種書類が必要となる。
こうした資料に関しては、もちろん素人では到底作成できないし、工事専門業者であっても保険申請のノウハウが少ない業者などでは、保険会社や保険鑑定人を納得させられるような資料を作成することが困難な場合が多い。
保険金を活用した住宅改修の専門業者にこうした資料の作成を依頼すると、保険会社の保険金支払い担当者や保険鑑定人から見ても100%当該事故が保険事故であると納得させられる資料や見積書を作成することが可能である。このことが、スムーズな保険金支払いを可能にするのだ。
工事の着手は保険金支払いが承認された後で可
保険会社が保険金支払いの承認を出すまでは、工事の着手を留保することが可能だ。したがって、保険申請が仮に否認されれば復旧工事を行わなければ住むだけの話だし、保険金額が申請金額よりも減額されれば、その範囲内で工事を行えばいいだけの話なのである。つまり、注文者にとってはほとんどノーリスクで、しかも場合によっては自己負担額ゼロでカーポートの修理を行うことができるのだ。
カーポートが壊れて車が傷ついた時の修理は保険が利用できるか
台風や積雪などが原因してカーポートが壊れてしまった時に駐車している車も傷ついてしまう事がある。このようなケースの場合、車の傷の修理は保険が適用できるだろうか。
答えを言うと車の傷の修理は火災保険の利用はできない。火災保険は「建物」や「家財」に対しての保険であり車は対象とならないのだ。
もし、車に被害がでてしまった場合は車両保険を利用する事ができる。ただし、車両保険は事故ごとに検証が行われるため、カーポートが壊れた原因が手抜き工事だと対象にならない可能性がある。
悪徳業者に騙されない!保険を使う時の注意点と業者選び
火災保険を利用して修理する場合は、業者選びに注意してほしい。
「必ず保険が下りるので大丈夫ですよ」
こんな甘い言葉を使う業者には要注意だ。火災保険を理由にして契約を取ろうとする悪徳業者は多く、実際にトラブルも起きている。火災保険のトラブルは下記になる。
・保険が下りず解約すると言ったら多額の解約料を請求された
・保険が下りると言ったのに、保険が下りず自己負担で工事をした
・工事料金の前払いをしたが工事をしてくれない
・代理で申請すると言ったが、工事後に申請していない事が発覚
・保険を利用するために虚偽の報告をさせようとした
・保険内で工事をする予定だったのに追加工事が発生し費用が倍になった
【保険が下りず解約すると言ったら多額の解約料を請求された】
悪徳業者は「保険が使える」と甘い言葉を使って契約をとろうとする。業者にとっては保険が下りたとしても修理代金をもらう事ができるし、保険が下りず解約する場合は解約料を取ればいいと考えているのだ。大切なのは保険が下りる前に契約をしない事だ。
【保険が下りると言ったのに、保険が下りず自己負担で工事をした】
上記と同じように業者の言う「保険が下りる」というのはあまり信用してはいけない。保険が下りるか最終的に判断するのは保険会社であり工事業者ではないのだ。保険が下りるのが確定しない限りは、契約は避ける事だ。
【工事料金の前払いをしたが工事をしてくれない】
工事料金の支払いは分割で支払う場合もあるので一概に前払いが悪いとは言えないが、火災保険を利用する場合は保険が下りる前に工事代金を支払ってはいけない。保険は申請が通れば振り込まれるが、もし保険が下りないと自己負担で工事をしなければいけなくなる可能性がある。特に悪徳業者は工事代金の全額を前払いするように求めてくるので要注意だ。
【代理で申請すると言ったが、工事後に申請していない事が発覚】
火災保険の申請はいろいろと規定があったり、手続きがめんどうくさいと感じてしまったりするかもしれない。その手間を省くために業者任せにしてしまうとこのようなトラブルにあってしまう。まず、知っておいていただきたいのが火災保険は代理で申請ができず、必ず本人が申請を行うものだ。代理で申請すると言ってきた業者には工事を依頼しない事をおすすめする。
【保険を利用するために虚偽の報告をさせようとした】
火災保険を利用するために嘘の報告をさせて申請しようとする業者もいるので注意していただきたい。嘘が発覚すれば保険会社から指摘を受けたり、訴えられたりするケースがあるため、絶対に嘘の報告をしてはいけない。
【保険内で工事をする予定だったのに追加工事が発生し費用が倍になった】
リフォームや補修などは追加工事が発生しやすい業種だ。やむを得ず追加工事がでてしまう事もあるだろう。しかし、追加工事は優良業者と悪徳業者で発生の仕方が違う。
優良業者の場合は、予測される追加工事は契約前に伝えていたり、見積もりに含まれていたりする。若しくは、別見積もりで金額を提示している。そのため、追加工事が発生しても契約前で追加にかかる費用が分かっているためトラブルは少ない。
悪徳業者の場合は、このような対応はしてくれない。起きるかもしれない追加工事を伝えないばかりか、契約がとりやすいようにあえて工事項目を減らし安く見積もりをだす事もある。
悪徳業者に騙されないように
・工事内容を詳しく聞く
・見積もりと工事内容が合っているか確認する
など注意して慎重に業者を選定する事が大切だ。
カーポートのメーカーと屋根の種類
カーポートを提供するメーカーは複数ある。メーカーによって特徴や形状も違うので、メーカーの名前を知っておくと製品選びの時に便利だ。ここではカーポートのメーカーや屋根パネルの種類についてお伝えしていく。
カーポートメーカー
カーポートは下記のメーカーがある。
・LIXIL
・YKKAP
・三協アルミ
・TAKASHO
・四国化成
カーポートを提供する有名なメーカーのため、新しく設置する場合は参考にしていただきたい。
屋根パネルの種類
メーカーが販売する屋根パネルには種類があり、メーカーによって呼び名や性能も異なる。
・ポリカーボネート板(標準)
・熱線吸収ポリカーボネート板
・熱線遮断ポリカーボネート板
・熱線遮断FRP板
屋根パネルによって紫外線のカット率や明るさの可視光線透過率などの性能が異なるため、設置する環境に合わせて選定するといいだろう。
また、カーポートには台風圧強度や耐積雪が記されている。耐積雪20cm相当など耐えられる積雪の強度が記されており、多雪区域にも対応ができるように耐積雪強度最大100cmと150cmのものもある。しかし、あくまでも数値の目安であり商品保証ではないので注意していただきたい。
カーポートの種類
カーポートには支持方式というものがあり、屋根を支える柱の位置が違う。支持方式の種類は下記になる。
・片支持タイプ
・両支持タイプ
・後方支持タイプ
【片支持タイプ】
限られた駐車スペースを最大限に活用ができるタイプだ。掘削面積も少ないため施工費も抑えられる。しかし、柱が片側にしかないため、積雪など屋根の負担は大きく、重量が限界を超えると屋根が倒れてしまったり、柱が折れ曲がってしまったりする被害がでる。
【両支持タイプ】
両支持タイプは柱が両側にあるため、片支持タイプよりも支持力がある。雪が多い地域では片支持タイプよりも両支持タイプを選ぶ事をおすすめする。
【後方支持タイプ】
後方支持タイプは柱が後方に設置された特殊な構造だ。前方に柱があると駐車する際に邪魔になるが、後方支持タイプなら柱が後ろ側にあるためスムーズに駐車ができる。
上記が各支持方式の特徴だ。支持方式の選び方の基準は、設置する地域の特性や設置する場所の広さ、車の台数など環境に適した条件を考慮して検討する事が大切だ。
最後に
カーポートの補修には多額の費用を必要とする場合が多い。しかしながら、台風に伴う強風や、積雪などの影響による破損や損傷があった場合、その復旧費用については火災保険金を活用して、場合によっては自己負担額ゼロで工事を行うことができるのだ。
こうした事実を知っているか、はたまた知らないかで、破損の程度によっては数十万円から数百万円の損得の差をもたらすことになる。言うまでもなく、こうしたノウハウは積極的に活用したほうが良いに決まっている。
火災保険金を活用した住宅改修のノウハウを豊富に保有している専門業者の場合、保険会社への事故報告の方法へのアドバイスから保険金請求に必要となる書類の作成代行に至るまで、トータルで依頼することが可能になる。最近、台風の影響によってカーポートが破損したり、損傷したりしたという方は、是非積極的にこうした業者を活用してほしい。
株式会社アーキバンク代表取締役/一級建築士
一級建築士としての経験を活かした収益物件開発、不動産投資家向けのコンサルティング事業、及びWEBサイトを複数運営。建築・不動産業界に新たな価値を提供する活動を行う。