【ゼロ円】雨樋修理、屋根リフォーム、雨漏り対策の「修復ラボ」

天井の雨漏り発生!4つの発生原因とDIY修理法を完全公開!

雨漏りが発生した時、まず天井からの水だれやシミが最初のサインになるはずだ。雨漏りの最も代表的イメージである「天井からの雨漏り」は被害が深刻になる場合が珍しくない。

内装や骨組みと言った建物に留まらず、家具や家電、パソコンなどの家財の被害、そして濡れて重くなった天井が落下して人を傷つける可能性すらある。

しかし建築のプロである一級建築士がお伝えする代表的な発生原因とその修理法を知って頂ければ、迅速な処置で被害を最小限に食い止めることが出来るだろう。

また記事の後半では火災保険で修理費の自己負担を抑える方法をご紹介しており、ぜひ活用して欲しい。

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天井雨漏り6つの損害

天井からの雨漏りは室内から見ると一点から滴り落ちるように感じるだろう。しかし、天井の裏側では、広範囲に渡り水が落ちていることが多く、そこから水が様々な所に回り込む。その結果建物の壁の中や部屋の内装、家財など様々な箇所に被害をもたらす。

しかも発生原因がすぐには突き止められないことも多く、雨漏りが長期間続いてしまうことで、被害が広がり、甚大な損害をもたらすことも珍しくない。

ここではその雨漏りの被害の種類を改めて見てみたいと思う。

クロス剥がれやシミ・ボード変形

まずクロスの被害が最も多い。天井からの雨水が、天井のクロスにシミやふやけを引き起こす。雨漏りの位置や量によっては、壁に影響が出ることもある。

厄介なのは、雨漏りの原因を特定し、防がなければ、修理を繰り返すことになることだ。費用もかかるし、気持ちのダメージも大きい。時間の経過とともにクロス表面に変色が現れたり、クロスの剥がれが発生したりすることもある。

また水に濡れるとクロス下の石膏ボードは水に弱い。雨漏りによってボードそのものが変形してしまう。乾燥しても、もろくなって交換が必要になる場合もある。

こういった場合は、石膏ボード本来の防火の機能も失われ、危険な状態と言えるだろう。

多くの場合は、クロスと併せてボードも交換となるため、予想以上の修理費になることも珍しくない。

天井そのものの落下

天井は上部から吊られている。

通常、天井の上に物を載せることはないため、天井裏に空間を設けながら、わずかな枠材で吊られているだけなのだ。その枠材や下地のボード、クロスが水を吸って重くなった場合、天井そのものが落下する可能性は十分にある。

それが人に当たれば大怪我にもつながりかねず、大きな問題になってしまうだろう。

和室の被害

和室の場合は、木材での仕上げが多く、壁も漆喰壁や京壁など左官仕上げの塗り壁の場合が多いだろう。

天井材はもちろん、柱や白木造作の敷居、鴨居、回り縁など和室の造作は、一度雨染みがついてしまうと取り除くのが非常に難しく、しかもかなり見栄えを悪くしてしまう。

無垢材ならカンナ掛けで表面を削ることで、ある程度まで解消できるが完全ではないし、集成材の白木造作の場合にはカンナ掛けは出来ない。

造作部材そのものを交換するとなると膨大な費用がかかるので、実質修復不可能と言って良い

また京壁は上塗りで補修できるが元の壁とは色がどうしても変わってしまうため、一室全面塗り替えになることが多く、クロス補修よりもかなり高額な修理費になってしまうだろう。

漆喰や京壁など塗り壁場合は、壁の中の下地に水が回り込んでしまうと、壁の中で腐食が怒ってしまうため、十分な確認が必要だ。

電気配線の被害・漏電

天井に雨水が漏れてきた場合、天井についているシーリング証明は真っ先に水による被害に合う。

室内側で雨水が確認できる前に、天井材で一旦せき止められている。その時、天井の照明器具の取り付け箇所には天井に穴があいているため、雨水はそこを通って直接照明器具へ降り掛かっていく。

また各部屋のスイッチやコンセントなどの電気配線は壁を上って天井裏へ回っており、上記の照明配線を含め、天井裏には多くの電気配線が張り巡らされている。

ここに多くの雨水が入り込めば、漏電の危険性が非常に高いのはおわかりであろう。

雨漏りが止まったと思えても、何度も漏電遮断器が作動する場合、雨水が天井裏に残っていることも考えられる。家電やパソコン関連の機器は故障の原因になるだろうし、万が一漏電遮断器が古く作動しなければ火災の危険性すらあるので注意が必要だ。

 

家具家電の被害

天井から雨漏りが発生するとその下にある室内の家具や家電にも降り掛かることになる。

また雨水が抜けずに部屋全体に溜まってしまうと足下からも染みていくだろう。

家具類は見苦しくなるばかりか変形すれば使えなくなる。また家電は大抵の場合故障していまい買い替えの被害額は非常に大きなものになってしまう。

またパソコンやその周辺機器は一度水に濡れてしまうと復旧することは難しく、大切なデータなどを失う事になれば金額以上の被害となることだろう。

 

カビの発生・見えない腐食やシロアリ

雨漏りは建物の内部を伝わって現れてくるので、隠れた部分に湿気が残ることになってしまう。

湿気が残っていると、天井や壁の内部、下地のボード、クロスなどにカビが発生してしまう。カビの発生は、そこに暮らす人々の健康に影響し。衛生上よろしくないことはお分かりと思う。

また、住宅にとって最も致命的なのが構造体内部の腐食やシロアリの発生だ。

内部に多くの湿気が残ったままだとカビだけでなく、木材など構造材の腐れやシロアリの食害、金物の錆などを発生させる恐れがある。これらは、建物の構造上重要な部位に起こり、部材の強度を弱くしてしまう。建物の寿命を縮めるばかりか、万が一の時の耐震性さえ失うことになるだろう。

十分な通気と換気で、壁の中や天井裏を乾燥させる必要があるが、費用も相当かかるのは想像通りだし、完全に乾燥させるのは難しい場合もある。

 

天井雨漏りの発生原因4つの代表的ポイント

天井からの雨漏り原因はその上の屋根だと思われがちだが、実はその犯人は多岐に渡る。

前述の通り雨水は様々な内部部材を伝わってくるので、発生原因が真上とは限らない。

そのため代表的な発生原因を知ることは、迅速な応急処置や予防にも役立つのでぜひ一通り確認しておいて欲しい。

 

天井雨漏りの原因① 最も多い屋根の損傷

やはり天井からの雨漏り発生原因のナンバーワンは屋根からの雨水だろう。

屋根は日頃から風雨や日光に晒され、最も過酷な状況にあるにもかかわらず、外壁のように間近で見ることが難しいため損傷の早期発見が難しいからだ。

また以下に挙げるように様々な部材で構成され接合部が多いため、自然にそれらの劣化による雨漏り原因も多くしてしまっている。

ここではその代表的な発生原因をご紹介しておこう。

 

瓦の割れやずれ・漆喰の亀裂や崩れ

屋根には瓦やスレートなどの屋根材が使われている。その下にはアスファルトルーフィングなどの防水層が敷き込まれ、下地材に支えられている。

屋根上の瓦など屋根材の割れやずれといった損傷があると、その見た目から雨漏りの原因と考えがちだが、実はその損傷自体が雨漏りを引き起こしている訳ではなく、その下の防水層や下地の損傷によって雨水が浸入するのだ。

しかも割れたりずれたりした瓦の真下の防水層が痛んでいるとは限らず、表面的な損傷を直したとしても雨漏りが改善されるとは限らない。

もちろん、瓦など屋根材の割れやずれといった損傷が、下地や防水層を損傷させる原因になるから、放置せずに対処するべきだ。

瓦の割れやずれ自体はDIYでも何とか可能な範囲だが、その下の損傷を探し当て修理するのは専門業者でないと難しいだろう。

写真は、面土漆喰と呼ばれる屋根の斜面が棟瓦下に当たる部分の半月状の漆喰だ。

このように、瓦の取り合い部分を埋めたり、補強したりするときに漆喰やモルタルが使われる。

漆喰自体は耐久性が高い材料ではなく、定期的なメンテナンスや塗り直しが必要だ。10年を過ぎた当たりから亀裂が発生するし、20年近くになれば劣化して崩れてくることもある。台風などの強風や地震などで割れることも珍しくない。

こういった漆喰などの亀裂や崩れから雨水が染み込むと、その亀裂や崩れが広がり、劣化も広がってしまう。小さなヒビでも毛細管現象が起きて、水を屋根の中に送り込んでしまうので、定期的なメンテナンスは必要なのだ。

その下の防水層が何かしらの原因で痛んでいれば、さらに下の屋根下地の継ぎ目から容易に雨漏りに繋がるだろう。

前述の通り定期的なメンテナンスや塗り直しが必要な部位であり、劣化は全体で同じように進むので、1カ所修理するのではなく、屋根全体の点検・修理を行ってしまう方が結果的には安く済むだろう。

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棟瓦や板金の損傷・谷樋のつまりや損傷

屋根の頂点の水平に伸びたラインが棟であり、本瓦なら棟瓦、スレートなら棟役物や板金が施工されている。

屋根の中でも高い位置にあり、水平の部分なので、ここに錆や割れなどがあると雨水が入り込みやすく、その下の防水層に経年などで損傷があれば雨漏りに繋がってしまう。

瓦屋根の場合、古い建物の場合、瓦は瓦桟という下地の引っかかりを利用しておいてあるが、新しい建物では台風などの強風や地震の揺れに対抗するために、金物で1枚1枚止め付けられていることもある。古い建物の棟瓦のずれ程度なら直せるかもしれないが、瓦が固定されている耐震施工になっている場合は、DIYで直すのは困難だろう。

板金もコーキング程度で補修できれば良いが、交換はDIYでは不可能なので、もし損傷を発見した場合は専門業者へ連絡をしよう。

屋根の斜面が合流している合わせ部分に、受けとして施工されている板金が谷樋だ。前述の棟とは違い、出っ張った山折りではなく、凹んだ谷折りになっている部分を谷と呼び、水が集まって来るので、その水を板金で受け、下方に流すように施工されているのだ。

ここにゴミなどが詰まりオーバーフローをすると瓦など屋根材の下に雨水が入り込む為、そこにある防水層が損傷などしていれば雨漏りに繋がっていく。

また最近の酸性雨は銅製の谷樋板金を腐食させ穴を空けてしまい、そこから雨水が浸入することもある。

外観上は細い板金に見えるのでDIYでの交換も出来そうに思えるが、両側は瓦の下に幅広く入り込んでいるので、交換のためには周辺の屋根材を剥がして施工し直すことになる。

DIYでは複数の人手と多くの時間を必要とし、途中で雨に降られれば更に被害を広げてしまうし、板金にピンホールができないように施工するのは難易度が非常に高いだろう。

ここは手早く的確に対処できる専門業者に頼むべきだ。

 

天窓

屋根上に明かり取り用で設置されているのが天窓、別名スカイライト、トップライトとも呼ばれる。

日常的に目に見えるのは室内側だけだから、接合部などの状況を把握しづらい。

風雨や紫外線の影響を最も受ける場所に設置されているため、構成されている部品やジョイントの痛みが早く雨水の浸入箇所になりやすい。

また枯葉などのゴミを外部の枠周りにせき止めてしまうため、滞留した雨水が板金や防水シートを乗り越えて入り込むケースもあり、施工業者間では良く知られた雨漏り犯人のひとつだ。

 

天井雨漏りの原因② 外壁周りから屋根裏や天井へ

天井からの雨漏りというと屋根やベランダが浸入口だと思いがちだが、外壁の損傷から雨水が浸入を伝って天井に現れる場合もある。

屋根やベランダの損傷を修理しても雨漏りが収まらない場合は疑ってみると良いだろう。また、台風など横殴りの雨が降った場合は、外壁からの浸入も多く見られる。

屋根と違い造りが入り組んでいないので候補となる箇所は限定的であり、知ってさえいれば比較的発見がしやすいだろう。

ただし場所が2階以上の高所の場合は細部まで確認することが難しいため、安全の意味でも専門業者に依頼する方が良いだろう。

 

サッシ周りのコーキング割れ

サッシの周りのコーキング割れから雨水が入り込み下の部屋に現れる場合もある。

特にサッシ上部の割れはサッシ枠が雨水を受け止め壁内への橋渡しをしやすい。

もし場所が2階以上の場合は高所作業となる上に、マンションなど集合住宅では別の住人の部屋となる場合もあるので、専門業者に依頼して早急に対応してもらうようにしよう。

 

外壁自体のひび割れ・ジョイント部のコーキング割れ

外壁は経年による劣化だけでなく地震や大型車両の頻繁な通行による揺れや振動、大規模な解体などが近隣であるとその振動で割れることもある。

表面だけのひび割れであれば、雨水が壁の中に入り込むことはない。深いヒビの場合は、注意が必要だ。ただし、近年の住宅などでは、外壁材の内側に通気層が設けられていることが多い。壁内の湿気を逃がすための数センチの空間をとる通気工法になっている場合は、ひび割れから雨水が浸入しても建物本体に直接かからないため、他の原因も視野に入れた方が良いだろう。

外壁のひび割れをチェックする場合は建物の外壁内がどういった構造になっているか、施工会社や管理会社に確認しておくと良いだろう。

サイディングなど外壁パネル板間のジョイントコーキングがひび割れていると雨漏りに繋がらないか心配になるが、前述の通気工法がとられているかどうかでその可能性は違ってくる。

ただし外壁パネルは胴縁を挟んで建物本体へ固定してあり、レアケースではあるが、ジョイント部分から雨水が浸入すると、固定した金物部分から伝わって建物内へ浸水することもある。

何れにしても、外壁内に水が入るような現象は、放っておくべきではないので、割れが深いようなら早めにコーキング補修を行おう。

 

天井雨漏りの原因③ 量が多いベランダからの雨漏り

建物の上階にあるベランダは屋根と並んで雨漏り原因の常習犯だ。

しかもベランダはその洗面器のような形状から雨を集めやすくなっており、他の発生原因よりも大量の雨水を建物内部へ送り込むことで甚大な被害を与えることになる。

バルコニーの下に部屋がある場合には、特に被害が大きくなりがちだから注意が必要だ。

しかしバルコニーは、屋根や外壁と違って、日常的に人が入れる箇所だから、安全に対処できるし、損傷を探しやすい。損傷が軽ければDIYもしやすいと言えるだろう。

 

防水層の割れ

建物の上階にあるベランダは屋根と並んで雨漏り原因の常習犯だ。

しかもベランダはその洗面器のような形状から雨を集めやすくなっており、他の発生原因よりも大量の雨水を建物内部へ送り込むことで甚大な被害を与えることになる。

バルコニーの下に部屋がある場合には、特に被害が大きくなりがちだから注意が必要だ。

しかしバルコニーは、屋根や外壁と違って、日常的に人が入れる箇所だから、安全に対処できるし、損傷を探しやすい。損傷が軽ければDIYもしやすいと言えるだろう。

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排水管の詰まり・配管からの水漏れ

ベランダの雨漏り原因で修理が最も困難なのが、配水管の詰まりによって雨水が逆流や溜まりを起こしてしまい、劣化したジョイントから建物内に漏るものだ。

排水口付近のゴミ詰まりを取り除いて直れば良いが、先の方の建物内部で詰まっていると場所を探したり解消したりするが難しくなり、室内の配管部分から水漏れが発生する恐れもある。

下手に高圧洗浄器で押し出そうとすると、漏れているジョイントから更に水漏れをさせてしまうことになる。

もし発生した場合は被害が広がる前に専門業者へ連絡をして早急に対処してもらおう。

 

笠木・手すりのコーキングの割れ

ベランダ周りを囲む腰高の壁の上に被せてあるスチール製などのカバーが笠木だ。壁の上部をカバーするための部材だ。

ここに手すりがあればそのジョイントや、笠木と壁との取り合い部分にあるコーキングが使われている。このコーキングも割れると雨水が浸入し、その下地を越えて階下の雨漏りに繋がりやすい。

笠木のコーキングの割れは、見つけやすくコーキングも打ちやすいので応急処置は楽なのだが、心配なのは建物の壁や天井裏内部の腐食や錆だ。

雨漏りは止められたとしても内部で腐食などの損傷が発生していれば、後々その腰壁や床下が崩れることがあるかもしれず、大変危険なので必ず専門業者に点検を依頼して欲しい。

 

天井雨漏りの原因④ マンション上階からの水漏れ

まずマンションなど集合住宅の雨漏りの代表的な発生原因を挙げてみよう。

・上階のバルコニーの防水層の損傷

・屋上の防水層の損傷

・窓周りを含む外壁の損傷

雨漏りの発生部分が共有部分であれば、管理組合や管理会社が加入する保険によって修理が補償されるケースが多い。

雨漏りが発生した際は速やかに管理組合か管理会社へ連絡し対処してもらおう。

もどかしいところだが保険利用となるのでバケツや雑巾などで応急処置を行い、修理手配や原因究明は相手に任せた方が良いだろう。

ただしバルコニーや窓周りは基本的には共有部分なのだが、マンションの規約で管理責任はその部屋の所有者としている所も多く、発生原因がここにあると被害が賠償されるかは相手方次第になってくる。

これは上階の部屋の専有部分で起こった水漏れの被害も同様で、住人や所有者が個人賠償責任保険などに加入していないと賠償を拒否される場合もある。

いずれにしても雨漏りが初期のうちに対処しておくことが、修理や賠償をスムーズにすることにも繋がるので、それらしき染みや水滴のあとを見つけたら、すぐに管理組合や管理会社に連絡をし、早急に対応してもらおう。

 

自分でできる応急処置/DIYの注意点

雨漏りが発生すれば至急応急処置を施さなければならず、DIYで可能ならスピーディーに低コストで対応できるだろう。

しかしDIYには大きなリスクあることを知った上で行うようにして頂きたい。安く済むからと安易に行ってしまうと、損傷が広がり、逆に高くついてしまうこともある。

皆さんに知っておいて頂きたいのは、あくまでDIYは応急処置に過ぎず、完全な修繕が終わったとは言えないということだ。

どんな雨漏りも表面的な傷口以外に建物内部の損傷の可能性が潜んでおり、隠れた部分に湿気が残ってしまえば腐食や錆、シロアリの発生の危険性がある。

それらは時間をかけてゆっくりと静かに建物を蝕み、気付かれないうちに建物に深刻な被害を与える。

こうした建物の奥深くで生まれる被害の種はプロでないと発見することは難しい。

DIYで雨漏りが止まっても必ず専門業者に調査を依頼し、建物内部に損傷やその兆しが無いかを確かめてもらおう。

安全で確実に行える場所を、DIY注意点を守った上で修理すれば、被害を最小限に食い止めることが出来る。

以下でそのポイントを詳しくお伝えしたい。

 

最も重要な「安全」面

まず最も注意しなければならないのが安全の確保だ。

ここまで説明してきた通り、天井からの雨漏りの原因は、高所にある場合が多い。特に屋根上や上階の外壁、窓周りに体を乗り出して行うのは大きな危険を伴う。

必ずヘルメットを着用のうえ滑りにくい靴を履き、足下が乾いていて風が吹いていない日に行って欲しい。

一方、2階以上の屋根上や傾斜のきつい屋根上、窓周りの作業は非常に危険なのでDIYは控えて頂きたい。

多少の金額を浮かせるために自らを危険にさらすのは全くの論外である。

安全に十分な注意をしていただいた上で、自分でできる応急処置の例を紹介していこう。

 

応用箇所が多いコーキング

コーキングは比較的DIYしやすい補修の代表格で、今回解説している中では以下の雨漏り発生原因で行うことができる。

・窓周り

・外壁のジョイントやひび割れ

・バルコニー笠木のジョイント

他にも施工可能な場所は多く、使えるようになっておくと利用する場面の多い補修技術だ。

以下にその道具と手順を挙げておく。

①マスキングテープで養生

コーキング剤が施工箇所の周辺に付着しないようにマスキングテープで養生する。

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②プライマーで下地処理

コーキングの付きを良くするプライマーを施工する断面に塗る。

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③コーキングを塗る

コーキングガンを使い、厚みを10mm確保できるよう多めに盛る。

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コーキングガン

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④ヘラで形を整える

ヘラで盛り上がりを取り除きながら丁寧に慣らしていく。

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コーキングを行う上で大切なのは十分に時間を取ることだ。

時間に押されて工程を省いたり慌てて仕上げしたりすると、見た目が汚くなったりすぐに取れてしまったりするので注意して頂きたい。

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瓦の割れずれ直し

瓦の割れやずれは周りの瓦に介ものをして浮かせ、交換が可能であり、ズレも調整することができる。安全が確保できれば比較的やりやすいDIYだ。

しかし瓦以外のスレート葺などの場合は、釘などの金物で固定されているため、専門の業者に相談したほうがいいだろう。

また、築年数の新しい建物で耐震施工により瓦が一枚ずつ固定されていると、急に難易度がアップするので注意しよう。耐震施工の場合は瓦を修復するのは専門業者でないと難しい。

まずは施工会社に耐震施工になっているかなど、屋根材の固定の状況を事前に確認してから取りかかると良いだろう。

 

ベランダ防水層の補修

ベランダのトップコート下にある防水層の割れは、範囲が限定的なら補修を行うことは可能だ。

小さければ防水パテなどを塗布することで損傷を塞ぐ事ができるし、ウレタン塗装やFRP、シート防水など防水層に合わせたDIYセットも一般的に売られているので準備もしやすい。

ただし被害の範囲が広いようだとDIYでは時間が非常にかかる上に、材料費も小分けのものを多数買うことになり、逆に高く付いてしまうこともある。

内部被害も同程度に広い可能性もあるので、この場合は専門業者へ依頼する方が良いだろう。

 

専門業者に依頼した場合の費用相場とワンポイントアドバイス

ここでは専門業者に補修してもらった際の費用相場をお伝えする。

DIYはもちろんコストダウンには有効な手段だが、一方で安心で確実なプロの仕事という選択肢もある。

費用が無理の無い範囲であればぜひ検討してみてはいかがだろうか。

・屋根周り

補修内容 費用相場 ワンポイントアドバイス
瓦浮きずれ補修 3〜5万円 屋根全体の点検も併せて依頼するようにしよう
瓦交換 5〜10万円 瓦が固定されている耐震施工の場合
漆喰打ち直し(全箇所) 30〜50万円 部分補修をしてもすぐに他も割れる可能性が高いので全箇所補修がお勧め
棟瓦補修 10〜30万円 上記の漆喰打ち直しも一緒に行ってもらうとトータルコストは抑えられる
屋根周り板金補修 5〜20万円 棟下の防水層や下地を点検してもらい必要であれば補修も依頼する
谷樋部分補修 3〜5万円 銅製の谷樋で痛みが全体的に見られるようなら、葺き替えをしてもらおう
谷樋葺き替え(1カ所) 10〜20万円 必ず周辺の瓦下の防水層を点検してもらおう

・外壁周り

外壁割れ補修 2〜3万円 補修場所が高所なら部分足場が必要になる場合がある
板間コーキング補修 5〜10万円 上塗り塗装は元々の色と変わってしまう タイミングが合えば全塗装も検討しよう
サッシ周りコーキング補修 5〜10万円 発生原因以外のサッシも痛んでいることが考えられるので全体を補修してもらおう
コーキング外壁全面打ち替え 30万円〜 損傷が出る度に部分補修をするより、全箇所を一度で直してしまった方が安上がりだ

・ベランダ周り

ベランダ防水補修(トップコート全面塗装含む) 10〜20万円 損傷が小さくても複数あるようなら、全面を塗りかてしまった方が安心だ
コーキング部分補修(笠木周りなど) 3〜5万円 費用は追加になるかもしれないが、内部を確認する為に笠木を外してもらうと良いだろう
排水口詰まり(内部配管詰まりの場合) 20万円〜 詰まりの場所によるが修理に時間がかかったり高額になるケースもある

火災保険を利用して費用の自己負担を抑える

雨漏りが発生するとその修理費用は家計にとっては大きな負担となるだろう。

そこで検討したいのがその修理費用を火災保険で補償するという方法だ。

火災保険で雨漏りを補償と言うと結びつかない方も多いと思うが、保険の契約内容によっては補修費用の自己負担額を減らせる可能性があるのだ。

ここではどのようなケースが補償の対象となるのか、また実際の手続きの手順やどういた点に注意して利用したら良いのか、ポイントをお伝えしたい。

 

どのような被害が保険で補償されるのか

自然災害による被害を補償する特約が火災保険に付いていれば、雨漏りの修理費用が火災保険で補償になる可能性がある。

台風や竜巻、雪や雹などの自然災害で建物が損傷を受け雨漏りが発生した、と保険会社に認められれば対象になる。

ぜひ保険証券や契約時の書類を確認し、不明な場合は直接保険会社に問い合わせをして欲しい。

ただし実際には外壁が自然災害で損傷するケースは少なく、火災保険で補償になる自然災害の損傷は屋根の方が多いことはご承知頂きたい。

どこに雨漏りの発生原因があるかは保険で補償をしてもらう際に重要な点なので、まずは経験豊富な専門業者に調査を行ってもらい、確実にその原因を解明することが先決だ

雨漏りが起きている時、その後原因を調査している時には、しっかり写真を撮っておくと保険会社への説明に役立つはずだ。

 

保険申請の具体的手順と補償のための重要ポイント

まず、保険申請の具体的な手順を紹介しておこう。

1.保険会社へ連絡し保険を利用することを伝え、申請に必要な書類を送ってもらう。

2.申請書類と状況報告書を作成し、修理の見積書を添えて保険会社に送る。

3.保険会社から派遣される損害鑑定人に損傷箇所や被害の状況などを確認してもらう。

4.状況報告書や鑑定人の報告をもとに保険会社が審査を行なう。

5.審査が承認されると補償額が決定し工事に着手することができる。

保険によって修理費用を補償してもらう上で重要なポイントは、自然災害による損傷が原因で雨漏りが発生したことを確実に伝えることだ。

しかしこれは不慣れな人間が行うと非常に手間がかかり、しかも専門的な知識が無いと確実に伝えるのは難しい。

ここは申請の実績が豊富な専門業者に、見積り作成も含めて依頼する方が、間違いが無いだろう。

ただし業者の中には保険の申請に不慣れなところもあり、せっかく保険で補償される被害なのに申請の不手際で承認されないこともあるので、火災保険申請の実績がある工事会社に依頼するよう注意して欲しい。

 

まとめ

天井からの雨漏りは内装や構造体だけでなく周囲の家具や家電など、想像以上に広い範囲に被害を及ぼす。

また天井落下で人に怪我などを負わせ、建物の被害だけで済まない可能性もある。

しかしその代表的な発生原因を知ることで原因究明を素早く行い、応急処置や専門業者の手配が迅速に行え、被害の拡大を防ぐことができるのだ。

また火災保険を賢く活用できれば、修理費用の自己負担割合を最小限に抑えられる可能性もあるから保険の内容はしっかり確認してほしい。出費が少なく済むなら無理をしてDIYを行わず、安心で確実な専門業者の修理を初めから依頼するのも良いだろう。

ぜひ大切な住まいを雨漏り被害から守るために今回の知識を生かして欲しい。

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